2023年2月4日土曜日

フランスでも報道される日本の「テロリズム SUSHI」寿司テロ

  


 今やフランスにもすっかり定着したSUSHIは、どこのスーパーマーケットにでも置かれるようになり、冷凍食品としても存在し、パリの街を歩いていても、かなり頻繁にお寿司屋さんを目にするほどになりました。

 そのクォリティは、それこそ、日本の回転ずしにも遥かに及ばないにもかかわらず、値段はかなりのもので、スーパーマーケットに置かれているものに関しては、へたをすると「酷いものだと「これ売り物なの?」と思うようなものまでが、15~20ユーロ(約2,000円~2,800円)くらいの価格で売られていて、また、それが売れているのに驚かされます。

 まあ、それでも売れるのだから置いているので、驚く方がおかしいのですが・・。

 そこまでフランスに浸透しているSUSHIですが、そういえば、回転寿司のお店はあまりありません。(全くないわけではない)

 フランスで回転寿司というものがあまり広まらないのには、いくつかの理由があると思いますが、寿司というものが、そんなに安いわけでもなく、設備投資にもお金がかかり、また、フランス人が好む「手作り感」だったり、「人がサービスするという形態」ではなかったりもするためとも思われます。

 しかし、そもそもフランスでは、回転寿司のような営業形態が成り立つほど、お客さんを信用できないということもあるかもしれません。

 考えてみれば、フランスのレストランでは、せいぜい塩、胡椒程度はあるにしても、各テーブルに備え付けのように置いてあるものはなく(頼めば持ってきてくれますが・・)、注文してからナイフとフォークも持ってきてくれるのが普通だし、お客さん側の善意に基づいて成り立つようなことはあまり存在していません。


 

 今回の「テロリズム SUSHI」に関しては、内容には、日本で報道されているとおりの内容ではありますが、この少年に関しては、「寿司を冒涜するティーンエイジャー」と表現しており、また、「衛生と清潔に関してはことさら厳しい日本」では、このニュースが大炎上しており、同社の株価は5%急落し、醤油の瓶をすべて交換し、店内のコップをすべて洗浄し、衛生対策を強化したと伝えられています。

 また、「おもてなし(OMOTENASHI)の国、日本なはずが・・」などと書いているところもあります。

 そして、同社に加えて、他の2つのチェーンも法的措置をとることを発表しており、カメラを設置して客を監視するシステムを導入することも検討されているとも・・。

 「寿司を冒涜する」という表現を使うところは、ある意味、寿司に対する畏敬というには、ちょっと言い過ぎではありますが、尊敬の念が感じられるところも、なかなか興味深いところです。

 悪ふざけにしては悪質で、幼稚なふるまいで、なにが楽しいのか全くわかりませんが、これが一部の若者であるとしても、そのあまりの幼稚さに情けない気がします。

 これは、無銭飲食でもなく、本人も何も得るものがないのにこのような行為に走るのは、テロとしか言いようがありませんが、もし、これがフランスだったら・・と考えれば、こんな生易しいことではすまなくなるような気もします。

 日本のサービスには、性善説というか、客側が善意の人であることを前提になされているものが多く、これらのことが日本でも成り立たなくなりつつあるのかもしれません。


SUSHIテロ 回転寿司


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2023年2月3日金曜日

Kookaï(クーカイ)、Pimkie(ピンキー)相次ぐ中堅どころの衣料品ブランドの経営危機

 


 

 パンデミックのために、パリ市内のお店はずいぶん、入れ替わった印象があります。毎日、お店をチェックして歩いているわけではないので、ハッキリしたことは言えませんが、しばらく行かなかった場所に行くと、「あれ?ここにこんなお店ができている!」と思うことが多いため、新しいお店ができているということは、いつの間にか、消えているお店も少なくないということです。

 よほど印象の強いお店、あるいは、自分が行ったことがあり、確かな記憶に残っているお店でもない限り、新しいお店になってしまえば、ここは、もとは何のお店だったかも思い出せないくらい、街の景色はあっという間に塗り替えられてしまうものです。

 またそのくらい印象が薄いから消えてしまったとも言えるわけですが、この消えていく店舗の中に、衣料品・プレタポルテ(既製服)のお店も少なくありません。

 昨年のうちに倒産したCamaille(カマイユ)に続き、今年に入って、先月末には、Go Sport(ゴースポーツ・スポーツウェア・スポーツ用品店のチェーン)が管財人の管理下におかれたという話を聞いたと思ったら、今度はKookaï(クーカイ)も管財人が任命され、Pimkie(ピンキー)は売却され、新しいオーナーを迎え、負債を整理するために、現在フランス国内にあるピンキー213店舗のうち、少なくとも100店舗は閉鎖される見込みと言われています。

