2025年12月14日日曜日

世界的大ヒットと言われている インターマルシェのコマーシャル

 


 2分30秒という長い「インターマルシェ」のCMが世界的に大絶賛を受けているらしいのです。

 これは、フランスのスーパーマーケット インターマルのシェ今年の冬のクリスマスバージョンのCMで、12月初旬に公開されるやいなや、3日で2,000万回再生されたという世界的大ヒットと言われているCMです。

 100%フランス製でAIは一切使用していないというこのCM制作は、広告代理店ロマンスとモンペリエを拠点とするスタジオIllogic Studiosが約100人を動員し、1年にわたるクリエイティブプロセスを経て完成されました。

 「愛されなかった者」と題されたこのCMは拒絶されたオオカミが森の動物たちに受け入れられるために、より良い食生活を学び野菜を調理し始め、ついには、、森の動物たちのクリスマスディナーに受け入れられていく物語を実写とアニメーションを融合させながら描いています。

 この世界的な大絶賛は、昨今、多くのCMクリエイターたちが生成型AIに取って代わられるのではないかという不安を表明している中、クリエイターたちは、「機械にアーティストの代わりはできない!」、「人間の感情や感受性を伝えるには、手作業による作品が重要である」という一種のムーブメントによるものもであると言うこともできます。

 このCMの大ヒットにより、インターマルシェはこのCMに登場する「オオカミのぬいぐるみ」の発売を予定しているそうです。

 一方、同時期にAI広告を発表したコカ・コーラは大バッシングを受け、また、オランダのマクドナルドのAI広告も猛烈な批判にさらされ、同社は広告を削除する事態に陥っています。

 思わぬ大成功を遂げた「インターマルシェ」は、私たちの「愛されていなかったオオカミ」が世界中に愛されている!と喜びの声を表明しています。

 CMに関しては、フランスでは、細かな禁止事項なども多々あり、また、日本のCMのように大々的に有名タレントや俳優が登場することはないCMが基本となっており、全然、色合いが違うものです。

 たまに見かける日本のCMは、日本人としては、それはそれなりに懐かしい感じがするものではありますが、今回の大ヒット作品のように、広い世代に優しく何かを訴えかける芸術的なCMというものにも、日本の広告業界も挑戦してほしいと思っています。


インターマルシェの大ヒットクリスマスCM


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2025年12月13日土曜日

ユーロスターでハムとバターのサンドイッチが禁止に!

  


 「ユーロスターでハムとバターのサンドイッチが禁止に!」最初、そんな見出しを見て、正直、「何それ??」と思いましたが、これは、2025年4月から英国が禁止しているルールの具体例のひとつだそうです。

 しかも、ユーロスターは、「ハムとバターのサンドイッチ、あるいはチーズが含まれたサンドイッチは、乗車前に食べるのならOK!しかし、乗車後には食べないでください」と、なんだかよくわからないことを言っています。

 英国が最近、科しているルールをシンプルに説明すれば、英国当局はヨーロッパ大陸での口蹄疫(こうていえき・牛、豚、羊などの偶蹄類(ぐうているい)が感染するウィルス性の家畜の伝染病)の症例増加を受け、英国の家畜保護のため、この規則を導入しました。

 これは、ユーロスターに限った話ではなく、EU加盟国からの旅行者が手荷物に肉(生肉・乾燥肉を問わず肉製品全て)や乳製品を英国国内に持ち込むことを禁止したもので、包装済、真空パック済、免税品を問わず、個人消費用の肉製品と乳製品の持ち込みを禁止したもので、これらの製品を持っている場合は、国境検査の際にこれらの品物は税関職員に引き渡さなければならず、違反した場合は最高5,000ポンド(約5,900ユーロ)(約104万円)の罰金が科せられます。

 この規則は今年の4月に制定されたようですが、ユーロスターの中という国境の境がはっきりしない乗り物の中については、これまで曖昧にされていたものを、つい最近、ユーロスターが具体的に「ハムとバターのサンドイッチ」をホームで食べるのはOKだが、車内はNGというおふれを発表したのです。

 ハムとバターのサンドイッチが特に名指しされているのは、ハムとバターのサンドイッチ・・いわゆるフランスでいうところの「サンドイッチ・ジャンボンブール」はフランスのもっとも伝統的?というか、シンプルでポピュラーで比較的安価でお手軽なサンドイッチの代表で、サンドイッチの王道(バゲットにバター、大ぶりのハムが挟んであるサンドイッチ)のような存在だからだと思います。

