2022年6月30日木曜日

夏のベランダ菜園 鳩との戦いの日々

  

風鈴を吊るし、割り箸をたてまくって鳩と戦っている

 

 いつの頃から始めたか、私は、毎年、春先になると、我が家の狭いベランダを利用して、日本の野菜を育てています。春先の春菊やこまつな、水菜にはじまり、しそ、三つ葉、小ネギ、山椒などの薬味類などは、我が家の食卓には欠かせないものです。

 ちょっとした薬味があるだけで、何のことはないお料理が格段にレベルアップします。逆にベランダにちょっと出れば、手に入るこの薬味がなくなってしまったら、どれだけ味気ない食事になってしまうかと思うと、もうこれなしには、いられないほどです。

 狭いベランダゆえ、場所に限りがあるため、フランスの普通のスーパーマーケットで容易に手に入るものではなく、手に入れることが難しい日本の野菜で比較的簡単に育てられるものが中心です。そう・・、我が家のベランダはまるで椅子取りゲームのような感じです。

 中でも、5月に入ってから種まきを始める日本のきゅうりには、かなり力を入れています。

 きゅうりはある程度まで育つと、あとはグングン、目に見えて育っていき、黄色い花も可愛らしくて、夏の暑い時期には、よい日除けがわりにもなります。夏の間はどんどん収穫でき、我が家の狭いベランダでも、夏の間には、200本から300本くらい採れるので、ちょっとバカにできない食糧になるので、こちらも真剣です。

 なにより、大ぶりのフランスのきゅうりとは違って、こりっとした日本のきゅうり独特の食感がそれこそベランダで次から次へとできるので、これはやめられません。 このきゅうりで、もろきゅうや、パンとビールで作った糠床につけてお漬物にしたりできるのは、夏の間のみの、このうえない楽しみなのです。

 しかし、その年によって違うのですが、ある程度まで育つとベランダの手すりにひっかけた狭いプランターに鳩が巣を作ろうとするのが、悩みの種でもあります。もともと、鳥類というものが私は大嫌いで、私は鳩が怖いのです。あのクックーという鳴き声もバタバタと重そうに飛んでいく羽音もすべて気持ち悪くて大嫌い、鳥肌ものなのです。

 ましてや図々しく狭いプランターを踏み荒らし、巣を作ろうとする鳩は憎らしくて仕方ないのですが、この鳩と戦いながら、対策として、いつも、細く切ったアルミホイルを支柱巻き付けて、たなびかせたり、CDを吊るしてみたり、割り箸をプランターの隙間にさしたり、風鈴をとりつけたり、カカシがわりにTシャツをぶらさげておいたりして、鳩避けをしています。

 たいていは、ここまですれば、鳩は諦めて、退散していくのですが、今年は、5月から始まった猛暑できゅうりも異様に早く育ち始め、また、鳩も暑さを凌ぐ場所が欲しいのか、鳩の襲来もいつもよりも時期が早く、また、今年は異様にしつこく、ここ数日、毎日、朝起きてベランダに出ると、きゅうりのプランターには鳩がいて、大きな音をたてて追い払い、朝方からせっせと巣作りのために運んできた小枝や草などが積んであるのをウンザリしながら、片付ける毎日が続いています。

 それまで順調に育っていたはずのきゅうりが鳩のために、枯れ始めている苗さえもあり、余計に腹立たしくてたまらないのです。

 毎日やってくるのが同じ鳩なのかどうかわかりませんが、なぜ、我が家を選んで、せっせと運んでいる小枝を毎日のように取り払われても諦めずに毎日やってくるのかわかりませんが、こうなったら、鳩との根気比べで、毎日のようにプランターにたてる割り箸を増やし、鳩と戦っているのです。

 我が家には、猫がいるので、猫の助けも借りたいところなのですが、仮に、猫が鳩退治をしてくれたとしても、それはそれで恐ろしいことなので、猫の手を借りることもできず、ここ数日、午前中は鳩との格闘の日々です。

 なぜだか、午後になると鳩も諦めてくれるので、午後の時間は静かに過ごすことができるのですが、午前中は戦々恐々としながら、ベランダを覗いては、鳩にビクビクする日々です。こんな鳩相手に一人で戦々恐々としているのはバカらしいと思いつつも、どうにも鳩は耐えられないのです。

