2021年3月26日金曜日

フランスの新規感染者数 一気に4万5千人超えの恐怖

   


 今や定例会見となっている木曜日の夜の会見は、誰が記者会見に登場するかで、その発表内容の深刻度が測れるようになってきました。

 今回の会見には、マクロン大統領でも、カステックス首相でもなく、オリヴィエ・ヴェラン保健相一人の会見だと知らされていたので、大きな動きはないものと予想されていましたが、事実、そのとおりで、大きな発表はありませんでした。

 前日から、ニエーヴル県(ブルゴーニュ・フランシュ・コンテ地域圏)、オーブ県(グラン・テスト地域圏)、ローヌ県(フランス南東部の地域・リヨンなど)など3地域の急激な感染状況の悪化が問題視され始め、この3地域が先週発表された16地域のロックダウン(10㎞以上の外出制限や一部店舗の営業停止)と同様の措置が取られることが発表されたのみ、ロックダウンとはいえ、ゆるゆるのロックダウンで大した規制にはならないことがわかっているため、定例会見にしては、全くインパクトもありませんでした。

 折しも、この会見の当日に、これまで3万人台(平均3万5千人程度)にとどまっていたフランスの1日の新規感染者数が、一気に4万5千人を突破し、感染状態が急激に悪化したことが、はっきりと数字に表れたこともあって、この状態に新たな対策を取らないことに不安の声が大きく上がり始めました。

 オリヴィエ・ヴェラン保健相は、現在の段階では、特に感染が悪化しているイル・ド・フランスに対しても、更なる規制を加えることや、学校のイースターのバカンス時期の前倒し等の対策を決定するのは時期尚早と発表し、今回の発表は、「何も発表することがないこと」を発表したに過ぎない、「時期尚早とは、一体、何をどこまで待てばよいのか?」と辛口の意見が出ています。

 たしかに、1日の新規感染者が4万5千人もいる状態で、「時期尚早」というのは、ちょっと納得し辛い説明です。

 今回のオリヴィエ・ヴェランの会見では、フランスにしては、珍しく、原稿を手元に置いて、それをチラチラと見ながら、下を向きがちな会見で、説得力にかける感が否めないものでした。

 「とにかく、ワクチン接種を拡大する・・3月末までには、これだけの数、4月末までには、これだけのワクチンが届き、これだけのワクチン接種が可能になる」という発表は、もはや、これまでも、ちっとも発表された数字どおりに事が運んでいないために、ほぼ、蕎麦屋の出前状態で、信憑性がありません。

 その上、大した対策の強化はないままに、ワクチン接種だけに頼っている状況では、この感染の勢いを抑えることはできないのは、明白なのです。

 でも、フランスでは、本当は、陽性者の隔離ができていないのが現状なので、ロックダウン云々よりも、陽性者の隔離を徹底すれば、かなり感染の広がりも抑えることができると思うのですが、なぜ、その肝心なところをきっちりやらないのか?不思議でなりません。

 何よりも、イギリス変異種による感染が全感染者の85%を超え、急速な感染拡大が進む中、1日の新規感染者数が4万5千人超の状況の中、これまで間違った対応でさえも、自信満々に発表していた政府が、まるで自分の意思とは違うことを言わされているような、政府内の不協和音を感じさせるような発表に、実際の感染状況とは別の、フランス政府の迷走状態、コントロール不能の恐怖を感じさせられたのでした。

 


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2021年3月25日木曜日

イル・ド・フランスは、イースターのバカンスを前倒しにすべきか?

