久しぶりにカルロス・ゴーン氏の名前が出てきたと思ったら、今回は、現職の文化大臣ラシダ・ダティと共に、名前が並んでおり、彼らはこれまでも数々の控訴案件を抱え、カルロス・ゴーンに至っては、すでに複数の逮捕状も出ているため、今回は、どちらかといえば、現職文化大臣の裁判ということで大きく取りあげられています。
パリ捜査判事は、カルロス・ゴーン事件でルノー元会長とともに文化大臣を法廷に送致することを命じたと発表しています。彼女はコンサルタント業務を装って、欧州議会にロビー活動を行うために、ルノー・日産から報酬を受け取っていたと嫌疑がかけられています。
全ては、2018年11月に東京でルノー・日産の元会長カルロス・ゴーン氏が金融商品取引法違反の容疑で逮捕されたことから始まっています。オランダに拠点を置くルノー・日産連合は、フランスの外部コンサルタントへの過去の支払いを調査し始め、独立監査を開始。
2019年に国家金融検察庁(PNF)が「企業資産の不正使用」と「汚職」の容疑で捜査を開始するとともに、司法捜査が開始されています。
パリの裁判官らは、2009年10月28日にラシダ・ダディとルノー・日産連合の子会社のRNBVの間で締結された契約に着目、捜査によると、当時、弁護士で欧州議会議員だったラシダ・ダディ(現文化大臣)が2010年から2012年の間に、実際には提供していないコンサルティングサービスの報酬として、90万ユーロを完全に秘密裡に、しかも完全に不透明な状態で受け取った疑いがあると見ています。
国家金融検察庁(PNF)は、2024年11月に提出した起訴状の中で、「この契約は、あからさまな不正協定の法的仮面であった」と述べており、「実施された多数の調査では、ダディ氏が提供した法的助言に関するサービスの存在と現実性を示す証拠は、物的証拠(報告書、電子メール、メモ等)であれ、証言証拠(聴聞会、証明書)であれ、ほとんど確認されなかった」と金融検察官と金融判事が署名した134ページの文書には、記されています。
AFPの取材による司法関係者によれば、この件に関する第一回公判は9月29日で、ここで裁判の日程が決定されると言われています。
レバノンに逃亡中のカルロス・ゴーン氏はともかく、ラシダ・ダディ氏に関しては、彼女の弁護士は、この命令に対して控訴の意向を示していますが、とはいえ、現職の大臣の大スキャンダル。マクロン大統領の側近は、「彼女は、政府の仕事を続ける」と述べているそうですが、これは、裁判の結果が出るまでは・・ということなのでしょうか?
この嫌疑の真偽はわからないとしても、一体、カルロス・ゴーン氏は、どれだけ日産・ルノーのお金をばらまいていたのかと思うと本当にあきれ返るばかりです。
カルロス・ゴーン 文化大臣
<関連記事>
「フランス税務当局、カルロス・ゴーンに追徴課税金と財産差し押さえ」