2026年8月8日土曜日

セーヌ川での遊泳はもはやふつうになった・・?

   


 2024年のパリ・オリンピックで水泳競技の一部(トライアスロンなど)をセーヌ川で行うという話を聞いたときには、ひっくり返りそうになりましたが、事前にパリ市長がデモンストレーションでセーヌ川で泳いでいるところを見せたり、マクロン大統領までもが「セーヌ川で泳ぐ!」と言い出したりして(結局は、マクロン大統領は泳がなかったけど)、なにやら、セーヌ川で泳ぐことに対する世間の冷たい風評をはねのけるためにゴリ押ししてる感じが否めない雰囲気でした。

 そして、昨年からは、夏になると、セーヌ川に3ヶ所の遊泳スポットが設けられるようになり、一般市民が泳げるようになり、今年の夏などは、特に激しい猛暑ということもあって、7月だけで7万人がこのセーヌ川の遊泳場を利用したと報道されています。

 パリ市内の一般的な市民プールの入場者数はおよそ1.5~2万人(7月)と言われているので、この7万人という数字はかなり多い数字です。

 今年の7月31日から8月16日までのヨーロッパ水泳選手権は、パリで開催されているのですが、オープンウォータースイミングと高飛び込みの競技は、セーヌ川で行われます。

 つまり、もう当然のように、なにも憚ることなく、セーヌ川が水泳の場所として定着してきた感があります。これは決してセーヌ川がきれいになったわけではなく、たんに人々が慣れてきた・・ということだと思います。

 夏の初め、パリのセーヌ川に指定された3つの遊泳場エリアが再開される際にセーヌ川と運河を担当するパリ副市長は「セーヌ川で泳ぐことの意義やその利点について、もはや誰も疑問を呈する声は聞こえてこない」と宣言しています。

 今年は、その勢いを後押しするように、パリは35℃を超える日が10日間以上も続き、蒸し暑い夜が続き、皆が泳げる場所を必死に探すような状況でした。気候変動は、セーヌ川遊泳に対する大きな障壁を打ち砕いたとも言えるかもしれません。

 ましてや、このパリのセーヌ川の遊泳場は無料で開放されているのです。そこまで入場の規制も厳しくありません。先月、私がパリプラージュを散歩していた時にたまたま、この遊泳場の一つを通りかかったのですが、子ども連れの親子が来ていて、3~4歳くらい?と思って見ていたら、入口のところに身長を測るラインが引いてあって、このラインより、大きくならないと入れないよ・・来年またおいでね・・と言われていたので、一応、年齢制限というか、身長制限はあるようです。

 しかし、この遊泳場は無料ですが、その他の遊泳禁止エリアでの遊泳には、罰金68ユーロに引き上げられることになりました。(2026年8月から)

 これは、猛暑の期間にセーヌ川の遊泳エリア以外で水難事故が何件か発生したこともこの罰金が設けられた理由のひとつでもあると思います。だいたいにおいて、罰金や罰則なしには、禁止などの規則はないも同じというのが、フランスです。

 遊泳スポットでは、毎日水質検査がなされているようですが、水質検査をするまでもなく、いくら安全と言われても、私はかなり抵抗があるというか、いくら頼まれてもムリです。

 あの深緑色の水、セーヌ川は大きな川ではありますが、遊泳場から、ほんの数メートルのところを貨物船が通っていくのにも、ギョッとさせられます(そこで泳ぐとしたらの話)。

 しかし、それでもセーヌ川で泳ぎたいと思う人は、増えているわけですが、それはそれとして、個人の自由。

 むしろ、公式の水泳競技が行われる方が気の毒といえば、気の毒で、選手たちにとっては、競技がセーヌ川で行われるからといって、辞退するわけにはいかないので、たとえ、あの深緑色の水に抵抗があったとしても、泳がないわけにはいかないので、とても気の毒な気がするのです。

 ヨーロッパに最初に来た頃には、夏、暑くなると、街中の噴水で水浴びしたりする人々を見て、びっくりした記憶がありますが、今やそれがセーヌ川・・しかも、それがふつうのこととして認識されるようになったことには、やはり、感覚の違いを感じざるを得ない気がしているのです。


セーヌ川遊泳


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