  


 イル・ド・フランス(パリを中心とした地域)の感染状況が日々、深刻になってきています。特にイル・ド・フランスの中でも、セーヌ・サン・ドニの状況は、危機的な状況で、10万人あたりの感染者も700以上まで拡大しています。

 セーヌ・サン・ドニは、治安も悪ければ、感染状態も最悪で、これまでもできるだけ近寄らないようにしてきた地域ですが、ますます、恐ろしい場所になってしまいました。

 しかし、サン・ドニばかりではなく、イル・ド・フランス全体が危険な状態であることを示すように、昨日は、もう家にいても、ほぼ1日中、救急車のサイレンの音がBGMのように四六時中、聞こえてきて、病院の様子を目の当たりにせずとも、感染者がいかに多いかを実感させられるようになってきました。

 昨年の今頃は、完全ロックダウンの状態で、シンとした街中に絶え間なく響くサイレンの音に震撼としたのを思い出しますが、今はロックダウン中とはいえ、ほぼ、人々が好きに外出できる状態で、それでも聞こえ続ける救急車のサイレンの音には、ある意味、昨年以上に恐ろしいものを感じます。

 奇しくも、昨年の最初の感染爆発とほとんど同じ時期の感染拡大の中のロックダウンは、季節が一緒ということもありますが、もはやロックダウンと同時に恨めしいほどの晴天続き、ロックダウン→晴天というのは、ロックダウンの法則のような気がしてきます。

 言わずと知れたバカンス大国であるフランスは、学校のバカンスも多く、4月に入るとバカンス先の混雑を避けるために、地域ごとに一週間ずつ、ずらしながら2週間のバカンスに入ります。

 フランスで現在、最も感染拡大が深刻化しているイル・ド・フランス地域のバカンスは、本来ならば、4月17日からの2週間の予定になっていますが、イル・ド・フランス地域は、ロックダウンでも、あくまで学校を閉鎖しない方針のフランス政府の方針をできるだけ尊重しつつ、現在の感染を少しでも抑えるために、このイースターのバカンスを2週間早めることを提案しています。

 先週、発表になったロックダウンも、結果的には、数種類の店舗が営業停止になっただけで、この感染拡大はおさまりそうもなく、学校を閉鎖せずに、早めにバカンス時期を当てることで、感染を少しでも抑えられるのではないかという提案です。

 実際に陽性者が複数でたクラスでは学級閉鎖、さらに広まると学校閉鎖、閉鎖された学級、学校の生徒の家族は、自粛規制することが求められていますが、学校を少しでもバカンスという形でクローズすることで、子供から大人への感染拡大を抑えることができます。

 私の周りでも、子供から感染してしまったという話は、決して少なくはありません。今週末から、学校の先生もワクチン接種の対象者に加えられる予定になっていますが、子供から感染するのは、決して先生だけではなく、その家族にも感染しているのです。

 周囲のヨーロッパ諸国の対応と比べて、ロックダウンをしている国でも、学校を閉鎖しても、感染がおさまってはいないではないか?だったら、フランスは、ロックダウンも学校閉鎖もせずに我が道を行くという姿勢を取ってきましたが、考えてみれば、ロックダウンや学校閉鎖をしてさえ感染がおさまらないほどの強力なパワーをもったウィルスに対して、ロックダウンも学校閉鎖もしない状態で感染がおさまるどころか、どのような状況を招くかは、よく言って過信、普通に考えて、甘く見ていたと言わざるを得ません。

 昨日は、許可されたデモや葬儀を除き、フランス全土で、屋外での6人以上の集まりが公的に禁止されましたが、恐らくデモが許可されないことはなく、屋外での6人以上の集まりがダメでも懲りないフランス人は、それ以上に危険な屋内での6人以上の集まりをやめるわけではなく、どこか、政府の打つ手打つ手が、一つずつ、少しずつズレて、肝心なところを外しているような気がしてなりません。

 3月も残すところ、あと一週間、フランスは、この調子だと4月もさらに深刻な状態は続くことは間違いありません。


<関連>

「フランスの感染がおさまらないのは政府の責任というフランス人」

「夏にバカンスで閉めるフランスのプールとラーメンを出さないラーメン屋」

「二週間しか行かないの? フランス人のバカンス感覚」

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2021年3月24日水曜日

ロックダウン・ギリギリアウトで娘がスタージュ先から帰ってきた!

