2023年7月30日日曜日

パリのおススメ ハンバーガーレストラン シュワルツ Schwartz's

 


 なんだか、最近、やけにハンバーガー屋さんが増えて、なんだかあちこちで見かけるようになったなぁ・・と思い始めてから、なんとなく、私のハンバーガー屋さん巡りが始まりました。

 マクドナルドやバーガーキングやクイックなどの大手ハンバーガーチェーンは、以前からも、安定の人気で、やはりパリといえどもファストフードの王道を行く感じで、パリ市内だけでも、比較的新参のファイブガイズ(Five Guys)なども含めて、これらのチェーン店は100店舗近くが存在しています。

 ところが、最近、やたらと目につくのは、これらのチェーン店とは別にハンバーガーのレストランがポツポツといつの間にか増えていて、クチコミなどをみれば、ずら~っと並ぶハンバーガー屋さんの多いこと多いこと・・。

 そんな中、いくつかのお店を廻って、今のところ、私が一番気に入っているのは、マレ地区にあるシュワルツ Schwartz'sというレストラン。マレ地区には、友人が住んでいることもあって、比較的よく行くのですが、若者にも人気の地域で、パリの歴史が刻まれている街であると同時にモードなどの新しい流行の発信地でもあります。

 そんなマレ地区にあるこのレストランは、一見、ハンバーガー屋さんとはわからないような店構えで昔、日本で床屋さんの前に飾ってあったようなぐるぐるの赤と青と白(そういえば、トリコロールのオブジェ?が飾られているのが目印です。


 店内すぐのところには、ワインの木箱とワインがお揉むろに積み上げられるように飾られており、店内奥にもワインセラーのようなワインの棚があり、ワインが並んでいます。店内は、ハンバーガー屋さんらしく?アメリカンな感じとフレンチの感じが混ざりあっていて、おしゃれな感じです。






 



 メニューには、ハンバーガーの他、サンドイッチやスープ、サラダ、肉料理などがありますが、メインはハンバーガーで、だいたいが15ユーロから20ユーロの間で、パリの外食としては、平均的なお値段です。

 ハンバーガーを注文すると、まずお肉の焼き加減を聞かれるので、自分の好みの焼き加減で焼いてくれます。サラダやフライドポテトもついてくるのですが、フライドポテトはなしで、サラダだけ・・とか、ポテトだけ、あるいは、両方で・・とか、注文できます。



 最近は、カフェのテラスなどでも、ご丁寧にナイフとフォークでハンバーガーを食べているフランス人をよく見かけるようになり、フランス人はハンバーガーでもナイフとフォークで食べるんだ・・いかにもおフランスな感じだな・・などと思っていましたが、これには理由があり、まず、このハンバーガーの中の肉のボリュームがなかなか(約125g)なもので、これでは、ナイフとフォークで食べたほうが食べやすいわけで、お肉の焼き加減まで聞かれて焼いてくれるくらい、これはもう立派な肉料理で、極端にいえば、肉にパンや野菜がついてくる料理のような気がします。



 また、しっとりと肉を焼き上げてくれるために肉汁がしっかりと感じられ、これは、ちょっと私はこれまでハンバーガーというものを侮っていたな・・と思わせられるのです。

 しかし、パンはパンでしっかり美味しく、どちらかというと、甘くはないブリオッシュに近い生地で、表面はツヤツヤで、中はふっくらとしていて、これはこれで、ハンバーガーにとてもあっていて、さすがにマクドナルドなどのファストフードのハンバーガーのパンとはわけが違います。

 なかなか、ものすごいボリュームなので、全部食べ切れないと思い、初めから、半分だけのつもりで残してしまって、残りはお持ち帰りを頼みました。

 お店の店員さんも、これがパリ?と思うくらい、ほんとうに感じの良い人々で、美味しく、気持ち良い時間を過ごすことができます。

 その日は、ハンバーガーだけで、もうそれ以上は食べられませんでしたが、日によっては、ローストビーフのサンドイッチ(これが、また、もうこれでもかというほどのピンク色に焼けたお肉がはさまっている)などもあって、これも絶対に食べる価値があります。

