毎年夏のバカンスの時期の終わりになると、3,000万人以上の住宅所有者が固定資産税の請求を受け取り、現実に引き戻される嫌な時期を迎えます。
固定資産税などの税金は、毎月、引き落としで支払うこともできますが、毎月、支払っていない世帯に対しては、10月中旬に一括で納めることになります。
今週から固定資産税の納税通知書は、オンライン化されています。お役所仕事は、とかくスムーズに運ばないフランスでも、本当に税務署だけは、しっかり働きます。
価格の上昇は、エネルギーや食料だけではなく、あらゆるものがインフレに直面して、政府もまた、固定資産税の計算の基礎となる地籍上の賃貸価格を3.4%再評価することを決定し、2022年予算で議決させています。これは、ここ数年よりもはるかに大幅な増加です。
これにより、フランスのいくつかの都市で固定資産税が引き上げられ、マルセイユや、アンドル・エ・ロワール県のトゥールでは、1年で15%以上引き上げられ、その他の場所でも続々と固定資産税は高騰しています。それにしても、15%引き上げとは、なかなか穏やかではありません。
パンデミックをきっかけに、リモートワークが浸透した結果、家賃の高いパリを離れて、地方都市に家を買って引っ越す人が増えましたが、引っ越した先でも今度は固定資産税増税とは、厳しい世の中です。
地方都市の家が売れて嬉しい悲鳴をあげていた不動産業者も固定資産税の上昇は、地方での家を購入する大きな躊躇いの原因となることを懸念しています。
また、税務署は、今年の固定資産税の徴収に向けて、未申告の増築、ベランダ、駐車場、物置、プールなどの追跡にも力を入れ始めました。これは、昨年10月から、財務省が始めた家の庭に隠れた未申告プールを追跡する実験に端を発しており、グーグルとキャップジェミニが開発した人工知能ソフトウェアが使われ、衛星画像をもとに納税者の申告と比較が行われ、未申告部分の取り立てを行うわけです。
一般的に固定資産税の計算のため、不動産の賃貸価値を高めるような工事は、地面に固定されている限り申告が必要で、建物の拡張はもちろん、テラス、ベランダ、庭の物置、プール、駐車場、部屋の増設なども含まれ、工事完了後90日以内に申告書を提出しなければなりません。
また、固定資産税に加え、増築部分には開発税がかかる可能性があります。これは、建築許可や工事の事前申告など、計画的な許可を必要とする工事に関するものです。物置の表面積が5㎡を超えると有料になります。
今年の夏はこの追跡のおかげ?で未申告であったプール2万箇所が発見され、財務当局には、1,000万ユーロの収入となりました。今年の夏は実験的に行われた調査でしたが、これに味をしめた財務省は、これを全国規模に拡大し、一般化することを発表しています。
都市計画法により、工事の申告を怠った所有者は、建築面積1㎡あたり1,200ユーロから6,000ユーロの罰金が課せられます。
まあ、もともと払わなければならないものを払うことになっただけではありますが、特に今年のプールの摘発については、干ばつによる水不足のため、思う存分使用できなかった人もいて、気の毒な気もしますが、工事終了から90日以内に申告した場合は、2年間固定資産税が免除される特典があります。
どちらにしても、私には、財産もなく、何も持たない私には、関係ない話で、何も心配することはありません。
何かを持てば持つほど管理や手間がかかり、身軽なのが一番!と思うのは、私の負け惜しみでしょうか?
固定資産税増税 未申告プール摘発
<関連記事>
「フランス税務当局、カルロス・ゴーンに追徴課税金と財産差し押さえ」