  


 そもそも昨年の9月から、本来は日本の大学の大学院に留学することになっていた娘ですが、もちろんコロナウィルスの影響でしたが、ギリギリになってのドタキャンで、急遽、留学に代わるフランスでの受け入れ先のスタージュ(インターンシップ)探しに追いまくられて、一時は焦りまくる羽目になりました。

 それでも何とか受け入れ先が見つかったはいいものの、それが、ブルターニュのしかも、かなりの田舎町で、引越し先も確定しないままに、バタバタとパリを離れたのが半年前のことでした。

 その時点では、一応、日本への留学は、4月に延期ということにしたのですが、結果的には、その半年間の間に、ますますフランスの感染具合は深刻になっていき、日本の大学の受け入れ体制もはっきりしないまま、「もし日本に来れなくても、リモートでの授業を希望しますか?」などの問い合わせはあったものの、結局、リモート対応の可否に対する回答はなく、一度、ドタキャンで苦い思いをしている娘は、もうギリギリになってから、「やっぱりダメです!」とキャンセルになることを恐れて、早々に、4月からのパリでのインターンシップを探して、受け入れ先を見つけていました。

 そして、半年間のブルターニュにある会社の研究所でのインターンシップが終わるのが3月半ばの予定で、「パリに帰ってくる時にロックダウンになってたりして・・」と冗談のように言っていたことが現実になり、タイミングぴったりに、娘が帰ってくる日から、パリはロックダウンになることになりました。

 半年間、お世話になったブルターニュの会社の人々からは、「たくさんの人がパリから逃げ出すときに、ロックダウンされに帰るんだね・・」と、冗談半分に言われてきたそうです。

 仕事や住居の都合などもあり、また、ロックダウンの発表からロックダウンまでの猶予期間もほとんどない状況で、今さら予定を変更することもできずに、ロックダウンになった当日に娘はブルターニュからパリに戻ってきました。

 30㎞以上の移動が禁止されている中、また、ロックダウン初日ということで、モンパルナス駅の取り締まりもさぞかし厳しいだろうと、外出許可証はもちろんのこと、弁明のための、それまでのアパートやインターンシップの契約書や元々のパリの住まいの証明書、4月からのインターンシップの契約書など、考えられる書類を全て携帯していたものの、びっくりすることに、モンパルナス駅でのチェックは、全くなしで、すんなりパリに戻ってきました。

 ただでさえ、ゆるゆるのロックダウンとは思っていましたが、長距離移動のチェックもなし・・、多くの人がパリから逃れていく時にパリにわざわざやってくる人もあまりいないと思いきや、パリ行きのTGVはなかなかの埋まり具合だったとか・・。

 まあ、正当な理由で家に帰ってきただけなので、警察に止められることもなく、無事に帰宅できたのは、幸いなことでしたが、逆に、まるでノーチェックでパリに入れてしまうことに、政府の言っているロックダウンは、一体、何なんだろうか?と、再び疑問を感じた娘の帰宅でした。

 パンデミックの影響で、インターンシップを採用する企業、機関もフランスでは、20%減少しているとのこと。日本への留学を断念せざるを得なくなったのは、とても残念なことではありますが、幸いにも4月から日本へ留学するはずだった期間に受け入れてくれる場所も見つかり、4月から、娘はパリにある国立の研究所で働くことになっています。

 まずは、不幸中の幸い、思い描いていた予定は変更せざるを得なくなりましたが、これで、また新しい道が広がるかもしれないと思うようにしています。

 今は、多くの人が予定を変更せざるを得ない時、フランスもまだまだ平常時に戻るには時間がかかりそうですが、どんな時にもどんな風にでも対応できるたくましさを身につけつつある娘を親として、「頑張れ!」と見守っています。


<関連>

「娘の留学ドタキャン コロナウィルスによる被害」

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「コロナウィルスの煽りを受けて、急遽、フランスの田舎暮らしが始まった娘」

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「娘の日本への留学・再びキャンセル 日本の国立大学は4月以降の留学生を受け付けない」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2021/02/4.html


 

 

2021年3月23日火曜日

マルセイユでカーニバル もう気が狂ってるとしか思えない

 Plus de 6 000 personnes ont défilé lors du carnaval de La Plaine à Marseille ce dimanche, en dépit des restrictions sanitaires.


 21日の日曜日、マルセイユで6,500人もが集まるカーニバルが行われた衝撃的な映像がその日の夜から、マスコミに大々的に流され、大きな波乱を呼んでいます。

 「イカれている」という言葉がこれほど似合う画像があるでしょうか?