 とにかく、これまでは、わざわざレストランでハンバーガーなど食べなくても・・と思っていた私は、このお店によって、大いに考えを改めることになったのです。このハンバーガーは自分では作れない・・レストランで食べる価値のある、また、ナイフとフォークで食べるハンバーガーです。


パリのハンバーガー シュワルツ Schwartz's

🌟Schwart's  

 16 Rue des Ecouffes 75004 Paris


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2023年7月29日土曜日

エッフェル塔のふもとで27歳の女性が5人の男に強姦された事件 真夜中のエッフェル塔は危険

  


 エッフェル塔はパリを訪れる観光客にとっては、シンボル的な存在の場所の一つでもありますが、犯罪多発地域、特に観光客をターゲットにした犯罪が最も多い場所の一つでもあります。

 もう、何度も同じような事件が起こっているので、今さらのような気もするのですが、今回は、27歳の女性が5人の男に強姦されるという痛ましい事件が起こっています。

 この女性は、メキシコからの観光客で、午前1時頃、お酒に酔って一人で歩いているところを襲われています。酔っぱらって、夜中の1時に女性一人でふらふら歩く・・しかもエッフェル塔のふもとで・・となれば、言葉は悪いですが、これは、襲ってくださいとお願いしているのも同じというか、あまりに警戒心がなさすぎです。

 残念ながら、パリは女性が酔っぱらって夜中に一人でふらふら歩けるような場所ではないし、ことさら、エッフェル塔近辺などは、もう自殺行為に近いです。

 しかし、これは、このような犯行に及ぶ輩たちの手口でもあり、彼らはかよわい女性や言葉が上手く通じずに少し心細い思いをしていたりする女性観光客に近付き、アルコールの席に誘い、飲ませることから始めます。

 また、言葉が通じない観光客の場合、泣き寝入りしてしまい、訴え出ない可能性が高いことも彼らは計算しています。

 今回の事件に関しては、この被害者のメキシコ人女性は、5人から暴力的に強姦されたことを警察に訴え出て、すでに2人の男が逮捕・拘留されていますが、残りの3人は、まだ捕まっていません。

 たしか、ニュースになっただけでも今年の2月頃にも同じような強姦事件が起こっています。

 これらの多発する事件を受けて、一部の政治家(右派)は、夜中のシャン・ド・マルス公園を閉鎖することを求めています。

 かねてから、提案されてはきたものの、実現していないシャン・ド・マルス公園の夜間閉鎖問題に対して、これらの政治家は、「パリ市民とパリへの観光客の安全のために、これは早急に決定すべきこと!パリ市長がこの決定を下すまでに、いったい、どれだけの性的暴行や犯罪が発生し続けると思っているのか!」と息巻いています。

 あまり脅すようで恐縮ではありますが、エッフェル塔近辺は、強姦、暴力事件だけではなく、スリ、置き引き、ひったくり、強盗、詐欺、ぼったくりなどのありとあらゆる犯罪が報告されている場所でもあり、無法地帯、狂暴地帯であるという人もいます。

 来年のオリンピックを見据えて、この地域の治安を確保するために、昨年5月に移動警察署が配置されてはいますが、どうやらそれでは充分ではないようです。

 本来ならば、夜のエッフェル塔を眺めながら散歩・・など、ロマンチックで素敵な感じもしますが、とんでもない話。

 非常に残念なことではありますが、せっかくの旅行を台無しにしないためにも夜のエッフェル塔には近づかないのが賢明です。


エッフェル塔 集団レイプ


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2023年7月28日金曜日

頭蓋骨の一部除去の青年の登場で暴動後、再浮上する警察の暴力行為

  


 警察官の発砲事件による未成年が死亡した事件を機に起こった暴動は、瞬く間に全国に広まり、一時、手がつけられない状況で、全くどうなることかと思いましたが、その後、かなり時間がかかったものの、どうにか鎮静化して、落ち着きを取り戻しています。

 しかし、一方では、今回の暴動を沈静化するために動員されていた警察官による狂暴な行為が露見し始めており、マルセイユで警察官にLBD(Lanceur de balles de défense)(防御ボールランサー)発射隊による襲撃を受けて、重症を負った22歳の青年が脳に損傷を受けて襲撃から数回の手術を受けたのちに、頭蓋骨を一部除去された姿でマスコミの前に登場しました。

