2022年10月7日金曜日

肉や魚の価格高騰でたまご人気が急上昇している!

 最近、買い物に行くと、気のせいか、スーパーマーケットの棚がガランとしているな・・と思うことがあります。特に肉や魚は、商品満載の感じが欠けている気がします。 一昨年末あたりから、「食品廃棄物防止」の試みで、賞味期限間近のものにアンチガスピヤージュ(無駄防止)の黄色いラベルが貼ってある商品を集めて置いていたケースが我が家の近所のスーパーマーケットから姿を消してしまいました。 思うに購買力が低下したために、仕入れを減らしているのか、別の方法で販売しているのかわかりませんが、結構、便利に使っていた私としては、残念なことです。 もともと、一度、痛い思いをして以来、ほぼスーパーマーケットで魚は買わなくなった私ですが、肉に関しては、もともとそんなに肉が大好き!(別に嫌いなわけでもないけど・・)というわけでもない私にとって、ボーッとしている私ですら気が付くほどに、明らかに以前とは値段が上がっていて、手に取ってみると、あまりの値段の高騰に、ちょっと「えっ??」と思ってしまうので、以前より肉を食べなくなっているかもしれません。 そんな中、多少、値段が上がっているとはいえ、まだまだ安い卵は、相変わらず、買い物に行けば必ず買うものの一つで、貴重な動物性タンパク質として頼りにしています。 卵焼きでもオムレツでも、ゆで卵でも、目玉焼きでも、茶碗蒸しでもケーキでも何にでも使える卵は、便利な食べ物で、簡単に食べられることも魅力です。 しかし、そんなことを考えているのは私だけではなかったようで、ここのところ、インフレ対策のためか、夏以降、肉や魚の売上が減少している代わりに卵の売上が180%増と目覚ましい躍進を見せているのだそうです。 フランス人が1年間に消費する卵の数は平均218個という数字を見て、これが多いのか?少ないのか?あまりピンと来なかった私は、では、日本人は?と思って調べてみたら、なんと、338個(一人あたりの卵の年間消費量)で、なんと堂々、世界第2位という卵大国!(ちなみに1位はメキシコの372個でした) 卵といえば、当然、海外の方がずっと食べているような印象があったのですが、意外にも日本人の方が卵を食べているようです。思えば、卵ほど日本人の食卓に欠かせない食品というのもそうそうないもの・・どおりで、私も海外にいても卵を重宝にして使っているわけでした。 考えてみれば、日本食には、卵焼き、だし巻き卵、オムレツ、丼ものなどに使う卵とじ、錦糸卵、炒り卵、ラーメンの味玉や月見なんちゃら・・など、思い浮かぶ卵料理はいくらでもあります。 そこへ行くと、フランス料理では、とりあえずクレープなどのお菓子作りなどに卵は欠かせず、キッシュやオムレツなどは、思い当たりはしますが、日本のバラエティに富んだ卵使いには、負けるような気がします。 しかし、このインフレと健康志向を機に、シャルキュトリー(ハムやパテ、ソーセージなどの肉加工商品)よりも安いうえに、はるかに健康的だと、あらためて、卵は注目を集めて、売上を急増させているようです。 こうなってくると卵を正当化する議論が始まるのもお決まりのパターンです。「卵といえば、コレステロールの過剰摂取を案ずる人がいるが、これは不当な評価で、必須ビタミンや抗酸化物質が多く含まれている優れものの食品だ!」などと今も、テレビで言っています。インフレ対応食品 卵 たまご<関連記事>「もうカーフールで魚は買わない」「フランスの食品廃棄物救済アプリ...

2022年10月6日木曜日

この冬の暖房費節約努力を示すシンボル タートルネック タートルネックは今年のモード?

  とにかく、現在のフランスは、節電・省エネアピールが凄まじいのです。 テレビをつければ、どうやって節電するかを論じ、ここ連日のようにフランス電力からは、こうすれば、値上げを回避できるとか、あなたの家庭での電力消費は・・と、自宅の電力消費を何に何パーセントし使用しているか?を円グラフにして送ってきて、どの部分を削減できるか検討しましょうとか、使っていない部屋の電気は消しましょうとか、使用していない電化製品のコンセントは抜きましょうとか、一番の節電は、消費しないこと・・などいうメールが送られてきます。 そして、ブルーノ・ル・メール財務相をはじめ、マクロン大統領自らも、いつものスーツにネクタイ姿から、タートルネックのセーターにジャケットを重ねたタートルネックでの防寒アピールで登場し、タートルネックがこの冬の暖房費節約努力を示すシンボルになりつつあり、また、今年の冬のモード(流行)になりつつあります。 紺や黒、ダークグレーなど、比較的薄手の生地のタートルネックは、首をすっきり見せて、顔を引き締めてみせてくれる感じで個人的には好みです。pic.twitter.com/UEZa5CEivA—...

