2021年5月22日土曜日

フランス(ヨーロッパ)でのワクチン接種と日本でのワクチン接種

    日本にいる私の従姉妹のご主人が、まだワクチン接種ができていないという話を聞いて、びっくりしています。彼は、歯医者さんで、65歳以上で、とっくにワクチン接種は、終わっていると思っていたのです。 日本は医療従事者は一番優先だと聞いていたのに・・・。 従姉妹曰く、「日本の医療従事者の77%は、少なくとも1回目の接種は終わっていて、2回目も43%は終わっているそうなので、どうやら、残りの23%に取り残されたみたい・・」なのだそうです。 ワクチン接種券というものが送られてこなければ、予約もできないのだとか・・。 これまで、海外にいて、日本は何でもすばやくて、フランスでは、何かをしようとしてもスムーズに行かないことが多くて腹が立つことも多く、ここは日本じゃないんだから、いちいち日本と比べても仕方ない・・と思ってきたのですが、ことワクチン接種に関しては、どうやら反対のようです。 1ヶ月半ほど前に日本に本帰国(一時帰国ではなく、日本に引っ越したという意味)してしまった友人が、フランスにいれば、ワクチン接種ができたのに、ワクチン接種を済ましてから、帰国すればよかったと悔やんでいる人がいます。 これまで日本は、感染もヨーロッパのようには、深刻化していなかったために、ワクチン接種には、慎重で、あまり急いではいなかったのかもしれませんが、ここに来て、オリンピックを控えての日本のワクチン接種状況には、ちょっと首を傾げたくなります。 世界でワクチン接種が始まったのは昨年の12月、それから、約半年が経って、ワクチン接種の進行状況は、各国によって大きく違い、またその進行状況によって、生活がどんどん変わってきています。 今年1月に入って、フランスは、他のヨーロッパ諸国から比べて大きく差がついて、遅れていることが発覚してからは、とにかくワクチンワクチンとワクチン接種に躍起になってきました。 私自身、こんなに早くワクチン接種ができるとは思っていなかったにも関わらず、たまたま薬の処方箋をもらいに、かかりつけのお医者さんに行った時にワクチン接種の予約しますか?と言われて、あっさり予約が完了し、4月の初めにはワクチン接種が済んでいます。 それでも当初は電話が繋がらないとか、ネットが繋がらないとか、なかなか問題もありましたが、あっという間にワクチン接種の空き状況が確認・予約できるサイトができ、ワクチン接種の予約が簡単にできるようになりました。(これを作ったのは、政府とは無関係の24歳の青年) 予約していたのに、来なかった人などが出ても、無駄にならないように、ワクチン接種会場には、余ったワクチンを受けるための行列ができ、順次、ワクチン接種の年齢制限の条件などに当てはまらなくても、ワクチンを受けることができています。 いわば、ある程度、適当な部分もかなりあるのです。 薬局でも、かかりつけの医者でも、ワクチンセンターでもワクチン接種が受けられます。救急隊員や訪問看護師もやってくれます。 そして、日頃から、フランスの健康保険制度は、カルト・ヴィタルというカードで、個人個人が管理されているため、そのカードで個人の病歴やこれまで処方されてきた薬等の履歴が管理されているので、ワクチン接種に際してもこれらの情報が役立ち、またワクチン接種の記録もそのカードに記録されています。 この日常からの国が共通に管理している健康保険のカードが有効活用されています。 とにかく、今は、ワクチン接種を拡大していくことは、人の命を守るためにも、日常を取り戻すためにも、大変、重要な問題です。 それをワクチン接種券が送られてこなければ、予約もできないなんて、どれだけ間に人が介入し、手間暇かけて、時間をかけているのかと思うと外から見ていても、もどかしくて仕方ありません。 ちなみに私の実家がある市町村の予約を厚生労働省のサイトで見てみたら、「現在、65歳以上の8月末までの予約を受付中です」と出てきました。日本は、65歳以上の割合が多いとはいえ、8月末以降でなければ絶対に無理ということで、これは、気が遠くなる話です。 何でも、きちんときっかりと規則正しく、順番どおりに事を運んでいく日本のきっちりしたところが、仇になっている印象も受けます。逆に、ちゃんと並ぶことのできない、横入りが当たり前のようなフランスのような緩さがワクチン接種拡大のスピードアップには、逆にプラスに働いているかもしれません。 フランスでは、夏には、全ての国民にワクチン接種を終了すると言っています。(アンチワクチン派も一定数いるので、予定どおりになるとは限りませんが・・) ワクチンは、完全な防御には、なりませんが、それさえもできていないとなれば、ヨーロッパと日本のコロナウィルスの状況は、完全に逆転してしまう可能性もあるのではないかと心配しています。 少なくとも、今年の秋から冬ごろには、日本へ行けるかもしれない・・と淡い期待を抱いていた私は、この日本のワクチン接種の状況を見て、今年いっぱいは、ダメかもしれない・・と思い始めています。<関連記事>「コビット・トラッカー...

