2023年2月7日火曜日

やっぱりエッフェル塔近辺は治安が悪い シャン・ド・マルスでの観光客レイプ事件

  


 私は近所に住んでいるわけでもないし、特に行きたいお店が近くにあったりするわけではないので、滅多にエッフェル塔近辺に行くことはありません。

 昨年、たまたま近くに行ってみたいお店を見つけて、せっかく近くまで来たのだから、たまには行ってみようか?と、おそらく10年ぶりくらいにエッフェル塔に行って(といっても、ふもとまで行って、その近辺やシャン・ド・マルス公園を少し歩いた程度でしたが・・)、ずいぶんと、以前の印象よりもきれいになって、まだ工事中の部分もあったりして、「ここも工事中か・・」と思ったり、トゥクトゥクが走っていたり、そして、何より、パトロールしている警察官の多さに逆に、ちょっと怖くなったりしたのを思い出します。

 エッフェル塔近辺での事件は、昨年も、「一挙に12人が逮捕されたという観光客狙いの暴力を伴う強奪事件」や、この近辺を走っている「トゥクトゥクには、ぼったくり事件が続発している」とか、どうにも、いい話を聞くことはありません。

 そして、また今回は、外国人女性観光客のレイプ事件です。

 被害者は若いブラジル人の姉妹で、バーで出会った男2人との間に起こった事件で、お酒に酔って、外に出て、シャン・ド・マルス公園を歩いていた時に起こったようです。

 男性2人は故意に二人を引き離して、別々に歩きだし、それぞれに暴行を加えようとしたのですが、姉は必死に抵抗して逃れ、離れたところに連れていかれた妹を探した結果、妹はレイプされてしまった後で、男はズボンをおろした状態で寝転がっているところを姉に発見されたことに気付いて、慌てて逃走したということです。

 姉の方は、男が逃げていく様子を目撃しており、彼らが黒い車で逃走していったと語っており、近くに車を停めていることから、ある程度、逃走する用意があったのではないかとも考えられます。

 いずれにせよ、彼女たちにも大いに隙があったことは否めないところもあるのですが、観光客ならば、泣き寝入りする確率が高いとか、警察には訴え出る可能性が低いとか、地理的にも不慣れであったり、言葉がままならなかったりすることもあり、場所がら、観光客狙いの犯行であった可能性も大いに考えられます。

 昨年、私がエッフェル塔に行ったのは昼日中のことで、昼間は昼間でスリや置き引き、怪しげな物売りなどが多く、それにしてもこんなに警察官がいるの?とびっくりするほどでしたが、夜中を通して、そこまでの警察官の数を常駐させておくことも困難なことで、やはり、夜に出歩くことは、こう事件が多いと、特にエッフェル塔近辺は、危険だと考えざるを得ません。

 2024年、来年に迫ったパリオリンピックに向けて、フランスはパリの治安改善を叫んではいますが、一向に治安がよくなったとは思い難く、オリンピック開催期間中は特別な警戒態勢が敷かれるとは思いますが、それ以上にちょっと驚異的な量の人が集まるわけで、それにつれて、犯罪も爆発的に増えることは間違いなく、近隣諸国からもこのオリンピックで集まる人を狙っての犯罪目的の人も集まることと思います。

 パリは、そのインパクトとはうらはらに、東京などとは比較にならないほど小さい街で、一体、どうなっちゃうんだろうか?と、ちょっと恐ろしくもあります。

 パリにいらっしゃる場合は、残念なことではありますが、大変、治安の悪い場所であるということを忘れずに、特に夜間の外出などには、十分に警戒してください。

 この被害者姉妹は、被害届を提出し、司法警察が捜査を開始しています。


エッフェル塔 観光客レイプ事件 シャン・ド・マルス 


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2023年2月6日月曜日

ユーロの偽札が一番、流通しているのはフランス

ムービーマネーと言われる偽札

  

 通貨がユーロに代わった直後は、偽札がけっこう出回っている話を聞き、50ユーロ紙幣は受け付けないとか(今から考えれば、物価もずいぶん安かったんだな・・と思います)、ましてや100ユーロ以上の紙幣など受け付けてくれるお店もほとんどなく、それ以上の200ユーロ紙幣とか、500ユーロ紙幣など、なんで作ったのだろうか?と思ったものです。

