2025年7月23日水曜日

現職文化大臣とカルロス・ゴーン 汚職の罪で裁判へ

  


 久しぶりにカルロス・ゴーン氏の名前が出てきたと思ったら、今回は、現職の文化大臣ラシダ・ダティと共に、名前が並んでおり、彼らはこれまでも数々の控訴案件を抱え、カルロス・ゴーンに至っては、すでに複数の逮捕状も出ているため、今回は、どちらかといえば、現職文化大臣の裁判ということで大きく取りあげられています。

 パリ捜査判事は、カルロス・ゴーン事件でルノー元会長とともに文化大臣を法廷に送致することを命じたと発表しています。彼女はコンサルタント業務を装って、欧州議会にロビー活動を行うために、ルノー・日産から報酬を受け取っていたと嫌疑がかけられています。

 全ては、2018年11月に東京でルノー・日産の元会長カルロス・ゴーン氏が金融商品取引法違反の容疑で逮捕されたことから始まっています。オランダに拠点を置くルノー・日産連合は、フランスの外部コンサルタントへの過去の支払いを調査し始め、独立監査を開始。

 2019年に国家金融検察庁(PNF)が「企業資産の不正使用」と「汚職」の容疑で捜査を開始するとともに、司法捜査が開始されています。

 パリの裁判官らは、2009年10月28日にラシダ・ダディとルノー・日産連合の子会社のRNBVの間で締結された契約に着目、捜査によると、当時、弁護士で欧州議会議員だったラシダ・ダディ(現文化大臣)が2010年から2012年の間に、実際には提供していないコンサルティングサービスの報酬として、90万ユーロを完全に秘密裡に、しかも完全に不透明な状態で受け取った疑いがあると見ています。

 国家金融検察庁(PNF)は、2024年11月に提出した起訴状の中で、「この契約は、あからさまな不正協定の法的仮面であった」と述べており、「実施された多数の調査では、ダディ氏が提供した法的助言に関するサービスの存在と現実性を示す証拠は、物的証拠(報告書、電子メール、メモ等)であれ、証言証拠(聴聞会、証明書)であれ、ほとんど確認されなかった」と金融検察官と金融判事が署名した134ページの文書には、記されています。

 AFPの取材による司法関係者によれば、この件に関する第一回公判は9月29日で、ここで裁判の日程が決定されると言われています。

 レバノンに逃亡中のカルロス・ゴーン氏はともかく、ラシダ・ダディ氏に関しては、彼女の弁護士は、この命令に対して控訴の意向を示していますが、とはいえ、現職の大臣の大スキャンダル。マクロン大統領の側近は、「彼女は、政府の仕事を続ける」と述べているそうですが、これは、裁判の結果が出るまでは・・ということなのでしょうか?

 この嫌疑の真偽はわからないとしても、一体、カルロス・ゴーン氏は、どれだけ日産・ルノーのお金をばらまいていたのかと思うと本当にあきれ返るばかりです。


カルロス・ゴーン 文化大臣


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2025年7月22日火曜日

正直言って、フランス語は好きじゃないのだ・・

  


 人には、相性が悪いとか、どうも苦手な人とか、ものとかがありますが、私にとって、大変、不幸なことに、フランス語がそのひとつです。

 私は、小さい頃から、母がとにかく英語が好きな人で、子どもにも英語を教えようと私にほとんど物心がつく前から、英語教育をしてきてくれました。これは、母には、とても感謝していることで、おかげさまで、英語に対しては、苦手意識を持つことなく、無理なく英語に触れながら、育ちました。

 今では、日本でも小学校から英語の授業があったり、英語教育が進化してきたようですが、当時は小学生で英語を習っている子どもはそんなに多くはなかったと思います。

 言語というものは、小さい頃に始めることで、その吸収力というのは計り知れないもので、子どもの頃だと、無理なく身につくものだと思います。

 フランスで育った娘にとって、日本語を教えることは、私にとっては、特命課題だと思って、とにかく一生懸命に取り組んできましたが、今では日本で仕事をして生活をしている娘、それなりに日本語の勉強はさせてきましたが、基本的な会話や耳から入る日本語に関しては、そんなに無理して覚えた感覚は、ないと思います。