 マルセイユは、今回、政府の発表したロックダウンする16地域には、入ってはいないものの、決して油断できる感染状況ではなく、屋外とはいえ、この人混みで、マスクをしていない人がほとんど、その上、カーニバルということで、多くの人が仮装したり、ボディーペインティングをしているため、世紀末感を倍増させられます。

 この映像には、もうため息も出ません。

 このカーニバルは、およそ2週間ほど前からネット上などで呼びかけられていたようで、この大掛かりなカーニバルを予め防ぐことができなかったマルセイユ市に対しても、非難の声が上がっています。

 さすがにこのカーニバルの様子は、フランス国民にも大ひんしゅくを買っています。

 現在のフランスの感染状況で(新規感染者数1日平均3万人超えで、多くの地域で医療崩壊を起こし、患者をヘリで移送している状態)臆することなくこのようなカーニバルにマスクなしで参加する人がこれほどもいることがあらためて、ショックでもありました。

 これまで、幾度となく、フランスはもうダメだ・・と思いながら、一年以上を過ごしてきましたが、その度に何度かロックダウンをして、厳しい規制下の生活の中、国民の経済的、精神的な負担を少しでも軽減させつつも、なんとか感染拡大を防ぐような努力を続けている中、このような利己的な行動に走り、臆面もなく、何の悪気も躊躇いもなく、報道カメラの前に立って、自由な生活を訴える若者たちがこれほどまでに後を経たないことは、もうどんな対策をとっても、ザルで水を掬うような状態であることを実感せずにはいられません。

 カーニバルの群衆は、終いには興奮状態で、仮設遊園地のメリーゴーランドに登って雄叫びをあげ、車を燃やし始め、「これではサル以下、猿山の方が余程、統制が取れているだろう・・はっきり言って、もうイカれている・・」と思わずにはいられませんでした。

 自分の無責任な行動がどれだけの命を奪うことになるかも、未だに理解できない人たちを抑えるには、心理的な負担などとは、言っていられません。

 負担があろうとなんだろうと、もう完全なロックダウンをするしか、道はないのではないか!と怒りしかありません。

 これは、私が住んでいるパリで起こったことではありませんが、マルセイユは、ロックダウンになっていないため、このカーニバルに参加した人が、別の地域に移動して、感染をさらに拡大させ、フランス国内をさらに深刻な状況に陥れることは、いくらでも可能なのです。

 フランスは、国民を褒めることはあっても、決して叱ることをしない政府で、甘やかしてきたツケが現在のこのような結果を生んでいます。叱らずに統制を取ることができないならば、厳しい制限で縛ること以外に、フランスでの感染拡大を止める方法は、ないのではないか?と思い始めています。

 少なくとも、私は、自分を守るために、できるだけ感染回避をする生活を続けるとともに、もう1日も早く、ワクチン接種を受けたいと思っています。

 しかし、もういい加減にしてくれ!


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「フランスは、やっぱりダメだ・・と、絶望した理由 コロナウィルスは、蔓延し続ける」

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「フランス(ヨーロッパ)でコロナウィルスが広まる理由」

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「ことごとくフランス人の習慣が裏目に出ているコロナウィルスの感染拡大 新規感染者7000人突破」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/08/7000.html


「フェット・ド・ラ・ミュージックでまた、群衆 飲んで踊って大騒ぎのフランス人」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/06/blog-post_2.html


   

2021年3月22日月曜日

並ばないフランス人が戻ってきた!