 これは!という鳩除け対策をご存じの方がいらしたら、ご教授頂ければ幸いです。


パリの鳩被害


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2022年6月29日水曜日

1日の新規感染者数一気に14万人突破の激増

   


 パンデミックが始まって以来、感染爆発に向かう時のパターンは、いつも同じ感じで、ある程度、感染が落ち着いてきて、感染対策に対する規制等が緩和されたりして、しばらくはホッとした時が続くのですが、ある一定の期間が過ぎると、「あれ??もしかして、また、そろそろ・・?マズい??」という兆候が続くと、次の段階では、一気に桁違いの感染者数に驚かされることになります。

 桁違いの感染増加に驚かさせられるのは、一度では終わらず、先週、この数字で驚いたばかりだったのに・・と、また、さらなる急激な増加に驚かされます。もうその次あたりからは、もう段々、数字にも麻痺してきて、諦めのような気持ちになってきます。

 今回もまさに同じ、いつものパターンで、3月には、若干の落ち着きを見せ、4月に入って若干上昇したものの、そこから、爆発的に感染が増加することはなく、少し落ち着いたと思ったら、5月に入って、「あれ?また増え始めてる・・?」と思ったのは、考えてみれば、マスク着用義務化が解除されて2週間後からのことでした。

 それからは、じわじわと増え続け、先週になって、ついに1日の新規感染者数は10万人に迫る勢いまでに達し、ついに10万人!!と驚いていたら、その後、数日間は、1日8万人程度の日が続いていたと思ったら、今度は一気に15万人に迫る勢いの1日147,248人の新規感染者を叩き出しました。1週間で55%の増加です。

 いみじくも、その日、先週から風邪をひいて、いつまでもスッキリしないので、もしかしたら、コロナ感染?ちょうど、その日に友人と会う約束をしていたので、もしも感染していたら、友人にも迷惑をかけてしまう・・と思い、久しぶりに薬局にPCR検査をしに行っていました。

 前回、私が検査をしたのは、日本に行くための陰性証明書のために検査して以来ですから、約3ヶ月ぶりの検査でした。相変わらずフランスは、ワクチンパスポートと健康保険のカードがあれば、検査は無料です。

 幸いにも結果は陰性でしたが、この日に陽性と診断された人が15万人近くもいたことになります。現在、検査にくる人の3人に1人は陽性だと言われている中、私は15万分の1にはならなかったわけです。

 現在フランスで主流に取って代わったと言われているBA5型の症状は7日間以上続くと言われているため、感染力は強く、長くなると言われているため、一人の感染者が他の人に感染させる人数も尾自ずと増えているわけです。

 この感染の急増にあたり、週明けにはブリジット・ブルギニョン保健相は、「公共交通機関や屋内の人の多い場所ではマスク着用を推奨する」と発表し、翌日には、エリザベット・ボルヌ首相も同様の呼びかけをしています。

 しかし、ここはフランス、「マスク着用推奨」などという言葉が通用する国ではありません。それ以上に、これから皆がバカンスに出かけて、人がさらに移動し、戯れる時期に向けて、感染対策としてふさわしい対応とは思えません。

 さすがに1日の新規感染者が15万人ともなれば、他の入院患者数を含む、すべての指標が上昇しています。

 5月末には人口10万人あたり185件まで減少していた全国10万人あたりの発症率は、6月19日から25日までの一週間で53%増加、5月末と比較すると295%増の731件にまで達しています。

 現在フランスでは15,496人がコロナウィルスに感染して入院しています。これは前日より400人ほど、先週より1,000人多い数です。

 こうなってくると、1日感染対策が遅れることで、感染者数は倍々に増加していきます。考えようによっては、昨年の夏に比べるとワクチンパスポートによる制限もなく、マスクもなく、ずっと感染するリスクは高まっているともいえます。

 エリザベット・ボルヌ首相は、特に60歳以上のフランス人や最も弱い立場にある人々に対して、ワクチン接種の状況を確認し、2回目のブースター接種を急ぐように推奨していますが、これもまた、推奨で、今のところ、公共交通機関でのマスク義務化規制を元に戻すつもりはないようです。