 私の話に戻ると、それでも日本で学校に行っていれば、少なくとも中学、高校、大学と英語の授業はあり、いわゆる外来語といわれる日本語の中にも多くの英語が混ざっていて、単語だけでも、かなりの量なはずなのです。

 多くの人が少なくとも英語くらいは・・と思っていると思うのですが、世の中には、何か国語も自由に操る人というものもいるものです。私も英語以外に何かできたらな・・と思うこともあって、一時は、フラメンコを習い始めたときに、スペイン語を始めたことがありました。スペイン語は、音的にも比較的ローマ字読みが多い印象で、そこまで苦手意識は持ちませんでしたが、結局のところは、否応なしにフランス語を始めなくてはならなくなって、断念してしまいました。

 他言語習得を考えるとき、私にとっては、ずっと昔から「フランス語」は問題外で、まず、音が好きじゃない・・発音が難しいし、なにやら記号がいっぱいあって、ややっこしい・・とフランス語だけは絶対に嫌だ!と思ってきました。

 ところが夫と出会って、生活を始めるにあたって、これはフランス語ができなければ、どうにもならない・・と悟り、その時点で(当時はアフリカでしたが・・)、大学に通い、1からフランス語を始めることになりました。

 もう30歳を過ぎていたし、はじめは、発音から、アルファベットを連想できないために、わからない単語を辞書で引くのも一苦労。フランス語というものは、発音しないアルファベットというものが多いのです。

 今では、なんとか日常生活には困らない程度にはなっていますが、いつまでも苦手意識は消えず、決して好きな言語ではありません。

 もうフランスで生活して長くなりますが、途中、何度か、ちゃんと勉強しなおそうと思い、実際に何度もとりかかったこともあるのですが、これが続かない・・というか、どうにも効率が悪く、どうしても受け付けないアレルギーみたいな感じです。

 本当はフランスにこれだけ長くいるのだから、もう完璧!といえるほどでありたいのですが、好きこそものの上手なれ・・ではありませんが、好きじゃないものには、ムダな抵抗はやめたのです。


フランス語 


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2025年7月21日月曜日

今年はプールがなぜか激混み

  


 私は、少しでも健康を維持するために、できるだけ運動をするように心がけてはいるものの、6月末から7月にかけての猛暑で、この暑さの中では、無理して動くことは、ちょっと危険な気がしたり、また、その後、原因不明の腰の激痛に襲われてから、しばらく、もう座っているだけでも痛みがズ~ンと響いてくる感じだったり、ロクに歩けない日々が続いたりもして、ここのところ、ちょっと運動するのも怖くなってしまっています。

 そんな中で、かろうじて、なんとか、せめて1週間に1日でもいいから、プールに行って泳ごうと、水泳だけは続けています。水泳ならば、暑くてもOK、腰にも負担がかからず、全身運動になるので、とりたてて、どこかが痛くなるとか、そういうこともないのです。

 夏に限らず、私は一年を通して、週1で泳ぎには行っているのですが、ここのところ、市民プールがいつ行っても、激混みで、参っています。

 以前は、ジムに入っていて、そこにプールがあったので、ジムにあるプールに行っていたのですが、パンデミック後にそのジムは、潰れてしまい、代わりにといったら、何なのですが、ずっと改装中だった市民プールがようやくオープンしてきれいになったので、最近は、そのプールに通っています。

 今のところ、予定表によれば、夏休みの間も閉めないようなので、「ヤレヤレ、今年は、ようやく夏休みでも休まないプールになったんだ・・」と思っていますが、まだ、全面的に信用はしていません。

 昨年のパリ・オリンピックでは、フランスの水泳選手レオン・マルシャンがいくつも金メダルを獲得したせいか、大いにフランスでは盛り上がり、水泳をやる子どもが増えた!とも言われていましたが、子どもだけでなく、今年のプールを見ていると、全般的に水泳人口が増えたのでは・・?と思わせられます。