  


 昨年のロックダウン以来、フランスで見られた思わぬ好意的な現象の一つは、これまで、きちんと並んで順番を待つということが、極めて不得手だったフランス人にちゃんと並ぶという習慣ができたことでした。

 日本では、並んで順番を待つということは、当たり前のことですが、これまでフランスでは、隙をついて横入りする人がいるのは、珍しいことではありませんでした。東日本大震災の際には、震災直後の避難所の映像などが大々的にフランスでも流されましたが、非常時の皆が少しでも早く配給を受け取りたいと思うであろう避難所のような場所でさえも、日本人が争うこともなくきちんと並んでいる姿にフランス人も驚いたくらい、フランスの日常では、横入りは当たり前のことでした。

 それが昨年、急にロックダウンになった時点では、感染の恐怖もあり、スーパーマーケットなどでも入場制限があったりして、店内に入るまでに長い行列を待たなければならない日が続き、フランス人にも並ぶという習慣ができたことは、ロックダウンの思わぬ成果だと思っていました。

 ところが、最初のロックダウンから一年以上が経って、また、横入りがチラホラ見られるようになってきたことに、ちょっとガッカリするとともに、すっかり気が緩んできていることを感じているのです。

 緊張状態は、そうそう長く続くものではないことは当たり前なのですが、決して、並ぶことが習慣として植えついたわけではなかったようです。

 先日も郵便局でも、横入りする女性を見かけて、「おっ!久々に見るな・・」と思ったばかりでした。

 昨日はスーパーマーケットで、年配の女性がたくさんの商品をカゴに入れて、皆がレジに並んでいる中、ツカツカとレジの先頭に進んでいくので、「??? この人は、何をしたいんだろう?」と思っていたら、レジの人に直接、「私に先に会計させて欲しい」と申し出ている、コロナ前にもなかなか見なかった堂々たる横入りっぷり。

 あっさりと、レジの人に「ちゃんと並んでください」と言われて、諦めて、列に並ぶと思いきや、「私は、腰が痛いから、入れて・・」と言い訳しながら、列の途中に横入りしようとして、並んでいた若い女の子に「私だって、足が痛いのよ!」と断られている様子には、どっちもどっちですが、「うわ〜っ!フランスの日常が戻ってきた!」と思わされたのでした。

 終いには、その年配の女性は、列の次に並んでいた人には、高齢者カードまで提示して、頑として割り込み、順番を待っている間中、言い訳を続けていました。

 年配の女性で並んで買い物をするのが辛いのはわかるのですが、その振る舞いやもの言いや、買い物の量などやカートも持たずに買い物に来ている様子から、はなから並ばないことを前提として来ている様子があからさまで、久しぶりにうんざりしたのでした。

 現在のフランスの感染状況は、決して気を緩められる状況ではないのですが、一年が経ち、横入りが横行するくらい気が緩んでいる状況なのだろうな・・と思わされたのでした。

 パリには、さりげないおしゃれがしっくりくるような、美しい歳の取り方をしている女性も時々見かけて、素敵な歳の取り方をしているなぁ〜という人もいるのですが、それにしても、その時の高齢の女性、偽物のルイ・ヴィトンのバッグを持って、買い物に出て、横入りするために、周りの人と言い争いをして、なんという年齢の重ね方なのだ・・と、決して、あんな歳の取り方は、したくないな・・と思ったのでした。


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「コロナウィルス・ロックダウン以来、22日ぶりの買い物」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/04/blog-post_8.html


「フランスのコロナウィルス対策・非常事態宣言 外出禁止・フランスのロックダウン」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/03/blog-post_18.html






2021年3月21日日曜日

ロックダウンがロックダウンではなくなった 外出証明書もいらなくなったロックダウン

                                

           

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 とうとうロックダウンになってしまった・・と思っていました。

 木曜日の夜に発表されたロックダウンの知らせに、恐れおののき、パリを脱出する人でTGV(新幹線)は瞬く間に満席、道路は大渋滞になり、多くの人がロックダウンを逃れて行きました。

 しかし、実際にロックダウンの当日を迎えてみると、ロックダウンはちっともロックダウンではなく、外出許可証さえ携帯すれば、10㎞以内であれば、買い物でも散歩でも運動でもなんでも理由をつけて外出は可能なもので、天気が良かったことも手伝って、いつも問題になるセーヌ川沿いなども、なかなかな人出で、一体、この状態のどこがロックダウンだったのか?と思わざるを得ない状況でした。

 しかも、その外出許可証でさえ、「条件が複雑すぎて、わけがわからない!」という苦情が殺到し、第一日目にして、あっさり、10㎞以内の外出に関しては、外出許可証は必要ないことになり、身分証明書の提示のみで済まされることになりました。

 正直、わけがわかりません。なんだよそれ!

