2022年3月14日月曜日

そういえば、同窓会というものに行ったことがない私

   


 最近、学生時代の友人というものは、いいものだなぁ・・とあらためて感じています。学校を卒業してから、長い時間が経っている私ですが、その後に色々な国での生活も体験し、たくさんの人にも出会ったけれど、学生時代の友人というものは、瞬時に時間を超えて、打ち解けられる・・そんなチカラを持っているものだな・・と思います。

 昔、母が急に同窓会を始めた時期があって、何やらとても楽しそうに友人と連絡をとりながら、「じゃあ、男子には私から連絡しておくから・・」などと言っているのをそばで聞いていて、「いい年して、男子・・ってなに?」などと苦笑しながらも母が楽しそうに同窓会に行く様子に、当時の私は、「そんな子供の頃の友達に会うのって楽しいのかな???」と不思議な気持ちでした。

 日常は、子育てと家事と仕事に追われて、滅多に友人と遊びに行くということもなかった母でしたが、ある時期を境に同窓会には、そんなふうに積極的に出かけていたことを今になってわかるような気がしています。

 しかし、私は、20代に一度、留学のために日本を離れ、その後30代になってから本格的に海外での生活を始めたために、同窓会というものには一度も行ったことはなく、以前に実家の方に同窓会の連絡をいただいたりしていたこともあるのですが、それこそ、海外で子育てと仕事に追われて生活していた私には、同窓会に合わせて帰国するなどということはできるはずもなく、また、あまり興味もなかったのです。

 しかし、子育ても一応、一区切りがついて、ましてやこの数年間、パンデミック、そして戦争とまさかの異常事態が続く中、あたりまえのように、無駄なことやバカなことをたくさんしてきた学生時代がとても貴重なものであったと感じるようになったのです。

 もう3年目に入るパンデミックのために、そんなあたりまえだったはずの学生時代を過ごせずにいる子供たちも、3年間マスクで学校に通い、マスクを外した顔を知らないなどという話を聞くと本当に失われている時間の大きさを思います。

 ほんの小さな子供たちも10代の青春を謳歌するはずの年代の子供たちも、現在、通常以上に大変な思いをして子育てをしている人々にも、そしてあとどれだけ、元気に残りの人生を送れるかわからない年長の方々にとっても貴重な時間をパンデミックに引き続いて今度は戦争という事態に身動きがとれなくなっている時間が過ぎていくことに焦燥感を感じています。

 もちろん、戦禍の真っ只中にあるウクライナの人々の状況とは比較にもならないほどですが、ヨーロッパ内でのこの戦争に対する緊張感は、日々高まっています。

 スイス連邦政府は、核戦争が発生した場合に住民を保護する実際の対策となる一連のガイドラインをウェブサイトに公開し、スイス国民に向けて「十分な食糧と水を蓄えておくように」と政府が警告したり、他のヨーロッパ諸国でも食糧備蓄のための買い占め対策のために、スーパーマーケットが購入制限をかけ始めるといった事態にまで及んでいます。

 誰も望まない戦争が一体、いつまで続くのか?いつまで私たちの時間が失われ続けるのか?はたまた、核戦争にまで発展してしまうのか? 不安な生活が続く中、ふと思い出されて幸せな気持ちになる学生時代の何気なく過ごしてきた友人たちとの時間の貴重さを、最近、あらためて噛みしめているのです。

 


同窓会 学生時代

 

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2022年3月13日日曜日

80歳以上の人々に4回目のワクチン接種開始とマスク義務化解除の矛盾

 


 フランスでは、コロナウィルス感染がリバウンドし始めていることを受け、ジャン・カステックス首相が、3回目のブースター接種から3ヶ月以上経過している80歳以上の人々への4回目のワクチン接種を開始することを発表しました。

 このコロナウィルス感染のリバウンドの現象は、フランスだけではなく、フィンランド、イギリス、オランダ、スイス、イタリア、ドイツなどの周囲のヨーロッパ諸国でも起こり始めている見過ごすことのできないものでもあります。

