2021年9月23日木曜日

締めたり緩めたり・・フランスの感染対策のさじ加減とその背景にある死生観

    ワクチン接種の拡大とヘルスパスにより、コロナウィルス感染が鎮静化しつつあるように見えるフランスは、今度は、ヘルスパスによる制限を緩和していくことを検討しつつも、そのさじ加減に慎重な態度を保っています。 フランスは、9月15日から医療関連就業者に対して、ワクチン接種の義務化を決行し、3,000人にも及ぶ停職処分となった人々までいますが、逆に?ヘルスパスによる行動制限は、地域ごとに緩和させていく方向で検討を進めているようです。 しかし、また現段階では、ワクチン接種が遅れて開始されたために猶予期間を与えられていた12歳〜17歳の未成年に対して、9月30日から、大人同様にヘルスパス...

2021年9月22日水曜日

シャンゼリゼ・ラッピングされた凱旋門とディオールの躍進

    行くと、「あ〜やっぱりいいなぁ〜」としみじみと思うのに、滅多に行かないのは、ルーブルなど、パリにある数々の名所も同じなのですが、シャンゼリゼもまた、滅多に行くことはありません。 そんなに遠いわけでもないけど、特に用事もないので、わざわざ行かないというのが正直なところ、せいぜいノエルの際にシャンゼリゼの街路樹にイルミネーションが灯される頃になると、今年のイルミネーションはどんな感じかな?などと気が向いた時だけ、ひょっと行ってみたりするだけです。 以前は、日本人会がシャンゼリゼにあり、そのスペースで公文の教室をやっていたりしたので、当時は、毎週のように来ていましたが、それも移転...

2021年9月21日火曜日

フランスのスーパーマーケットの顧客獲得戦略のトレンド 会員制特別割引システム

    フランスの大手スーパーマーケットチェーンは、顧客獲得のための制度を模索し始めています。 現在、フランスのスーパーマーケットの顧客獲得のための会員制特別割引の先駆けは、大手スーパーマーケットチェーン・カジノ(Casino)グループで、カジノは、2019年に月額10ユーロ(約1,300円)を支払うことで、同店での買い物の際に10%の割引を受けることができるというシステムを開始しており、これにより、カジノグループはすでに20万人の常連固定客を獲得するという大成功を収めています。 これに次いで、モノプリ(Monoprix・カジノグループ)も、月額 9.9ユーロ、6ヶ月で 54.9ユーロ(約7,000円)、1年間で...

2021年9月20日月曜日

フランスのヘルスパスは成功したのか?

    パンデミックが始まって以来、これまでに、フランス政府から、個人の携帯向けに、ダイレクトにメッセージが入ってきたことが2回ありました。 一度目は、2020年3月の最初のロックダウンの際で、それは、「コロナウィルス感染拡大のため、大統領がロックダウンを宣言しました。ウィルスの感染拡大を防ぎ、命を守るためにこのロックダウンの規則を厳格に守ってください。日常最低限の買い物や仕事のための外出の際には、外出証明書が必要になります」という内容のものでした。 全国民に対してこのようなSNSでのメッセージが送ることが、なぜ可能なのだろうか? 携帯電話の番号をなぜ把握しているのだろうか? 個人...

2021年9月19日日曜日

10週連続のヘルスパス反対デモと3,000人の医療従事者の停職処分と戻ってきた日常

 すっかり戻った日常を皆がゆったりと楽しむパリの光景    ヘルスパス(ワクチン接種2回済み証明書、72時間以内のPCR検査陰性証明書、6ヶ月以内にコロナウィルスに感染した証明書)による公共の場所(レストラン・カフェ、文化施設、娯楽施設、商業施設(2万㎡以上の施設)等)への入場制限を行う規制が発表されて以来、このヘルスパスに反対するデモは10週目を迎えました。 また、9月15日からは、医療施設で働く医療従事者(病院、高齢者施設、民間介護、ホームヘルパー、消防士、救急隊員など)に対しては、ヘルスパスだけではなく、ワクチン接種の義務化が正式に法的に執行され、この時点で1回目のワクチン接...

