2022年5月16日月曜日

お客様を招く時の簡単フレンチレシピ

  日本にいた頃は、友人に会ったりする時は、「飲みに行こう!」とか、これが食べたければ、あのお店に行こうとか、外食が多く、あまり友人を家に招くということはしませんでした。 しかし、フランスに来て以来、仲良くなった友人には、「家においでよ!」と友人を家に招くことが増えました。私の場合、子供が小さい頃などは、子供を連れていくのでは、ゆっくりできないし、ましてや子供を一人で家においていくわけにもいかなかったので、自ずと友人に家に来てもらって、ゆっくり飲んだり食べたりしたかった・・ということが主な理由なのですが、フランスの場合は、外食が高いこともあり、仲良くなると、「家においでよ!」となることが日本よりも多い気がします。 私の場合、お客様によって、メニューは変えているのですが、日本食を特にリクエストされない限り、フランス人のお客様の場合は、材料が手に入りにくいこともあり、また、本当にその味をわかってもらえそうもないので、いわゆる日本の洋食のようなもの、ドリアとか、トンカツとか、唐揚げとか、オムライスとか、比較的、彼らの好みに合いそうなものを作ります。 日本人の場合は、和食っぽいものを作ることも多いのですが、飲む人(ワインだけど)と、飲まない人でも、メニューは変わってきます。 先日、家にいらしたお客様は日本人でしたが、近々、日本に帰国されるという方々だったので、それでは和食というのも、なんか、しらける気がして、ちょっとフレンチもどきのものを用意しました。 お酒はあまり強くないので、たくさんは飲めないけど、ワインも好きです・・ということだったので、一応、ワインも用意(というか、ワインだけは、けっこうたくさんあるので、その中から選ぶだけですが・・)。 お客様がワイン好きだというだけで、なんか、ワインでかなりごまかせる気がして、気が楽になります。 できるだけ、出来立てのものをお出ししながら、私も一緒に食べたいので、とりあえず、つまめるものを探し、今回はアーティーチョークを茹でておき、少しずつちぎって食べられるように冷やしておきました。 アーティーチョーク用のソースは、バルサミコ酢にガーリックパウダー、マスタードちょっととお醤油ちょっとを混ぜただけの簡単なものです。 そして、アントレがわりにブリック、マッシュポテトにバター、生クリーム、茅乃舎の野菜だしを少しまぜたものをブリックの皮に包んで焼くだけです。あらかじめ包んでおいて、食べる直前に焼くだけで済みます。 サラダは、レタスやマッシュルーム、人参、きゅうり、トマトなどをドレッシングで和えただけの簡単なもの。 そして、帆立貝とエビを使ったお魚屋さんに教わったちょっとフレンチなレシピ。名前は知りませんが、フランスのお魚屋さんが教えてくれたので、フレンチだと勝手に思っているのですが・・なかなか簡単で美味しいお料理です。 エシャロットのみじん切りをバターで炒めたところに、小ぶりの帆立貝(私はピカールのものを使っていますが)とエビを入れて、軽く塩胡椒して火を通し、そこに生クリームとマスタードを少々、最後にコニャックで香りづけしてできあがりの簡単なメニューですが、ちょっと、プロっぽい感じにできるわりには、簡単なメニューです。 最後にお肉、お肉は軽く塩、コショウ、おろしニンニクを塗って焼き、お好みの焼き具合に火が通ったところで、一旦、あげて、フライパンに残った肉汁に、みじん切りにしたネギ、おろし生姜、おろしニンニク、お醤油、みりん(無ければちょっとだけお砂糖)、ちょっとだけごま油、ちょっとだけお酢を混ぜたものを入れて、少しだけ煮詰めます。 焼いたお肉をザクザクと切って、この肉汁入りのソースをかけて出来上がりです。ちょっと、普通のステーキとは違う変化球バージョンな感じが気に入っています。 デザートには、コンテ(チーズ)とコーヒーゼリーにイチゴを添えたものを用意しました。フランスだとゼリーというものは、ほとんど売っていないので、日本人のお客様には喜ばれます。 なんか、作りながら、自分も食べて、飲んで、おしゃべりも楽しくて、写真を撮るのを忘れてしまいましたが、次回、お客様をする時には、忘れないようにして、また、別のメニューもいつか、ご紹介したいと思います。ただし、分量などは、適当なため、正確にはお伝えできません。 あまり強くないので、そんなに飲めない・・とおっしゃっていたお客様でしたが、結局、3人でワイン3本飲みました。 今回のお客様は、ちゃんと家に帰られましたが、我が家のソファーはよほど寝心地がよいと見えて、ソファーで寝てしまう方も結構おられます。 昔、日本で「突撃、となりの晩ごはん」という番組がありましたが、人の家の食事って、なかなか興味深いものです。 フランスにいるゆえ、材料等が偏りがあるかもしれませんが、ちょっとでも参考になれば、幸いです。 上に添付した写真は、最後の最後に「あ!写真撮ってなかった!」と気付いてギリギリ最後に撮ったお肉のメニューです。簡単フレンチレシピ<関連記事>「ヌーベル・キュイジーヌが嫌いなフランス人の夫」「フランスのホームパーティー」「フランスの学校のキャンティーン・給食」「フランス人のこだわり」「娘のフランス人のDNAが活性化するとき・・生ハムの塊が消えた・・」「フランスでの日常の食料品の買い物...