 口蹄疫はヒトには感染しない病気だそうなので、ユーロスターの車内での食べ物にまで厳しく規制する必要があるのだろうか?と思いますが、規則ならば仕方ありません。

 私は、つい先月、ユーロスターでロンドンに行ったばかりでしたが、その時には、そんな話はまるで知らず、駅でもずいぶん、このジャンボンブール・サンドイッチを売っていたような気がするし、ましてやロンドン到着後の手荷物検査など全くしていなかったので、今、こんな規則を聞いても、俄かに信じ難い気がしないでもありません。

 だいたい、1日、何十便というユーロスターがパリ⇔ロンドン間を走っていますが、ただでさえ、混雑が大変なところ、こんな規制までして、大丈夫?とさえ思います。

 とはいえ、日本入国の際も肉類(ハムやサラミ・ソーセージなど)の持ち込みは禁止されており、かつてはお土産に生ハムやサラミなどを持って行っていったのが一切、持っていけなくなってしまいました。

 この禁止がどれだけ意味のあることなのか?よくわかりません。

 もっとも、パリからイギリスに行く場合に、なにもわざわざユーロスターの中でジャンボンブールのサンドイッチを食べなくてもいいかな?私はおにぎりの方がいい!などと思いますが、フランス人にとったら、もっともお手軽に食べられるハムやチーズのサンドイッチを車内で食べられない・・(考えてみたら、ハンバーガーなどもダメですね・・)のは、残念なことなのかもしれません。


ユーロスター車内の食べ物制限


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2025年12月12日金曜日

アラン・ドロン 没後も続く家族の泥沼劇

  


 フランスの大スターであった俳優アラン・ドロンが亡くなってから、もう1年以上が経過しました。

 彼の晩年から亡くなるまでの彼の周囲(主に彼自身と子どもたち)のドタバタ劇は彼の名声を汚しまくり、見るに堪えないものでした。

 あれから時間が経って、そんなドタバタ劇も忘れ去られようとしていたと思っていたら、また、彼の子どもたちがマスコミを巻き込んで相続争いをしている様子がまた、再燃しています。

 彼をめぐってのドタバタ劇が表沙汰になり始めたのは、彼の子どもたちが、当時、すでに認知機能が危うい状態であったアラン・ドロンまで抱き込んで、当時、一緒に生活していた日本人女性の追い出しを憲兵隊まで動員して始めたことから始まりました。

 亡くなる5年ほど前に脳卒中を起こし、身体機能をはじめ、一人で生活することはままならない状態であった彼にずっと寄り添って介護し、アラン・ドロン自らもパートナーと公言していた女性をです。

 この女性を兄弟そろって追い出したのち、その後、家族は落ち着くかと思いきや、今度は子どもたちの間で、アラン・ドロンの病状(認知機能検査にパスできなかった)をアラン・ドロンが一番可愛がっていたといわれる長女が兄と弟に隠しており、アラン・ドロンを治療のために、スイスに移した・・とかなんとか・・・。

 これらのゴタゴタの争いごとも、全て、もう先が長くなさそうな父親の没後の相続争いの序章であることは明白で、特にこの長男がいちいちマスコミを使って、この醜い争いを煽るため、かつての大スターの晩年はハタから見るだけでも気の毒な、心穏やかな最期ではなかったであろうと思われます。

 彼の相続については、生前に彼は遺言書を残していたようなので、さすがに粛々と相続手続きが行われたのだろうと思っていましたが、ここへ来て、また、この長男が、父親の遺言状に異議を唱え、「妹を相続人から外すことを求めて訴訟」を起こしています。

 また、マスコミを巻き込んで・・。

 彼はマスコミに対して、「金銭の問題ではない、父親の無視された遺志が尊重されるようにしたい」とし、「悪意のある人々が父の弱みに付け込んで、金銭的に利益を得ようとしている」、「夜も眠れない・・」と。

 たしかフランスでも相続手続きの期限は6ヶ月、フランス国外で死亡した場合は1年延長されるとなっていますが、彼が死亡したのは、フランス国内。もうとうに相続手続きは済んでいるはずです。

 とすると、一度、分配されたものに対して、申し立てを起こしているということなのでしょうか?わかりませんが、ものすごい執念です。

 たしか、彼の遺言によると、長女に50%、他の男の子二人に25%ずつということだったと思うのですが・・。

 庶民からすれば、たくさんあるんだから、そんなに争わなくてもいいじゃない・・と思うところですが、たくさんあるほど、争いごとが起こるのかもしれません。

 アラン・ドロンは、彼が晩年済んでいたドゥシー(ロワレ県)の自宅の庭に建てられたチャペルの墓地に埋葬されているそうですが、静かに彼が眠れる日はまだまだ遠そうなのです。