 これらの衣料品業界の低迷は、パンデミックを機に、消費者のトレンドが変化したことが理由とされていますが、どのブランドもフランス人なら一応、知っている、大きめのコマーシャルセンターなどに行けばたいてい店舗が入っている印象のお店で、ある程度の知名度もあり、中堅どころの、まあまあお手頃価格のブランドでした。

 そのうえ、最近は、そのコマーシャルセンター自体も危うい感じが無きにしも非ずで、こうなってくると、もう悪循環です。

 ファッション業界には流行があるので、時代の波に乗って、それなりに変化していかなければ生き残れないのは、自明の理であることは言うまでもありません。

 時代の移り変わりによって、自然淘汰されていくのは、致し方ないといえば、それまでなのですが、それでも、ある程度の存在、規模までに到達していたはずのブランドが消滅してしまうことは、いささか寂しくもあります。

 これらのブランドに共通することは、中堅どころで、比較的お手頃価格の商品を扱っていたといブランドうことで、このあたりの位置は、オンラインショッピングに侵略された感があります。

 これに比べて、ディオールやシャネル、エルメスなどのハイブランドは、ますます勢いを増している現状には、この業界の極端な両極化を感じさせます。

 つまり、これまで中堅どころに位置していた部分が抜け落ちていく危険性があるということです。考えてみれば、この中堅どころというものは、インパクトも薄くなりがちで、おそらく現在、この中堅どころのブランドとして確固とした位置を築きつつあるユニクロなどは、次々とその特化したクォリティを活かした新製品を発表したり、これまで欠けていると思われていたファッション性も少しは追及するようになり、また、店舗の場所の選び方なども非常に練りこまれている感じがします。

 とはいえ、ここまでフランスに浸透していたブランドが消えるということは、寂しさもあるだけでなく、それなりの店舗数も抱えていたことから、また大勢の失業者が生まれます。

 時代がどんどん変化していくうえに、パンデミックやインフレなどの要因も加わり、その状況も含めて、それを凌駕する勢いで企業も変化を続けなければ生き残れない・・そんな時代の厳しさをこれらの衣料品ブランドの相次ぐ経営危機から感じるのです。


Kookaï(クーカイ)、Pimkie(ピンキー)


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2023年2月2日木曜日

2月1日から変わること・・は、ほぼ値上げのお知らせ

  


 年があけて、はや1ヶ月が経過したところで、「2月1日から変わること」という報道が出回っています。

 しかし、残念なことに、これらは、ほぼ値上げのお知らせのようで、先月のガス代値上げに続いて今度は電気代が15%値上げされます。これまでにすでに値上げされていた電気代がさらに15%上がることは、ゾッとさせられる気もしますが、CRE(La Commission de régulation de l'énergie)(エネルギー規制委員会)が公表している卸売市場での電力供給コストに応じた料金体系によると、国が出資する料金シールドがなければ、電力料金は99.22%(税込み)の大幅な値上げを余儀なくされたと言われているので、それが本当ならば、15%程度の値上げで済んでいるということは、まだまだ国によって保護されているのだと飲み込まなければならないことなのかもしれません。



 そして、高速道路の通行料は平均4.75%アップ。ただし、電気自動車を利用する場合は、1年間5%割引が適用されるそうです。

 また、SNCF(フランス国鉄)は、コスト13%値上がりを理由にチケットを平均5%の値上げ。これまでパンデミックのために、緩くなっていたチケットのキャンセルや変更について、出発前3日前までなら、無料でキャンセル(払い戻し)や変更が可能であったものが、1週間前までにキャンセル、変更手続きを行わなければ、TGVの場合は19ユーロ(以前は15ユーロ)、インターシティの場合は15ユーロ(以前は12ユーロ)の手数料がかかることになります。

 タクシー料金は最大4%の値上げ、Uberの最低料金も10.20ユーロに引き上げられます。

 これらの値上げのお知らせからもわかるとおり、ほとんどが燃料費の高騰によるものです。

 また、値上げではありませんが、失業保険の支給期間が25%短縮されます。失業保険の支給期間は、それまでの就労期間や失業形態により、期間は異なりますが、例えば、これまで12カ月間、失業保険を受ける権利のあった人は9カ月間に短縮されるということです。