 どの国も、程度の差はあるにせよ、感染対策を緩和しつつある中で、その結果が感染のリバウンドとしてあらわれているものと思われますが、第1波の際に壊滅的な被害を受けた謂わば前科者のヨーロッパとしては、十分に危惧すべき状況でもあります。

 この「4回目のワクチン接種開始」のカステックス首相の発表も、先日、オリヴィエ・ヴェラン保健相がリバウンド状態にあることに警鐘を鳴らした発表と同様にどこか、しっくりこない中途半端な印象が拭えず、80歳以上という限定された年齢層向けとはいえ、同時に「マスク着用義務化の解除やワクチンパスポート解除は予定どおり行う」という、ともすると矛盾した内容を確認したうえでの発表であったことに、疑問を感じずにはいられません。

 「最も重症化のリスクの高い弱い立場の人々を守りたい」と4回目のワクチン接種開始を説明していますが、そもそも、4回目のワクチン接種に関しては、これまでは、かなり慎重な態度をとっていたはず、最も早くに4回目のワクチン接種を開始したイスラエルの免疫学者も、その「有効性と安全性に関するデータ」が不足していることを認めており、「疑問点も多く、ちょっとした賭けであり、必ずしも推奨できるものでもない」と述べています。

 それをワクチンパスポートや多くの場所でのマスク着用の義務化を撤廃しながら行うというのは、どうにも納得のいかないものです。しかも、もともと「ワクチンパスポートや多くの場所でのマスク着用の義務化などの制限撤廃」は、「流行の進行がなく、コロナウィルスによる集中治療室の患者数が1500人未満になった場合」という一定の条件を満たした場合という条件つきだったにもかかわらず、その条件を満たしていないにもかかわらず、撤廃に踏み切ったことも腑に落ちません。

 思いもよらぬ形でウクライナでの戦争が勃発し、ロシアへの経済制裁のために、燃料費をはじめとする物価の急上昇や原子力発電所や核兵器への脅威からの国民の反発や動揺を考えて、少しでも国民のストレスを軽減するためであると思われますが、コロナウィルスは戦争の有無に関係なく感染を拡大させます。

 最も弱い立場の人々を守るために、安全性が疑問視されている4回目のワクチン接種を開始することにするくらいなら、せめて、マスクぐらい義務化しておけばよいものの・・と思うのです。

 戦争による混乱状態であることはわかりますが、この戦禍に再び、コロナウィルス感染が深刻に悪化すれば、さらなる混乱を引き起こすことは必須です。

 これまでも、感染は最悪の状態を脱したとはいえ、今年に入ってからも、コロナウィルスによる死亡者数が100人を下回った日はほとんどないのです。


80歳以上に4回目のワクチン接種開始


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2022年3月12日土曜日

フランスのコロナウィルス感染リバウンド傾向に警鐘

 

 

 フランスのコロナウィルス感染状況は、最悪の時期を過ぎて、以来、段階的に着々と感染対策措置を緩和してきました。

 2月に入ってテレワークの義務化が撤廃され、2月16日からはディスコ・ナイトクラブの営業が再開され、2月末には、ワクチンパスポートの提示が義務付けられている場所(公共交通機関や医療施設・高齢者施設は除く)でのマスク義務化が解除されました。

 それでも、しばらくの間は、感染率も減少し続け、以前の予定を前倒しにして、3月14日からは、あれだけ騒いで施行したワクチンパスポートは、一部の場所(公共交通機関や医療施設、高齢者施設など)を除いて、撤廃されることになっています。

 ところが、ここに来て、フランスの感染者数は一転して増加傾向に転じはじめ、11日には、1日の新規感染者数が72,399人を記録しています。これは、1週間前と比較すると25%増加している数字です。

 これまでの感染の推移を考えると、感染対策措置の緩和から、感染増加には、2週間程度のタイムラグがあり、この経緯を見る限り、2月半ばのディスコ・ナイトクラブの営業再開ならびに2月末のワクチンパスポートの提示が義務付けられている場所でのマスク着用義務化の撤廃の影響が表れ始めていると考えることができます。

