2024年2月16日金曜日

SNCF(フランス国鉄)大規模ストライキ 50%のTGVがキャンセル

  


 ここのところ、毎日のようにSNCF(フランス国鉄)のストライキはどうなるのか?というニュースをやっていますが、週末に入り、やはりストライキはかなりの規模で決行されるようです。

 今年の子供の学校の冬休みは、先週末から地域によって1週間ずつズレる形で(それぞれ2週間ずつ)3月まで続きますが、このストライキは2週目の週末から突入する模様です。

 このストライキという脅しを受けて、SNCF経営陣は、2022年末の合意では、2023年にコントローラー200人を追加雇用する規定であったものに加えて、乗務員の特別賞与を年間600ユーロから720ユーロに増額、コントローラー200人を含む無期契約の鉄道労働者1,100人を追加採用することを発表しています。

 これらの提案に加え、SNCFは、不動産市場が高騰している地域に住む鉄道労働者向けの住居手当も提案しています。

 そもそもSNCFやRATPなど鉄道関係の仕事は給与はともかく(決して少なくもない)、福利厚生が一般の企業に比べると格段に条件がよく、このうえ、なにか気に入らなければ、できるだけ多くの人が迷惑を被る機会を狙ってストライキをすれば、どんどん要求が通っていくことには、常々、憤りを感じるところです。

 今回は、このバカンス期間を目掛けて、TGVの約半分の便がキャンセルされると言われており、足止めを食う人々は大わらわです。

 特に冬休みというのは、スキーに出かける人々、しかも子供だけで田舎のパピーやマミー(おじいさんやおばあさん)の家に行かせたりする予定にしている人も少なくなく、その交通手段が絶たれてしまうわけですから、大変なことです。

 だいたい、子供の学校のバカンスが多すぎるフランスでは、たとえ、自分のバカンスが1ヶ月近くとれたとしても、それで子供の学校のバカンス期間をカバーできるはずもなく、私も1年の子供のバカンス期間をどう調整をつけるかには、本当に苦労していました。

 思い起こせば、冬休みのバカンス期間は、娘はたいてい、スキーのコロニー(合宿のようなもの)に行かせていたので、それは、長距離バスであったために、その発着場所であったポルトドヴェルサイユか、ベルシーなどに送って行って、2週間後に迎えに行くというのが恒例であったため、SNCFのストライキに左右されることはありませんでした。

 SNCFは、このストライキのためにキャンセルになったチケットに関しては、無料で変更するか、全額返金すると言っていますが、このバカンス期間の予定を滅茶苦茶にされた場合は、たいてい、チケット以上のお金がかかることは必須。なんなら、そのために余計にかかった費用も負担してもらいたいところです。

 最近では、私も、時には抗議運動やストライキも必要だとも思うようにもなったのですが、このSNCFやRATPのストライキに関しては、どう考えても、ストライキなしに交渉、解決していく道を考えてもらいたいと思うのです。

 だって、当然、得られるはずの利益を返金しなければならないのですから、大損害のうえに、結局、要求はのむことになるのですから、だったら、その前になんとかした方がいいのに・・と単純に思ってしまうのですが、甘いのでしょうか?


SNCFストライキ


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2024年2月15日木曜日

運転免許証がスマホに取り込めるようになった・・

  


 もう、どんどん時代は進化して、スマホなしには生活できないようになってきていますが、逆に「スマホ一つさえあれば、なんでもできるようになってきた・・」という方が前向きな捉え方かもしれません。

 今や、スマホで支払いもできるようになったため、現金を持つ必要がなくなり、Navigo(メトロやバスのチケット(定期券)も身分証明書もスマホに読み込めるようになり、ついに運転免許証もスマホに読み込むことが可能になりました。

 今まで、お財布の中に入れていた様々なカードはお財布ごと必用なくなりつつあり、スマホさえ持てば、済むようになりつつあります。

 私は個人的には、どちらかといえば、アナログ人間で、このスマホの操作は億劫で苦手で、いつも娘にバカにされながら、教わりながら、少しずつ取り入れざるを得なくなってきています。