 あれから20年以上が経ち、いつのまにか、私はほとんど紙幣というものを使わなくなって、ごくごくたまに、少額でカードを受け付けてくれないお店もあるため、そんな時のためにほんの少しだけ、たまに現金をおろしてお財布に入れてはいますが、さすがに銀行のATMから引き出すお札が偽札ということは考えづらく、しかも、少額なので、久しく偽札の心配というものを忘れていました。

 しかし、欧州中央銀行(ECB)によると、再び、この偽札の押収枚数が増加しはじめ、昨年は37万6000枚の偽造紙幣が欧州され、1年間で約8.4%増加しているということで、ポジティブに考えれば、それだけ経済活動が活発になったということの表れでもありますが、しかし、依然として、この偽札製造にチカラを注いでいる人がいることも見逃すことはできません。

 しかも、この偽札として押収された約3分の1がフランスで発見されたということで、約13万枚に相当すると言われています。その大部分は、50ユーロ紙幣と20ユーロ紙幣で占められているそうです。

 苦労して偽札を作っても、100ユーロ以上だと受け取る側もリスクが高いために入念にチェックするか、断ることが多いため、使いにくく、かといってせっかく作るのに10ユーロ以下だとベネフィットが少なく、最も流通の多い20ユーロ、50ユーロ紙幣になるのだと思われます。

 司法警察OCRFMによると、現在、SNSを通じて流通する紙幣が増加しており、これまでも偽札を輸入して流通させる大規模なネットワークがいくつかありましたが、テレグラムやスナップチャットで偽札を購入する人が出現しはじめ、今では全国に広がっているということです。

 これらの偽札の約3分の1は、中国からの「ムービーマネー」と呼ばれる偽札で、偽札の中でもセキュリティ機能を持たない、大変レベルの低いものではあるようですが、インターネット上で100枚あたり10ユーロという低価格で売っているそうで、小規模な商店やファストフード店などで使われてしまうことが多いそうです。

 しかし、この「ムービーマネー」に関しては、注意深く見れば、回避することも可能なようで、ムービーマネーには、正規のユーロ紙幣には、欧州中央銀行総裁のサインが、欧州の国旗の下、左上にありますが、その代わりに「movie money」という文字が書かれています。

 また、ギリシャ語のユーロ(ΕΥΡΩ)は、アクセサリー("PRΩP")という言葉に置き換えられているそうです。

 フランスが最も偽札の流通が多い国であるということは、残念なことですが、それだけ観光客も多く、通貨のハブ(中心)でもあり、ヨーロッパで偽札を生産する第一人者であるイタリアに近いためだなどと、またイタリアを怒らせるようなことまで言う人もいます。

 観光でヨーロッパを訪れる際には、やはり、いくらかのユーロ紙幣の現金を両替してお持ちになると思いますが、銀行や正規の両替所で両替した場合には、偽札である可能性も少ないと思いますが、下手なところで買い物をすると、おつりが偽札なんてことも無きにしも非ずなので、この手のトラブルを避けるには、やはりカードを使用する方が賢明のように思います。


ユーロ紙幣の偽札


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2023年2月5日日曜日

国連人権理事会、日本に死刑制度廃止を勧告とフランスの死刑制度廃止

   


 国連人権理事会が日本に死刑制度廃止を勧告しました。これは、国連加盟国に対して定期的な審査を行うもので、この勧告には法的拘束力はありません。

 今回、6年ぶりに100ヵ国以上から寄せられた300の提言の中で、日本に対しては「死刑制度の廃止」と「国際基準を満たす独立した人権擁護機関の設立」を要求しています。また、「外国人が収容される入国管理センターでの医療体制を改善し、長期間の拘束を避けるように」助言しています。

 この外国人を収容する入国管理センターでの外国人に対する不当な扱いなどは、かなり頻繁に目にした気がするので、おそらくかなり目立ってしまった問題なのかもしれません。

 特に注目されるのは、やはり、「死刑制度廃止」についての問題で、これについては、フランス(やドイツ)が特に大きな声を上げているようなので、フランスの死刑制度廃止の経緯から、フランスがなぜ死刑制度廃止することになったのかを見てみることにしました。