 公共交通機関のマスク着用義務くらいは、早々に元に戻せばいいと思いますが、(そもそも、この限られた空間でのマスク着用義務をなぜ撤廃してしまったのかわかりません)、一度、解除してしまったものを再び規制するのは、現在、内閣を再構築し直すと言っている政府には、荷が思いことなのかもしれません。

 しかしながら、そもそも国民の反発を恐れて、感染の再爆発を恐れないのもおかしな話です。

 やっぱり、国が規制のルールをどう定めようと、自分の身は自分で守らなければならないので、マスクはきっちりすることを自分に戒めなければなりません。

 もう次のワクチン接種を迷っている時間はなくなってきた気がしています。


フランス新規感染者数14万人突破


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2022年6月28日火曜日

この夏のフライトはストライキ・人員不足のためにキャンセルが激増する模様

  


 今年の夏は多くの航空会社がストライキや欠航の影響を受けると予想されており、航空会社にとっても乗客にとっても、この夏のフライトは複雑で厄介なものになりそうです。

 欧州運輸労連は公開書簡で「航空業界が直面する混乱は夏の間、悪化の一途をたどるだろう」と述べています。

 ストライキといえば、私にとって一番に思い浮かぶのはエールフランスで、予定どおり飛んでくれれば、サービスや機内食なども決して悪くはなく、何よりも日本との直行便(パリ⇄東京)があるために、これまで、何回かは利用してきましたが、以前、立て続けに2回ほど、ストライキのためにフライトが勝手に突如、変更されたため、これに懲りて以来、エールフランスは避けるようになってしまいました。

 これは、コロナウィルスも戦争もなかった頃の話ですが、今年の夏は、フライトがキャンセルになるのは、ストライキだけでなく、人員不足もフライトキャンセルの原因となっているようです。

 まず、ストライキに関しては、エールフランス航空とトランサヴィア航空(KLMオランダ航空の子会社でエールフランス-KLMグループ)がパイロットのストライキを予定しています。同社の経営陣は、パリ・シャルル・ド・ゴール空港とオルリー空港で「パイロット300人、整備士200人、季節限定の地上職員200人を採用する」と発表し、これにより、エールフランスは「観光客の回復を見込んで、この夏は一度もフライトをキャンセルしない」としていますが、にもかかわらず、パイロット組合は、ストライキを計画しています。

 これに加え、トランサヴィア航空は、すでに「7月と8月のフライトの3%をキャンセル」しています。同社によると、これは、プログラムの堅牢性と時間厳守を確実にするためとしていますが、ヨーロッパの航空会社の堅牢性と時間厳守ほど不確かなことはありません。

 また、ライアンエアー、イージージェットの格安便に関しても、イタリア、フランス、ベルギー、ポルトガル、スペインなど多くの地域への便がストライキを予定しているようです。

 これらのストライキに対しては、経営陣と組合の言い分が食い違っており、経営陣は必死にストライキによるキャンセルの影響はないとしていますが、ストライキは確実に予定されており、このためにパイロットが不足していればキャンセルは必須です。

 また、ルフトハンザドイツ航空は、人員不足、ストライキ、コロナウィルス感染により、これまでに発表されているた900便に加え、さらに2,200便をキャンセルが出る予定と発表しています。

 同社は、夏期スケジュールでは、なんと合計で3,000便以上が欠航しています。同社は、現在、「管制官のストライキ、天候、そして何よりもコロナウィルス感染の増加がより重くのしかかっているうえに、コロナウィルス感染のための病欠が、ここ数日で急激に増加した」と報告しています。

 そう言われてみれば、コロナウィルス感染のリバウンドに関しては、ドイツもまたフランスと肩を並べるほど(1日の新規感染者数は8万人程度)、感染者が急増しています。

 パンデミックの影響で大きな打撃を受けていた航空業界もそれに加えてウクライナ戦争の影響での燃料費の高騰などで経営が難しくなっているところにまた、ストライキやコロナ感染のリバウンドでの欠員のための欠航続出。

 強制的な民主化を徹底的に擁護し、様々な税金や国の介入に対して厳しいことを言い切れなかった航空業界が、生き残りを確保するためにあらゆるところから大規模な資金の水増しを受け入れてきた一方で多くの従業員を解雇してきた結果が今、現れているのです。