 少なくとも、昨年の7月には、こんなにプールは混んでいなかったのに・・と思います。今年は、夏の初めが暑かったというのも理由のひとつかもしれませんが、なんだか、イモ洗い状態な感じ・・市民プールなので、大きな競技用のプールと子ども用のそれよりも少し小さめなプールがあるだけなのですが、大きなプールの方はコースロープが張られていて、皆、ひたすら泳いでいるという感じ。

 1コース7~8人いたりするのですが、それが、皆、自由気ままなので、スピードもマチマチなだけでなく、中には、足にフィンをつけたりしている人もいれば、ビート板を持ってバタバタしている人もいて、皆、それぞれが自由なところは、フランスらしいな・・とも思いつつも、泳ぎにくいことこのうえありません。

 私は、ひたすら、ただ1km泳いで帰ってくるのですが、約30分間、狭いコースの中を追い越されたり、追い越したりしながら泳ぎます。

 いつもは、自分がノルマに課している1kmを泳ぎ終わったら、しばらく、小さいプールの方に行って、ストレッチをしたり、ただ、ボーッと浮いて、身体をほぐすのですが、ちょっと最近は、あまりに混雑していて、   1秒でも早く、外に出たくなってしまっています。

 30分間とはいえ、ただただ、ひたすら泳ぐのは、たいくつといえば、たいくつで、途中で疲れるというよりは、飽きてしまうのですが、あと100m、あと50m・・とひたすら数えながら、泳いでいます。

 行くまでは、いつもとっても億劫なのですが、帰り道は、なんか身体がほぐれて、身体も気持ちよく、一応、ノルマの運動したぞ!という満足感にひたりながら、やっぱり来てよかった!と思います。

 例年ならば、8月に入れば、バカンスにでかけてパリの人口は減ってくれるので、少しはプールも空いてくれるのではないか?と期待しているのですが、最悪、やっぱり閉めます・・というのもあり得ないこともありません。

 とにかく、常に疑ってかかっている・・基本、信用していないのです。

 そうそう、そういえば、今年は夏休みに閉めないと言っていますが、昼休みは閉めるのです。なんか、もう慣れてしまっているので、当然のように思ってきましたが、今どき、昼休みに閉めちゃうって、それも本当はなしですよね・・。


フランスの市民プール


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2025年7月20日日曜日

今ごろ、ロックダウン?の報道に驚いて調べてみたら・・組織間の超暴力闘争らしい・・

  


 昨夜、ニュースをなんとなく見ていたら、「ニームでロックダウン!」という話が聞こえてきて、私としては、ロックダウン=パンデミック・・のイメージが抜けておらずに、「えっ?なんで今ごろ?」と思ってしまったのです。

 ところが・・というか、これは、簡単に言えば、極端な治安の悪化のための、未成年者に対しての、夜間外出禁止令がだされたということでした。

 未成年者対象とはいえ、この夏のバカンスシーズンに夜間外出禁止令が発令されているニーム(Nimes)(フランス南部ガール県の県庁所在地)では、ここ数ヶ月、ニームの4つの地区では、脅迫、報復、銃撃、さらには、殺人事件が増加しており、特に、ここ14日間で8回の銃撃事件が起こっています。

 単なる軽犯罪や事故が増加というのとは違って、襲撃事件、殺人事件が増加というのですから、恐ろしい話です。

 これは、麻薬密売に関わるギャング間のさまざまな人身売買行為を統制するための超暴力的な闘争であり、勢力争いと見られていますが、その方法などがかなり残酷で、このそれぞれの勢力が自分たちの力を誇示し、相手を震え上がらせることを目的としているために、隠すどころか、殺人の次第をSNSに載せたりしているところが、想像を超えるところです。

 このうちの最も残酷なものは、7月15日に起こった殺人事件で、被害者の19歳の男性が、拉致された後、全身を縛り上げられたあとに、頭部を1発目として3発の銃撃を受け、その後、加害者たちは、遺体にガソリンをかけ、火をつけました。