アラン・ドロン相続争い


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2025年12月11日木曜日

メトロ15号線全線開通までの遠い道のり

   


 パリの新しい地下鉄15号線は、パリの首都圏ネットワークで建設中の路線で、全長75㎞、36駅の予定。通称グラン パリ エクスプレス プロジェクトと呼ばれているそうです。

 この地下鉄15号線は西、東、南の3つの区間で結ばれる予定になっています。このうちの南の部分の2025年末に予定されていた一般供用区間の運行開始が2026年の夏頃に延期されたということです。

 そもそもメトロ15号線の開通については、あまり記憶が定かではなく、延期と言われても、「あれ?そんなのあったっけ?」と思う程度なのですが、まあ工期がずれ込むのはフランスではよくある話です。

 むしろ、延期が半年くらいで大丈夫?そんな気さえしてしまうくらいです。

 この新しい路線の管理を担うイル・ド・フランス・モビリテスによれば、「最適なレベルの技術的パフォーマンスを保証するために、テスト段階を深化させる必要がある」とのことです。

 そもそも工期というものは、技術的パフォーマンスを保証するためのテスト段階も含めての工期だったはずで、これは理由にはなっていません。

 実際のところは、すでに行われていたテストにおいて、大きな問題が発生したために、それに対する対応には時間が必用だった・・というのが正しい説明のようです。

 そして、このグラン・パリ・エクスプレスプロジェクトの理事会のメンバーの一人は、この延期について、「テストの最初の段階で、この複雑さが私たちの判断が正しすぎることを意味していることがわかった」と述べており、結局のところ、延期することになったことまでも、「私たちの判断が正しすぎる」という超ポジティブな言い訳。あまりの言いぐさに眩暈がしそうになったほどですが、この発表に怒りを爆発させている人々も少なくありません。

 怒りを表明しているのは、イル・ド・フランス・モビリテスや15号線南が位置するシャンピニー・シュル・マルヌ市長などです。「私たちの民主主義社会において、公の言論や公約に対する敬意の欠如は公の意思決定者に対する不信感を増大させるだけである!」と極めて真っ当なことを言っています。

 しかし、言わせてもらえば、「もともと誰も信用などはしていないよ・・(とくに工期に関しては・・)」というのが正直な気持ちです。

 怒っているのはRATP(パリ交通公団)をはじめとする首都圏のタイムテーブルを組み立てている人々。この路線が加わってくるか否かで予定していたタイムテーブルが組み直しになるのです。

 個人的には、あまり広範囲に移動しているわけではないので、今のままのメトロで十分で、このうえ拡張してくれたりすると、逆に混雑するようになったり、問題が引き起こされる原因が増えるので別にこれ以上工事してくれなくてもいいのにな・・という気持ちです。

 一応、このメトロ15号線、最終的には2030年に完成する予定だそうですが、これもまだまだ当てにはならず、私の生きているうちにできるかな?くらいの気持ちです。


メトロ15号線


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2025年12月10日水曜日

パリ13区の児童養護施設での「罰として坊主頭にされた8歳の少年」をめぐる問題について

   


 パリ13区にある児童養護施設で8歳の少年が罰として頭髪を剃られ、その様子を同施設の職員が撮影し、その映像をSNS(What’s App)のグループチャットで共有され、少年を嘲笑の対象として弄んでいた・・という事件で、パリ検察庁の少年検察局は、「権力者による15歳未満の未成年者への故意の暴力」の容疑で捜査を開始しています。

 いくつもの問題を孕んでいるこの事件は、今年2月に起こっていた事件です。

 まず、「罰として坊主頭にする」などということがフランスでもあるのか?と私は単純に驚いたのですが、これが児童養護施設内で8歳の少年一人に対して起こったことで、しかも、それを動画撮影して、職員のグループチャットで共有し、少年を嘲笑するという行為に、呆れかえりました。

 この事件は児童養護施設内の一室で起こっています。8歳の少年は一人上半身裸で両腕を抱え込むようにして椅子にすわっています。動画の1つでは、バリカンを手にした施設の擁護員が子どもの後ろに立っており、少年の頭の半分がすでに剃られています。撮影している擁護員は少年に向かって「二枚舌!」とののしっており、その光景を目にした他の子どもが「アラジンみたい!」と言っており、少年の頭を剃っている女性は、「すごくかっこいいわ!」と満足気にカメラに向けて語っています。