2021年9月18日土曜日

パリの日本の食パンブームの波 Carré Pain de Mie カレ・パン・ドゥ・ミの日本の食パン

左がもちもちしっとり、右がトーストサクサク お寿司の全国的な広まりで一気に加速したフランスでの日本食ブームは、ラーメンやうどん、カレーや丼ものから駄菓子に至るまで、とどまることを知りません。 そして、ここ数年、とうとう本家本元であるはずのパンにまで、日本の食品は、その領域を広げ、ここのところ日本の食パンを扱うお店が急増しています。 もともとフランス人が最も一般的に食べるのは、日本でフランスパンと呼ばれるバゲットがなんといっても主流ではありますが、どちらかといえば、日本の食パンに近いものとして、パン・ドゥ・ミ(Pain de Mie)と呼ばれる日本の食パンよりは小ぶりの長方形の形のパンをスライスして食べるものがあり、概ね日本の食パンと同じように食べるものではありますが、なぜか、似通っていながら、およそ違うもので、中にはブリオッシュの生地を使ったものなどもあって、生地もどちらかというと粗く、日本の食パンのようなつもりで食べると肩透かしを食う感じになります。 パンというのはフランス語でもPain(パン)で、それぞれにバゲットとか、パン・ド・カンパーニュとか、クロワッサン、パン・オ・ショコラ、ショッソン・オ・ポム、パン・オ・レザン(正確にいえば、クロワッサンやパン・オ・ショコラなどはパンではなくヴィエノワズィリーと別に分類されます)など、それぞれ別の名前で呼ばれますが、おおよそパンは、その総称のような感じです。 なので、これまでのフランスのパン文化には、日本人がおそらく一番食べているであろういわゆる日本の食パンなるものはフランスには存在していませんでした。あれは、日本が生み出した日本人が好む形に日本独自に改良されて広まっているものです。 しかし、その日本の食パンが最近は、逆輸入のような形でフランス人にも受け入れられるようになり、日本の食パンを扱うお店がちらほら登場するようになりました。 以前、「日本のパン屋さん」と銘打ったAki...

2021年9月17日金曜日

ユニクロ パリ・リヴォリ店オープン ルーブル美術館・日本文化とのコラボ

    パリにユニクロが初上陸したのは、2007年12月のことでした。あの頃は、フランスでは、ユニクロは今ほど有名ではなかったので、ユニクロフランス上陸!1号店がラ・デファンスにオープン!というニュースを聞いても、「へぇ〜ユニクロ、フランスにもできるんだ〜」くらいであまり感動もなく、おまけにやはり日本の製品、値段も日本で買った方が安いので、ユニクロは、日本に行った時に買うもの・・当時は私にとってパリのユニクロはそんな感じでした。 パリの1号店をオープンした当時は、店員の教育も日本式で、テキパキと仕事を黙々とこなすような仕事ぶりをフランス人の店員に進め、レジに人が並んでも、他のお店よりは、格段に早くレジが進むことや、店内の展示品を休むことなく、きれいにたたみ直して、整理整頓を常に行うという日本では当たり前のことが、なかなかフランス人の店員には受け入れ難かったようで、従業員は長続きせずに、四六時中、ユニクロは従業員を募集していた記憶があります。 あれから、13年以上の月日が流れ、ユニクロは、比較的庶民的な価格設定のわりには圧倒的なクォリティの高さに絶対の信頼を築き、一時は他のメーカーで類似品を続々と売り出したりもするほどでしたが、ユニクロの地位は揺るぐどころか、どんどんフランス国内でも勢力を拡大し、パリ市内だけでも14軒もお店を構える人気店に成長しました。(フランス全体で24店舗) そして、2021年9月16日、14軒目のユニクロのお店がパリの中心地リヴォリ通り沿いのサマリテーヌの一画にオープンしました。 ユニクロ新店舗正面入り口  入り口すぐに開店セール・カシミアセーター全品10%オフ ユニクロは、2021年よりパリ・ルーブル美術館とパートナーシップ契約を結び、特にこのリヴォリ店に関しては、ルーブル美術館の多くのアートを取り込み融合させ、日常生活の中心に据えるというコンセプトを展開しています。 このリヴォリ店のユニクロの使用しているスペースは、広すぎず、狭すぎない3フロアから成り立っており、何よりもサマリテーヌの建物の一画を使っているために、荘厳な歴史的建造物の中にあり、外壁の大理石やモザイクのタイルなどもサマリテーヌと同じものが使われており、ユニクロのお店のイメージが、ランクアップされたように印象付けられています。  外壁の大理石や上部のモザイクのタイルはサマリテーヌと一緒 また、店内には、モナリザのパネルやミロのヴィーナスのオブジェなどが飾られ、ルーブル美術館UT(UNIQLO...