 また、ウクライナ戦争が始まり、国民の関心は一気に戦争に集中し、コロナウィルス感染についてもほとんど報道されなくなり、感染に対する注意も自ずと軽減しているのかもしれません。

 昨日、オリヴィエ・ヴェラン保健相は、このコロナウィルス感染のリバウンド状態に関して、病院の負担は引き続き減少しているものの、この減少のペースは鈍り始めており、非常に警戒が必要な状態であることを発表しています。

 感染者数の増加が病院の医療状態に影響してくるのは、これもまた、2週間ほどのタイムラグがあり、この感染者の増加が再び、どの程度まで医療状態を逼迫させてしまうのかは、わかりませんが、現在の段階では、すでに発表されている3月14日からのワクチンパスポートの提示義務やマスク義務化撤廃は、公共交通機関などの一部の場所を除いて、予定どおり行われるとしています。

 この感染のリバウンドという事態に直面し、警鐘をならしつつも、フランス政府が予定どおりのワクチンパスポートやマスクの撤廃に踏み切るのには、このウクライナの戦争によるヨーロッパ全体の緊張状態や現実的に燃料費、電気料金などの高騰(特にガソリンの値上げ率はコロナの感染の増加率以上)により、国民の生活が圧迫されていることも理由の一つです。

 フランスではデモが行われない土曜日はないといってもよいほどで、ウクライナ戦争反対のデモなどもかなりの人数を動員していますが、そのデモの内容がウクライナ戦争反対のデモ以上に「黄色いベスト」による呼びかけのガソリン・燃料費・電気料金値上げ反対のデモの割合が増加しはじめ、このデモが過激化することが心配され始めています。

 暴走するロシアへの経済的制裁といえば、理解できないことではありませんが、実際にその経済的制裁の結果の煽りを受け、国民の生活に跳ね返ってくることに対して政府の対策が何もとられないことに国民が怒り始めているのです。

 この国民の社会不安に対する状況をおさえるためにも、政府はできるだけ、国民を締め付けることから解き放ちたい思いと、一方では、本来ならば、今一度、感染対策をきっちりとる必要があるこのリバウンド状態への懸念が、この中途半端な警告を生んでいます。

 正直、戦争が始まって以来、戦禍の悲惨な映像とともに、原子力発電所まで占拠され、核兵器までちらつかせられている、決してウクライナからも遠くはないヨーロッパの人々は、正直、今は、コロナウィルスよりも「核兵器」を恐れる状態で、このオリヴィエ・ヴェラン保健相の警告がどの程度、国民に響いているのかといえば、ほとんど響いていないのが現状です。

 マクロン大統領が「我々は戦争状態にある」とパンデミックの始まりとロックダウンを宣言した時には、これまで経験したことのない異様な光景が広がり、「これが、戦争というものなのか・・」と思ったりもしましたが、実際に本当の戦争の映像が流されているのを見ると、それは、想像をはるかに超えた悲惨なもので、コロナウィルスへの恐怖とは桁違いのものであることを感じます。

 たしかにコロナウィルスも依然として、脅威ではありますが、ワクチン接種である程度は、病状の悪化は防げるようですし、感染対策により、ある程度は感染を回避できます。

 あまりの戦争の悲惨さを目にして、コロナウィルスへの危機感を忘れそうになっていることもこのリバウンドの一因であるかもしれません。実際に話題になっているのは、ワクチン接種以上に核兵器により被爆した場合の「ヨウ素剤」について・・コロナウィルスに対する危機感が薄れるのも致し方ないのかもしれません。


フランス コロナウィルス感染リバウンド


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2022年3月11日金曜日

美しすぎるヴェルサイユ宮殿でのEU首脳会議

  


 3月10日〜11日の2日間にわたり、ベルサイユ宮殿でEU(欧州連合)首脳会議が開かれています。

 今回のEUサミットは危機管理サミットとも呼ばれ、ロシアのウクライナ侵攻で浮き彫りとなったその弱点をより主権的なものにするための基礎作りと言われています。

 このサミット開催に先駆けて、エリゼ宮は「プーチン大統領によって開始されたウクライナ戦争とそれに関する次のステップをこのサミットの夕食会で議論することを発表。

 27カ国の首脳は、ウクライナ戦争がもたらす経済・安全保障上の課題について議論し、2月24日に始まったロシアの侵攻の衝撃に対する経済的・軍事的対応を図るために話し合いをし、欧州全体としての方針を統一し、ヨーロッパ全体の連帯を強めていくとしています。