 この様子は、撮影されており、その後、すぐにSNSで公開されていて、被害者の苦痛と、その後の身体の焼け具合を映し出すこの映像は9秒程度のものだそうです。

 被害者はニーム南部の出身のかろうじて成人したばかりの若者で、炭鉱労働者であると同時に麻薬密売人でもあり、家族ともども、何日もSNS上で脅迫を受け続けていたと報じられています。

 彼の焼け焦げた遺体は、サンベネゼの低木地帯で散歩をしていた人に発見されたそうですが、散歩をしていて、とんでもないものを見つけてしまったこの発見者は、ちょっと立ち直れないくらいの衝撃を受けたことでしょう。

 この殺人事件は、もっとも残忍な事件ですが、この他にもバルデグール地区で、自動小銃による襲撃事件で6人が負傷、うち1人が重症、また、ジョルジュサンドショッピングモールで複数の店舗が銃撃を受け、少なくとも、11回の警察との衝突がありました。

 このようなかたちで、ほぼ毎日が襲撃事件というこの地域、これでは、無関係の人が巻き込まれる危険も当然あるわけです。

 また、このような銃撃の実動を請け負っているのは、未成年者だったりすることも珍しくはない話で、本物の黒幕は、表には出てこないのです。

 これらの事件は、ガール県とエロー県の国家警察の合同局組織犯罪課が委託を受けて捜査が続いているようです。

 この事件のひとつひとつを見ていると、まるでホラー映画か質の悪いバイオレンス映画のようで、「これ?どこの話よ!」などと思うのですが、私の住んでいるフランスの話なのです。

 そこへ行くと、逆に現在のパリは、観光客もいっぱいで、警察官もいっぱいで、ずっと平和な気がしてきました。


ニーム ロックダウン


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2025年7月19日土曜日

フランスの公的書類手続きへのグチ

  


 私がフランスでの生活で、最も嫌いなことの恐らくベスト3に入ると思われるのは、公的書類の手続きなのですが、これは、オンライン化がかなり進んで、税金の書類などは、以前に比べると、格段にラクになりました。

 まあ、大嫌いといっても、そうそう頻繁にあるものではないのですが、まあ、フランスに住んでいる人なら、きっと誰もが嫌な思いをしたことがあると思われる滞在許可証(ビザ)の更新手続きなどは、この中でも最たるもののひとつです。

 あれは、日常生活では、ほぼほぼ差別されている感を受けない私でも、あのお役所の滞在許可証更新手続きの、あの場からして、なんとも言えない、いや~な雰囲気で、とにかく、もう扱いが雑だし、どこか見下されている感じを受けるし、おまけに、なかなか手続きが進まないのを案じて、連絡を取りたくても、一度、書類を出してしまえば、その後はひたすら、先方からの連絡を待つしかないのには、本当に悲鳴をあげたくなります。

 前回、私の滞在許可証の更新手続きは、少し前にパンデミックのためにロックダウンしていたこともあり、その間に滞った書類が山積みになっていた模様で、とうとうその時点で有効だったビザの有効期限が切れてしまっても、一向に音沙汰なしで、「これって?私、不法滞在者じゃん!そんなことあり得ない!」と、あちこちに相談して、弁護士を探して、書類を揃えて、もう明日には、その書類を出しに行こうと思っていたところ、まるで何事もなかったように、あなたの滞在許可証できています・・という連絡が来て、もうホッとするやら、今まで何だったの?と頭にくるわ・・でホトホト疲れ果てました。

 これは、私の場合は10年に1回なので、次の更新手続きまでには、まだ少し時間がありますが、また、同じことが繰り返されるくらいだったら、その前に死んでもいい・・と思うくらいです。

 また、これは、もう2度とない手続きですが、夫が亡くなった後の手続き・・これがもう恐ろしく大変で、精神的にも肉体的にも疲弊して、娘との2人だけの生活もまだ軌道に乗っていなかった頃・・お役所に書類を提出に行くと、「じゃあ、次はこれ持ってきて・・」と、もうお役所がやっている時間に出しに行くだけでも仕事と子どもの送り迎えなどの日程の調整が大変なのに、「もう、一度にまとめて言ってよ!」とどれだけ思ったか知れません。

