2023年11月14日火曜日

一時帰国のためのダイエットの思わぬ誤算

  


 日本の一時帰国には、一応、色々な用事はあるものの、やっぱり何よりも楽しみなことは、美味しいものをたくさん食べることで、この時ばかりは、ダイエットには、目をつぶり、胃薬片手に食べる気満々で臨みます。

 よって、フランスに戻った時には、体重が増加していることは、必須なのですが、それはあとで取り戻すとしも、少しでも、そのギャップを埋めるために、出発前から、準備段階として、少し食事を控え目にして、少しでも痩せてから日本へ行こうと、気持ち、控え目な食事を続けていました。

 とはいっても、お土産を買い集めている間、そのほとんどが食料品のために、行く先々で、試食したり、また

、日本には持って行けなさそうなものにもかかわらず、(つまり、本当ならば、試食する必要はない)「えっ?なに?これ?美味しそう!」、「こんなの初めて見た!」とかいうものにも次々と遭遇し、「やっぱり食べてみたい・・うん・・食べよう!」と、お土産とは関係のないものまで買う始末なので、そんなに厳しくダイエットしていたわけではありませんでした。

 でも、少し食事を控え目にするとか、夜中には食べないようにしようとか・・気持ち、気を付けるだけで、自分では、少しお腹のあたりがすっきりしてきたような気がしていました。

 そもそも少し痩せるとか言いながら、私は自分の体重というものを測ることはなく、大変、いい加減なものです。だいたい数字が見えるとその数字にしばられて、気になって仕方がなくなるので、図らないという、わけのわからない理屈なのですが、我ながら、本当に大雑把です。

 昨日、日本に持っていく買い物に友人が付き合ってくれるというので、じゃあ、そのまえに、ちょっとランチでもしようか?ということになり、「私、日本で思う存分食べるために、ダイエット中」といったら、まあ、じゃあさっぱりした軽いものにしようか・・ということになったのですが、結局のところ、食べたのはファラフェルのサラダでした。

 久しぶりのファラフェルに「外はカリッとして、中はふんわりしていて、やっぱりここのファラフェル、美味しい!」などと、ごきげんに食べ始めたのですが、友人と楽しくおしゃべりしながら、食べ進むにつれて、しばらくすると、なんだかお腹がいっぱいに・・。いつもなら、これぐらい、軽く食べて、えっとデザートどうする?なんて感じなのに・・。

 なんと、大して痩せたとも思えないにもかかわらず、少し食事を控えていたために、胃が小さくなってしまったみたいで、食事半ばでもうお腹がいっぱいになってしまったのです。ガ~~~ン!!!

 これは、なんたる誤算!これでは、日本で思いっきり食べられないではないか?と自分でも唖然となりました。

 これからは、日本行きの前は、胃の大きさを保ちつつ、痩せるようにしなければ・・と思ったのですが、今回は時、すでに遅しで間に合いません。

 これでは、日本で少しずつ大きくなるであろう胃の大きさがMaxの状態で、フランスに戻るという最悪の状況です。

 ほんとうにくだらないことに真剣に取り組んでいる挙句がこれですから、自分で自分が情けなくなりました。

 おまけに荷物の重さを測ろうと体重計に乗ったところ、なんと体重計は電池切れで、家では荷物の計量もできずに、でかけることになります。まったく我ながら、この無計画で土壇場に来て焦る(というほど焦ってもいない)感じ。私ってダメだな~とつくづく思います。


日本一時帰国


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2023年11月13日月曜日

40万ユーロを拾った人・・2年経って、半分を受け取れる!

  


 映画や小説だとしても、少々、嘘くさいような話が時には、存在するようです。

 今から2年以上も前になる2021年の5月にヴァール県(プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地域圏)のラ・ロンドのヴァルクロスの険しい山道を2組のカップルが散歩していたところ、連れていた犬が地面を掘りだし、地面の中から古い金属製の箱を見つけました。

 なんと、その中には、黒いビニール袋に入った200ユーロ紙幣500枚の束が4束、合計40万ユーロ(約6,450万円)が入っていました。ただでさえ、日常ではほとんどお目にかかることのない200ユーロ札です。私など、1枚見ただけでもビックリしますが、それが札束で見つかったわけですから、その驚きたるや計り知れないもので、見慣れないだけに、ホンモノのお札かどうか?さえも、きっと、わからなかったかもしれません。

 フランスで、お金、というかお財布などを落としたりしても、まず、見つかることはないし、(落す前に油断していると盗られるし・・)、それが届けられたりしたという話も聞いたことがありません。