 これだけのインフレで物価が上昇し、生き残れない企業が倒産していき、新たな失業者も生まれるであろうタイミングでこれもなかなか厳しい対応ではあります。

 まことに不景気で気が沈む話ばかりではありますが、唯一の朗報は、定期預金Livret A(リブレA)の利率が2%から3%へ、Livret d'épargne populaire (LEP)の利率が4.6%から6.1%に上昇します。

 しかし、この利率の上昇でさえも、「1月の物価上昇率が1年間で6%を記録し、預金通帳の純収益が強くマイナスになっている事実を消し去ることはできない」と一般的には辛口の評価です。

 日本の銀行の定期預金の利率がメガバンクでさえも0.002%とゼロがいくつつくんだっけ?と、もはやカウントするのもばからしいような状況を見ている者にとっては、フランスの方が全然マシじゃん!フランスにできて、日本はなぜできない?と今度は日本の状況まで腹立たしく思えてくるのでした。 

 この他、フランスでは、2月1日から、コロナウィルスの感染対策がさらに大幅に軽減され、症状がなければ、陽性者でさえも強制隔離がなくなる・・という変更もあるのですが、もはや、この強制隔離撤廃などは、ろくにニュースにさえならず、人々はひたすら年金改革やインフレについて、注目しているのであります。


電気代値上げ インフレ 


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2023年2月1日水曜日

2回目の年金改革反対の大規模デモとストライキ 

 


 かねてからの予告どおりに、年金改革反対デモが、前回の規模を上回り、大規模に行われました。CGT(労働組合連合)の発表では、フランス全土で280万人を動員したとありましたが、当局の発表では、127万人との発表でかなりの誤差があり、正確な数字は不明ですが、いずれにしても、前回の動員数を上回る大規模なものとなりました。

 この手のデモには、公共交通機関等のストライキがセットのようになっていますが、誰もが大迷惑を被っているには変わりありませんが、かなり前から日程が予告されているために、リモートワークに切り替えたりする選択肢ができたために、昔ほどには、混乱していないような気もします。

 しかし、個人的には、小さい子供を持つ親たちにとっては、学校のストライキがどうにも辛いような気がします。

 前日には、「このデモには、200人から400人のブラックブロック(黒い服に身を包んだ破壊行動に及ぶ集団)の出没が見込まれている」などという報道もあったので、デモ自体が規模を大きくするうえに、また、パリの街が破壊される!と危惧もあったのですが、どうやら、このブラックブロックは警察や憲兵隊によってブロックされたようで、一部、催涙ガスで応戦したりする場面もあったようですが、大きな破壊行動は見られなかったようです。



 もはやデモで催涙ガスで応戦などという状況には驚かなくなっている自分もちょっとどうかとも思うのですが、これまで、車やゴミ箱、店舗や銀行などが燃やされるような、さらに深刻な破壊行動を目にしてきたために、これならまだマシ・・と思ってしまうのです。

 しかし、おそらく、今回のような大規模なデモを暴力的な破壊行動に発展していくことを防ぐためには、相当な警備で固めているものと思われます。一度、デモ隊を警備する憲兵隊の一団に遭遇したことがありましたが、かなりの厳つい重装備で、固まって歩いているだけでも、ちょっと怖いような感じで、しかも、かなりの大人数で、威圧感がハンパない感じでした。

 このデモの一日が終わるか終わらないかのうちに、早々に次回のデモは2月7日と11日の2日間にわたり行われるという発表があり、こんなことばかりは、素早い決定と発表だ・・と、ため息が出てしまいました。

 前回に比べて、次回のデモまでの予定が1週間後と、期間が狭まったことや2日間にわたるということには、このまま勢いをつけて加速させていく試みが感じられますが、逆に動員が2日間に分散されてしまうことも考えられます。

 この勢いを増していく国民のデモに対して、政府はかなり泰然と構えている印象で、なにがあっても応じない姿勢が感じられます。政府報道官は、「デモを続ける行為は尊重されるべきものであり、続けたい者は続ければよいが、働く人々を尊重してほしい」と述べ、内務相などは、「概ね安全にデモを保護することができた警察の働きに感謝したい」などと余裕のツイートをしたり、首相にいたっては、年金改革に対する疑念は受け止めるが、軌道修正するつもりはないと発表したり・・これだけ大勢の人が声を上げているデモにもかかわらず、びくともしていない感じがあります。