 その結果、2年半前から誰もが待ち望んでいた回復が、市場を枯渇させ、輸送コストの高騰も相まって、ますます業界の動きを著しく鈍化させているのです。

 旅行を予定している者にとって、急なキャンセルは致命的で、私も前回の日本行きで再度にわたるフライトのキャンセルでつくづくうんざりしています。楽しいはずの旅行でこのフライトキャンセルのストレスでイライラさせられるくらいなら、当分、行きたくない・・と思ってしまうのは、私だけではないはずです。3月にキャンセルになったチケットの料金はまだ返金されていないのです。

 そのうえ、大幅な航空運賃、燃料サーチャージの値上げでは、二の足を踏むのは当然です。


フライトキャンセル ストライキ


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2022年6月27日月曜日

どうする?2回目のブースター接種(4回目のワクチン接種) 必要な場合と必要ではない場合

  


 一時は落ち着いていたコロナウィルス感染が再びヨーロッパで増加しています。残念ながら、フランスはこのヨーロッパの感染再拡大の先頭を切っているようです。

 2020年の3月以来、何度となく感染の波を繰り返してきたので、もうこれが何回目の波になるのかわからなくなっていたら、感染増加とともに、また世間が騒ぎ始めたので、フランスの今回の波はどうやら第7波なのだそうです。

 特に公共交通機関でのマスク着用義務化が撤廃されて、急速に消え始めたのは、マスクだけではなく、街中、いたるところに設置されていたはずのアルコールジェルやソーシャルディスタンスです。

 マスクが外れ、これまで皆が控えていたビズー(頬と頬を合わせるフランス人の挨拶習慣)も復活しています。

 現在のところ、1日の感染者数は、8万人〜9万人程度で、10万人に到達する日はそう遠い日ではなさそうです。ここ1週間の増加率は41%になっています。幸いなことに、現在のところ、集中治療室に入院中の重症患者数は、869人でさほど増加していません。(とはいえ、こちらも確実に増加はしており、1週間で19%増)

 フランス全体のワクチン接種率はトータルで80%程度で、ワクチンのおかげで感染者が増加しても、感染者の増加ほどには、重症患者が増えていないのだとは思いますが、今後、多くの人のワクチンの効果が消え始めた頃にまた、危機的な状況に陥る可能性があります。

 私は、どうやら心疾患があるためにリスクの高い人の分類に入っているらしく、5月初旬に、すでに2回目のブースター接種のおすすめがメールで送られてきているのですが、正直、どうしようか迷っています。 

 このまま、コロナウィルスのためのワクチン接種をし続けるのは抵抗があるのですが、しかし、こう感染が再び、拡大してくると、リスクが高いとされている身?としては、少々不安でもあります。

 そんなわけで2回目のブースター接種(4回目のワクチン接種)について、調べてみると、これが必要な場合とそうでない場合があることがわかりました。とりあえず、現在は、60歳以上(特に80歳以上)の高齢者、あるいはリスクが高いとされている人々で、ブースター接種から6ヶ月経過している場合は追加のワクチン接種が強く推奨されるということですが、強制ではありません。

 ただし、最初のブースター接種から3ヶ月以上経ってから感染したことがある場合は、2回目のブースター接種は必要なく、最初のブースターから3ヶ月以内に感染した場合は、2回目のブースターが必要で、感染後6ヶ月以上経過してから2回目のブースター接種を受ける必要があります。

 私の場合、ブースター接種を受けたのは、昨年末の12月の半ばのことで、それから今まで数回しか検査はしていませんが、いずれも陰性、おそらく感染はしていないと思います。ワクチンの効果が減少し始めるのは3ヶ月後以降で、6ヶ月後にはした方がよいとなると、そろそろワクチン接種をした方がよいということになります。

 5月の段階までは、感染状況がそれほど悪化していなかったために、少し様子を見てからにしようと思っていたのですが、どうやら、またそろそろ真剣に考えなければいけないと思い始めました。

 現在のフランスの様子を見る限り、これからバカンスシーズンに突入することも考えれば、今後、しばらくの間は感染が減少する理由はなに一つ見当たりません。昨年の夏に比べれば、ワクチン接種は進んだものの、昨年はあったヘルスパス(ワクチンパス)のチェックもマスクもありません。