2021年5月21日金曜日

2021年5月20日木曜日

半年ぶりのレストラン・カフェのテラス席営業 美術館・映画館・劇場再開 ロックダウン解除パート2

  もはやこれがテラスかと思われる万全の雨対策のテラス席 フランスは、とうとうロックダウン解除の第2段階に突入、半年以上、テイクアウト以外、営業が禁止されていたレストラン・カフェがテラス席のみですが、営業を再開し、美術館、映画館、劇場、生活必需品以外の商店、コマーシャルセンターも制限付きではありますが、一斉に再開しました。 半年以上もの間です。時短営業ではなく営業停止(テイクアウト以外)ですから、政府の援助はあったとはいえ、そりゃあもう、大変なことだったと思います。倒産したお店も相当数にのぼります。 フランス国民が待ちに待ったこの日は、年が明ける瞬間にも似ている感じがしたほどの盛り上がり様でしたが、この日のパリは、あいにく朝から雨、気温も10℃程度と低く、テラス席での食事には、厳しい天候となりました。 にもかかわらず、朝一から、マクロン大統領自ら、パリ市内での朝カフェしている動画をツイート。カフェ再開をアピールしていました。おっと、相手は一体誰???と思ったら、カステックス首相でした。最初は、マスクをつけたまま話しながら、待っていたところ、カフェがやってきたら、マスクを外すと言うパフォーマンス付き、ギリギリまでマスクしてろよ!アピールも含まれていました。 Nous...

2021年5月19日水曜日

娘の親友が結婚! 娘がブライズメイドを頼まれた!

  先日、娘が家で珍しく、電話で誰かと話している様子だったので、そういえば、彼女が電話してるって最近、珍しいな・・と思っていました。最近は、家の電話はもちろんのこと、大抵の連絡?は、LINE(フランスでは、What's Upの方が多い)のメッセージで済ませることが多いので、彼女が家で電話をしているというのは、珍しいことでした。 すると、娘が数分後に私のところにやってきて、「エステールが結婚するんだって!」というので、びっくりしました。娘は、小学校から高校まで同じ私立の学校に通っていて、高校卒業後は、それぞれ別の道に進みましたが、高校までの学校からの交友関係が続いている数少ない友人の一人でした...

2021年5月18日火曜日

フランスのニュース番組を見ていて思うこと フランスの政治家の話すチカラ

   昨年のパンデミックが始まって以来、フランスは、第1波、第2波、第3波と、引いては押し寄せる波をいくつも経験してきました。フランスのコロナウィルスの感染状況の経過は、世界的に見ても、決して誇れる状況ではありませんでした。 そして、この間に、私には、毎晩、いくつかのチャンネルのニュース番組を見る習慣ができました。特に第1波のロックダウンの際は、ほとんど外に出ることはできませんでしたし、かつて経験したことのない命に関わる深刻なウィルスの蔓延に、現在のフランスの状況を知らずにいることは、不安で仕方なかったからです。 ネットで調べれば、今は、世界各地の色々な媒体の情報を収集す...