 今では「死刑制度廃止」を世界に向けて訴え、旗を振っている感のあるフランスではありますが、フランスが死刑制度を廃止したのは、そんなに大昔のことでもありません。

 フランスが死刑制度を廃止したのは、1981年のことで、これは遡って1972年に執行された死刑に端を発したものであり、これが冤罪であった可能性があり、フランスの死刑制度廃止に導いたと言われるロバート・バデンタール氏(弁護士)が「人を殺してもいない人間が法によって殺される可能性があるという事実は、古代の報復の法さえ超えている!」とそれまでの死刑制度に反旗を翻し、「死刑制度廃止」に向けて動き始めたのです。

 その後、バデンタール氏はこれを単なる議論だけには、留まらせずに、フランソワ・ミッテランの2度の大統領選挙キャンペーンに積極的に参加し、彼は法務大臣にまで上り詰め、1981年彼の国会での大演説により、フランスは「死刑制度の廃止」の道を選択し、フランスは世界で35番目に死刑制度を廃止した国となりました。

 フランスは、これは、フランスが人間の尊厳を守り、強化していくために重大な決断であったとしています。

 フランスが「死刑制度廃止」を絶対的に支持するのは、これが「最も基本的な人権を尊重するシンボリックなことである」と同時に、「死刑は犯罪との闘いにおいて有用な手段ではない」としており、「死刑がもたらす人命の損失は回復不可能であり、どんな法制度も正義の誤謬(ごびゅう)を逃れることはできない死刑の執行は単なる刑罰政策の手段ではなく、人権侵害である」としています。

 また、フランスでは死刑になるような国に人を送還することも禁じられています。

 一昨年、フランスの死刑制度廃止から40周年を迎えた式典では、当時、この死刑廃止運動を推進したバデンタール氏(現在94歳)も招かれ、記念講演会が行われ、「死刑は人類の恥である!」「未だ約50ヵ国が死刑制度についてモラトリアム状態を続け、2020年には、483件の国家による殺人が行われた」と、死刑制度を続ける国をかなり厳しく非難しています。

 私自身は、冤罪の可能性がある限り、死刑は執行するべきではないと考えますし、犯罪抑止を考えるなら、終身刑にして、その事件の背景や状況などを徹底的に究明し、今後の犯罪抑止に役立てるべきだと思っています。

 特に私には、当時、世界を震撼とさせた社会問題であったとも言われるオウム真理教事件などについては、犯罪に関わった人から、失敗したからこそわかるどうしたら新興宗教に騙されないかなどという考察はもっと得られたのではないか?と思っています。

 日本国民の世論の多くは「死刑制度は致し方ない」というもののようですが、その実、あまりこのことについて、考えていないのだと思います。

 日本の死刑についての情報は伏せられたままで、死刑執行後に「死刑を執行しました」という報告のみで、議論にも至らない状況であることは、国民を考えることから遠ざけているように思います。

 生き地獄という言葉もあるのです。一生、外の世界に出ることなく、償い続ければよいのです。家族を殺された遺族には、やるせない思いは残るでしょうが、だからといって、殺されたからといって、人を殺してはならないのです。

 ましてや冤罪であったりしたら、取り返しのつかないことです。

 人を殺してはいけないということは、国家とて同じことだと思うのです。


死刑制度廃止


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2023年2月4日土曜日

フランスでも報道される日本の「テロリズム SUSHI」寿司テロ

  


 今やフランスにもすっかり定着したSUSHIは、どこのスーパーマーケットにでも置かれるようになり、冷凍食品としても存在し、パリの街を歩いていても、かなり頻繁にお寿司屋さんを目にするほどになりました。

 そのクォリティは、それこそ、日本の回転ずしにも遥かに及ばないにもかかわらず、値段はかなりのもので、スーパーマーケットに置かれているものに関しては、へたをすると「酷いものだと「これ売り物なの?」と思うようなものまでが、15~20ユーロ(約2,000円~2,800円)くらいの価格で売られていて、また、それが売れているのに驚かされます。

 まあ、それでも売れるのだから置いているので、驚く方がおかしいのですが・・。

 そこまでフランスに浸透しているSUSHIですが、そういえば、回転寿司のお店はあまりありません。(全くないわけではない)

 フランスで回転寿司というものがあまり広まらないのには、いくつかの理由があると思いますが、寿司というものが、そんなに安いわけでもなく、設備投資にもお金がかかり、また、フランス人が好む「手作り感」だったり、「人がサービスするという形態」ではなかったりもするためとも思われます。

