常日頃から、私には、「日本に行ったら、買いたいものリスト」があって、思いついたら、メモするようにしています。そのほとんどが食料なのですが、日本に行く予定が決まると、今度は、フランスの家に大事に備蓄してある日本食材を再チェックして、うんうん、これは、今度買ってくるから・・と、いつもよりは気前よく、消費し始めます。
たいていの日本食は、パリでも手に入るので、何も日本に行かなければ手に入らないものばかりではないし、なくなると、パリで買い足したりすることもあるのですが、やっぱり日本で買うよりは、数段、高いのでケチ根性が働いて、「う~ん・・こんなにするんだったら、今度、日本に行った時に買ってくることにして、やめとこ・・」となるのです。
パリにも日本食以外にも美味しいものは、たくさんあり、日本が遠くなればなるほど、パリで食べられる他の美味しいものを探して歩いたり、食べ歩いたりもするのですが、いざ日本行きの予定を決めると、フランスのものには、食指の動きがパッタリと止まるとまではいかなくとも、魅力が半減してしまうことを感じます。
いくら、日本食屋さんもけっこうあるとか、他の美味しいものもたくさんあるとかいっても、結局は、日本で食べることができるたくさんの食べ物には、かなうわけもなく、極端な話、おにぎりと卵焼きとお味噌汁・・みたいな質素なものでも、本当は私は、こういうのが一番好きなんだな・・と思うと、つくづく私は日本人なんだな~と痛感します。
もうフランスでの生活も長くなって、多少のトラブルは日常茶飯事だとしても、これといって、耐えられないようなこともなく、フランスも居心地がよくなっているのですが、現在のような世界情勢が不安な事態になってみれば、やっぱり、一番に守られるのは自国民なので、こういう事態になったら、自分の国(日本)にいた方がいいのかな?と思うこともあります。
しかし、最近の日本を見ていると、フランスの方が全然、いいじゃん!と思うこともけっこうあって、以前ほどに、日本の方が絶対いいに決まってる!と思うことは少なくなっているのも事実です。
しかし、今もなお、日本の方がぜったいいいに決まっているのは、食べ物で、「日本に行ったら、食べたいものリスト」と「日本に行ったら、行きたいお店(そのほとんどがレストラン)リスト」も同時に存在します。
それは、私が日本で生まれ育った日本人で、私の味覚が日本仕様に育っているからなのかはわかりませんが、日本に行く気持ちになっているだけで、もうすでに、他のものへの魅力を失いかけているのは、本当に自分でもビックリするほどです。
そんなに日本の食べ物が好きなら、日本に住んだらいいじゃないか?と言われるかもしれませんが、でも、それがあたりまえで、いつでも簡単に手に入るようになったら、それはそれで、魅力も半減するわけで、こんな感動を味わえなくなると思うと、今のこの日常があってこそ、大好きな日本の食べ物への感動があるとも思うのです。
これを他のものに、置き換えて考えれば、あまり満ち足りすぎる生活は、感性を鈍らせ、感動することが少なくなるような気さえしてくるのです。
日本食 日本人
<関連記事>
「脅威の時差ボケ 私は日本の食材の山を見ただけで時差ボケする」