 まあ、そういうものなのだから、淡々とこなしていくしかないのですが、本当にウンザリしました。また、この件にこんな書類までいるの?と思う書類まで要求されます。(たとえば、夫の死亡手続きに夫の両親の出生証明書・・)

 今回、久々に、いつもはやらない公的手続きを続行中なのですが、現在は、ネットで行えるようになっているものの、それがまた、便利な面もあるのですが、直接質問できないという不便さというか、心もとなさもあります。

 これまた、あ~やっとこれ出した!と思って送ると、次は、これを提出してください・・と来るのがここ1ヶ月くらい続いています。

 私は、本当にデジタル世代とはほど遠いので、もうそれがネットでというだけで、ちょっと不安なところもあるし、やっぱり直接、人に会って、質問したりできないことは、大変なストレスです。

 フランスは、比較的、この手の手続きが電子化されているのですが、私なんかより年配の方々は、どうしているんだろうか?とシンプルに思いますが、フランスは、それで回っているのですから、すごいことです。

 もういい加減、終わってくれないと、なんだかスッキリしないのです。早く、わ~これで夏休み!といった気持ちになれる日をひたすら待っている今日この頃なのです。


フランスの公的書類手続き


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2025年7月18日金曜日

国際結婚は難しいのか?

  


 私が目にしているSNS上の論争は、ごくごく一部のものだと思うのですが、「国際結婚は難しい・・」という話題を見かけて、「ん~??それって国際結婚だからなの?」と感じたので、そのことについて、少し、考えてみたいと思います。

 そもそも結婚自体、大変なことで、同じ日本人同士でさえも、育った環境も違えば、生い立ちも、習慣も違う2人が一緒に生活していくということは、容易なことではありません。

 そんな二人が子どもを持って、新たな家庭を築いていくのは、容易いことなわけがありません。

 そのうえ、国も文化も宗教も異なる国際結婚となれば、よりハードルが上がるのは、当然のことかもしれません。

 私の場合、夫とは、死別しているので、一緒に生活を始めてからせいぜい12年くらいのつきあいでしたが、難しかったことも多々ありましたが、それは、国際結婚が理由ではありませんでした。

 しいて言うならば、難しかったのは、夫よりもフランスという国に慣れるのが大変だったということだと思います。

 私にとって、有難かったのは、夫が日本という国で生活していたことがあったために、日本のことをよく知ってくれていたことや、日本という国に対して、非常に好意的な人だったことです。

 私がフランスで慣れない生活に怒ったり、落ち込んだりするたびに、夫は、「日本みたいな国で生まれ育ってきたんだから、フランスでの色々なこと(オフィシャルな書類手続き関係のことや、ストライキなどに振り回されたりすることなど・・当初は、本当にその日常生活に怒ってばかりいた気がします)に憤りを感じるのは、よくわかる・・」と理解してくれていたことで、その度に色々と手を貸してくれたし、特に子どもの教育などに関しては、強力してくれていたというより、積極的に自分が関わっていました。

 また、なにか、問題があれば、逃げずにちゃんと話し合いができたことには、救われていました。また、これは、フランス人だからというよりも、彼自身の性格だと思いますが、前日、怒っても、翌日には、早いときには、次の瞬間には、ケロッとしていることで、こちらの方が気を削がれる気がするほどでした。

 夫とは、ケンカというか、言い合いもしましたが、まあ、彼が他界してから、ずいぶんと経ってしまっているので、もう全てが思い出になり、しかも悪いことは、どんどん忘れていってしまっているので、今も生きていたら、違うことを思っていたかもしれませんが、それほど決定的な問題になったことは、なかったような気がします。