 しかし、そもそもフランスでは、回転寿司のような営業形態が成り立つほど、お客さんを信用できないということもあるかもしれません。

 考えてみれば、フランスのレストランでは、せいぜい塩、胡椒程度はあるにしても、各テーブルに備え付けのように置いてあるものはなく(頼めば持ってきてくれますが・・)、注文してからナイフとフォークも持ってきてくれるのが普通だし、お客さん側の善意に基づいて成り立つようなことはあまり存在していません。


 

 今回の「テロリズム SUSHI」に関しては、内容には、日本で報道されているとおりの内容ではありますが、この少年に関しては、「寿司を冒涜するティーンエイジャー」と表現しており、また、「衛生と清潔に関してはことさら厳しい日本」では、このニュースが大炎上しており、同社の株価は5%急落し、醤油の瓶をすべて交換し、店内のコップをすべて洗浄し、衛生対策を強化したと伝えられています。

 また、「おもてなし(OMOTENASHI)の国、日本なはずが・・」などと書いているところもあります。

 そして、同社に加えて、他の2つのチェーンも法的措置をとることを発表しており、カメラを設置して客を監視するシステムを導入することも検討されているとも・・。

 「寿司を冒涜する」という表現を使うところは、ある意味、寿司に対する畏敬というには、ちょっと言い過ぎではありますが、尊敬の念が感じられるところも、なかなか興味深いところです。

 悪ふざけにしては悪質で、幼稚なふるまいで、なにが楽しいのか全くわかりませんが、これが一部の若者であるとしても、そのあまりの幼稚さに情けない気がします。

 これは、無銭飲食でもなく、本人も何も得るものがないのにこのような行為に走るのは、テロとしか言いようがありませんが、もし、これがフランスだったら・・と考えれば、こんな生易しいことではすまなくなるような気もします。

 日本のサービスには、性善説というか、客側が善意の人であることを前提になされているものが多く、これらのことが日本でも成り立たなくなりつつあるのかもしれません。


SUSHIテロ 回転寿司


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2023年2月3日金曜日

Kookaï(クーカイ)、Pimkie(ピンキー)相次ぐ中堅どころの衣料品ブランドの経営危機

 


 

 パンデミックのために、パリ市内のお店はずいぶん、入れ替わった印象があります。毎日、お店をチェックして歩いているわけではないので、ハッキリしたことは言えませんが、しばらく行かなかった場所に行くと、「あれ?ここにこんなお店ができている!」と思うことが多いため、新しいお店ができているということは、いつの間にか、消えているお店も少なくないということです。

 よほど印象の強いお店、あるいは、自分が行ったことがあり、確かな記憶に残っているお店でもない限り、新しいお店になってしまえば、ここは、もとは何のお店だったかも思い出せないくらい、街の景色はあっという間に塗り替えられてしまうものです。

 またそのくらい印象が薄いから消えてしまったとも言えるわけですが、この消えていく店舗の中に、衣料品・プレタポルテ(既製服)のお店も少なくありません。

 昨年のうちに倒産したCamaille(カマイユ)に続き、今年に入って、先月末には、Go Sport(ゴースポーツ・スポーツウェア・スポーツ用品店のチェーン)が管財人の管理下におかれたという話を聞いたと思ったら、今度はKookaï(クーカイ)も管財人が任命され、Pimkie(ピンキー)は売却され、新しいオーナーを迎え、負債を整理するために、現在フランス国内にあるピンキー213店舗のうち、少なくとも100店舗は閉鎖される見込みと言われています。

 これらの衣料品業界の低迷は、パンデミックを機に、消費者のトレンドが変化したことが理由とされていますが、どのブランドもフランス人なら一応、知っている、大きめのコマーシャルセンターなどに行けばたいてい店舗が入っている印象のお店で、ある程度の知名度もあり、中堅どころの、まあまあお手頃価格のブランドでした。

 そのうえ、最近は、そのコマーシャルセンター自体も危うい感じが無きにしも非ずで、こうなってくると、もう悪循環です。

 ファッション業界には流行があるので、時代の波に乗って、それなりに変化していかなければ生き残れないのは、自明の理であることは言うまでもありません。

 時代の移り変わりによって、自然淘汰されていくのは、致し方ないといえば、それまでなのですが、それでも、ある程度の存在、規模までに到達していたはずのブランドが消滅してしまうことは、いささか寂しくもあります。

 これらのブランドに共通することは、中堅どころで、比較的お手頃価格の商品を扱っていたといブランドうことで、このあたりの位置は、オンラインショッピングに侵略された感があります。