 営業が許可される店舗もさらに拡大され、食料品、薬局はもちろんのこと、通信機器、大型電気店、園芸用品、DIY用品、書籍、銀行、郵便局などから、美容院、花屋、靴屋、チョコレート店、不動産屋まで追加され、もはや営業禁止の店舗のみを上げた方が早そうです。

 これだけの店舗の営業許可が降りれば、当然、不公平感は高まり、これだけの店舗の営業が許可されながら、感染のリスクは同等だと思われるものの、なぜうちは営業できないのか?と訴える店舗が続出、そんな気持ちもわからないではありません。

 しかも、これまで施行されていた夜間外出禁止も18時から19時に引き伸ばされたため、外出はむしろ、しやすくなったわけで、7days/ 7 days のロックダウンとして発表されたものの、実際にはっきりと制限されたのは、30㎞以上の移動のみで、実際の外出範囲は拡大されたようなものです。

 その上、昨日は、土曜日、いつもと変わらずデモが行われ、パリのサン・ミッシェル、サンジェルマン大通りからバスティーユ広場まで、3000人〜6000人が街を練り歩くという信じられない光景が広がりました。

 イル・ド・フランスの病院はすでに満床状態で、急速に拡大するイギリス変異種の感染を抑えるためのロックダウンだったはず、ゆるゆるのロックダウンをさらにゆるゆるにしたことで、むしろ、「そんなに深刻に受け取ることでもなかったんじゃない!」というおかしな錯覚が起こりそうで、まさに国民を混乱させる逆効果。

 いくら、わかりにくいという苦情が殺到したとはいえ、その外出許可証を訂正するのでもなく、即日、撤廃してしまうという政府のぐらぐらの対応には、一体、どうしたいのかが、まるで理解できない迷走状態に陥ってしまいました。

 フランス国民の主張の強さには、つくづく閉口することも多いのですが、それにも増して、今回の政府のぐらつきは、国民の信頼を大きく失う可能性を孕んでいます。

 いみじくも、昨年のロックダウンとほぼ同じタイミングで迎えた3回目のロックダウンですが、昨年は、完全なロックダウン約2カ月間でようやく感染がおさまり始めたものの、今回の著しくゆるゆるなロックダウンと、強力な感染力を持つイギリス変異種の蔓延状態では、昨年よりもロックダウンが解除できる状態にまで達するのには、時間がかかる可能性もあります。

 しかも、望みの綱のワクチン接種もワクチンが思うように届かない上に、ワクチンの安全性をめぐって、急にワクチン接種を停止して、その3日後に再開するという不安を煽るようなことをして、ワクチン接種を躊躇う人も増えてしまいました。

 昨年末から年明けにかけて感染拡大が深刻だったイギリスやドイツなどは、ロックダウンの効果で、現在は、やっと感染状況も改善してきています。彼らのロックダウンは、こんなにゆるゆるではなかったにも関わらず、感染減少には2ヶ月近くかかっており、ドイツは、現在もロックダウン状態なのです。

 現在のフランスの感染悪化状況でこの甘々なロックダウンはあり得ません。

 何より、ワクチン問題に次いで、また二転三転するグラグラな対応の政府にこれまでにない危機感を感じているのです。


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「驚異的な数の警察・治安部隊を配置してでもデモをする権利を守るフランス」

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「日本人は、黙って我慢すると思われている」

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2021年3月20日土曜日

アストラゼネカのワクチン接種再開 首相自ら接種のデモンストレーション

 La vaccination AstraZeneca a été suspendue pendant trois jours en France.