 頭の一部が歪な状態になった彼の姿は、衝撃的で、ショッキングでもあり、そのメッセージにもインパクトがあります。

 この事件であらためて注目されたLBDは、「電気パルスピストル」(PIE) や「包囲解除手榴弾」(GMD/DBD/DMP) と同様に、「中間兵器」(AFI) として定義されているものの一つで、暴力的または危険な人物を抑止または無力化するために合法的な武力行使が必要であることが判明した場合に、法律および規制に従い、危険な状況に応じた段階的かつ適切な対応として使われる警察や憲兵隊などが使用している武器と定義されているもので、LBD の使用は短距離に外傷性の影響を与える可能性があり、その重症度は不可逆的または致命的になる可能性のある重篤な損傷を引き起こす要注意の武器だと言われています。

 ところが、この犠牲者となった青年の話によると、彼は暴動には参加していなかったと言い、振り向きざまに急に頭に衝撃を受け、彼はそれが何なのかわからないままに、地面に倒れ込み、立ち上がろうとすると彼らに掴まれて、真っ暗な小路の隅に引きずられ、一人が馬乗りになって彼を抑えつけていたために、かれは動くことができない中、彼は拳や警棒で殴られ続け、彼はそのまま放置されたといいます。


 おそらく、最初に頭(こめかみ)に受けた衝撃がLBD砲であったのだと思われますが、たとえ、暴動の中の混乱状態であったにせよ、その後の警察官の行為は防御というよりもリンチのような暴力で、警察官の任務とはかけ離れています。

 この暴力行為にかかわった数名の警察官は逮捕・拘留されましたが、この警察官の拘留に対して、警察官の組合が猛烈に抗議の意を示し、ニースの警察署の前に100人以上が集結する大騒ぎになりました。

 警察官には、ストライキの権利が認められていないために、休暇を申し出たり、病気休暇を申請したりとただでさえ、不足している警察官の10%は仕事を休んでいる状態であると言われています。

 この大変な情勢の中での警察官の任務は激務であることは間違いないことで、警察官側にも大勢の負傷者が出ていることもたしかで、気持ちはわからないでもありませんが、こういったときの警察官同士の連帯というのもすさまじいもので、今回の暴動のきっかけとなった少年を射殺してしまい逮捕された警察官の家族には、クラウドファンディングで150万ユーロが集まるという(被害者ではなく加害者家族への募金)ちょっと、すんなり飲み込めないようなことも起こっています。

 まだ、暴動の火種がすっかり沈静化しきったかどうかはわからない状態で、さらなる警察官の暴力行為が表沙汰になり、警察官がそれを正当化するような動きを見せている現在の状況は、また暴動を再燃させる危険も孕んでおり、政府はその対応を図りかねている状態で、非常に不安定な状況でもあります。

 どっちもどっち・・というのは、大変、雑な言い方かもしれませんが、暴動行為にしても、それを抑えるはずの警察官の暴力行為も許されるものではなく、今回は特に狂暴であった暴動であったとしても、今回の警察官の暴力は、度を越えているうえに、お門違いであった疑いもあり、双方ともに、裁かれるものはきっちり裁かれなければなりません。

 しかし、政府としても、警察官を怒らせるわけにも行かずに、きっぱりした態度をとりかねているのが正直なところで、現在、ニューカレドニアに滞在中のマクロン大統領もこの件に関するきっぱりしたコメントは控えている状態です。

 フランス全体の治安が悪化していることは、もはや明白なのですが、警察官の増員だけでは片付く問題ではなく、国民の(特に底辺の)怒りがいつ、何をきっかけに爆発するかわからない状況には、すぐには、解決策がみつからないような気がしています。

 しかし、そもそもの今回の暴動のきっかけとなったのも警察官の発砲事件で、さらに今回の警察官のLBD発砲とリンチも警察官が起こしているもので、暴動を抑えるはずの警察がそのもととなり、また、さらなる騒動を引き起こしていることを考えれば、警察の在り方も見直す必要があるのかもしれません。


警察官の暴力 LBD


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2023年7月27日木曜日

アラン・ドロンの子供たちが同居している日本人女性に告訴状提出のゴタゴタ劇

  