 マクロン大統領は、「ヨーロッパはパンデミックの打撃を受けて変化したが、戦争の打撃を受けてより速く、より強く変化するだろう」と宣言しました。



 2週間にわたる紛争の後、欧州諸国の制裁はロシアに降り注いでおり、ヨーロッパ諸国では、すべてまたは一部の関係を切断する企業が増えるなど、影響が拡大しています。 しかし、ウクライナのEU加盟が加速することはなく、ウクライナのEU加盟について、オランダのマーク・ルッテ首相は「迅速な手続きはない」と述べています。

 キエフは「遅滞なく」加盟することを希望して申請していますが、欧州連盟は、「ウクライナと集中的に協力したい」ということを再確認するにとどまっています。

「戦争をしている国に、今すぐに、加盟手続きを開始することができるのか? それは現実的な話ではありませんが、この戦争によって、27カ国は「ヨーロッパの構造を完全に再定義するための「歴史的な決定」を下すことになるだろう」と、マクロン大統領は述べています。

 プーチン大統領によって解き放たれた戦争は、冷戦終結後に27の加盟国が予算を大幅に削減したことによるヨーロッパの軍事力の欠如を浮き彫りにしています。

 またロシアへのエネルギー依存についても、EUが消費の40%を占めるロシアの輸入ガスに極度に依存しており、モスクワに対して行動する能力が制限されていることも浮き彫りにしました。

 現在のヨーロッパは、経済制裁を強める一方で、エネルギー購入を通じてロシアに資金を提供し続けているのです。

 このロシアへのエネルギー依存の現状は、コロナウィルスによるパンデミックという歴史的にも強い衝撃を受けたヨーロッパが、さらに強固な経済基盤を必要としているEU加盟国にとっての脅威でもあります。

 このサミットでは、今後数ヶ月の間に実施される政策ガイドラインが示される予定になっており、NATOの重要な役割を再確認した27カ国は、「軍事力により多く、より良く」投資する意志を強調し、防衛戦略は月末までに発表される予定です。

 具体的には、今年からロシアのガスへの依存度を3分の2に減らし、供給元の多様化や再生可能エネルギー、水素などの代替エネルギーの開発により、ロシアからの石炭と石油の輸入を削減するという計画も検討されています。 

 ガス貯蔵の強化はもちろん、スペインやフランスが求める「電力市場の機能最適化」にも言及し、欧州消費者のエネルギー価格上昇の影響を緩和するための新たな緊急措置にも取り組むとしています。

 現在、フランスでは、ガソリンが1リットル2ユーロ(約260円)を超え、過去?の「黄色いベスト」運動に見られたような社会不安が懸念されています。

 しかし、このサミットの内容はもちろんのこと、このサミットが行われた場所がベルサイユ宮殿で、ちょっとこれは、反則・・と思われるほどの美しさ。このサミットに参加した欧州各国の首脳も圧倒されたであろうし、この映像が全世界に流れることを十分に意識した会場のセッティング。

 フランスは、自国を美しく見せることにかけては天才的、パリ祭のパレードなどは、圧巻の美しさですが、このような全世界に発信されるイベント?の一つ一つにもその演出、ステージ作りはちょっとずるいくらい美しいのです。

 そもそも、ベルサイユ宮殿という、存在そのものがすでに圧倒的に美しい場所を使用し、最高の美しさを演出することを怠らないのです。

 おフランスのイメージは、こんな場面を見せつけられることの積み重ねで築かれ、保ち続けられているのだろうな・・とそんな下世話な感想も持ったのでした。

 この報道とともに流されていたのは、2017年にベルサイユ宮殿を訪れた時の映像で、マクロン大統領とプーチン大統領がナポレオンが侵攻していた頃の大きな何枚もの絵画が壁面に飾られたベルサイユ宮殿の中を歩いている様子。