 そもそも、今の私の生活を考えれば、他人と生活すること自体が大変なことで、よく、こんな私が人と生活できていたな・・と思うくらいです。

 それでも、彼は、ちょっとバカなところもありましたが、基本的には、心温かく思いやりのある人であったことは間違いなく、ちゃんと話し合えば、理解し合えると私も信じることができていたので、なにがあっても味方でいてくれる人だと感じていました。

 そもそも、私の場合は、そんなに色々と考えていたら、結婚なんてできなかっただろうし、今から思えば、多少、冷静さを失っていたような気がしますが、唯一、思い当たることがあるとすれば、とても思いやりのある優しい人であったことと、当時は、双方が母国語ではない英語で話していたにもかかわらず、話が尽きることなく、スラスラといくらでも話していられたということだったかもしれません。

 私が思うに結婚は、日本人同士であろうと国際結婚であろうと、結婚は簡単ではないもので、国際結婚の場合は、さらに国の文化や言語などの違いにより、さらに難しいハードルはあるものの、要するにお互いに思いやりを持って接し続けることができるかということが重要で、そこには、国籍の違いは、あまり関係ないような気がするのです。


国際結婚


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2025年7月17日木曜日

LIVRET A(リブレA)の金利 さらに下がって8月1日から 1.7%へ

  


 フランスでの銀行預金の金利に関して語られる時、しばしば、その代表として例に挙げられるのは、「LIVRET A(リブレA)」と言われる預金口座です。

 このLIVRET A(リブレA)は、恐らくフランス人の間で最もポピュラーな預金口座で、貯蓄や利息に対して非課税の預金口座です。ただし、預金の上限は22,950ユーロとなっているので、それ以上の高額の預金はできません。ただし、預金に対する利息は、そのままその口座に上乗せされていくので、22,950ユーロを超えた場合でもその上乗せされた預金の分は、そのままその口座に積み重なっていきます。

 私がフランスで仕事を始めたときに、当時、私のフランスの銀行には、預金がほぼほぼない状態だったので、夫が月々のお給料から、少しでもこのLIVRET A(リブレA)に貯金していきなさいというので、始めたので、なんとなく、夫に言われたとおりに口座を開設していたので、それ以来、ずっとこの口座は、キープし続けています。

 このLIVRET A(リブレA)の金利は、2018年頃に一度は、0.5%まで下がったことがありましたが、ここ15年くらいの間に1.7%から3%くらいの間を上下しています。

 直近の金利では、3%から2.4%に下がり、この8月からさらに1.7%に下がるということで、衝撃的に報じられています。

 この金利に関しては、直近の平均インフレ率と欧州金融政策に依存する平均銀行間金利に基づいて1月中旬と7月中旬の6ヶ月ごとに計算されているそうで、公式の厳密な計算方法に従って設定されていると財務省は説明しています。

 したがって、インフレ率などを考慮しているために、金利が変動しても、購買力を引き続き保護することができると主張していますが、果たしてそうなんでしょうか?

 この他のポピュラーな預金口座には、LDDやLEPといったものがありますが、これらも、このLIVRET A(リブレA)の金利と同様に改定されます。

 LIVRET A(リブレA)やLDD、LEPといった口座に預金されているお金は、6,000億ユーロ以上に及ぶと言われており、これらは、Caisse des dépôts et consignations (預託金・委託基金)と銀行に分配され、銀行は、主に中小企業や小規模企業向けの融資に利用しています。

 金利が下がるということは、預ける人にとっては、残念なことですが、借り入れをしたい人にとっては、朗報。

 私は、借り入れることもない代わりに、そこまでの資産があるわけでもないので、そこまで金利の上下を憂慮するほどでもありません。

 一方、低金利といえば、日本の銀行の定期預金の金利はどうなっているのか?と思いきや、メガバンクで0.275%だそうで、一時の0.00…と0の数を数えるのが大変なような金利よりは、ずいぶんマシには、なったものの、依然として、比較にはならないようです。

 個人的には、どうにかしてほしいと思うのは、日本の円安で、本当にどこまでいくの?という感じ・・1ユーロ170円突破してます。


LIVRET A (リブレA)の金利


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