2022年5月15日日曜日

海外で暮らしていると日本ではきっと会わなかったであろう人に出会う

   海外で長く生活していると、日本からの客人をお迎えすることがあります。今は亡き母も一度、友人とパリに来てくれたことがありました。その後、叔父夫婦、従兄弟が新婚旅行で来てくれたこともあったし、パリの大学と交流のあった大学教授の叔父(現在は退官しています)などは、 在任中は毎年のように学生を連れてパリに来ていました。 この叔父は、どちらかというと私にとっては、その度に叔母が用意してくれる大量の日本食を運んでくれる宅配便のような存在でした。 その他、親友も一度、弟、叔母二人、従姉妹たちやその友人など、思い起こせば、これまでずいぶんたくさんの人が来てくれました。 家に泊まってくれた人もいれば、友...

2022年5月14日土曜日

日本一時帰国の後遺症 マイおにぎりブーム

    コロナ禍、戦禍の中、日本に一時帰国して、フランスに戻って、あっという間に約1ヶ月が経ちました。今回の一時帰国は3週間弱のつもりでしたが、長距離フライトを甘く見ていて、思っていたよりも滞在期間は短くなりました。 そのうえ、日本到着翌日に娘が機内濃厚接触者になったと通知が来たために、ほぼ、最初の一週間は外食もできずに、「せっかく日本に来たのに外食もできないなんて!」と不満たらたらでした。 今回は、長距離フライトのせいだったのか、結局、時差ボケも日本滞在中はずっと治ることもなく、次から次へと用事が立て込み、スケジュールはキツキツになり、体力的にも限界を感じていました。 しかし、だ...