 しかし、彼らは正直者で警察に届け出ていたようです。あまりの金額に、逆に怖くて、到底、このように隠しているお金は、まともなお金とは考え難いし、ちょっと自分のモノにしてしまうのも、かえって躊躇われるものなのかもしれません。

 警察に届けられたお金については、このお金の出所と、なぜ、ここに埋められていたのかを解明するために、AGRASC(押収・没収資産管理回収庁)によって調査が行われると同時に、憲兵隊による捜査が行われてきたようです。

 目撃者を募って、事情聴取が行われ、犬チームによる敷地内捜索が行われ、その箱についたDNAの痕跡のサンプルは科捜研で分析されたりもしたようですが、結局、何も立証することができずに2年が経過した現在、捜査は犯罪行為、違法行為を立証できずに中止されました。

 まともなお金ならば、このような場所に隠すはずもなく、持ち主が名乗り出ることもなかったのです。

 結果的に、法律上、この40万ユーロの半分は、この落とし物を発見して届け出た人のものになり、残りの半分は、この土地の所有者(今回の場合は国有地)のものになります。

 この土地の市長は、この40万ユーロを警察に届け出た2カップルの誠実さを称賛するとともに、市が受け取る20万ユーロについては、この資金を市の「緑化プロジェクト」に使いたいと語っているようです。

 この箱を発見した2カップルが4人で20万ユーロを分けるとしても、1人5万ユーロ(約800万円)です。

 この現代版「ここ掘れワンワン!」、ウソのようなホントの話。

 思わず、犬を飼おうか?と冗談のように思ったり、現実的にこのような収入には、税金がかかるのだろうか?などと考えてしまいます。せっかく正直に届け出たのですから、課税しないであげてほしいなと思います。


40万ユーロの落とし物


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2023年11月12日日曜日

シャルルドゴール空港からパリに向かう車を狙う強盗が激増!

  

 

 車に乗っていて、強盗に襲われるという話は、パリでは珍しい話ではなく、場所にもよると思いますが、私の知人もパリの16区で車を走行中、信号で車を停車させたときに、いきなり強盗がドアを開けて押し入ってきて、助手席においてあったバッグを奪われたという話を聞いたことがあります。

 その話を聞いて、「バッグ等の荷物は座席の上などの見える場所には絶対におかない!」、「車のドアは必ずロックすること!」という教訓を心に刻みました。

 だいたい、車に乗っていたら、信号では車を止めなければならないし、ましてや、物を奪われる以前に、強盗が車に押し入ってくること自体が恐ろしいことで、少なくともドアをロックすることや獲物をちらつかせないといったスキを見せないことで少しでも恐ろしい事態を防げるかもしれません。

 ところが、最近、聞くのは、空港を出る時点から、車がつけられて、渋滞中などで車を減速、あるいは停車せざるを得なくなった時に、どこからともなくバイクが近付いてきて、車の窓ガラスを割って、強盗が押し入ってきて、荷物を強奪されるという恐ろしい話が浮上し始めました。

 先日、モンゴルのオリンピック代表団の団長とその夫人がパリCDGに到着し、空港からパリのホテルに向かう途中、スタット・ド・フランス近くのサン・ドニのランディトンネルのあたりで強盗に襲われています。

 車がトンネル付近に差し掛かったとき、2人乗りをしたオートバイが車に近づいてきて、強盗の一人は車の窓ガラスを割り、もう一人が宝石等の入ったバッグを強奪していったとのこと。

 この強盗自体も驚かされる事件でもありますが、この被害者であるモンゴル人のオリンピック代表団の団長の被害申告の内容もまた、二重にびっくりさせられるものでした。

 なんと、申告された内容は、単価16万5千ユーロのゴールドとダイヤモンドのイヤリングを含む57万ユーロ(約9,200万円)ということで、彼らは被害者ではあるものの、「オリンピック関係者ってどんだけ持ってるの?」という気がしてしまいました。


 この強盗は後日、サンドニで逮捕されたようですが、22歳~25歳の3人組だったようです。この犯行には、CDG空港を出るときから、仲間がターゲットを見つけて、ターゲットについての車などの情報メッセージを伝え、追跡チームがその後、車を追って襲うというチームの作業になっているようで、この3人組は、その前にも同様の手口で、サウジアラビアからの観光客を襲い、5万ユーロを強奪していたそうです。