 



 今回の侵攻にあたって、プーチン大統領の思考回路には、過去の歴史が根付いていることが語られている今、この空間を当時のプーチン大統領は、どんな気持ちで歩いていたのだろうか? などということまで考えてしまいます。


ベルサイユ宮殿EU首脳会談 EUサミット


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2022年3月10日木曜日

パリから日本行きの直行便キャンセル 国際郵便も届かない

  


 

 私が最後に日本に行ったのは、パンデミックが始まりかけた2020年の2月のことでした。2月末にフランスに戻る際は、日本でのダイヤモンドプリンセス号でのコロナ感染拡大が騒ぎになっていた頃で、むしろ、日本からの入国を断られるかと心配だったくらいでした。

 その際に私が日本に帰国したのは、色々な用事があったのですが、特には、その後に日本に留学する予定になっていた娘が日本滞在時に使用できるカードを作りに行くのが目的でした。

 その後、すぐにコロナウィルスは、あっという間に広がり、特にヨーロッパの被害は甚大で、娘の留学のチャンスも2度キャンセルになった挙句に結局、実現せず、せっかく作ったカードも使われることもなく終わり、当然、私もこの間、日本に行くことはできませんでした。

 この間、親が危篤になっても、亡くなっても日本へ行けなかった在外邦人はたくさんいたはずです。

 そして、今年に入ってしばらくして、コロナウィルスもようやくおさまり始め(とはいっても、全く感染の心配がないわけではありませんが)、2月に入って、日本の入国規制が緩和され始めた時に、たまたま日本での用事ができて、フランスから日本への入国のための強制隔離施設での隔離が撤廃された段階で、日本行きのチケットを予約していました。

 先方から、「感染対策を含めて、日本へは直行便でお願いします」という縛りもあり、JALのパリ⇄羽田便を予約していました。(この時点で、すでにエールフランスの便は欠航を決定済み)

 予約した際には、ウクライナ問題は不穏な空気ではありましたが、まさか、これほどの状況にはなるまいとたかを括っていたのです。

 その間に、フランスから日本への入国はワクチン3回接種済みの人に関しては、隔離も撤廃され、これ幸いと思っていたのですが、ロシアのウクライナへの侵攻が日に日に悲惨になり、ヨーロッパ⇄日本便もロシア上空を飛べなくなりました。

 しかし、ロンドンからの便は、迂回経路を使って、直行便が飛んでいるにもかかわらず、パリ(欧州)からの便はキャンセル・・そのうち、パリからの便も迂回経路を飛んでくれるようになるだろうと思っていたのに、私の予約した便は、1週間前になって、まさかのキャンセルになり、呆然。

 予約を変更しようにも、一体、いつになったら、この戦争がおさまるかもわからずに一体、いつに変更すれば良いのかもわからないので、とりあえずキャンセルする羽目になりました。

 今の戦況を見ていると、しばらくは悪化することはあっても、改善される希望は少ないです。

 ようやく日本への入国制限が緩和されて間もないというのに、今度はまさかの戦争のために日本への帰国は、また一層、難しくなってしまいました。しかも、イギリス、ベルギー、ドイツ、フィンランド、フランスなど18カ国への国際郵便でさえもストップしてしまいました。

 経由便でさえも、戦況の変化によっては、いつ欠航になるかもわからない、また、なんとか帰国できても、今度は、帰る頃に、無事にフランスに戻る便が飛んでいるかどうかもわからないのです。

 こんなことなら、隔離期間があっても、もう少し前に行っておくべきだったと思わないでもありませんが、一難去って、また一難、娘の留学の際にも受け入れ先の大学のドタキャン(コロナ対策のために留学生は受け付けないとのことでした)のために、チケットを紙屑にしています。

 一体、日本行きへの障害はいつまで続くのか?と、もう本当にうんざりしています。


JALパリ・羽田直行便キャンセル



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2022年3月9日水曜日

ヨウ素剤の服用法が話題にあがり始めている物騒な世の中

  