2022年10月5日水曜日

ガソリンスタンドにガソリンがない トータルエナジーズ ガソリン切れのため一部休業

   パリ市内及びパリ近郊にあるフランス大手石油・ガス供給会社トータルエナジーズ(TotalEnagies)のガソリンスタンド40店舗中、17店舗でディーゼルやガソリンのストック切れのため、販売ができなくなり、一部が休業しなければならない事態に陥り、少々、混乱状態にあります。 よもや、ガソリン不足?とパニックに陥りかけている消費者に向けて、同グループ広報は「トタルエナジーズは在庫を積み上げ、現在定期的に輸入しているため、燃料不足はない」と断言しています。 トータルエナジーズは、9月の新年度開始以来、1リットルあたり20セントの値下げを導入したため、(政府が導入している1リットルあたりの値下げを併せると1リットルあたり50セントの恩恵を受けることができる)消費者が30%増加したと発表しています。 しかし、消費量が30%増加することで、供給が途絶えてしまうことなど、ちょっと通常では考えられない事態であることに変わりありません。 これには、同グループ製油所で行われているストライキ(従業員は10%の賃上げを要求)も影響していると言われていますが、それにしてもストライキなどフランスでは珍しい話でもなく、ガソリンスタンドにガソリンがない・・供給が途絶えるなどという話はこれまで聞いたことがありません。 運送会社や、通勤などに車が不可欠な人々にとっては値上がりだけでなく、ガソリンがない・・という事態は、深刻な事態に違いありません。 燃料価格高騰は、インフレの大きな原因の一つにもなっていますが、同社は、原油価格の高騰で過去最高の利益を記録したばかりです。この不況の中、少しでも安いガソリンを求める消費者が集まったことで、トータルエナジーズは成功をおさめているのです。 何かのトラブルに加えて、ストライキによる影響が加わることは、フランスではよくあることで、今年の夏のバカンスの初めに、CDG空港での空港職員のストライキに加えて、荷物積載のシステムダウンが重なったことで、ロストバゲージが2万個以上発生して、数ヶ月間空港に置き去りにされるという問題が起こりました。 そもそも、インフレのための賃上げ要求や労働条件改善などを求めてのストライキではありますが、このストライキがさらに問題を大きくしているところがあります。 その中で、確実に利益を上げている人々もいるのは見過ごされがちなところではあるのですが、今回のトータルエナジーズのガス欠は、そんな一面を露呈した出来事だったかもしれません。 パリ・パリ近郊のガソリンスタンド品切れは、40店舗中、17店舗のみですが、TF1によると、フランス国内にあるトタルエナジーの3,500店舗のうち、先週末までに100店舗近くがこの燃料不足の影響を受けたと言われています。 しかし、どうやら、このパニックは、他社のガソリンスタンドにも影響を及ぼし、他でもガソリンを入れるのは長蛇の列ができ始めている模様。そもそもやはり、絶体的なガソリン不足は、否めないのかもしれません。ガソリン不足 トータルエナジーズ<関連記事>「シャルル・ド・ゴール空港のロストバゲージの行方」「エアフランスのロストバゲージは45日経っても戻らない上に90日後には捜索も打ち切り」「エアフランス パリー羽田便運行再開と燃油サーチャージさらに値上げ」「フランス発の航空運賃 1年間で...

2022年10月4日火曜日

今週から始まるフランスの第8波対策ワクチンキャンペーン 3回目のブースター接種も可能になる

   すでに夏の始まりから、「秋には必ず第8波がやってくる!」と言われていましたが、その予想どおりに、フランスではコロナウィルス第8波が訪れています。ただ、現在のところ、そこまで、急激な増加にはなっておらず、波は波でも比較的、緩やかな波です。 ここのところ、気のせいかもしれませんが、一時よりは、ほんの若干ではありますが、マスクをしている人が見られるようになったのは、それなりにマスクが以前より(パンデミック前よりという意味)は、マスクを受け入れる人や、ある程度の予防効果を認める人が生まれたのだなと思っています。 フランス国立衛生局は、今週から本格的にワクチンキャンペーンを開始するとしており、希望者は誰でもワクチン接種を受けることができますが、特に重症化リスクの高い人、また、これらの重症化リスクの高い人と同居している人が優先されるべきだとしています。#Communiqué...