 このまま感染増加を続けて、気温の下がる頃、また、多くの人のワクチンの有効性が低下する時期が重なって、秋から冬にかけては、さらに酷い状況になることが考えられます。

 HAS(フランス高等保健機構)やフランスワクチン戦略会議でも、今後の感染状況の変化にもよるが、現在は高齢者のみに推奨されている2回目のブースター接種が秋には国民全体に拡大される可能性が高いとしています。

 また、もう一つの可能性として、現在、製造販売承認手続き中の変異種に有効な、新しい混合ワクチンが秋には利用できるようになると言われています。秋まで待って、その新しい変異種にも有効なワクチン接種を受けるか、悩ましいところです。

 私の場合はおそらく、2回目のブースター接種を受けると思いますが、それをいつにするのかを検討中です。せこい話ですが、また次の次のワクチンが必要な場合、少しでもそれが先伸ばしになって回数が減ってくれればなどと思っているわけです。

 先日、友人が、もう2回目のブースター接種を済ませたという話を聞いて、ようやく重たい腰をあげようとしています。

 最も早く2回目のブースター接種(4回目の接種)を開始したイスラエルの保健省のデータによると、4回目の投与で入院のリスクが4分の1になることがわかっています。


2回目のブースター接種 4回目のワクチン接種


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2022年6月26日日曜日

リヨンの保育園で11ヶ月の子供が保育士に殺された事件

 


 

 リヨンにある民間託児所 People & Babyで生後11ヶ月の女の子が死亡するという痛ましい事件が起こりました。水曜日の午前8時頃、託児所からの通報により 消防隊が駆けつけた時には、すでに子供の意識はなく、すぐに病院に搬送され、蘇生を試みるも子供が再び目を覚ますことはありませんでした。

 事件当時、ただ一人その場にいた27歳の託児所職員が身柄を拘束され、彼女は「子供が泣いているので落ち着かせようとしたが、泣き止まず、子供の泣き声に苛立って、泣いている子供に苛性スプレーをかけた。怒りにまかせてやったことで、殺意はなかった」と自供しています。

 同じ託児所に子供を預けている母親の証言によると、「数年前からこの託児所の経営はかなり悪化しており、スタッフが入っても、すぐに燃え尽き症候群のような状態になり、人出不足が蔓延化しており、気がつけば、9人〜10人の子どもたちに対してスタッフは1人で明らかに契約はまったく尊重されなくなっていた・・」とのことで、明らかにこの民間託児所の運営にも問題があったことが露呈しています。

 同じ地域の同グループの託児所に子供を預けている父親も、「この事件には恐怖を感じるものの、驚きはしない・・」、また、「1年間で託児所の定員は増えたが、スタッフは増えなかった・・」と経営状態の悪化を証言しているものの、「それでも私たちには他に選択肢がないために、いつも恐怖を抱えたまま子供たちを預けてきました」と語っています。

 とはいえ、泣いている子供に苛性スプレーをかけるなど、あり得ない話ですが、この託児所職員が子供を死に至らしめるような凶行を行うほどのストレス状態におかれる職場環境にも問題があったようです。

 夫婦共働きが当たり前のフランスでは、出産後でも女性が仕事を続けるのは普通で、パリでも保育園問題は深刻で、「妊娠した時点で保育園の予約をしなければ・・」などと言われています。

 私がパリで仕事を始めた時も、ちょうど、娘が1歳になるかならないかの、この殺された女の子と同じくらいの年齢だったので、とても人ごとには思えません。幸いにも公立の保育園に空きがあったために、娘は、わりとスムーズに保育園に入れてもらえましたが、娘が生まれてから、片時も離れることなく、べったりと一緒に過ごしてきた私は、子供を預けて働くことに少々不安もあり、お試しに半日、保育園に預かってもらうことから始めました。

 娘を保育園に預けた初日は、私が帰ろうとすると、娘が火のついたように泣き出したので、ちょっとビビり、後ろ髪をひかれる思いで保育園を後にして、この後、どうなることかと思いましたが、数日後には、娘もお気に入りの先生を見つけて、すっかり保育園に馴染んでくれました。