 アラン・ドロンといえば、かつてはイケメンの代名詞のような存在で、映画にあまり詳しくない私でさえも、その名前は知っていたし、昔の映画の面影をなんとなく、記憶していました。

 私がフランスに来たばかりの頃なので、おそらく20年くらい前のことだと思いますが、そのころはあまりテレビを見ない生活ではありましたが、年末の番組にアラン・ドロンが出演していて、「えっ?アラン・ドロンってこんな風になっちゃったの??」と思った記憶がありました。

 美しさを全面にして、出ていた人ほど、ギャップは激しいし、また映画などでしか彼を見たことがなかった私にとっては、その番組がトーク番組だったために、なんだか余計にイメージが壊れた気がしたのかもしれません。

 そんなアラン・ドロンについて、今月の初旬頃だったか、彼の子供たちがアラン・ドロンと同居している女性に対して、告訴状を提出したという話が世間を賑わせていました。現在、彼が同居している女性は日本人の女性らしいという噂は聞いていましたが、数日にわたっての報道で、その女性について、いちいち「オリジン・ジャポネーズ」をつけるので、なんとなく、余計に気になる気がしていました。

 彼の子供たちの告訴状は、「モラルハラスメント」と「彼の飼っていた犬に対する虐待」というなんだか、抽象的なものではありますが、要は、彼女(アランドロンと同居していた女性)と子供たちの関係が上手くいっておらず、子供たち曰く、父を家族、親戚、友人たちから孤立させようとし、電話やメッセージ、郵便物などを彼女がコントロールし、彼らが会いにくるのを妨げようとしている。彼女の態度は、高圧的で脅迫的である・・」などと言うもので、なんだか、家族内のゴタゴタでそんなに世間が騒がなければいけないことかな?と思っていました。

 父親に会いたいならば、その旨を話し合って、その機会を作るようにすればよいものをその話し合いさえできないほど、子供たちとその女性の関係性が悪化しているということなのでしょうか?

 実際のところは、わかりませんが、どのようなことであるにせよ、アランドロン本人が一喝して、話し合えばいいことで、それができずにこんなことになるということは、彼自身がかなり、弱っているということに他ならないのだと思います。

 この女性は、彼のスタッフとしても長く働いてきた女性であり、長い間、友人関係にあったようですが、その関係性が徐々にパートナーのような形に変化していったものと言われており、また、彼が脳卒中で倒れた後は、彼の介護をして、支え続けてきたようで、特に脳卒中を患ったのちは、彼のメッセージやスケジュールを管理したりすることは、必然であったような気もします。

 実際に彼の世話をしてきたのは、彼女で、子供たちが何を口を挟むことがあるのか?二人の関係性に彼自身が不都合や不快さを感じているならば、同居関係を解消すればよい話なのに、子供たちが口を出すのも、おかしな話で、結果的に彼自身も子供たちの告訴状に名前を連ねることになっているのが、彼自身の弱さの表れでもあるのか?不可解でもあります。

 彼が最後に公の場に姿を現したのは、2019年のカンヌ国際映画祭での、長年の彼の功績をたたえた「名誉パルムドール」受賞の際で、この時の彼のスピーチなどは、かなり自分の人生の締めくくりを意識したものであったことは印象的でもありました。

 このアランドロンの子供たちからの告訴状を受け、この女性は弁護士を介して39ページにもわたる反論と説明を提出しており、「彼の子供たちとは複雑な関係にあったことは認めたうえで、子供たちは父親の恋愛関係の存在は決して受け入れなかった。子供たちの心配は、彼の財産に関わることであり、年老いた父親の世話を全くしてこなかった彼らとは異なる特別の立場で自分は存在している」と説明しています。

 また、彼女のこの訴えに対して、子供たちは、別の告訴状を準備中で、まさに金銭的な話で、「アランドロンの口座から数万ユーロが引き出されている件について」と言われており、話がまた複雑なことになっています。

 フランスでは、婚姻関係とは別の事実婚のような関係も認められているものの、この公的に曖昧な関係がどのように扱われるのか?財産や介護など、色々な問題も孕んでおり、泥沼化している感じではありますが、どちらにせよ、この子供たち、それぞれに独立していながら、どうして、そんなに親の生活に口を出すのか?父親の華麗な経歴を汚してしまうことを考えないのだろうか?と思ってしまいます。