 フランスでの、この証明書類のデジタル化が想像以上に進んでいることを一番、目に見えて感じたのは、コロナウィルスがまだまだ蔓延しつつ、ロックダウンが解除されていく過程で、ワクチンパスポートがないと、出かけられなかったり、レストランに入れなかったりするようになった頃のことで、かなり高齢の人々でさえもスマホにワクチンパスポートを読み込んで提示していた時に、こんなおじいちゃんたちもスマホをちゃんと使えるんだな・・と驚いたのです。

 このようなシステムは、使用方法が簡単であり、且つセキュリティーがしっかりしていることが最低必須条件ではありますが、今回の運転免許証は、これまでに、すでに存在していたfrance-identite.gouv.fr/の中に、運転免許証を追加できるようになったという感じです。

 この証明書関係を読み込むためのアプリをインストールして、そこから簡単に読み込むことができます。フランスの古い運転免許証は、ピンクの紙でできた、それこそ、なんで?こんな大きいの?というようなものでしたが、最近発行されている運転免許証は、ICチップ入りの銀行カードサイズのものに移行しています。

 現段階で最も簡単にスマホに読み込めるのは、このICチップ付の運転免許証ですが、近々、この古いピンクの免許証も電子ID(身分証明書)を取得済であれば、読み込み可能になります。

 この運転免許証のデジタル化、スマホ読み込みが急がれたのは、検問の際の免許不携帯があまりに多いこと、そして、罰金の未回収があまりに多いために、その場で罰金支払い請求が行われるようになって、その場で罰金切符を発行し、その後の追跡がしやすくなることも大きな目的の一つであると思われます。

 しかし、逆に悪い方向で考えれば、スマホを失くしたり、盗られたりしたときには、大変なことになるわけで、この治安の悪いパリでは、スマホを盗られたりすることも珍しくはないわけで、やっぱり、二の足を踏んでしまうところはあります。

 ペーパーレスの次は、カードレス・・時代はどんどん進化していき、アナログ人間はついていくのが大変です。


デジタル運転免許証フランス


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2024年2月14日水曜日

日本の治安が悪化している・・とフランスでは報道しているけど・・

  


 「日本で驚くべき犯罪件数の増加!」というフランスの記事をみつけて、正直、半分は「おまえが言うな・・」という気持ちもあったのですが、反面では、ちょっとショックでもありました。

 なぜなら、これまで日本はとにかく「治安がよい」ことで有名な国であって、このような犯罪件数の増加を海外から取り上げられるなど、およそ、「らしくない」ことであったからです。

 「2023 年に日本で発生した犯罪および犯罪は 70 万件を超え、前年比 17% 増加」、これを精査すると状況の悪化がさらに明確に現れ、窃盗20%増、殺人と性的暴行は30%増、誘拐と人身売買40%増となっています。

 「この事実には、日本国民自身も、日本が安全な国であると考えている人の割合が10~20年前には80~90%であったものが、64%にまで減少していることからもわかります」とあります。

 また、「今年に入ってから1,500回以上の地震で壊滅的な被害を受けた能登半島で被害を受けた家屋への略奪が相次いだことにも垣間見える」としています。

 そして、この記事では、この日本の治安の悪化の原因の一つには、困難な経済状況にあると説明しています。「物価の高騰にもかかわらず賃金が上がっていない」、この物価と賃金の差による貧困化が、強盗や万引きの増加につながっており、この困難な経済状況は、カップルや家族内の関係にも緊張をもたらします。 これは家庭内暴力や児童虐待の増加によって証明されているとしています。

 多くの不安定な労働者が職を失っていますが、日本では非正規の雇用契約では、解雇後に失業手当を受け取る権利がありません。 警察によると、職を失った不安定な労働者のうち一定数が、「闇バイト」に走っているとも言っています。

 専門家によると、長年にわたる社会的距離の維持が精神的健康に悪影響を及ぼしており、死を決意するほど落ち込んでいるのに自殺できない日本人は数え切れないほどいます。 そして、一部の人は「無差別」または「無差別」殺人を行うことを選択します。 