2022年5月13日金曜日

冷凍ピザ死亡事故に見るフランスの食品衛生管理

   すでに事件は3月に起こっていたようですが、大手食品メーカーの冷凍ピザから、溶血性尿毒症症候群(HUS)と毒素産生性大腸菌(STEC)の感染症が56件確認されたことから、このピザを製造している工場には、3月の時点で2度の徹底的な衛生検査が行われ、4月1日には、この工場でのピザの製造は禁止されていました。 これらの検査により、食品衛生管理のレベルが悪化していることが明らかになった」と報告が上がっており、特に、「ネズミが存在し、害虫の侵入を防ぐ効果的な手段や食品活動に適応した害虫駆除が行われていないこと」、「製造、保管、通路エリアのメンテナンスと清掃が行われていないこと」などが指摘されています。 この冷凍ピザはフランスのスーパーマーケットなら、どこでも売っている有名なメーカーの製品。決して、激安の怪しげな商品ではありません。 これまでに2人の子供がこのピザを食べて死亡しており、この事件は、5月に入って、パリ検察庁に捜査が移管されました。この司法捜査は、「過失致死罪、14人に対する過失傷害罪、人や動物の健康を害する製品に関する偽装、食品に使用される食品が偽造または破損して健康を害する展示または販売、健康を害する製品を市場に出して他人を危険にさらす容疑」で行われています。現段階では、同ブランドのFraich'upシリーズのみが懸念されていると、検察庁は発表しています。 その後の捜査でこの食中毒は合計75件発生しています。その大半が子供で、そのうち2人が死亡。この捜査がパリ検察庁の手に渡ったことで、再びこの騒動はクローズアップされ、このピザを食べて死亡した子供の両親などの証言も報道されています。  冷凍ピザはフランスでは、かなりポピュラーな存在。フランスでは共稼ぎの家庭がほとんどのため、仕事が終わって、帰宅後に簡単に食べさせることができる冷凍ピザの買い置きをしている家庭は多いのです。しかも、みんなが大好きな食品です。 その冷凍ピザを食べて、まさか子供が死んでしまうとは・・想像もつかない悲劇です。しかし、以前、この工場で働いていた従業員の証言や公開された映像からは、ちょっと信じられないほどの不潔な状態には目を覆いたくなる酷い状況です。 しかし、私の日常で食品工場を目にする機会はないものの、ネズミに関しては、もともとあまり驚かないフランス人、以前、働いていた会社(食品関係ではない)にもネズミ駆除の薬を置きに来る人が定期的に出入りしていましたし、大きなゴミ箱を回収に来ていた時にゴミ箱からネズミが出てきたのをたまたま目撃して、私が悲鳴をあげたら、ゴミ収集の人に、「ここは、どこだと思ってるの?パリだよ!」と笑われたこともありました。 また、食品を扱っているお店に勤めていた知人が仕入れたキャラメルの袋がネズミに食いちぎられた跡があり、メーカーにクレームを入れたら、「ネズミも食べたがるほど、美味しいってことだよ!」と言われたと驚愕していたことがありました。食品の管理状態をさほど気にしていないことがうかがわれます。 しかし、一方では、パリでレストランをやっている知人によると、食品衛生の検査は、とても厳しく、店内、厨房にいたるまで細かくチェックされ、冷凍してある食品の状態まで厳しくチェックされ、改善命令が出るとこの改善が確認されるまで、営業停止になってしまう・・ものすごく厳しい・・という話も聞いたことがあります。 しかし、今回、問題が起こったのは、食品工場、このような状態のまま放置されている場合もあるということが驚愕です。 このピザを食べて被害に遭っているのは、ほとんどが子供ですが、いずれも大腸菌を原因とする溶血性尿毒症症候群(HUS)と診断されており、ピザを食べて数時間後に腹痛を起こして救急車で運ばれて、あっけなく亡くなってしまったとのこと。 冷凍食品とはいえ、火を通して食べるものでありながら、こんなことが起こりうると思うと恐怖でもあり、それを食べさせてしまった親の後悔の念も計り知れません。 私自身もたまに、焼くだけで簡単に食べられる冷凍ピザを利用することがありますが、この映像を見てしまったら、しばらく冷凍ピザは食べる気がしなくなりました。冷凍ピザ食中毒死亡事故<関連記事>「パリで食べられる世界一のピザ PEPPE...

2022年5月12日木曜日

公共交通機関でのマスク義務化も解除へ フランスのコロナウィルスに対する規制撤廃

   すでに、公共交通機関利用の際以外は、屋内、屋外もマスク着用義務は撤廃になっていましたが、来週から、フランスはその公共交通機関でのマスク着用義務も撤廃になることになりました。 メトロ、バス、電車、飛行機、タクシーなど全ての公共交通機関がこれに該当します。 パリの街の中の様子などを見ていると、もうほぼほぼコロナ前の日常とほとんど変わりないくらい、日常生活に戻っており、それでも、これまでは、よくもこの人々がルールを守ってるな・・と逆に感心するほどに、メトロやバスの中では、ほぼほぼ全ての人がマスクを着用していました。 やはり罰金135ユーロの威力は恐るべしです。 ここのところ、フラン...