 現在、87歳の彼がどのような状態でいるのかはわかりませんが、結局は、子供たちの告訴により、彼はより孤独な老後を送ることになりそうで、まさに映画になりそうな話です。しかし、最後の映画にしては、寂しい話でもあります。


アランドロン 告訴状


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2023年7月26日水曜日

いろいろなバカンスの過ごし方

  


 ある世論調査によると、今年はフランス人の60%はバカンスに行かないという話も聞こえてきたりして、これが、インフレの影響を受けてのものであるとか、年金改革問題で、各所、けっこうなボリュームでストライキをしていたために、結果的にその家庭の財政をひっ迫させ(ストライキをしている日数の分は、給料が支払われない)、バカンスの予算が削られる、または予算が取れないなどというケースもあるのだとかいう話が聞こえてきています。

 そのわりには、肌感として、やっぱりパリの人口は、バカンス期間中は減っているような感じがするのですが、その代わりに、いつもは見かけない組み合わせの家族連れをあちこちで、見かけます。

 今日、バス停でバスを待っていたら、小学生くらいの女の子から、小さい子は、まだバギーに乗せられている子まで含めた見事に女の子ばっかりの4人の孫を連れたパピーとマミー(おじいちゃんとおばあちゃん)がいて、どうやら、彼女たちを連れて、これから動物園にでかける様子。

 マミーの方は、カジュアルではあるけど、ストライプの襟付きシャツにソフトニットを合わせた、ちょっと、小洒落た格好をしていて、女の子たちもおそらく普段、学校に行く服装とは違う、いかにも年配の女性が好みそうな上品な服装をしていて、そういえば、実家の母もワンピースにエナメルの靴、髪型はルノワールの絵に出てくる女の子のような前髪だけを束ねてリボンをつける・・感じの服装をうちの娘にもさせたがっていたなぁ・・などと思い出しながら、どこか遠くにバカンスにでかけなくても、こういうパピーやマミーとのお出かけも、そんな服装も含めて、きっと良い思い出になるんだろうな・・と、なんだかあったかい気持ちで眺めていました。

 メトロの中でも家族連れと思われる人たちをけっこう見かけ、パリにバカンスに来ている家族というのもいるんだな・・と思ったり、ランチを食べに入れば、どこか、ちょっとよそよそしい感じの中高生くらいの娘2人とパパとか、お年頃のこのくらいの女の子はダイエットを気にしてか?フライドポテトは残すんだな・・と思ったり、息子と2人連れで、お昼から、ゆったりワインなんか飲んじゃってるパパとかの子連れとはいえ、どことなく、男同士の感じとか・・いつもは見かけない感じの組みあわせの人々を見かけて、やっぱり、みんな、いつもとはちょっと違うことしてるんだな・・と思います。



 かと思うと、パパもママも働いている人のためにある サントル・ドゥ・ロワジール(Centre de loisir(夏の間、日中、子供を預かってくれる機関)の子供たちが移動のためなのか、黄色いベストを着せられて街中を移動していて、娘もサントル・ドゥ・ロワジールに行かせてたことあったなぁ~と思ったり・・。

 バカンスに出かけた人の話だと、現在、ギリシャとか、南欧はうだるような暑さでものすごい人だとか・・。どういうわけか、5月から6月初旬にけっこう暑かったパリは7月はあんまり暑くなくて、今のところ楽勝の夏。

 昨夜などは、ちょっと肌寒い気がしたりもするくらいでしたが、これで夏が過ぎるわけはない・・といつくるかわからない猛暑に怯えつつも、やっぱり、どっか行きたい悔しい気持ちはちょっとよぎりますが、子供の学校のバカンス期間が関係なければ、バカンスは7月・8月は避けるべし・・などと、世間のバカンスの光景を眺めつつ、少し空いてきたパリを楽しんでいます。

 今年は5月から6月にかけてイタリアに行けたので、また、イタリアに行きたい病にかかり、人に会うごとに、「イタリア行くんだったら、どこがいい?」と聞き歩いていますが、皆、口を揃えて言うのは、イタリアは7月8月は避けた方が良いよ!・・と。