 今の時代、特に児童養護施設のような場所において、罰として坊主頭にするということもアウトだと思いますが、それを撮影してグループチャットに投稿して嘲笑するというのは、ある種の公開処刑のような残酷な行為。

 その後、数ヶ月間、少年は坊主頭のまま帽子をかぶって学校に通うことになるのですが、教師も授業中でも帽子をかぶることを許可していたというのですが、クラスメイトからからかわれ、いじめられるようになりました。

 事態を知った少年の母親は説明を求めましたが、当初は、美容師がミスをして、カットを均一にしようとしただけだと説明を受けていました。

 母親が真実を知ったのは9月末、この動画を発見したときのことで、この彼の頭を剃った施設の擁護員は、彼の頭を罰として剃ったと告白し、また、この剃髪に関しては、彼の両親もグループホームの責任者も誰も同意しておらず、彼女一人の判断で行われたことであることが判明していますが、少なくとも、この映像が撮影されていることから、彼女一人だけで行われたことではないことは、明白です。

 この少年は児童裁判所の命令により、この施設で生活しているということですが、施設の他の職員によれば、「この少年は愛情を渇望している子ども」ということで、親から離れて生活することを余儀なくされているだけでも、厳しい状況であるうえに、施設内でもこのような扱いを受けていることに言葉がありません。

 それでも、この少年はこんな事件があったにもかかわらず、施設での生活に安らぎを感じていると話しているというのですから、もうなんといっていいのやら、わかりません。

 本来、児童を擁護し、保護する立場にある施設の職員がたった8歳の少年を辱めているということは、大変な問題です。

 少年の頭を剃った擁護員はその後、病気休暇を取り、独自に調査をしていた母親に電話して、「起こったことは母親の責任ではないこと、これは一連の不幸な出来事であり、ビデオに写っているものは、実際の出来事を反映していないこと」を説明していたそうですが、到底、納得のいくものではありません。

 事件が表面化したのは、母親がパリ市に対して苦情を申し立てたことから始まりました。

 この事件が最初に私の目にとまったのは、そもそも「坊主頭」=罰という、昭和の時代を彷彿とさせるようなことが今の時代にもあるのか?しかもフランスで・・と思ったことがきっかけでしたが、それが児童養護施設での出来事ということで、問題の本質がもっと根深く、たちの悪いものとして、浮き彫りになってきたのです。

 今の時代、坊主頭は坊主頭になるということだけでなく、それを撮影して拡散するというさらに陰湿で悪質なものになっているということが、痛ましい気がしてなりません。


パリ養護施設 坊主頭の罰


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2025年12月9日火曜日

パソコンの買い置きをして失敗しました

 


 私はデジタル機器というものの扱いが非常に苦手で、かといって、パソコンや携帯電話などには、とても依存している生活なので、これが壊れることは私にとっては、本当に恐怖なのです。

 娘がまだ家にいた頃はこの手のことに関しては、完全に彼女に頼りきりだったのですが、彼女が独立してからというもの、徐々にこれらの通信機器が壊れたときに備えるようになっています。

 まず、突然、壊れるということが一番困るので、早め、早めに買い替えて、突然、壊れるというリスクを減らすようにしています。

 全く壊れてしまってからだとデータの移行などが、より難しくなる気がしていて(本当はできるのかもしれないけど・・)、まだ、もうそろそろヤバいかも・・となる前に換えてしまいます。

 携帯電話は昨年、新しいものに換えたのですが、その際にパソコンも・・と思って、今、使っているものが壊れたときのために・・と思って、一台、買い置きをしてあったのです。

 私は、パソコンはもともとはAppleの製品を使っていたのですが、後にWindowsのものが必用になり、新しいものを買って、現在は、それをメインに使っています。

 しかし、以前から使っていたAppleのパソコンも必要に応じて使い続けており、次回、Appleが完全に壊れてしまったときのために・・とこのAppleのパソコンを買い置きをしてあったのです。

 それで、私はパソコンに関しては、「大丈夫・・あるある・・ストック?が・・」となんとなく安心しており、しかし、これまで使っていたAppleはそのストック用を買ってからもう1年以上も壊れる兆しがなかったので、封も開けずにそのままになっていました。

 しかし、先日、そのAppleの方が急にカーソルが動かない兆しが表れ始め、これはヤバい!とようやく、買い置きをしてあったAppleをセットアップしてデータの移行などをし始めたのです。

 私としては、自分一人でそんなことをやってのけるだけでもドキドキでしたが、データの移行等のセットアップは無事完了し、あとは、充電しておけばいい・・と思っていました。