 在ウクライナフランス大使館が250万人分のヨウ素剤を用意したと発表されて以来、俄かに「ヨウ素剤」についての報道をちらほら見かけるようになってきました。

「原子力災害時のヨウ素剤の用途は?」、「ヨウ素剤服用の効用」、「ヨウ素剤服用の注意点」などなど・・。

 そもそも話題に「ヨウ素剤」が取り上げられる時点で、なかなかな物騒な状況です。

 「ヨウ素剤」など、日頃、話題にあがらない単語でもあり、そのような単語が話題に持ち上がること自体が受け入れ難い気がしていますが、同時に無視しきれない現実でもあります。

 「ロシアは最も強力な核保有国」と威圧し、実際にウクライナの原子力発電所の一部を占拠しているプーチン大統領の発言と攻撃は、これまでの各国首脳との話し合いがことごとく無視されている経過からも、「核を本気で使いかねない」というムードがフランスでも高まっているのです。

 そのムードがフランス国内でも「ヨウ素剤」が話題に上がり始める異様な状況を生み出しており、実際に、薬局にヨウ素剤を買い求めに行こうとする人まで登場しています。

 ヨウ素とは、そもそも健康に絶対必要な天然微量元素。甲状腺で作られるホルモンの成分で、吸い込んだり摂取したヨウ素と結合します。放射性物質を含まない安定ヨウ素剤は、放射能汚染から甲状腺を守る役割を果たします。

 原子力施設で重大事故が発生した場合、放射性ヨウ素が大気中に放出される可能性があり、この放射性元素を吸引したり、汚染された食品を摂取することで、甲状腺がんのリスクを高める放射線照射の一因となると言われています。 

 1986年のチェルノブイリ原発事故では、放射性ヨウ素が大量に放出され、ベラルーシ、ウクライナ、ロシア連邦西部の汚染地域に住む人々には、甲状腺がんの発生率が高いことが確認されています。

  甲状腺が放射性ヨウ素と結合するのを防ぐため、安定ヨウ素剤摂取が被ばく者の健康を守る一つの方法です。 スポンジのように安定ヨウ素で飽和した甲状腺は、放射性ヨウ素を固定することができなくなるのです。そのため、尿から速やかに自然に排出することができます。

 しかし、安定ヨウ素剤は、すべての危険を防いでくれるわけではなく、 原子力安全局(ASN)は、「安定ヨウ素剤が守るのは甲状腺という一つの臓器だけであり、原発事故が起きた場合、まず固い建物に避難することが第一の防御策である」との見解を示しています。

 また、この薬は、放射線防護ワクチンでも永久治療薬でもなく、放射能にさらされる1時間前、遅くともその後6~12時間以内に服用するのが理想的とされています。

 しかも、予防のために安定ヨウ素剤を服用しても意味がなく、役に立たないばかりか、アレルギーなどの副作用を引き起こす可能性があるとも伝えられています。また、過剰摂取は、甲状腺機能障害やある種の心臓や腎臓の副作用を引き起こす可能性もあり、これを無秩序に服用する危険性も説明しています。

 フランスでは、この放射能対応のヨウ素剤は、1997年以来、公的機関によって、原子力発電所周辺、半径20キロメートル以内の地域においては、配備されているようです。

 一般的に薬局で市販されているヨウ素剤(サプリのようなもの)は、放射能対策として使用される錠剤(130mg)に対して、150マイクログラムのみで、放射能汚染に有効なものではありません。

 昨日、たまたまかかりつけのお医者さんにいつも飲んでいる薬の処方箋をもらいに行った時、「この安定ヨウ素剤というものは、買うことができるの?」と聞いてみたところ、「パリでは、APHP(パリ公立病院連合)がまとめて管理していて、必要な事態になったら、配布される準備がなされているとのこと。

 しかし、彼女は、「でも、もしパリでそんな薬が配布される事態になったら、薬を飲む間もなく、私たちはもう生きていない・・」と絶望的なひとこと。

 コロナウィルス対応のワクチン接種が始まった当時は、副作用などを恐れてワクチン接種を躊躇していましたが、今回のヨウ素剤に関しては、どうやら12時間以内という待ったなしです。

 この狂気の戦争がこれ以上の悲劇を生まないうちに終結してくれますように・・。


ヨウ素剤 安定ヨウ素剤


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2022年3月8日火曜日

言論統制・報道規制の恐怖 プーチン大統領を止められるのは誰か? 