 「つまり、彼らは知らない人を攻撃します。建物に放火したり、路上や電車内で人を刺したり、手製の爆弾を作って犯罪を犯したりします。その結果、それらの犯罪者は確実に死にます。日本では大量殺人の加害者は死刑を宣告されるのです。」と記事を括っています。

 私自身は、もう長い間、日本には住んでおらず、せいぜい年に1~2回くらいしか日本に行っていないので、日本の治安の悪さを実感することはありませんが、(むしろ、フランスの治安と比べてみてしまうので、なんて平和なんだとさえ思う・・)この記事の「なぜ?」という原因の部分を見ると、なるほどね・・と思うくらいです。

 たしかに、数年前までは日本での犯罪件数は減少し続けていたということを考えれば、増加に転じただけでも、大きな転換期でもあり得るのかもしれません。

 しかし、フランスでは、おそらく桁違いの犯罪が発生していて、犯罪もよりダイナミックで暴力的、また、簡単な犯罪はカウントさえ、されていないことは間違いありません。

 日本で「高齢の男性がおにぎり1個の窃盗で逮捕された」などという話を目にしたことがありますが、まあ窃盗といえば、窃盗で、犯罪ではあるのでしょうが、おそらく、これはフランスだったら、その場でお金を払うことを促されて、帰されるくらいで、よほどの常習者でもない限り、記録にも残っていないと思います。

 実際に、スーパーマーケットで万引きをして捕まっていたお客さんが、そのままレジに戻されて、お金を払うように促され、そのまま帰されているのを目撃したことがあります。

 スリやひったくりに至っては、あまりに危険な機会が多すぎて、被害に遭っても、注意が足りなかった・・と思わず被害者側が反省してしまいそうになるくらいです。

 破壊行為、暴動のたびに起こる放火なども、これもあまりに多すぎて、これらの犯罪を全て警察が追跡しきれているとも思えません。

 なので、フランスが日本の治安悪化を語るのは、お門違いというか、おまえが言うな!といった感じもするのですが、なんとなく、日本とフランスでは犯罪傾向が少々、異なるような気もしていて、日本の犯罪にはどこか陰湿さを感じるところもあります。

 そもそも、今、日本で大問題になっている政治家の不正な金銭問題。日本のトップのこの金銭問題の方が日本では、治安の悪化・・よりも重大問題、横領、脱税、政治資金規正法違反も立派な犯罪。

 なんなら、いっそのことフランスでもこっちの問題の方を取り上げてくれないかな?と思ってしまいます。


日本の治安悪化


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2024年2月13日火曜日

未成年の少女2人に売春を強要した3人が逮捕

  


 日本から、パパ活とか、立ちんぼとかいう話を漏れ聞くことがあり、驚いていましたが、フランスでも、未成年者の売春行為は社会問題になりつつあり、なかでも未成年者に対する売春強制行為の件数は過去 4 年間で 6 倍に増加していると言われています。

 この売春行為には、様々なケースがあるようで、今回のケースは、未成年の少女たちを誘拐してアパートに監禁し、売春行為を強要していたという残酷なものでした。

 被害に遭ったのは、15歳と17歳の少女で、パリ19区のアパート内に監禁され、売春を強要されていました。この少女たちは、家出していたそうですが、1月半ば過ぎに父親に「自分は今、誘拐され、監禁されている」と助けを求める電話をしており、この娘の携帯電話の位置情報から、居場所を突き止めることに成功し、パリ19区の警察官とパリ警察本部の未成年者保護旅団がアパートに突入しました。

 アパート突入時は、容疑者3人は酩酊状態で、ナイフを持って暴れて抵抗した模様ですが、警察がスタンガンで応戦し、3人の身柄の拘束に至ったと言われています。

 容疑者は、25歳と30歳の男性2人と22歳の女性の3人だそうで、女性が混ざっていることがさらに恐ろしいことです。

 しかし、売春行為はもちろんのこと、このような未成年を誘拐して、売春を強要するという事件は、珍しくはないようで、過去の事件を遡るとけっこうあることにさらに驚かされます。