2022年10月3日月曜日

フランスに来て、ペンキ塗りも楽しくなりました

 今の家に引っ越してきて、考えてみれば、そろそろ20年近くが経って、家の中の、あちこちに綻びが見え始め、ここのところ、メンテナンスを心がけています。我が家のアパートは賃貸なので、そもそも備え付けのものは、自分で修理せずにも管理人さんに頼めば、修理の人を寄越してくれたり、交換してくれたりするので、ここのところ、軒並み、トイレの修理を頼んだり、お風呂の湯沸かし器用のバロン(給湯器)を交換してもらったりしました。 家の中もいつの間にか煤けた感じにもなり、壁紙が剥がれてきてしまったり、猫がガリガリ壁紙で爪とぎをしてしまったり、汚れてきたのが気になり、壁紙を剥がして、ペンキ塗りをするのが最近のマイブームになっています。 そもそも、パンデミックのロックダウン中に始めたペンキ塗り(ロックダウン中に、外出せずにできること、この際、ペンキ塗りや家の修繕をするという人も多かったために、この手のお店は、ロックダウン中でも営業許可が下りていたお店の一つでもありました)でした。 家の中にいる時間が増えると、家の中の汚れがやたら気になり始めます。 以前は、仕事や子供の送り迎えなどで、ほとんど家にいる時間がなく、家の中のことなど、あまり気にならなかったし、1日でもいいから、一度ゆっくり家にいてみたい・・これでは猫のために家賃を払っているみたいだ・・と冗談が出るほどでした。 しかし、家にいる時間が増えると、それなりに家の中で快適に過ごせるようにしたいと思うものです。 生活しているスペースでのペンキ塗りは、家具などをどかして、壁紙を剥がして、壁を一旦きれいにしてからやらなければならないので、どちらかというと、ペンキ塗りそのものよりも、その下準備の方が大変なくらいです。 日本に住んでいたら、決して自分でペンキ塗りするなどという発想はまるでなかったと思うのですが、フランス人はわりと自分の家の手入れ(DIY)(日曜大工)を自分でするのが普通なので、私もなんとなく、ペンキ塗りをすることに、そんなに違和感を感じなくなっていました。 カステックス前首相が首相を交代した時のインタビューで、「首相を辞めたら、まず何をしますか?」と聞かれて、「ペンキ塗りをしなきゃいけないところがあって・・」と答えていたのを聞いて、普通の人の生活に戻るんだな・・となんか、微笑ましい感じがした気がしました。 しかし、この間、日本にいる友人と電話で話をしていて、何気なく、「今、ペンキ塗りしていて・・」と言ったら、「えっ??ペンキ塗り?自分でやるの?」と驚かれて、今さらながら、「そういえば、私も日本にいたら、絶対、自分でこんなことはやらないかも?・・」と思ったのです。 日本でも、そういうことが好きな人はいるとは思いますが、私は決してそういうタイプの人間ではありませんでした。 しかし、一度、始めてみると、なかなか楽しくもあり、その部屋にある家具などのトーンに合わせた色のペンキを選びに行きます。Leroy...

2022年10月2日日曜日

カマイユ(Camaïeu)倒産に見るカマイユとユニクロ パリの微妙な比較

   フランスの服飾メーカー カマイユ(Camaïeu)は設立から38年。惜しまれながら、先週末でその幕を閉じ、フランス国内の512店舗全てが閉店しました。 カマイユ(Camaïeu)は、1984年に設立し、比較的低価格設定で、需要に応じて供給を調整する手法で、10年間であっという間に200店舗を抱えるフランスの人気ブランドの一つに成長しました。 急成長の途中、子供服、メンズにも手を広げますが、危機に直面して、これらは撤退。 2000年の時点でヨーロッパにも出店を始め、国際展開にも乗り出し、ネットワークを広げてロシアや中東のパートナーとも協定を結び、特にハンガリー攻略に乗り出します...