 その頃はまだパリではなく、パリ郊外に住んでいたために、大きな公園の中にある保育園で、環境もよく、また先生にも恵まれて、保育園では泣かないようになったどころか、「おたくのお嬢さんと、もう一人の女の子はお昼寝を全くしないで、周りの子供たちを起こしてまわるので、お昼寝の時間は、他の子とは、別の部屋にいてもらいます」と注意されたほどでした。

 泣かずに保育園に通ってくれていた娘でしたが、夕方、お迎えに行くと、それまで遊んでいたおもちゃを放って、「ママ〜〜!!」と抱きついてきてくれたのは、その頃の私の1日の嬉しい瞬間でもありましたが、まだまだ、小さかった娘は、それだけ、親と一緒にいたかったということだったのかもしれません。

 今年の初めに、オルペアという高齢者施設を運営するグループの高齢者ケアの惨状が暴露された本が出版されて以来、高齢者施設の悪徳運営が問題になっていましたが、このような民間託児所においても存在していることは、恐ろしいことです。

 このような事件を見るにつけ、娘の保育園問題などは、私がフランスに来たばかりの頃のことで、私自身もフランスの保育園事情も全然知らなかったわけで、たまたまその頃住んでいた家の近くで保育園に空きがあり、そこがたまたま悪徳保育園でもなく、娘が無事に育ってくれたのは、本当に奇跡の連続であったような気がしてきます。


リヨン民間託児所保育士女児殺害


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2022年6月25日土曜日

初めての在外選挙投票に行ってきました! 参議院議員選挙在外投票

  


 恥ずかしながら、私はこれまで20年以上フランスで生活しながら、在外選挙投票というものをしたことがありませんでした。正直、仕事と子育てに忙しく、休みの日も不定期だったうえに、子供の学校や行事などが最優先で、とても、その合間を縫って大使館まで投票に行くということは不可能だと思い込んでしまっていたし、だいたい、日本の候補者についてもわからないし・・などなど・・無理だと決めつけていたところがありました。

 しかし、娘にも手がかからなくなり、また、このパンデミックをきっかけに、フランスだけでなく、日本のニュースも気になり始め、それぞれの対応などについてをあらためて、目を通していると、また、外国にいるからこそ見える日本という国を見ていると、どうにもこのままではいけないのではないか・・と危機感を持つようになりました。

 長く海外で生活しているとはいえ、私は日本人で、日本は私の祖国です。私が海外で生活しはじめて、約4半世紀が経ちますが、海外に出た当初は、アフリカは別においておくとしても、フランスは本当にダメな国で、日本はさすがだ・・と思うことばかりのような気がしていて、私にとって、やはり、いつも日本は誇らしい国でした。

 フランスは、今もダメなところもたくさんありますが、この20年間、いつの間にかずいぶん変わりました。フランスの若い政治家が力強く国を動かしていく様子を毎日見る一方で、日本の政治をもどかしく感じることも多くなりました。

 少子高齢化の問題などは、かなり前から問題にされていたのに、対策が講じられないまま、今まで来てしまいました。以前は、フランスの電化製品のお店などに堂々と並んでいた日本が誇る電化製品などの製品も、いつの間にか姿を消しています。

 どうにもこのままではいけない!と思うけれど、とりあえず、日本を変えていく一歩は選挙で投票することから・・と思い、昨年、まず在外選挙登録をしたのです。これが想像以上に時間がかかり、大使館に在外選挙人登録をしてから、在外選挙人証というものを受け取るまでに3ヶ月以上もかかりました。

 そして、今回の参議院議員選挙にようやく投票に行くことができました。選挙が公示されて、日本の7月10日の投票に先駆けて、在外投票は6月23日から7月3日まで、日本大使館、領事館で行うことができます。この間、9時半から17時まで、土日も含めて投票することができます。(通常の大使館業務は13時〜14時半までは昼休みですが、投票は可能です)

 大使館なのに、昼休みも土日も投票できるのは、助かります。

 あらかじめ、ネットで日本の政党、候補者の詳細をネットで調べてパリの日本大使館に投票に向かいました。大使館の前には、今までみたことのない行列・・しかし、この行列は、投票のための行列ではなく、投票のための人は優先的に入れてくれました。