 ともあれ、この時期、スタンダードなバカンスではなくとも、いつもと違ったそれぞれのバカンスをみんなが過ごしているようなのも、それはそれで、よいバカンスなのではないのかな?と思えるのでした。


バカンスいろいろ


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2023年7月25日火曜日

夏の間だけアルバイトしている若い子は素直で可愛い

  


 パリは、今、夏のバカンスシーズンまっさかりで、バスやメトロなどは、バカンス仕様のタイムテーブルになっているうえ、どこもかしこも工事中がやたらと多く、メトロやトラムなども一部区間は閉鎖・・とかになっている場所も多く、夏の間はちょっと街がすいてくるのは、まずまず嬉しいのですが、少々、動きにくくなる感もあります。

 特に8月半ば頃になると、閉まってしまうお店などもあるため、少々、寂しくもあるのですが、この期間のよいところは、皆がバカンスに出ている間に学生などの若い子がアルバイトで働いていて、その様子がほんとに一生懸命で素直で可愛いところです。

 フランスでは、日本のように、通年を通して学生がアルバイトできる場所がそんなにあるわけではなく、一般的には、学生アルバイトは夏の長いバカンス期間、大人たちがバカンスで人出不足になる時期の補充要員のような感じが多いのです。

 このあいだ、試着もせずに衝動買いした洋服が、着て着れないことはないけど、もうワンサイズ大きい方がいいかも・・?と思って、サイズを取り換えてもらいに行ったら、レジで学生アルバイトの女の子がどうやら、商品の交換がレジの手続き上、どうやったらよいか、わからなかったみたいで、ちょっと手間取って、焦りながらも、「ごめんなさい、ちょっとどうするのかわからないので、聞いてみますから・・」と言ってくれて、待たされるのは、普通のことゆえ、「全然、問題ないよ・・」と、むしろ、まごついてしまったことをていねいに謝る彼女に感激して、「若い子ってやっぱり素直で可愛い~!」と余裕の笑みを浮かべて、まるで母のように暖かく見守ってしまったのでした。

 最近はそれでもずいぶん、マシになってきたと思いますが、フランスの接客態度は、お世辞にも良いとは言えず(場所にもよりますが、一般的には・・の話)、レジなどで人を待たせても全然、平気・・、間違えても決して謝らず、お店の人がなにかレジやデータ管理などのやり方などが、わからなくても適当にすまされ、挙句の果てに逆ギレされるという目にもこれまで、ずいぶん遭ってきました。

 先日、普段、通っている市民プールのカードのクレジットの残りが少なくなってきたので、それをチャージしようと思ったら、受け付けてくれた若い女性が、「どうして、あなたのファイル、2つもあるんでしょう?」というので、私は、「???」、「私が自分でやっているわけではないので、わかりませんけど・・」と答えながら、内心、「きっと、あのおばさんだ・・」と思っていました。

 その前にカードをチャージした時にも、受け付けてくれた若い女性が私の顔をまじまじと眺めて不思議そうな顔をして、「あなた、73歳じゃないですよね・・」と言われて、苦笑してしまったことがあって、「今回の2重ファイルもきっと、私を73歳にしたおばさんの仕業だ・・」と思っていました。

 やり方がわからないなら、若い子だろうと、おばさんだろうと、周囲の人に聞けばいいものを適当に済ませてしまうから、こんなおかしいことになるわけで、そのうえ、そういうおばさんに限って、横柄で、威張っていて、すごく気分屋で、ずっと感じ悪いかと思うと、えらくごきげんに声をかけてくれたりもするのですが、全く困ったおばさんです。

 最近は、それでもフランス人の若い子(アルバイトじゃなくても)は接客も感じのよい子が増えたので、何か頼むときには、できるだけ若い子を選んで頼むようにするのが、トラブルを避ける秘訣だ・・とこっそり思っているのですが、昔、日本で流行った「オバタリアン」のような図々しさは、世界共通なのだな・・などと思うかたわら、私自身もすっかりおばさんの年齢になっているので、「自分も気をつけなきゃな・・」と、初々しい若いアルバイトの女の子を見ながら、思うのでした。


若い子 オバタリアン


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2023年7月24日月曜日

亡き夫の誕生日 夫の思い出

  