 昨年の8月には、17歳の少年2人が14歳と20歳の女性を監禁したうえで、脅して売春を強要するという事件があり、1日に6人から10人の客が来ていたと言います。しかし、彼女たちには、報酬はなく、この17歳の少年でさえも別の人物に雇われて警備のような仕事をしていたにすぎず、この誘拐、売春強要は、組織的なものであったことがわかっています。

 調べてみると、14~15歳の売春強要事件は次々と出てきます。多くのケースにおいて、この少女たちは家出少女であることが多く、最初は金品のために、甘い言葉に誘われて、むしろ、お姫様気分にさえ陥っている場合もあるのですが、現実には、暴力、殴打、強姦、侮辱、唾吐きが待っており、暴力と脅迫により、完全に支配される力関係になっていきます。

 そもそも、常識的に考えてみれば、14~15歳の女の子がたとえ、一晩でさえも家に戻ってこなければ大騒ぎになるのが普通で、それが数日間、数週間、時には数ヶ月にわたり行方不明となれば、売春行為云々以前に大変なことです。

 それが売春を強制されて初めて親に連絡してきたり、警察に駆け込んで助けを求めるまで見つからないなどというのは、異常な話でもあります。

 しかし、こんな話で不謹慎ではありますが、売春も、需要と供給があって成立する話でもあり、それだけの客がいるということも見逃してはならない現実でもあります。

 1月初旬には、オー・ド・フランスで14歳の少女と親密な関係を持った疑いで13人の男が逮捕されています。

 まったく、家出少女、売春をする者、それを強制する者、そして、その客・・とどこから手をつければよいのか? どうしたら、こんなことになるのでしょうか?


未成年少女を売春強制


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2024年2月12日月曜日

小さな子供に生乳チーズを食べさせてはいけない

  


 ローヌ地方(フランス南東部)でモルビエ(生乳チーズ)を食べた2人の少女(1人は7歳、もう1人は生後18ヶ月)が大腸菌による感染症を引き起こし重篤な状態に陥っていることがわかりました。

 この感染症は成人にとっては重篤になることはほとんどありませんが、小児では重篤な症状を引き起こし、死に至る可能性もあると言われています。

 この事件を受けて、当局は子供の食事に関して予防策を講じることを推奨しています。

 この細菌は反芻動物の消化管に存在し、その肉や牛乳を汚染する可能性があり、溶結性尿毒症症候群(HUS)を引き起こす可能性があります。

 溶血性尿毒症症候群(HUS)は、成人にとってはそれほど危険ではありませんが、虚弱体質の人、特に高齢者や5歳未満の子供にとっては危険であり、場合によっては死に至る可能性があります。 フランスでは年間約160件の症例が記録されており、主に不十分に調理された肉や低温殺菌されていない乳製品が原因となっています。

 これを聞いて、チーズにそんな危険があったことに、今さらながら、身が震え上がる思いがしたのです。

 というのも、フランス人の夫は、大のチーズ好きで、「フランスには、何百、何千種類のチーズがあるんだ!この素晴らしい食文化をどうしても子供には教えなければならない!」と娘が小さい頃には定期的に違うチーズを何種類か買ってきては、娘に食べさせていました。

 残念ながら?娘はチーズが嫌いで、むしろ、小さい頃に様々なクセのあるチーズを無理矢理食べさせられたために、余計に嫌いになったきらいがあります。「嫌いかどうかは食べてみなければわからない!」と夫はひとくちでも食べてみろと娘に食べさせていました。その中に、モルビエも入っていたことは間違いありません。

 そのたびに、娘はひとくち食べるだけで、「ノン、ノン、ジェムパ・・」(嫌い)と言って、結局は、ほとんどは夫が食べていたので、そのうち私たちは、「チーズを食べたいパパが口実をつけて、チーズを買ってきているだけじゃん!」などと、冷たくあしらっていたために、しばらくして、夫はそんな娘へのチーズ教育をやめてしまいましたが、それでも、娘が小さい頃に食べたフランスのチーズの種類は相当数に及ぶと思います。