 久しぶりの日本大使館、さすが日本の大使館だけあって、今、パリで一番、マスク率が高い場所はここではないか?と思うほど、皆、マスクをしていることにびっくりしましたが、広くて、清潔な場所でした。通常のパスポートやビザの申請などの手続きとは、全く別の部屋が用意されています。

 日本人の大使館職員は選挙対応のためなのか?大使館の受付はフランス人職員になっていました。

 無駄足を踏むのは嫌なので、あらかじめ電話で開館時間などの問い合わせの電話をして、(電話もなかかなか繋がらなかった)、「投票について伺いたいのですが・・」というと、「選挙については、連絡先を教えていただければ、こちらからメールでお返事いたします」・・と・・。

 「電話での問い合わせはできないのですか?なぜ?」と食い下がると、ようやく、「では領事部にお繋ぎいたします」とやっと繋いでくれました。それでも、質問をするたびに、「少々お待ちください・・確認いたします・・」が何回か続き、ちょっとうんざりした経緯がありましたが、行ってしまえば、なんのことはありませんでした。

 まず、会場に入り、在外選挙人証とパスポートを見せると投票用紙申請用紙とそれを発送するための封筒に管轄選挙管理委員会宛の住所と名前を記入します。それを提出したところで、選挙人証と記入事項をチェックされ、投票用紙と投票用紙を入れる封筒をもらって、ブースのついたスペースで投票用紙に記入します。

  

候補者と政党がリストになっているファイル

      

 そのスペースには、各都道府県ごとに政党と候補者のリストがファイルになっていて、自分の選挙管理委員会管轄の候補者、政党のリストが用意されているので、その中から候補者、政党を選んで記入します。

 ボールペンでは書き直しができないために、えんぴつと消しゴムが用意されています。投票用紙に記入した後は、投票用紙を入れた外封筒に封をして、氏名を記入し、署名します。投票するのに記名しなければならないのには、少々、抵抗はありましたが、公正を期するために必要だということでした。

 記入後、封筒を渡すと、立会人なる人がいて、サインしてくれるので、その封筒が金庫に入れられるのを確認して終了となります。

 今回は参議院議員選挙だったので、選挙区選出議員用の投票用紙と比例代表選出用の用紙との2種類の投票用紙があり、ちょっと戸惑いましたが、大使館の人は親切に一つ一つ手順などを嫌な顔ひとつせずに教えてくれたので、助かりました。

 しかし、大使館、領事館に直接、来れない人は、個人個人で日本の各市町村の選挙管理委員会に投票用紙を請求し、自分で送付しなければならないそうなので、投票するのに、日本と海外を2往復しなければならない(投票用紙が)そうなので、かなりハードルが高そうです。

 今は、どの国でも問題をたくさん抱えていますが、このままではいけない!と思ったら、まず投票に行かなければ何も変わりません。

 大使館での投票は快適にできるようになっていましたが、海外に住んでいるといっても、誰もが簡単に大使館や領事館に行ける人ばかりではありません。それもネット投票が可能になれば、もっとたくさんの人が投票できるようになるはずです。現在の方法は、人出も時間も費用もかなりかかっているはずです。ネット投票ができるようになるようになってくれればよいのに・・と思いますが、ネット投票になってしまったら、自分の議席が危うくなるような人が政権を握っている現在では、期待薄です。

 とはいえ、初めての投票を終えて、私はひとまず、自分的には満足、これまで日本の政治家のことはわからないから投票できないし・・などと言い訳していたのは、私の怠慢でした。今は、ネットでもなんでも情報はいくらでも手に入ります。調べて、知っていけば、興味も湧いてきます。

 とりあえず、投票を終えて、久しぶりに日本人として大切なことが一つできたような気持ちで、なんとなく満たされた気持ちで、帰りにシャンゼリゼを少し歩いて帰ってきました。

 シャンゼリゼはそれほど人も多くなく、気持ちのよいお散歩でした。


在外選挙投票 参議院議員選挙


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2022年6月24日金曜日

EU27カ国 ウクライナとモルドヴァのEU加盟申請を承認

  