 しかし、この強盗の手口は彼らに限ったものではなく、この手の強盗は頻繁に報告されているそうで、空港とパリ市内を結ぶ高速道路A1では、金品を持っていそうな観光客(アジア人や中東人が特にターゲットになっている)に対する襲撃事件が頻繁に起きているそうです。

 強盗の手順は常に同じで、車が速度を落としている間に、バイクが近付いてきて、そのうちの一人がタクシーの隣に立ち、客室内の手の届く範囲にある物をつかむ側窓の 1 つを割り、強奪品を奪うとすぐにバイクで逃げ去るというものらしいです。

 空港からパリ市内に向かう道は、渋滞することも多く、一度狙われたら、窓ガラスを割られて押し入られるのでは、避けられない感じもします。

 パリにいらっしゃる方は、くれぐれも目立たないように、できるだけ簡素な服装で、空港に着いた瞬間から、目をつけられないよう、お気をつけください。

 こんな警告をしなければならないなんて、まったく悲しいことです。


空港からの車を襲う強盗団


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2023年11月11日土曜日

フランス人と犬

 


 「ハチ公生誕100周年」という記事が出ていて、正直、「こんなこと、フランスでニュースとしてとりあげられることなんだ!」と、ちょっと驚きました。

 ハチ公は意外にも海外でも有名で、今や海外から東京のイメージ画像として当然のように流されるようになったのは、渋谷のスクランブル交差点だし、ハチ公の銅像もそのすぐ近くにあるのですから、まあ、日本(東京)を訪れる外国人からしたら、渋谷を訪れたら、スクランブル交差点とともに、せっかくなら・・とハチ公の銅像を見てみたいと思うのかもしれません。

 かつて、映画にもなったハチ公は、その忠犬ハチ公と言われる忠犬ぶり(毎日のように渋谷駅で主人を出迎えていたハチは、主人が亡くなった後も10年近くも主人を待ち続けた)の逸話が人々の心に突き刺さっているのかもしれません。

 フランスでニュースになっていたことから、私は初めて、ハチ公が1923年11月10日生まれの白い秋田犬であったことを知ったのです。銅像でしかハチ公を知らなかった私は、ハチ公が白かったということがとても新鮮でした。ソフトバンクのお父さん犬みたいな感じ?とか想像してしまいました。

 そもそも、フランス人には犬好きの人が多く、日本にいた時よりも、ずっと多くの犬を見かけるような気がします。犬だけの数ではありませんが、2023年現在、フランスでは、170万匹以上のペットが飼われているそうです。

 あまり勤勉とも思えないフランス人が、「よく犬の世話をして、散歩させているなぁ・・」と感心すると同時に、かつては、街を歩けば、犬を見かけるだけでなく、下手をすると犬のフンを踏んでしまいそうになることを心配したものです。

 しかし、犬のフンの放置に罰金が課せられるようになったり、街中に犬のフンを始末するための袋がところどころに取り付けられるようになったせいか、めっきり、そのような心配も減りました。

 今は、あまりにふつうで慣れてしまったので、特に何も思わなくなってしまいましたが、そういえば、パリのメトロの中などでも、よく犬を連れている人をみかけます。今日も2匹のワンちゃんをみかけました。

 一匹はけっこう大きめな犬、もう一匹は、犬用のリュックサックに入っていて、飼い主の背中で、「あれ?ワンちゃん?」と思ってのぞくと、やたらとあくびをしていました。ラッシュアワーではないので、そんなに迷惑でもないのですが、こうして、街中や公共交通機関の中にも、あたりまえのように犬がいて、ことさら誰も気にしていないので、ごくごくふつうに人々の生活に溶け込んでいる感じです。

 フランス人は人と人との距離が近いような気がしていますが、動物との距離も近いのかもしれません。人に対しても動物に対しても、愛情をかけるということが好きで、DNAレベルで身についているようなところがあるような気もします。

 犬の方もあちこち主人と一緒にでかけることに慣れているのか、とても大人しく、お行儀もよく、犬が入れない場所などだと、外に繋がれたまま、ハチ公さながらに、じっとご主人様の入っていった建物の方を向いて、じっと、待っていたりする姿を見かけると、可愛いなぁ~と思います。

 私は、もっぱらネコ派で、散歩をしなくてもよく、自分の好きな時にだけ寄ってくる気ままに暮らしてくれる猫が気楽で好きなのですが、そんな犬を見かけると、犬も可愛いなぁと思って、犬と出かけるというのもやってみたい気がします。