 しかし、結果的に、それでわかったことは、娘がチーズはあまり好きではないということで、今でも、娘が食べるチーズは、ほんの限られた種類のみです。

 今回のモルビエ事件を受けて、パリのトルソー病院(小児病院)の医長は、子供に食べさせてはいけない食品を説明しています。

 生乳から作られているルブロション、サレール、ブリー、ピコドン、ぺラドン、特定のカマンベール、モルビエ、モンドゴールドなどはNG。

 子供に食べさせてよいのは、エメンタール、コンテ、アボンダンス、グリュイエールなどの調理済みのプレスチーズ、スプレッド加工されたプロセスチーズ」や低温殺菌牛乳から作られたチーズであると例示しています。

 肉、特に牛ひき肉はよく火を通しておかなければならず、生乳、生乳から作られたチーズなどの乳製品は5歳未満の子供にたべさせてはいけないと説明しています。

 また、子供たちには、ピザ、ケーキ、パイ生地などの小麦粉を使った調理品を生または調理が不十分なものを与えないように勧告しています。

 そういえば、何年か前にブイトーニの冷凍ピザで食中毒事件があり、子供が数名死亡したことがありました。あの時も溶血性尿毒症症候群(HUS)と毒素産生性大腸菌(STEC)の感染症が原因でした。

 しかし、あの時は、むしろ、あの冷凍ピザ工場の衛生状態のあまりの酷さがクローズアップされていたのですが、考えてみれば、ピザ生地の調理具合は問題にはされていませんでした。

 いずれにしても、子供の食事には気をつけなければいけないことが多々あったにもかかわらず、私には、一応、常識的な、なんとなくの感覚があったのみで、詳しい知識はなく、大病をすることもなく娘が無事に育ったのは奇跡的なことだった・・と今さらながら、胸をなでおろす気持ちです。


生乳チーズ モルビエ食中毒


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2024年2月11日日曜日

パリオリンピックのメダルの特別感 デザインは高級ジュエリーブランド「ショーメ」が担当

  


 開催まで半年を切ったパリオリンピック2024の各競技で授与されるメダルのデザインが発表されました。

 これまで私は、オリンピックメダルのデザインなどについては、あまり注目したことはありませんでしたが、なるほど、これほどオリンピックにとって象徴的な存在のもの、こだわりをもって作られるのは、当然といえば、当然です。

 パリオリンピック組織委員会の発表によると、今回のオリンピックメダルは、パリオリンピックのプレミアムパートナーであるLVMH傘下の高級ジュエリーブランドの「ショーメ」がデザインを担当し、パリ造幣局が製造します。

 このメダルのデザインに関しては、非常に特別な注文であったために、「ショーメ」の内部においても極秘裏に進められ、この件について知らされていたのは5人だけだったと言われています。

 「ショーメ」のデザインというだけでもインパクト大なのですが、このデザインには、他にもパリオリンピックならではの特別な意味が込められています。

 メダルの表側には、フランスを想起させる六角形にパリ 2024 とそのロゴが描かれており、この六角形からメダルの金属を象った光線を発しているような比較的シンプルですっきりしたデザインになっています。

 この中で最も特別感があるのは、この六角形の部分(18g)にエッフェル塔の鉄が使われていることで、このエッフェル塔の鉄は、改修工事でエッフェル塔の破片から抽出されたもので、これまでパリ郊外の格納庫に密かに保管されていたものなのだそうです。




 オリンピックメダルには、勝利の女神アテナ ニケ、パナシナイコ スタジアム、アクロポリスの彫刻が国際オリンピック委員会 (IOC) によって課されていますが、パリ 2024 大会ではエッフェル塔のデザインを追加する例外的な認可を受け、パリオリンピックならではの特別感を演出しています。