2022年10月1日土曜日

プーチン大統領のウクライナ領土併合宣言の演説

   クレムリンの神々しい大きな黄金の扉から、二人の兵士が大きなアクションで扉を開ける派手な演出の中、プーチン大統領が行った演説は再び世界中を騒がせ、フランスでも大騒ぎしています。 プーチン大統領は、その荘厳な演出とはうらはらに何やらせかせかと壇上にあがり、せっかく、こんな派手な演出をするならば、堂々と威厳のある感じで登場してもよさそうなものに・・と思いながら、私は演説の中継を見ていました。 今回の彼の演説は、投票が行われる前から多くの国々がパロディだとか、とんだ茶番劇だと言っているドネツク、ルハンスク、ケルソン、ザポリージャでのロシアへの統合に関する住民投票が行われた時点で予想されていたシナリオどおりで、最初にウクライナに侵攻を始めると発表した時のような驚きはありませんでしたが、この演説が再び、周囲の国々からの制裁を強くし、連帯させ、ウクライナへの援助が追加されることになることは、予想がつくはずのことでした。 プーチン大統領は、この投票の結果を圧倒的多数でこの4地域をロシアに併合することになったと語り、併合地域の4人の代表者と共に、これらの地域がロシアに加盟することを正式に表明する加盟協定に署名した。彼は「国民投票により、何百万人もの人々の意思に疑いの余地がない選択がなされた」と述べ、「ドネツク、ルハンスク、ケルソン、ザポリージアの住民は我々の市民であり、永遠に我々の市民だ ロシアはあらゆる手段で国土を守る」と宣言しました。 このウクライナ領土4地域併合の公式発表直後、プーチン大統領はウクライナに対して「すべての軍事行動を停止」し、「交渉のテーブルにつく」ことを要求し「キエフは今日、国民の自由な選択を尊重して考慮しなければならない」とウクライナに「停戦」を求める一方で、プーチン大統領は、南部と東部の4地域の併合問題を今後の交渉で取り上げることを拒否するとも断言し、それが「平和に向かう」道への「基礎段階」であると主張しました。 相変わらず、身勝手自分本位の主張のみです。 しかし、ウクライナへの停戦呼びかけについて以外は、演説のほとんどは、欧米、特にアメリカを非難する内容のもので、あらためて、この戦争の根源がプーチン大統領の欧米を敵対視する過去のソ連への幻想に取り憑かれているものであることを感じさせました。 「ワシントンはロシアに対して、「全世界を略奪」し、ロシアを「植民地」にするという「新植民地主義的なドルの独裁を維持」するために戦いを挑んでいる」、ウクライナの同盟国である欧州連合やバルト諸国は、米国の金で動く「奴隷」である」という過激で極端な論法は、逆に欧米を煽っているような気さえしてしまいますが、これは、ウクライナや欧米に向けられたもの以上にロシア国民に向けた、はったりや洗脳である気もしています。 また、ロシアのガスをヨーロッパに輸送するために建設されたガスパイプライン、ノルドストリーム1および2に大規模な漏れを引き起こした爆発の背後に欧米がいると非難しました。ウクライナ侵攻の最初からの言い逃れと同じ方法で自分でやっておいて、相手の仕業にする戦法?です。 「あらゆる手段で国土を守る」と述べることで核兵器使用を匂わせつつ、「アメリカは広島と長崎に原爆を落とし、核兵器使用の前例を作った」と自国の領土を守るために核兵器を使用する正当性を持たせるような発言に、アメリカも大激怒。 これに対して、バイデン大統領は、プーチン大統領演説の直後に「アメリカと同盟国はNATOの領土を隅々まで守る用意がある」「アメリカと同盟国は脅かされることはない」と警告に加え、この派手な式典はクレムリンの指導者の強さを示すための「見せかけ」であり、逆に「彼が窮地に立たされている」ことを物語っている、と述べています。 一時は、プーチン大統領とも、ほぼ毎日のように電話会談を行っていたマクロン大統領もEUの議長国の任期が切れたこともあるのか、最近はパッタリと彼との電話会談も減りました。しかし、この演説には、他国同様、「ロシアによるウクライナのドネツク、ルハンスク、ザポリジャ、ケルソンの各州の違法な併合を強く非難する。これは国際法およびウクライナの主権に対する重大な侵害である。フランスはこれに反対し、ロシアの侵略に立ち向かい、全領土に対する完全な主権を回復するためにウクライナの側に立つ」と声明を発表しています。 ウクライナだけでなく、アメリカ、欧州連合、G7、NATOと全てを敵に回し、ロシアが困っている状況なのは、明白で、30万人を部分的動員にと発表したとたんに、国民からも再び反発をくらって、ロシアから出国しようとする人が20万人を超えていると言われる中、必死の抵抗なのかもしれません。 しかし、プーチン大統領が「いかなる手段を持ってしても守る」のは、ロシアの領土であり、国民ではないことは、突然、動員されて戦禍の盾に使われようとしている国民にも伝わり始め、その国民の士気を高めるため、そして、ウクライナの攻撃を停止させるのが、一番の目的なのだと思います。 まことに理解し難い言動ばかりのプーチン大統領ですが、この先のシナリオをどう考えているのか?全然、読めませんが、この戦争がこのまま歳を越してしまうのは必須な感じがしてきました。プーチン大統領演説 ウクライナ領土併合<関連記事>「ロシア・ウクライナ問題 パンデミックの次は、本当の戦争の危機」「プーチン大統領の演説にフランスの大統領選挙報道が吹っ飛んだ!」「在ウクライナ...