 EU・欧州理事会議長は、EU27カ国の首脳会議で、ウクライナとモルドバをEU加盟候補国として承認したと発表しました。かなり興奮気味に、「ロシアによる侵攻が続く中、これは歴史的な瞬間である」と言及しましたが、キエフが待ち望んでいたこの決定は、加盟のための長く複雑なプロセスのほんの始まりです。

 このEU加盟申請の承認ということは、加盟の可能性に関する交渉を正式に開始するという意味であり、数十年かかるかもしれないプロセスの始まりです。ウクライナ戦争がもたらした政治的圧力によって、ウクライナのEU加盟申請は記録的な速さで承認されたものの、今後の審査の過程が短縮されるとは限らないのです。

 ゼレンスキー大統領は、ロシア連邦による領土侵犯から4日後、自国のEU加盟を可能にする「特別手続き」の恩恵を受けるよう要請、その数週間後の3月、正式に加盟申請書を提出しました。 しかし、現実には、EU加盟のための迅速な手続きは存在しません。

 ちなみに、2009年に申請したセルビアは、候補国として認められるまで2012年交渉開始まで待たねばならなりませんでした。バルカン半島のいくつかの国々と同様、セルビアもEUの門を叩いたままです。アルバニア、北マケドニア、モンテネグロと同様に、まだ加盟が有効でなく、交渉中。このEU加盟申請に時間を要する最も象徴的な例は、トルコで、トルコは1987年に申請し、1999年に候補となり、2005年に交渉を開始しましたが、現在は行き詰っている状態です。

 これらの前例を鑑みれば、申請から3カ月後の6月に、欧州理事会がウクライナのEU加盟候補国としての地位の付与を承認したことは、異例中の異例です。

 しかし、これからウクライナはEUの正式な加盟のために、欧州の法体系を統合するために必要な行政、政治、経済の改革を実施できるためにコミットしていかなければなりません。これに加えて、リスボン条約と政治的・経済的安定を前提としたコペンハーゲン基準を適用する必要があります。また、ウクライナはヨーロッパの基準を既存の国内法に取り入れることができなければなりません。

 EU加盟のためには、単にヨーロッパの法律をコピー&ペーストすればいいというものではなく、実際にその法律が機能していくために、汚職システムが根付いているウクライナには、マネーロンダリング防止法などの導入も求められており、EUの一員として、市場経済を動かすことができる自由民主主義国家であることを承認される必要があります。

 現在、ロシアの一方的な侵攻と民主的な団結を見せて戦っているウクライナは概ね好意的に受け入れられ、「ウクライナはすでにヨーロッパのルール、規範、基準の約70%を採用している」「非常に強固な大統領制と議会制の民主主義」「非常によく機能する行政、この戦争中に国を機能させている」「分権改革の成功」「完全に機能する市場経済」などと評価する声もありますが、一方では、急速すぎる加盟は、ブルガリアやルーマニアのような汚職が蔓延したままのEU加盟国となる恐れがあるとの指摘も挙げられています。

 ヨーロッパ、EUと簡単にひとくちに言っても、似ているところはあっても、実は全然違う国の集まり、新しい加盟国を受け入れていくことで、ヨーロッパ全体の色が変わっていく可能性もあるのです。

 要は、「ウクライナが欧州のルールを遵守する能力」、また一方で「EUが制度的バランスを保ちながら新しい国を吸収する能力」を図らなければならないとともに、双方ともにとって、有益であるかどうかということを細部にわたり、検討、審査しなければならない、ちょっと保険の審査にも似た側面があるのかもしれません。

 いずれにせよ、EU(欧州連合)加盟というのは、恐ろしく時間がかかるものらしく、これを見越して、マクロン大統領は、5月初旬の欧州の将来に関する会議でEUとは別に、一連の価値観を信奉する民主的な欧州諸国が、政治協力、安全、協力のための新しい「欧州政治共同体」というまた別の組織を提案していましたが、その後、この話は聞こえてきません。

 しかし、いくら、これからさらに時間がかかるとはいえ、今回のこの決定は、ゼレンスキー大統領が待ち望んでいたものであり、彼にとってこの決定がヨーロッパの同盟国からの強い支持の証となることに間違いありません。


ウクライナEU加盟申請承認


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