 これに比べて、ディオールやシャネル、エルメスなどのハイブランドは、ますます勢いを増している現状には、この業界の極端な両極化を感じさせます。

 つまり、これまで中堅どころに位置していた部分が抜け落ちていく危険性があるということです。考えてみれば、この中堅どころというものは、インパクトも薄くなりがちで、おそらく現在、この中堅どころのブランドとして確固とした位置を築きつつあるユニクロなどは、次々とその特化したクォリティを活かした新製品を発表したり、これまで欠けていると思われていたファッション性も少しは追及するようになり、また、店舗の場所の選び方なども非常に練りこまれている感じがします。

 とはいえ、ここまでフランスに浸透していたブランドが消えるということは、寂しさもあるだけでなく、それなりの店舗数も抱えていたことから、また大勢の失業者が生まれます。

 時代がどんどん変化していくうえに、パンデミックやインフレなどの要因も加わり、その状況も含めて、それを凌駕する勢いで企業も変化を続けなければ生き残れない・・そんな時代の厳しさをこれらの衣料品ブランドの相次ぐ経営危機から感じるのです。


Kookaï(クーカイ)、Pimkie(ピンキー)


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2023年2月2日木曜日

2月1日から変わること・・は、ほぼ値上げのお知らせ

  


 年があけて、はや1ヶ月が経過したところで、「2月1日から変わること」という報道が出回っています。

 しかし、残念なことに、これらは、ほぼ値上げのお知らせのようで、先月のガス代値上げに続いて今度は電気代が15%値上げされます。これまでにすでに値上げされていた電気代がさらに15%上がることは、ゾッとさせられる気もしますが、CRE(La Commission de régulation de l'énergie)(エネルギー規制委員会)が公表している卸売市場での電力供給コストに応じた料金体系によると、国が出資する料金シールドがなければ、電力料金は99.22%(税込み)の大幅な値上げを余儀なくされたと言われているので、それが本当ならば、15%程度の値上げで済んでいるということは、まだまだ国によって保護されているのだと飲み込まなければならないことなのかもしれません。



 そして、高速道路の通行料は平均4.75%アップ。ただし、電気自動車を利用する場合は、1年間5%割引が適用されるそうです。

 また、SNCF(フランス国鉄)は、コスト13%値上がりを理由にチケットを平均5%の値上げ。これまでパンデミックのために、緩くなっていたチケットのキャンセルや変更について、出発前3日前までなら、無料でキャンセル(払い戻し)や変更が可能であったものが、1週間前までにキャンセル、変更手続きを行わなければ、TGVの場合は19ユーロ(以前は15ユーロ)、インターシティの場合は15ユーロ(以前は12ユーロ)の手数料がかかることになります。

 タクシー料金は最大4%の値上げ、Uberの最低料金も10.20ユーロに引き上げられます。

 これらの値上げのお知らせからもわかるとおり、ほとんどが燃料費の高騰によるものです。

 また、値上げではありませんが、失業保険の支給期間が25%短縮されます。失業保険の支給期間は、それまでの就労期間や失業形態により、期間は異なりますが、例えば、これまで12カ月間、失業保険を受ける権利のあった人は9カ月間に短縮されるということです。

 これだけのインフレで物価が上昇し、生き残れない企業が倒産していき、新たな失業者も生まれるであろうタイミングでこれもなかなか厳しい対応ではあります。

 まことに不景気で気が沈む話ばかりではありますが、唯一の朗報は、定期預金Livret A(リブレA)の利率が2%から3%へ、Livret d'épargne populaire (LEP)の利率が4.6%から6.1%に上昇します。

 しかし、この利率の上昇でさえも、「1月の物価上昇率が1年間で6%を記録し、預金通帳の純収益が強くマイナスになっている事実を消し去ることはできない」と一般的には辛口の評価です。

 日本の銀行の定期預金の利率がメガバンクでさえも0.002%とゼロがいくつつくんだっけ?と、もはやカウントするのもばからしいような状況を見ている者にとっては、フランスの方が全然マシじゃん!フランスにできて、日本はなぜできない?と今度は日本の状況まで腹立たしく思えてくるのでした。 

 この他、フランスでは、2月1日から、コロナウィルスの感染対策がさらに大幅に軽減され、症状がなければ、陽性者でさえも強制隔離がなくなる・・という変更もあるのですが、もはや、この強制隔離撤廃などは、ろくにニュースにさえならず、人々はひたすら年金改革やインフレについて、注目しているのであります。