 今回のデモ・ストライキでは、ストライキの方に関しては、総合的には、若干前回の勢いを下回っていたようで、ストライキを行えば、当然ながら、その日の分の給与は支払われないわけで、このインフレの中、そうそうストライキもしていられない苦しい懐事情も関係しているような気がします。

 政府からしてみれば、このような大規模なデモにもかかわらず、「騒ぎたい奴らは騒いでおけ・・」ということで、これが破壊行動を伴ってさらに悲惨な状況にならないように厳重な警備で固めておくことで、発散させるところは発散させておくという態度で、この先、どこまで国民が根気よくこの叫びを上げ続けるのか?は、政府対国民の闘いはまだまだ続きそうです。

 いずれにしても、細かいことは色々あるにせよ、大きくは2年間定年の年齢が延長されるという話。しかも62歳から64歳へ。

 日本をはじめ、もうとっくに定年は65歳あるいは、それ以上になっている国も少なくないところ、64歳でここまで大騒ぎするフランス人のエネルギーにある意味、すごいな・・逆に、「こんなに元気なら、もう少し働けるのでは・・」などと、うっかりフランス人の前では呟けないようなことをこっそり思っているのです。


フランス年金改革反対デモ 2回目 


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2023年1月31日火曜日

日本のピエールエルメのお店にビックリした! PIERRE HERMEとピエールエルメ

  


 現在、日本で仕事をしている娘が時々、自分が美味しいものを食べたり、これが、こんな値段で売られているとか、私の好きなお店とか、フランスにゆかりのあるものなどを見つけたりすると写真を送ってくれるのですが、つい最近、娘が送ってくれたのは、ピエールエルメのお店の写真でした。

 「偽物かと思ったら、ホンモノだった・・ダサすぎ・・」と。

 正直、私も正直、「なにこれ?」とビックリしました。

 パリにピエールエルメのお店はかなりありますが、どこの店舗もおしゃれで洗練されていて、同時期でも場所によって、デコレーションは違いますが、それぞれに、イメージのコンセプトがはっきりしていてカッコいいのです。

 私は、正直、そんなに興味もないので、通りすがりに外から眺める程度なのですが、今回、彼女が送ってくれた写真には、びっくりしました。

 日本人でも読みやすいようにカタカナ表記にしたのかもしれませんが、イメージや店舗のデコレーション、デザインなどには、ことさら気を配っていると思っていたピエールエルメ(というか、全般的にフランスのブランドのお店)がまさかのこの表記には、ビックリです。

 見慣れない分、違和感も強いのだと思いますが、100歩譲ってカタカナ表記にするとしても、せめて、そのカタカナの書体(字体)くらいはもう少し選んでもよかったのではないか?と。

 まぁ、これは、失礼な言い方をすれば、かなりマイナーな地域にできた店舗なのかな?と思いきや、なんと、これは渋谷の店舗なのだと聞いて、二重にビックリしました。

 これまでも、ピエールエルメは、かなり商魂たくましいという印象があり、今はパリにもかなり店舗が増え、ギャラリーラファイエットなどには、すべての階にピエールエルメのスタンドがある?と思うくらいですが、一時はフランスよりも日本の店舗数の方が多いくらいで、日本は完全にマーケットのターゲットになっているんだな・・と思ったこともありました。

 最近では、コンビニスイーツに参入したり、高級イメージで売っていたはずなのに、大丈夫なの?と思ったりもしました。

 もう数年前になりますが、シャンゼリゼの真ん中にロクシタンとのコラボの店舗を展開したり(今でもあるけど・・)、それが、同じマカロンで有名なラデュレのハス向かいだったりして、なかなかたくましいものだ・・と思っていました。

 しかし、今回、彼女が送ってくれた写真の店舗は、調べてみると、渋谷の東急フードショー・デリゾーン(しぶちか)の新名所を目指している「Made in ピエールエルメ」という店舗で、PIERRE HERMEとは別のブランドのお店なのでした。

 つまり、私の思っていたPIERRE HERMEではなかったわけです。

 偽物というよりは、別物だったのです。

 娘が「なんだか売っているものも全然違う・・」と言っていたのですが、ここでのメインの商品は、焼き立てのフィナンシエやマドレーヌ、マカロンやロールケーキ、チーズケーキなのだそうで、元祖PIERRE HERMEのお店とは別物の「Made in ピエールエルメ」というお店なのだそうです。