 ところが、いつまでたっても充電されることはなく、これはさすがにおかしい・・と・・「だって、買ったばっかりのパソコンが故障なんて、あり得ないでしょ!」とさっそくパソコンを持って、シャンゼリゼにあるAppleストアに行ったのです。

 すると、バッテリーがダメになってしまっているとかで、修理が必用とのこと・・パソコンを預けてきました。店員さん曰く、「パソコンのバッテリーも車と一緒で、長い間、使わないでいると、バッテリーがダメになっちゃうんですよ・・」と。

 私としてみれば、全然、立ち上げる前だったら、長い間使わなくても大丈夫だと思っていたのですが、パソコンというものは、長いこと買い置きをしておくことはダメなようです。

 この歳にして、こんなことを初めて学びました。

 しかし、久しぶりに行ったシャンゼリゼのAppleストア・・相変わらず、キレイで店員さんみんながとても感じよく、この人ダメそう・・という人は一人も見当たらず(たいていどのお店でも、そういうダメそうな人っていそうなもんですが・・)、完璧だな・・と思いました。

Appleストアの店内の中庭


 修理に関しては、サービス・テクニックというセクション(2階)に行くのですが、通常ならば予約が必用とのことでしたが、当日だったので、その場で予約を入れてもらい、1時間半くらい待ちましたが、全然、退屈しませんでした。

 私の担当をしてくれたお兄さんは、たまたま2週間後に日本に旅行に行くんだ!ということで、とっても日本に好意的な感情を持っていてくれる人で大変、良い人でした。

 フランスは、本当に日本に好感情を持ってくれている人が多いことは、とても生活しているうえで嬉しいこと・・助かることでもあります。

 しかし、壊れたときのために買っていたパソコンが長いこと保管していたために、最初から、修理が必用とは・・全く、自分の愚かさが情けなくなりました。


パソコンのバッテリー


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2025年12月8日月曜日

フランスの社会保障費はGDPの31.7%で欧州トップ

  


 フランス研究・調査・評価・統計局(Direction de la Recherche, des Études, de l'Évaluation et des Statistiques / Drees)の調査によると、8,880億ユーロに上るフランスの社会保障費支出(年金、医療費、家族手当等)は、フランスのGDPの約3分の1(31.7%)を占め、公的支出の中で最大の項目であると発表しています。 

 フランスは約15年前、GDP比28.9%で2位でしたが、2007年から2023年の間に社会保障費支出がGDP比2.8%増加したことで、フィンランド(GDP比31.1%)、オーストリア(30%)を上回り、社会保障費支出が国民の富に占める割合がもっとも高い国としてトップに躍り出ました。

 ただし、フランス以上にこの割合が爆発的に上昇しているのは、フィンランドだそうで、今後1~2年の間にフランスを追い抜くと予想されています。

 個人的には、社会保障の良い国のイメージとしては、なんとなく北欧の国々をイメージしていたのですが、フランスのこの社会保障費の割合が高いのには、正直、驚きました。

 とはいえ、これはあくまでもGDP比の話、具体的な内容の話ではありません。

 フランス政府がこれを発表したのは、予算削減のために、なんとか、この社会保障費を削るためのことだと思いますが、この社会保障費の中でももっとも多くの割合を占める年金と医療費に関して・・特に年金問題に関しては、過去に政府が改革しようとしても、何度も失敗しているうえ、そのたびに大暴動のような騒ぎが起こるために、そう簡単なことではないかもしれません。

 しかし、この社会保障費の支出というのも、どのような計算の仕方をしているのかわかりませんが、フランスの場合、もともと国民が支払っている社会保険料等は高く、特に事業主の負担はかなり大きなものであることも忘れてはなりません。

 なので、それを受ける側の国民からしたら、けっこうな金額をすでに徴収されているために、受給する権利は当然あるはずだ・・となるのでは・・とも思います。

 私は、もうフランスに来て長くなるため、同時期に日本の社会保障がどのような状況であるのかはわかりませんが、実際にフランスで生活していて、特に夫が突然、他界してしまったりしたこともあって、この社会保障には、ずいぶんとお世話になってきた気がするので、フランスの社会保障は決して悪くない気はしています。

 一方、この社会保障費の削減に成功している国もあるわけで、ハンガリー、デンマーク、スウェーデンなどの国々が挙げられています。中でも、デンマークは年金支出を削減しながら、高齢者の貧因率を低下させた唯一の国として注目されています。

 ちなみに社会保障費の対GDPの割合、日本はどうなのか?と調べてみたら、日本は22.4%ということでした。


フランスの社会保障費


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