 ヨーロッパのいくつかの国で、アストラゼネカ社のワクチンが関連している可能性がある血栓症(非定型例)の症例が確認されたことから、先週末から週明けにかけて、ヨーロッパ各国で軒並み、各国でこのワクチン接種が停止されました。

 フランスも例にもれず、急に月曜日の午後から、EMA(欧州医薬品庁)が安全性についての確認ができるまで、アストラゼネカのワクチン接種を停止しました。

 そして、木曜日の午後に、EMAは、アストラゼネカのワクチンは、現在、蔓延している新型コロナウィルス、イギリス変異種等の変異種のコロナウィルスに対しての有効性と安全性を確認したとし、問題となっている血液凝固や血栓症などの副作用との関連性は現段階では、証明されていないことを発表しました。

 これを受けて、フランスも金曜日から、イル・ド・フランス、オー・ド・フランス地域圏を始めとする16地域の3回目のロックダウンの発表と同時に、アストラゼネカ社のワクチン接種を再開することを発表しました。

 金曜日の午後には、カステックス首相自ら、マスコミを呼んで、自らがアストラゼネカのワクチン接種を受ける模様を公開し、同社のワクチンの安全性をアピールしました。

 しかし、当日になって、オリヴィエ・ヴェラン保健相が、「アストラゼネカのワクチン接種は、55歳以上の人に対して、再開します」と、再び、年齢を区切って発表したことから、再び、国民の間で不安が広がっています。

 このオリヴィエ・ヴェラン保健相の発表は、HAS(フランス高等保健機構)の勧告によるものであり、EMA(欧州医薬品庁)が55歳未満の人々における播種性血管内凝固症候群および脳血栓性静脈炎のリスク増加の可能性を特定していることが疑われています。

 まだ、開発されたばかりのワクチンに関しての安全性については、不安がつきまとうものであるのは、当然ですが、そもそもアストラゼネカのワクチンに関しては、当初は65歳以上の人には推奨しないなどと言っており、一時は危険かもしれないと接種を中断しておいて、今度は、55歳以上の人だけ・・二転三転する政府の発表に、国民は動揺するばかりです。

 ロックダウンについても、むやみにSTOP&GOを繰り返すことに対する反発が多く上がっていましたが、ワクチン接種に対するSTOP&GOも不安を煽るものであることに違いありません。

 そもそも欧州医薬品庁が、安全性を確認したとは言っても、ほんの2〜3日の間に確認し切れるものでもなく、こんなに簡単にGOサインを出すのならば、逆になぜ?ストップしたのか?と、懐疑的にもなります。

 今回のロックダウンに関しても、4週間の外出禁止としながらも、外出許可証があれば、10㎞以内であれば、時間制限なしでの買い物、散歩、スポーツのための外出もOKで、生活必需品を扱う店舗のみ営業可能の枠も、当初の食料品、薬局からどんどん広がって、通信機器、大型電気店、園芸用品、DIY用品、書籍、銀行、郵便局などから、美容院、花屋まで営業可能となり、一体、どこがロックダウンなのか?よくわかりません。

 ロックダウン発表後まもなく、これではどうしたらいいのかわからないという訴えが巻き起こっています。

 しかし、ロックダウンという言葉の衝撃は大きかったようで、発表と同時にパリを脱出するTGV(新幹線)のチケット73,000席があっという間に売り切れ、翌日には、ロックダウンを避けてパリを脱出する人で、駅も道路も大混雑という状況を生んだのです。

 政府は国民をできるだけ締め付けない方法を選んだ対策のつもりが、結局は、どうにも受け取れる緩い制限に、国民は、これでは、どうしたらわからないと迷走状態。

 しかし、1回目のロックダウンから一年、ある程度は、何がよくて、何がいけないか、どうしたら、感染を防ぐことができるかを自分で判断できるはずであり、禁止されなければ、自分の行動を規制できないことの方が疑問です。

 このパンデミックを通して、必ずしも政府が発表することは、正しいことばかりではなく、この時代、できる限り、色々な国の色々な情報を自分で得ながら、ある程度、自分で判断しながら、自分の身は自分で守らなければならないと強く思い始めています。

 3月18日の時点で、140万人の人々がすでに、アストラゼネカワクチンの初回投与を受けています。


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「アストラゼネカのワクチン使用停止が招く混乱と不信感」

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「フランスはアストラゼネカのワクチン接種は続行 アストラゼネカのワクチンの安全性への波紋」

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「FFPマスクの義務化の是非とフランス人の義務と補償と権利」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2021/01/ffp.html