2022年5月11日水曜日

プーチン大統領に続いて、習近平国家主席と電話会談するマクロン大統領

   今月に入ってからのマクロン大統領のスケジュールを見ると、一体、いつ寝ているのか? 大統領2期目の組閣や次から次へと湧き起こる出来事、大きな会議などに臨むにあたって、いつ、どうやって考えをまとめているのか?と不思議になるくらいです。 今月3日の約1ヶ月ぶりのプーチン大統領との電話会談を皮切りに翌日には、インドの首相、さらに、その翌日には、トルコ、南アフリカ、セネガル、モーリタニア、エジプト、アルジェリアの大統領(あるいは首相)と電話会談。 そして、また次の日には、チュニジア、チャド、アブダビの首脳、そしてビルゲイツ、イギリスのジョンソン首相との電話会談。 その間、電話会談だけでなく、国防会議などが挟まり、大統領就任のセレモニー、戦勝記念日のセレモニーを経て、G7の会合、ストラスブールでの欧州議会、ベルリンへ飛び、ドイツのショルツ首相との会談と強行スケジュールをこなしています。 ベルリンから戻ってきたと思ったら、今度は習近平国家主席との電話会談というなかなかな緊張がありそうな電話会談に臨みました。 この習近平氏との電話会談については、なぜか、仏紙では、この二人が話し合った内容について、特にコロナウィルス対応についてを取り上げていて、「ゼロコロナ戦略」のために、厳しい感染対策をとっている中国に対して、中国でのフランス人の懸念に配慮するよう要請したとし、具体的には、「フランスへの航空便を維持し、空港への渡航を許可し、いかなる状況でも親から引き離すことを避け、子どもたちの最善の利益を守る」ことを主張したと報じています。Avec...

2022年5月10日火曜日

ロシアの戦勝記念日とマクロン大統領の「欧州政治共同体」提案

    未だかつてないほど世界中が注目していた今年のロシアでの戦勝記念日は、様々な予想をよそに、あまり例年と変わらなかったどころか、例年よりは控えめでした。危惧されていたような特別なことも起こらず、プーチン大統領も開戦宣言をすることもなく、航空機によるパレードも天候のために中止ということで、予行演習の際には登場していた「週末の日の飛行機」と呼ばれる特別機「イリューシン80」も登場することはありませんでした。 今回のロシアの戦勝記念日は、身構えていた世界中をまた逆に驚かせ、それでも、戦争が終わるわけではなく、フランスの報道でも喧々轟々と議論されており、プーチン大統領の内向きな演説を読み解こうと、在仏ロシア大使館のロシア政府報道官や在仏ウクライナ大使などにもインタビューを行いながら、今後の戦争の行方を話し合っていました。 各国に駐在しているロシア大使館の外交官のインタビューなどを時々、目にしますが、苦し紛れの言い訳が、見るに堪えない感じがしていましたが、昨日のフランスのテレビでは、インタビュアーの方から、途中で、「今日はインタビューに答えていただきありがとうございました」と打ち切ってしまう潔さ?これ以上聞くに堪えない視聴者の気持ちを代弁してくれたような感じで、それはそれで妙に納得がいく気がしてしまいました。 海外からの要人が訪れることもないロシアの戦勝記念日にロシアの孤立化が鮮明になったとの声も上がっていましたが、一方、戦禍のウクライナには、アメリカ大統領夫人やカナダの首相が電撃訪問など、世界からのVIPが来訪している様子は、まことに皮肉なものを感じます。 プーチン大統領の真意はわかりませんが、今回のような戦勝記念日のセレモニーで開戦宣言もしなかったのは、世界中から孤立している中、ロシア国民に背を向けられたら終わりという気持ちからだったような気がしています。 一方、マクロン大統領は、ストラスブールの欧州の将来に関する会議で再選後初の欧州に関する演説を行い、EUをより効率的で独立したものにするための欧州条約の変更に賛成であり、それなくして我々の民主主義の正統性はない」と述べています。 また、彼は、ウクライナのEU加盟には「数十年」かかると警告し、その間にイギリスのような国も受け入れることができる「欧州政治共同体」を提案し、後にベルリンでオラフ・ショルツ氏との共同記者会見を行い、「もう一つの協力の形」を提供できるだろうと述べ、「我々の一連の価値観を信奉する民主的な欧州諸国が、政治協力、安全、協力のための新しい空間を見つけることができるだろう」と語りました。 「この組織は、我々の一連の価値観を信奉する民主的なヨーロッパ諸国が、政治的協力、安全保障、協力のための新しい空間を見出すことを可能にする」と説明しています。 また、「この組織に参加することは、将来のEU加盟を妨げるものではないし、EUを脱退した人々に対して閉鎖的になるものでもない」とも述べました。 マクロン大統領は、来月23日と24日に予定されている欧州首脳会議で、加盟27カ国の首脳とともに「必要な大胆さと自由さをもって」この問題に対処することを望んでいます。 しかし、さすがにこれは、そう簡単に通る話でもなさそうで、これには、すでに13カ国が「EUにさらなる権限を与えたり、その機能を修正したりするような、取得が複雑なこのような変更に反対する意向」をすでに示しています。Non-paper...