 この渋谷の店舗はお菓子が中心なようですが、ピエールエルメ氏と初期からのビジネスパートナーであった「Made in ピエールエルメ」の社長は、ピエールエルメ氏とともに見つけた日本の厳選された食材に目を向け、お菓子だけではない、調味料やお茶など、広範囲にわたる食材の選りすぐりの商品を扱っているお店のようです。

 どちらにしても、まだあまり知られていない「Made in ピエールエルメ」という命名もどうかと思いますが、なんといっても、このお店の看板には、わざわざ「ピエールエルメ」の名前を使うことがマイナスのイメージになっているような、そんな感じです。

 これが全くの別物ならば。PIERRE HERMEからしたら、「ピエールエルメはPIERRE HERMEとは別ブランドです」と言いたくなる感じな気がします。

 どちらにしても、商品そのものがよければ、いいとはいえ、「ん~~この看板・・」どうにも納得がいきません。

 


ピエールエルメ 渋谷 Made in ピエールエルメ


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2023年1月30日月曜日

数年ぶりに冬のソルドで買い物

  


 今やほしいものはネットで探して、値段を比較して、より安い商品をいつでもどこでもポチって買える時代に政府がソルド(バーゲン)の期間を制定する意味がどれだけあるのかと思いますが、一応、今でもフランスでは政府が夏と冬のバーゲンの期間を設定しています。

 若い頃には、このソルドの時期が待ち遠しく、ソルドの初日にはお休みをとって買い物に行ったり、普段は、お店を見て歩くと、欲しいものを我慢するのがつらくなるから、むやみに見て歩かないようにするほど、洋服や靴などをやたらと買っていた私ですが、もうすっかり、そういった物欲も着飾りたいと思う気持ちも失せ、どちらかというと、もうすでに持っているものを有効に処分することに注力するようになっています。

 それでも、少し前までは、娘が○○が欲しいなどと言われて、その買い物につきあったりして、ソルドの時に買い物に行ったりしてもいたのですが、娘も独立した今、ソルドだからといって、買い物に行くこともなくなっていました。

 今年の冬のソルドは2023年1月11日8時からとご丁寧に時間まで決められていて(いつものことですが・・)終了は2月7日ということになっているようです。

 以前は、とにかくカッコいい靴が好きで、今から考えると、若い頃は、ソルドというと、ハイヒールばかりを買っていたのですが、フランスに来て以来、石畳ということもあり、ハイヒールなどはすっかり履かなくなり、今やもっぱらスニーカーというか運動靴ばかり。

 健康のことを考えて、できるだけ歩くことを心掛けているため、運動靴でひたすら、パリの街を歩いているのです。さすがに運動靴は消耗品で、傷んできても、修理して履くというわけにもいかず、ネットで探してもいいけれど、やっぱり靴は履いてみないとモデルによってもサイズも違うし、まぁ機会があれば、ソルドの期間中に買えればな・・くらいに思っていたのです。

 今回も一人だったら、めんどくさくなって、「まぁ、また今度でもいいか・・とか、どうしても必要になれば、ソルドじゃなくても買うか・・」と思ってしまっていたと思うのですが、たまたま友人がつきあってくれるというので、「まぁ、気に入ったものが見つかれば・・」くらいなつもりで、久しぶりにソルドを覗いてきました。

 ソルドは特に狙いを定めたものがある場合は、初日か最初の週末、それ以降は、1週間ごとに値引き率が上がっていくので、物にもよるし、タイミングにもよるのですが、早すぎれば、さほど値引きしていないし、かといって、遅いと、商品も残っていないので、どこがよいタイミングなのかも難しいところです。

 ましてや靴の場合はサイズもあるので、欲しいものがあってもサイズがないということも少なくないので難易度が上がります。そしてソルドも終盤に近付くと、ソルドの商品よりも並んでいるのはほとんど春物の新作だったりもするので、ソルドに行ったつもりが、結局、全然、値引きしていないものを買ってくることになるということも少なくありません。

 何よりも、春物の値段は定価でも冬物に比べて安いことは大きな落とし穴です。

 結局、数店舗を廻って、いくつかの靴を履いてみても結局サイズがなくて、また、自分のサイズだと思っていたものが、このモデルは小ぶりだからと、サイズが合わなかったりして買えず、いい加減、めんどくさくなってきて、ここでもうなければ、今回はもういいやと思ったところで、気に入った運動靴に出会い、その中で2足、サイズのあうものがありました。