 そうやって、外で見かける犬はたいてい、とてもお行儀がよいです。

 今日、たまたまメトロの中にいたら、停車駅で子供を抱いた背の高い男性が乗ってきて、なんと不注意にも、彼が車内に乗り込むときに、男性の身長が高いために、子どもの頭が扉に直撃し、子どもがギャン泣き、かなりの強さで頭を打ったかと思い、周囲の人々は心配そうにしていたのですが、当の男性は、大して気にせず、子どもをあやすでもなく、子どもが泣き続けていました。

 まあ、パパが気にしていないのなら、大丈夫なのかな?とちょっとホッとしたのもつかの間、少し離れたところで、けっこうな年配の男性と女性が激しい言い合いをはじめ、子どもは泣き続けるは、おじいさんとおばあさんがののしり合いを始めるは、ちょっとしたカオス状態になりました。

 そろそろ、年末が近づいてきて、なんだか、イラついている人も増えてきたのかな?と思っていると、そのすぐ近くには、なかなか大きめな犬が座って、その様子を見守っていて、もしかしたら、犬の方がお行儀よいのかも?と思ったりもしたのでした。


フランス人と犬


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2023年11月10日金曜日

パリでちょっと気の利いたクリスマスカードを探すのは大変

  


 近々、日本に一時帰国の予定で現在、日本に持っていくお土産物を調達して歩いています。日本に行くのは、一年半ぶりくらいで、とても楽しみな反面、頭が痛いのは、日本に持っていくお土産物のことです。

 もう四半世紀近くもフランスにいるため、日本に帰国するたびに、日本に持っていくものは、もう持っていき尽くした感じもあり、また友人や親戚など、日本滞在中に会う予定の人々の数も日常の私からしたら、信じられない数にのぼり、行きの荷物の大部分はほぼお土産物です。

 最近は、もうほぼ食料品なのですが、それにしても、日本での日程と賞味期限を確認しなければならないし、以前は大丈夫だった生ハムなどは肉類が日本に持ち込めないようになって以来、またひとつ選択肢が減ってしまって大変、残念です。

 まあ、大半は、日本だとえらく高く売られているフランスのバター、チーズなどの乳製品やチョコレートなどのお菓子類が中心ですが、せっかくならば、何か目新しいものがあれば・・と色々、考えます。

 バターなどは、冷凍して、出かける直前に保冷袋に入れて、他の冷蔵品(チーズなど)と一緒にスーツケースに入れて預けてしまえば、飛行時間中はほぼ冷蔵状態が保たれるので、大丈夫です。

 ごくごく近しい人には、連絡をして、「何か欲しいものがあったら、買っていくよ!」と希望を聞いて用意していくのですが、今回は、季節柄ということもあって、その中に、「もしも、プレゼントにちょっと添えるくらいの気の利いたクリスマスカードがあったら・・」という希望がありました。

 私自身、フランスに来たばかりの頃は、年賀状を出さなくなった代わりにと、クリスマスカードを出していた時期もありましたが、今では、すっかり、そんな習慣もなくなり、せいぜい出しても、すべてネット上で送るクリスマスカードです。



 そもそもクリスマスカードをはじめ、ちょっと気の利いたカードとか、広くいえば文房具の類は、断然、日本の方がよいものが多く、ことクリスマスカードなどは、「なにこれ?だっさ~~」と思うものがほとんどで、様々な広告類、デコレーションなど、洗練されたものが見られるフランスで「なんでクリスマスカードがこれ?」と思うものに溢れているのは、本当に不思議なことです。

 それでも、普段は探さないものを探して、思わぬ発見をするのも楽しいので、一応、色々、見て歩きましたが、本屋さんや文房具屋さんの類ならばともかく、デパートなどに行って、「クリスマスカード探しているんですけど・・」と尋ねると、「へっ??クリスマスカード??」とそんなもの探してるの?と言わんばかりの雰囲気を醸しだして驚かれる感じで、もうクリスマスカードというもの自体が廃れつつあるものであるのではないか?と思わされます。

 それでも、あるには、あるのですが、やたらと大判のものが多く、子供じみたクマなどがど~んと描かれているものなどが多くて、売り場そのものも、隅の方に追いやられています。

 自分が自信をもって、これはカッコいい!とか、すてき!と思うものならともかく、今ひとつ微妙なものしかみつからないものの中から選ぶというのは、大変、難しく、色々、見て歩いたなか、一応、数枚は買ってみたのですが、なんかモヤモヤ。