電気代値上げ インフレ 


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2023年2月1日水曜日

2回目の年金改革反対の大規模デモとストライキ 

 


 かねてからの予告どおりに、年金改革反対デモが、前回の規模を上回り、大規模に行われました。CGT(労働組合連合)の発表では、フランス全土で280万人を動員したとありましたが、当局の発表では、127万人との発表でかなりの誤差があり、正確な数字は不明ですが、いずれにしても、前回の動員数を上回る大規模なものとなりました。

 この手のデモには、公共交通機関等のストライキがセットのようになっていますが、誰もが大迷惑を被っているには変わりありませんが、かなり前から日程が予告されているために、リモートワークに切り替えたりする選択肢ができたために、昔ほどには、混乱していないような気もします。

 しかし、個人的には、小さい子供を持つ親たちにとっては、学校のストライキがどうにも辛いような気がします。

 前日には、「このデモには、200人から400人のブラックブロック(黒い服に身を包んだ破壊行動に及ぶ集団)の出没が見込まれている」などという報道もあったので、デモ自体が規模を大きくするうえに、また、パリの街が破壊される!と危惧もあったのですが、どうやら、このブラックブロックは警察や憲兵隊によってブロックされたようで、一部、催涙ガスで応戦したりする場面もあったようですが、大きな破壊行動は見られなかったようです。



 もはやデモで催涙ガスで応戦などという状況には驚かなくなっている自分もちょっとどうかとも思うのですが、これまで、車やゴミ箱、店舗や銀行などが燃やされるような、さらに深刻な破壊行動を目にしてきたために、これならまだマシ・・と思ってしまうのです。

 しかし、おそらく、今回のような大規模なデモを暴力的な破壊行動に発展していくことを防ぐためには、相当な警備で固めているものと思われます。一度、デモ隊を警備する憲兵隊の一団に遭遇したことがありましたが、かなりの厳つい重装備で、固まって歩いているだけでも、ちょっと怖いような感じで、しかも、かなりの大人数で、威圧感がハンパない感じでした。

 このデモの一日が終わるか終わらないかのうちに、早々に次回のデモは2月7日と11日の2日間にわたり行われるという発表があり、こんなことばかりは、素早い決定と発表だ・・と、ため息が出てしまいました。

 前回に比べて、次回のデモまでの予定が1週間後と、期間が狭まったことや2日間にわたるということには、このまま勢いをつけて加速させていく試みが感じられますが、逆に動員が2日間に分散されてしまうことも考えられます。

 この勢いを増していく国民のデモに対して、政府はかなり泰然と構えている印象で、なにがあっても応じない姿勢が感じられます。政府報道官は、「デモを続ける行為は尊重されるべきものであり、続けたい者は続ければよいが、働く人々を尊重してほしい」と述べ、内務相などは、「概ね安全にデモを保護することができた警察の働きに感謝したい」などと余裕のツイートをしたり、首相にいたっては、年金改革に対する疑念は受け止めるが、軌道修正するつもりはないと発表したり・・これだけ大勢の人が声を上げているデモにもかかわらず、びくともしていない感じがあります。

 今回のデモ・ストライキでは、ストライキの方に関しては、総合的には、若干前回の勢いを下回っていたようで、ストライキを行えば、当然ながら、その日の分の給与は支払われないわけで、このインフレの中、そうそうストライキもしていられない苦しい懐事情も関係しているような気がします。

 政府からしてみれば、このような大規模なデモにもかかわらず、「騒ぎたい奴らは騒いでおけ・・」ということで、これが破壊行動を伴ってさらに悲惨な状況にならないように厳重な警備で固めておくことで、発散させるところは発散させておくという態度で、この先、どこまで国民が根気よくこの叫びを上げ続けるのか?は、政府対国民の闘いはまだまだ続きそうです。

 いずれにしても、細かいことは色々あるにせよ、大きくは2年間定年の年齢が延長されるという話。しかも62歳から64歳へ。

 日本をはじめ、もうとっくに定年は65歳あるいは、それ以上になっている国も少なくないところ、64歳でここまで大騒ぎするフランス人のエネルギーにある意味、すごいな・・逆に、「こんなに元気なら、もう少し働けるのでは・・」などと、うっかりフランス人の前では呟けないようなことをこっそり思っているのです。


フランス年金改革反対デモ 2回目 


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