 そういえば、昨日は亡き夫のお誕生日でした。もう彼が亡くなって、ずいぶん経つので、お祝いをすることもありませんが、なぜか、命日よりも、お誕生日を思い出すのはなんだか不思議なことです。

 しかし、正直、だんだん年齢を重ねていくと、見送った人も増えてきたので、誕生日に加えて、どんどん、命日が増えてきて、そういえば、〇月だったな・・くらいで、命日の方はあんまり正確には覚えていません。

 それに比べて、お誕生日の方は、両親や家族、友人なども、若い頃に覚えたことだからなのか、いつまでも、わりとちゃんと覚えています。

 これが、もしも日本にいたら、何周忌とかいう法要があったりして、記憶として植え付けられていくこともあるのでしょうが、なにせ、そういった法事なども海外にいると、否応なしに、義理を欠き続けているし、両親に関しても、母が亡くなった1年後に「偲ぶ会」なるものを父と弟が開いてくれたのですが、母の命日は9月で、フランスでは新年度が始まったばかりのタイミングで、私は参加することができなかったし、父の時に至っては、葬儀以降、父の兄弟姉妹は全滅していたこともあり、何もやりませんでした。

 夫に関しても、葬儀のあとは、別に何の行事もやっておらず、だいたいそういうことをやる習慣もなく(少なくとも私の周りでは・・)、正直、娘をかかえて仕事しながら生きていくのが精一杯で、それどころではありませんでした。

 夫が逝ってしまってから、時間が経って思い出すのは、圧倒的にお誕生日の時のことで、たしか、最後のお誕生日は、家からわりと近所にある夫がお気に入りのフレンチのレストランに家族3人で行ったような気がします。

 今から思い返してみると、海外生活が長かった彼は、フランス人にしては、外国語が堪能(失礼!私の偏見です)で、けっこう、フランスに対しても辛口のことを言い、外国の人やものに対して鷹揚で、娘には、何が何でも日本語をきっちり習得させたいという私の執念に近い思いも、「それはとても大切なことだよ・・」と理解してくれていたのですが、よくよく考えてみると、やっぱり、基本的にはフランスを愛している、古いタイプのフランス人だったな・・と、あらためて思い当たることも多いのです。

 例えば、彼の最後のお誕生日に行ったレストランも、フランスの有名な声優さんだか俳優さんだかが経営しているお店ということもあったのですが、基本的に彼が好きなレストランは、白いテーブルクロスがかかった銀食器がきれいに並んでいるようなレストランで、そういうレストランには、きちんとネクタイをして行く・・というような、今の世代から考えたら、「いつの時代の人?」と言われそうな人だったのです。

 また、外国のものに対して鷹揚とはいうものの、ハンバーガーやポップコーンなどを目の敵にして、見下すようなところがあり、要は、アメリカのものを毛嫌いするようなところもありました。

 本当は、ハンバーガーもポップコーンも大好きなくせに、なんで、そんなに目の敵にするんだろうか?と思っていましたが、これは、フランス人のかなり年配の人にある傾向で、おじいちゃんになる前から(というか、おじいちゃんになる前に亡くなってしまいましたが・・)、おじいちゃんみたいな・・そんなところがある人でした。

 また、議論好きなところも、フランス人らしいところで、話出したら止まらず、結構、長電話、きれいに手紙をわざわざ手書きしたり、まめにカードを送ったり、けっこうおせっかいとも思うくらいに困っている人に手を差し伸べ、黙っていないところも、フランス人あるあるだったな・・と今になって思います。

 また、良い言い方をすれば、感情表現が豊かというか、喜ぶときも、怒るときも派手で、かと思うと怒りもあまりひきずることはなく、妙に涙もろいところもあり、最後のお誕生日も、まさか、あれが最後の誕生日になるとは、誰も思っていませんでしたが、お店の人がサプライズで出してくれたお誕生日のケーキにうるうるしたかと思うと、お店のオーナーと意気投合して、仲良くなったり・・。

 まだ、50代という若さで亡くなってしまって、本当だったら、あれから何度、お誕生日のお祝いができたかと思うと残念ですが、喧嘩もたくさんしたけど、今はもう、嫌なところは、あんまり思い出さなくて、楽しかったこと、良い思い出ばかりを思い出す、そんな彼のお誕生日です。


お誕生日と命日


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