 クリスマスカードだけではなく、広く文房具などに関しては、やっぱり断然、日本の方が気の利いたものや可愛いものがあるんだろうな・・とあらためて実感した次第です。

 それでも、文房具全般に関しては、以前よりはだいぶマシになってきたとは思いますが、逆に、日本の文房具は、私が日本に行ったときに、覗いてみたくなるものでもあり、フランス人へのおみやげものに買っていくものでもあるのです。


クリスマスカード


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2023年11月9日木曜日

フランス政府が導入する繊維製品修理ボーナス

  


 フランス政府は昨年の11月に電子機器・家電製品修理ボーナスシステムを導入し、すでにこのサービスが開始しています。これは電子機器・家電製品の寿命を長くし、廃棄物を削減することが目的に導入されたシステムで、6年間で4億1千万ユーロ割り当てられている、かなり、大きな試みで、修理にかかる費用の一部(製品によって、10ユーロから45ユーロ)を政府が負担してくれるというものです。

 正直、今年、我が家は電化製品の故障が続いておこり、真夏の盛りに突如、冷蔵庫が壊れ、それから少ししてプリンターが壊れるという災難?に見舞われましたが、その時には、この電気製品修理ボーナスのことなど、すっかり忘れており、また、たとえ、覚えていたとしても、事態は急を要し、修理に来てもらって直してもらうことを待っていることはできません。

 例えば、冷蔵庫にしてみれば、急に冷蔵機能がストップしてしまったのですから、中にある食品は、真夏のことゆえ、放置しておけば、どんどん腐敗していくわけで、ある程度、自分でネットなどで調べた結果、もうこれはダメだ!と判断して、すぐに新しいものを買いに行き、翌日には配送してもらえるように頼んできたのです。

 これがもし修理するとなれば、冷蔵庫を自分で電気屋さんに持っていくことは不可能で、まず、修理屋さんに来てもらわなければなりません。このような人に来てもらうだけでも、相当な金額がかかり、また、その予約も直ぐにとれるとは限らず、そのうえ、予約がとれたところで、その予約どおりに職人さんが来てくれる保証もなく、そのうえ、見てもらった挙句に結局、修理不可能となっても、職人さんの出張料金は支払わなければなりません。

 現在のところ、冷蔵庫の修理には25ユーロの補助金が出るということになっていますが、かなりの確率で、大幅に足が出るのはほぼ確実なので、このような大きな家電製品の場合は、実際のところは、あまり現実味がない気もしています。

 今回、政府が発表している繊維製品修理ボーナスについては、この家電製品修理ボーナスに続く、第二弾となる「洋服や靴」に関するもので、家電製品に比べると、こちらの方が利用する人は多いのではないかと思われます。

 そもそも、フランスには、この衣服のお直し、修繕のお店というものは、けっこうあるもので、気を付けて街を歩いていると、こんなところにもお直しのお店があるんだ・・と思うことも多く、けっこう洋服が吊るされていたりするところを見ると、もともと利用者は少なくないのかもしれません。

 消費者はこれらの修繕の代金を政府が援助する金額を差し引いた金額で支払うことができるシステムになるそうで、縫い目のほつれの修理が6ユーロから、ジャケットの裏地の交換や革靴のソールの張り替え25ユーロまでが政府の負担となりますが( これには他にも十数種類の価格が含まれている)、この政府の負担分が修理費用の 60% を超えることはできない仕組みとされています。

 私自身は、これまで洋服の修理を頼んだことはないのですが、以前、務めていた会社には、このお直しを引き受けている女性が御用聞きのように会社に出入りしていて、けっこう、多くの人が修理を頼んでいました。

 もともと、堅実(悪くいえば、ケチ)なフランス人、古いものを長く大切に使うという習慣があるようで、この洋服や靴に関する修理ボーナスはけっこう多くの人に受け入れられるのではないか?という気がしています。

 靴のソールなどの張替えは、私も何度か頼んだことがありましたが、最近は、もはや靴らしい靴を履くこともあまりなく、もっぱら運動靴ばかり履いているので、運動靴の場合はソールの張替えというわけにもいかず、今回もあまり個人的には、恩恵に預かれない感じです。

 とはいえ、廃棄物を削減していこうとする試みを政府が先導して行うというのは、環境問題への取り組みとしては、よいことであると思いますが、その分だけ、新しい製品の売れ行きが低下する可能性も大いに考えられ、ZARAやユニクロなどは、店舗でこのお直しを受け付けるというサービスにも参入し始めています。