2021年5月17日月曜日

やっぱり嬉しい! 街が動き出すフランスの景色

    急に用事ができて、天気も良かったので、散歩がてらに出かけたら、今週の水曜日からロックダウン解除がワンステップ進む気配を街のあちこちに感じました。 ここのところのフランスは、着々と感染が減少してきているのが、数字からも感じることができて、ワクチン接種も2,000万人(フランスの人口の30%程度)を突破し、ロックダウンの段階的な解除が発表された時点での目標値は一応、達成し、少しホッとし始めてはいるものの、集中治療室の患者数も未だ4,255人、イル・ド・フランスの集中治療室の占拠率は113%と決して油断は許されない状況でもあります。 このロックダウン解除が進んで、糸の切れた凧のような状況が一番危険かもしれない・・などと思っていた私でも、やっぱり街が動き出す気配が想像以上に嬉しいことは、自分でもちょっと意外なくらい、なんだか自分の内側から沸き起こってくるワクワクした感じに驚いています。 この気持ちは、昨年の最初のロックダウンが解除された時とは、全然違うことも、自分でも興味深く、昨年のロックダウン解除時には、もっと緊張感があったわりには、ここまでパンデミックが長引き、後から後から変異種が登場して、その後に第2波、第3波と続くことも予想しておらず、今回ほどの感慨は正直ありませんでした。 しかし、結果的に1年以上も長引いたパンデミックで、ゆっくりとはいえ、ワクチン接種が拡大していく中でのロックダウンの解除に際しては、なんだか全く違う気分なのです。 まだ、オープンはしていないものの、コマーシャルセンターの中の店舗が再開する準備のために店内に灯りがともっていたりすると、別に買い物がしたいわけではなくても、なんとなくホッと暖かい気持ちになったりします。 また、昨日、用事で出かけた帰り道、散歩がてらに公園を通って歩いていたら、緑の公園の中のメリーゴーランドが動いているのを見つけて、なんだか嬉しくなって、思わず子供のように駆け寄ってしまいました。 まだ、準備の試運転の状態で、あまり人は乗っていませんでしたが、こんなことでもウキウキした気持ちになる自分に、やはり、閉ざされた生活が寂しかったことをあらためて思いました。  今や見慣れたカフェの中に積み上げられた椅子 これも見納めになるといいけど・・ テラス席のみのオープンとはいえ、長いこと閉店されていたカフェやレストランの窓際に椅子が積み上げられた今では見慣れた光景も、これで見納めかと思うと感慨もひとしおです。 とはいえ、ロックダウンが解除された後に、第4波が来る・・という心配もあるのですが、昨年と大きく違うところは、なんといってもワクチンがあるということで、最初は、もたついていたワクチン接種もフランスにしては、思いのほか、システマティックに進み始めていることです。 現在は、ネットを使って、空きを確認して、ワクチンを無駄にしないように、キャンセルが出た場合や、余裕があるところでは、若者でさえ、予約に割り込むことができています。 この辺りは、日頃から、規則がきっちりし切らないフランスの緩さが幸いしているような気がします。ワクチンを無駄にすることなしに進めていくには、ある程度の規則の緩さも必要なのです。きっと・・。とにかく、1日も早く、一人でも多くの人がワクチン接種を受けることが大切なのですから・・。 ワクチンは、万全ではありませんが、感染の減少には、大きな力となっていることは、世界のワクチン接種が進んでいる国の現状から見ても明らかです。 あたりまえだったはずの日常が戻ることに、こんなに感動できることは、嬉しいことです。 どうか、このまま減少を続け、安心してレストランで食事ができる日が来ることを私は心の底から待ち望んでいます。今度こそは、今度こそは・・とそんな気持ちなのです。<関連記事>「ロックダウン解除第一段階で、もう夏には、屋外でのマスク義務化撤廃の話題」「ロックダウンの段階的な解除日程 マクロン大統領がプレス公開とツイッターで発表した理由」「パスツール研究所が示すフランス第4波のシナリオ」「フランスは、ワクチン接種を進めても、イスラエルやイギリスのような劇的な変化は期待できない」「コビット・トラッカー...

2021年5月16日日曜日