 どっちにしようかな?と思ったのですが、2足とも、半額になっていたので、「まぁいいか・・、どうせ、いつも同じようなのが欲しいんだし、2足買っても1足分だ・・」と思い、2足の運動靴を買ってきました。

 結局、2足買って、定価分と同じ金額を支払うことになったので、なんだか安かったにしろ、高くついたような気もしましたが、結局は1足分の値段で2足買えたわけで、やっぱり安かったなと満足し、「やっぱりソルドは悪くない・・」と、ついソルドなど面倒になって、ついつい定価で買いがちな私は、えらく満足したのでした。


冬のソルド バーゲン


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2023年1月29日日曜日

2月1日からコロナウィルス感染対策緩和へ

  


 フランス政府は、コロナウィルス感染対策について、2月1日から、緩和することを発表しました。

 この感染対策緩和は、これまで「コロナウィルスの検査で陽性となっていた人々に対して強制的に隔離することが求められていたものが、この強制措置が解除され、感染者との接触した人の強制的な検査が求められなくなる」という結構、大胆といえば、大胆な内容となっています。

 しかし、厚生省は、「これらの感染対策は強制されるものではないにせよ、引き続き推奨されるものである」と追記しています。

 フランスのコロナウィルス感染については、ここ1カ月間で、1日の感染者数が1日平均2万件以上だったものが、5千件以下にまで減少しています。ここのところ、感染者数が劇的に減っているので、私はこの数字がちょっと信じ難く、検査機関のストライキのため、結果が正確に収集できていないせいだと思っていましたが、どうやら本当に減少していたようです。

 しかし、これらの感染対策緩和措置が発表されるまでもなく、もともと強制といいながらも、すでに、この強制措置はそれほど遵守されていたとも思えないので、この決定が大きく影響を及ぼすとも考え難く、むしろ、現状のフランス人の生活ぶりを見るにつけ、ほぼほぼ通常どおりの日常を送っているため、一応、名目上は強制措置となっていることが、なんとなくアンバランスな気さえするくらいです。

 この気温で、しかも、この普通の日常の生活ぶりで、感染者が減少しているのであれば、ことさら強制的な感染対策措置を行う必要も感じられず、むしろ、個々人の責任や感覚でそれぞれが感染対策を行うことも、少数派ではありながら、一定のマスク着用などが定着したことなどからも、ある程度は可能になってきたと同時に、何よりもこの感染者数の現状を見る限り、強制的な措置は妥当ではないとの判断なのだと思います。

 しかし、一部の専門家は依然として、異論を唱えてはいますが、義務化したところで、もうこれだけ生活が日常に戻っていれば、実際には制御不可能であり、また、義務化することによる社会的な補償が嵩み続けるのを抑えたかったことも正直なところではないかと思われます。

 これにより、隔離のために病欠扱いで補償されていた給与保障は、一般の病気?の病欠扱いと同じ保障の形態になります。

 これらの感染対策が緩和される中、依然として特別扱いされているのは、中国からのフライトと入国者に関するもので、1月初旬から規制されている「中国からフランスへのフライトを利用する搭乗客にはフライト中のマスク着用義務(6歳以上)、搭乗前48時間以内の検査での陰性証明提示、フランスに到着後は、無作為にスクリーニング検査を受け、結果が要請であった場合には隔離されることを約束しなければならない」という規制は、とりあえず、2月15日まで延長されることになりました。

 中国当局の発表によると、コロナウィルス感染に関する1日の死亡者数が1月初めから80%近く減少しており、12月から発生した最新の汚染の波が収まりつつあることを発表していますが(それ自体もあまりフランス側は信用していないと思われる)、しかし、1月22日に行われた旧正月で大規模な人の移動があり、ウイルスが広がる可能性が高いことから、旧正月後に感染の新たなピークが訪れると警告もしています。

 フランスの中国に対する感染対策の決定はこれによるものと見られています。

 パンデミックが始まって、そろそろ3年が経ちます。当初は、私は一年くらいで収まるだろうな・・と思い、「あの時は大変だったね・・」と笑顔で話せるときがくることを思い描いてきました。

 フランスの感染対策や数字を見る限り、峠は越えたかな?とも思えなくもありませんが、イマイチすっきり吹っ切れない日は、まだ、もう少し続きそうな感じです。


フランス コロナウィルス陽性者強制隔離措置撤廃


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