2021年3月20日土曜日

アストラゼネカのワクチン接種再開 首相自ら接種のデモンストレーション

 La vaccination AstraZeneca a été suspendue pendant trois jours en France.


 ヨーロッパのいくつかの国で、アストラゼネカ社のワクチンが関連している可能性がある血栓症(非定型例)の症例が確認されたことから、先週末から週明けにかけて、ヨーロッパ各国で軒並み、各国でこのワクチン接種が停止されました。

 フランスも例にもれず、急に月曜日の午後から、EMA(欧州医薬品庁)が安全性についての確認ができるまで、アストラゼネカのワクチン接種を停止しました。

 そして、木曜日の午後に、EMAは、アストラゼネカのワクチンは、現在、蔓延している新型コロナウィルス、イギリス変異種等の変異種のコロナウィルスに対しての有効性と安全性を確認したとし、問題となっている血液凝固や血栓症などの副作用との関連性は現段階では、証明されていないことを発表しました。

 これを受けて、フランスも金曜日から、イル・ド・フランス、オー・ド・フランス地域圏を始めとする16地域の3回目のロックダウンの発表と同時に、アストラゼネカ社のワクチン接種を再開することを発表しました。

 金曜日の午後には、カステックス首相自ら、マスコミを呼んで、自らがアストラゼネカのワクチン接種を受ける模様を公開し、同社のワクチンの安全性をアピールしました。

 しかし、当日になって、オリヴィエ・ヴェラン保健相が、「アストラゼネカのワクチン接種は、55歳以上の人に対して、再開します」と、再び、年齢を区切って発表したことから、再び、国民の間で不安が広がっています。

 このオリヴィエ・ヴェラン保健相の発表は、HAS(フランス高等保健機構)の勧告によるものであり、EMA(欧州医薬品庁)が55歳未満の人々における播種性血管内凝固症候群および脳血栓性静脈炎のリスク増加の可能性を特定していることが疑われています。

 まだ、開発されたばかりのワクチンに関しての安全性については、不安がつきまとうものであるのは、当然ですが、そもそもアストラゼネカのワクチンに関しては、当初は65歳以上の人には推奨しないなどと言っており、一時は危険かもしれないと接種を中断しておいて、今度は、55歳以上の人だけ・・二転三転する政府の発表に、国民は動揺するばかりです。

 ロックダウンについても、むやみにSTOP&GOを繰り返すことに対する反発が多く上がっていましたが、ワクチン接種に対するSTOP&GOも不安を煽るものであることに違いありません。

 そもそも欧州医薬品庁が、安全性を確認したとは言っても、ほんの2〜3日の間に確認し切れるものでもなく、こんなに簡単にGOサインを出すのならば、逆になぜ?ストップしたのか?と、懐疑的にもなります。

 今回のロックダウンに関しても、4週間の外出禁止としながらも、外出許可証があれば、10㎞以内であれば、時間制限なしでの買い物、散歩、スポーツのための外出もOKで、生活必需品を扱う店舗のみ営業可能の枠も、当初の食料品、薬局からどんどん広がって、通信機器、大型電気店、園芸用品、DIY用品、書籍、銀行、郵便局などから、美容院、花屋まで営業可能となり、一体、どこがロックダウンなのか?よくわかりません。

 ロックダウン発表後まもなく、これではどうしたらいいのかわからないという訴えが巻き起こっています。

 しかし、ロックダウンという言葉の衝撃は大きかったようで、発表と同時にパリを脱出するTGV(新幹線)のチケット73,000席があっという間に売り切れ、翌日には、ロックダウンを避けてパリを脱出する人で、駅も道路も大混雑という状況を生んだのです。

 政府は国民をできるだけ締め付けない方法を選んだ対策のつもりが、結局は、どうにも受け取れる緩い制限に、国民は、これでは、どうしたらわからないと迷走状態。

 しかし、1回目のロックダウンから一年、ある程度は、何がよくて、何がいけないか、どうしたら、感染を防ぐことができるかを自分で判断できるはずであり、禁止されなければ、自分の行動を規制できないことの方が疑問です。

 このパンデミックを通して、必ずしも政府が発表することは、正しいことばかりではなく、この時代、できる限り、色々な国の色々な情報を自分で得ながら、ある程度、自分で判断しながら、自分の身は自分で守らなければならないと強く思い始めています。

 3月18日の時点で、140万人の人々がすでに、アストラゼネカワクチンの初回投与を受けています。


<関連>

「アストラゼネカのワクチン使用停止が招く混乱と不信感」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2021/03/blog-post_16.html


「フランスはアストラゼネカのワクチン接種は続行 アストラゼネカのワクチンの安全性への波紋」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2021/03/blog-post_14.html


「FFPマスクの義務化の是非とフランス人の義務と補償と権利」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2021/01/ffp.html


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