   



 戦時下となった今、世界の動向や報道は見逃せないので、色々な国の報道に目を通しているのですが、どこでも「プーチン大統領を止められるのは誰か?」、「なぜ、このような事態に陥ったのか?」など、現在の状況に加えて、それを検証するようなテーマの記事が並んでいます。

 過去の歴史を引きずっている歴史的な背景やプーチン大統領の軌跡、経歴、人格の変化や彼がここまでの暴挙に及んだタイミングがなぜ、今だったのか?などなど、似たようなテーマがならんでいます。

 中には、パンデミックが彼を孤独にした・・とか、彼の年齢(ロシア人男性の平均寿命に近い年齢であること)までもが語られています。

 海外の政治的な情勢、特にアメリカの大統領がトランプ大統領からバイデン大統領に、ドイツの首相がメルケル氏からショルツ首相に変わったことなども挙げられ、もしかしたら、プーチンを止められるのは、メルケル首相だったかもしれない・・などという人もいます。

 ユーロ危機、クリミア危機での外交をこなしながら、16年間もの長期政権を築き、ヨーロッパの母のような存在でもあり、世界から一目置かれる存在であったうえに、プーチン大統領もメルケル元首相もお互いにドイツ語、ロシア語が堪能で、お互いの母国語で通訳を介することなく、ほぼ母国語と同レベルで話すことができたということなどもその理由に挙げられています。

 このような局面ではないにせよ、また、どんな人にとっても、言語の壁を越えて話ができるということは、すごく大切なことです。

 しかし、彼女が首相を退陣している現在では、対等に話せる立場ではなく、また、プーチン大統領が他人をまるで寄せ付けないようになっている現在では、そんなことも望めません。

 彼の周囲の政府陣営でさえ、誰も彼に物申すことができる人がいない今、彼を止めることができるのは、ロシア国民の大衆の大きな声、うねりだけかもしれません。

 そんなことを本人も察しているのか、ロシア政府は、厳しい言論統制、報道統制を敷き、自分に都合のよいニュースを都合のよいこじつけと嘘にまみれたニュースのみを流し、声をあげようとする国民を拘束したり、報道陣を締め出したり、フェイスブックやツイッターなどをシャットダウンしたり、国民に情報が入らないようにしています。

 この世界中を騒がしている渦の中心にいるロシア人が一番、現状を知ることができないという恐ろしい状況です。他に情報が入らない中、唯一入るニュースが政府に都合のよいニュースだけとは、一種の洗脳のようなものでもあります。

 一昨年のロックダウン中に一時、家のネット環境がダウンした数日がありましたが、それでさえ、とても不安になった覚えがあります。

 テレビの報道というのは、政府や世間への忖度もあり、少なからず偏りもあります。ネットなどのより多くの情報が必要です。しかし、ネットというものは、自分でニュースを選ぶという点から、自分が受け入れやすい内容のものばかりを選んでしまうという危険もあります。

 テレビ自体を持たない、テレビを見ない世代が増え、テレビ業界は、危機に瀕しているとも言われていますが、テレビしか見ないという一定の層が存在します。ロシアの現在は極端な例としても、テレビの情報だけというのは危険でもあります。

 現在のロシアの状況は、異常な報道規制下にありますが、情報が十分に入らなくても、現在のロシアへの経済制裁から、ロシア国内でも反発は広がっているようです。ここは、当のロシア国民が結束して、反発してくれない限り、今こそロシア国民が立ち上がってプーチン大統領を追放しない限り、さらなる戦況の悪化は避けられないような気がしています。

 フランスのニュースでは、「プーチン大統領を止められるのは誰か?」ではなく、「プーチン大統領は制御不能か?」というタイトルに変わりつつあります。


ロシアの報道規制 言論統制


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