 この繊維製品修理ボーナスには、2023年から2028年までに1億5,400万ユーロが投入されるそうです。


繊維製品・靴修理ボーナス


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2023年11月8日水曜日

パリの市営プールの風景

  


 私が定期的にしている運動といったら、もう最近は水泳くらいなもので、何もしないでいれば、衰えるばかりの身体能力を維持するどころか、衰えを少しでも食い止めるくらいくらいなものですが、それでもやらないよりはマシだと、最低、1週間に1度は近所にある市営プールに行って、1㎞泳ぐことにしています。

 ロックダウン中には、家でエアロビクスをしたり、ストレッチをしてみたり、縄跳びをしたりもしていたのですが、一度、縄跳びをしていて、いつのまにか骨折していたのに気づかずに、いつまでも腫れがひかないので、医者に行ったら、骨折していたという情けないことがあって以来、やっぱり水泳が一番、怪我をする危険も少なく、安全だと思うようになりました。

 昔から泳ぐことは好きで、若い頃は毎日1キロ泳いでいた時期もあったのですが、さすがに今では、それは、とんでもなくキツくて、あまりハードルをあげると続かないので、最低1週間に1回1㎞と決めています。

 別に何かのレッスンに通っているわけではないので、好きな時に行って、好きなように泳いでくるのですが、どういうわけか、だいたい同じ曜日の同じ時間帯に行くことになります。

 市営プールなので、学校のある時期は、近所の学校に大半の時間を割り当てられているので(フランスの学校には、それぞれの学校がプールを持っていないので(近所の市営プールを学校ごとに時間帯を分け合いながら水泳の授業を行っています)、一般に公開される時間は、早朝か昼休み、夕方から夜の時間帯に限られているので、私の場合は、早朝はムリなので、だいたい昼休みの時間か夕方になるのですが、その一般公開の時間ならばいついってもいいのに、曜日や時間帯はだいたい、いつも同じになってしまいます。

 水曜日に行くと、小学校はお休みなので、小さい子供がいたりして、また、少人数の子供に水泳を教えたりしているのを見かけたりもします。学生時代、アルバイトで子供に水泳を教えたりしていたこともあったので、子供に水泳を教える様子はなかなか興味深く、平泳ぎを教えている場面に遭遇して、「かえるみたいに足をひきつけて~、エッフェル塔みたいに足を開く~」とか教えているのに、なるほど、なかなかフランスらしい教え方だ・・などと一人、感心していたりしています。

 今週は、ちょっと予定が立て込んでいて、いつもプールに行く日に行けそうもないので、まあ、今週はパスしてしまおうか?とも思ったのですが、近々、日本に行くので、日本で思う存分食べたいので、少しでも運動して体重を落としておかなければ・・と思い腰をあげてプールに行ってきました。

 いつも行かない日に行ってみると、なにやら、ちょっと年配の女性がたくさんいて、どうやら、水中エアロビクスのプログラムをやっているようで、「こんなの初めて見た!」、「違う日に来ると違う光景に遭遇するものだ!」と、それはそれで、いつもはあまり遭遇しない人々、しかも、高齢層の大人数のパワーあふれる女性たち・・ふだん、あまり見かけないタイプの人々です。

 この寒い中、プールの中で、けっこうポップな音楽に合わせて身体を動かしに来ている人々は明るくて元気でパワフルな感じで、しかも、こんなに運動してるのに・・なぜか、けっこう体格のよい人(控え目に言っている)が多いのも不思議です。

 しかし、スポーツジムに通っていたときも感じたのですが、年齢を重ねても、自ら積極的に運動している人々は、明るくて気さくな感じの人が多いような気がします。市営プールゆえ、近隣に住む人がほとんどのため、家も近いせいか、みんなわりと構わずに、お化粧っけもあんまりなく、髪の毛でさえも、適当に乾かして、帽子をかぶって帰っちゃう・・ようなところが、とっても気楽です。

 そんな中、私は、自分に課しているノルマの1㎞をなぜかせわしい気分で黙々と泳ぎ、そんなおばちゃんたちを微笑ましく思いながら、自分が今週も一応、ノルマの1㎞を達成したことに満足して帰ってきました。

 毎日毎日の生活は、ついつい同じルーティーンで動きがちなのですが、たまには、時間帯や曜日を変えてみると、けっこう、全然、いつもとは違う光景やいつもとは違う人々に遭遇して楽しいものだ・・と思ったのでした。


パリの市民プール


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