年金改革問題は一向にけりがつかないどころか、迷走状態のまま、反発がやまない状態の中、マクロン大統領は、中国を訪問するため、3日間フランスを離れていました。出発前に、彼はマスコミの取材の前に側近を通じて「フランスの民主主義の危機」を否定し、年金改革には、明確な権限があることを強調し、止まない暴力行為に懸念の意を表していました。
引き続き、高圧的な態度を全く崩さないうえに、相対する国民の暴力を非難するという最悪のシナリオです。
もはや、彼の発する言葉にいちいち腹を立てるというよりは、もうすでに怒りは頂点に達している感じで、彼の発する一言一句に怒らないまでも、どうにも彼の発言はいちいち神経を逆なでするようなことばかりで、あれだけ「口が上手い」というか、お話が上手だった以前の彼からしたら、最近の彼から出る発言は、まるでシナリオライターが変わったのではないか?と思ってしまうほどです。
それに対して、マクロン大統領の留守を守るボルヌ首相は、ここにきて、「物事を急がないように細心の注意を払う必要があり、物事を休ませる必要があり、組合の面目を潰すべきではなく、 国は宥和する姿勢を必要としています・・」と、語り始めました。
とかく、今回の問題では、損な役割を被って、矢面に立たされてきたボルヌ首相ですが、このマクロン大統領とは全く異なったトーンの発言に、二人(大統領と首相)の間に不協和音が流れ始めたのではないかという噂まで流れ出しました。
首相の軟化した発言に対して、組合側は、「彼女はおそらく、この国で何かが起こっていること、社会的危機があること、それが市民の感情であるということを認識している・・」、そして、現在は、宥和の言葉を言う方が良いことを認識している・・」と彼女の言葉を歓迎し、同時に、「国民感情を全く理解せずに高圧的な言葉を浴びせ、国民を非難する言葉を浴びせる大統領とは大違い!」と付け加えました。
首相に対して「過半数を拡大し、国民議会でのテキストを前進させ続けるよう指示して 中国に出かけたマクロン大統領とは、溝を感じるところですが、彼女は「大統領とは頻繁に話をしており、マクロン大統領とは完全に意見が一致している」と強調しています。
しかし、訪中先での報道陣の問いに答えたマクロン大統領は、「もしも人々が60歳で引退したいのなら、大統領に選出されるべきなのは私ではなかった・・」などと、述べており、大統領を辞めるつもりはなかろうに、自分に投票したかぎりは、自分のやり方に」従え!とでも言いたいのか?、ちょっと理解に苦しむような言葉を発しており、苦しい状況ゆえ、発言に余裕がなくなることはわからないではありませんが、最近は、ことごとく、言うべきことを言わず、言わない方が良いことしか言わない最近のマクロン大統領。
訪問先の中国では、中国の外交問題について、「対立よりも協力を進める考えを強調」していたそうですが、フランス国内の問題に関しても、同じように考えてはもらえないだろうか?と思ったのでした。
マクロン大統領とボルヌ首相
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