ヨーロッパでコロナウィルス感染が再拡大し始めている現在の状況から、欧州連合は、ストックホルムを拠点とする欧州疾病予防管理センター(ECDC)を通じて、最新のリスク評価により、27の欧州加盟国の中で、ベルギー、ポーランド、オランダ、ブルガリア、クロアチア、チェコ共和国、エストニア、ギリシャ、ハンガリー、スロベニアなどの10カ国が非常に懸念される状況にあることを発表しました。
しかし、ここに挙げられていない国々も決して安心できる状況ではなく、ドイツやオーストリア・オランダなども、緊急の対応を取り始めています。
中でも、オーストリアは、感染率が最も高いオーバーエスターライヒ州とザルツブルクではすでに、月曜日からのワクチン接種を受けていない人々のロックダウン(封じ込め)を決定していますが、14日の議会で、これを全国的に拡大する決議を取ることを発表しています。
またこれと同時に、医療従事者の強制予防接種も行われる予定です。
オーストリアのワクチン接種率は64%と、欧州全体のワクチン接種率(67%)を下回っており、オーストリアのアレクサンダー・シャレンバーグ首相は、「これは恥ずべきほど低い数字である」と語っています。
また、オランダは、昨年12月の新規感染者数(12,997件)を上回る数字(16,364件)を記録し、この感染急増に直面したオランダ政府は、レストラン・バー、スーパーマーケット等(生活必需品を扱う店舗)の営業は午後8時まで、否必需品を扱う店舗の営業は午後6時までとし、学校は閉鎖せず、外出は許可されるものの、可能な限り自宅に4人以上を収容せず、在宅勤務をするように求める「部分的ロックダウン」の措置を少なくとも3週間取ることを発表しました。
オランダ政府は、3週間後には、食事及びレジャー施設へのアクセスを「ワクチン接種済みの人々には制限しない状態」にする準備をしています。おそらく、フランスのヘルスパスのような制度の準備にかかるものと思われます。
オランダのワクチン接種率は82%と比較的高く、それでも感染を避けきれずにこのような部分的ロックダウンの措置を取らざるを得ないことに反発も生じ始めています。
また、これらのヨーロッパの感染拡大の再開に直面し、ノルウェーは自治体レベルでヘルスパスの使用を許可することにより、新たな制限を再導入することを発表しています。また、9月末に、すべての制限を解除したスカンジナビアの国はまた、18歳以上にワクチンの3回目の投与を提供する予定であることが発表されています。
こうして、ヨーロッパの感染再拡大への各国の対応を見ていると、7月の時点でヘルスパスの規制を導入したフランスの措置を周囲のヨーロッパ諸国が追随しはじめたように思います。
特に、オランダの例を見ると、現在蔓延しているウィルスは、決してワクチン接種だけで回避できるものではなく、感染リスクのある場所を中心に人の流れを制限する重要性が表れています。
ちなみに昨年の今頃のフランスは1日の新規感染者数が4万人・5万人・6万人と急増していた時期です。現在、周囲の国が取り出した感染対策措置はすでにとっているフランスで、昨年の記録を上回るような状況はちょっと考え難いことではあります。(昨年が酷すぎたということもありますが・・)
しかし、フランスも感染者は増加傾向、この波を低い波で抑えることはできるのでしょうか?
それにしても、ヘルスパスも使わず、ワクチン接種率もヨーロッパをあっという間に追い越し、ロックダウンもせずに感染を抑えている日本を考えると、ヨーロッパはこれで2度目の感染爆発の気配・・やはり、国民性や生活習慣など、つくづくヨーロッパは感染拡大に最適な何かを備え持っている気がしてなりません。
フランスでは相も変わらず、ヘルスパス反対、義務的ワクチン強制反対、黄色いベスト運動などの土曜日のデモが続いています。
ヨーロッパ感染拡大
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