 「ショーメ」はヴァンドーム広場に 250 年にわたって存在し、ギュスターヴ エッフェル自身も顧客だったと説明しており、 デザイナーは、20 世紀初頭に作成された結婚式や記念のメダル、ティアラの輝く外観、さらには 50 年代から 60 年代の六角形のエメラルドにインスピレーションを受けてデザインしたと語っています。

 こういったものに、色々と意味付けをして、講釈を垂れるのは、フランスのお家芸の一つでもあるような皮肉な受け取り方もしてしまうのですが、最も注目を浴びるオリンピックのメダルですが、意外にそのメダル自体は、そのこだわりほどには注目されていないな・・などと、いじわるなことも思うのです。


パリオリンピックのメダル 


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2024年2月10日土曜日

現在フランスで起きているMe too ラジオ番組人気司会者の性加害告発続々浮上

  


 昨年の11月に、ある女性が2014年から2022年にかけて、彼女に対して性的暴行行為を行ったとして人気ラジオ司会者を告発しました。彼女は現在25歳ですが当時は16歳の未成年でした。

 番組の場で彼女を見つけた司会者は、オーディションをするといい、彼女をスイスに来るように呼び出し、彼女は、姉夫婦とともにスイスに出向きました。

 待ち合わせたホテルの階下で姉夫婦とともに待っていた彼女に司会者は、部屋でテストを行うといって、姉夫婦には待っている間、でかけてくるようにと薦めます。

 彼は部屋に入り、座って話を聴くように促した後、すぐに彼女の隣に立つと、ズボンを数インチ下げ、彼女にオーラルセックスをするように要求し、「これがラジオの世界のやり方。あなたに何ができるか見せてください。」と言い、彼女は恐怖でそれに応じてしまいました。

 当時、この司会者は42歳、彼女はまだ16歳でした。彼女は恐怖に打ちひしがれたにもかかわらず、その後、彼女は、数回にわたり、違う場所(車の中など)で被害を受け続けます。彼女は声をあげられなかったのです。

 それ以来、彼女は自らの命を絶とうとし、何度か入院したと述べ、今も「抗うつ剤と夜眠るための薬を服用している」と告白しています。

 この告発以来、この司会者は番組降板。弁護士を通じて、「これらの主張は完全に虚偽である」、「これらの重大な根拠のない中傷的告訴に対して検察に告訴する」と発表しています。

 当然、このスキャンダルに対して、マスコミが殺到し、当初、匿名告白していた彼女の身元も割れてしまい、今度は、彼女に対してのネット上での心ないバッシングを受け始め、彼女はそのバッシングとも戦うハメになりました。

 SNS上には、どこから流出したのか、WhatsApp(日本でいうLINEのようなもの)メッセージのスクリーンショットが公開され、炎上しています。SNS上の炎上は今やテレビにまで飛び火し、彼の過去の番組でのちょっと理解しがたい番組内での性的な蛮行を遡って、あらためて伝え始め、彼のプロダクション全体がそれを助長するような体制であったのではないか?とも言われ始めました。

 その後、彼女の告発を受けて、それ以来、「彼女に勇気をもらった・・実は私も・・」と他の3人の告発者が登場し、告発状を提出していますが、この人気司会者は、「自分こそが被害者である」と、最初の告発を行った彼女やSNS上で彼を誹謗中傷した者、また彼の出演を打ち切ったラジオ局に契約不履行を訴えています。

 そして、先週、また、新たな告発者が表れ、彼は追い詰められています。

 それぞれ、知り合いでもない犠牲者があちこちから続々と登場することで彼は追いつめられつつあり、検察は捜査を開始することを発表しています。

 少なくとも彼は人気者のスターで、相手をしてくれる女性は大勢いたであろうに、なぜ、嫌がる女性、しかも未成年にまで手を出していたのか?

 しかし、日本で今、騒がれている性加害スキャンダルとも相似する点がいくつもあり、こういう性加害に及ぶ男性には、共通するところがある・・性加害を受けた被害者が告発するには、時間がかかり、この手の犯罪に時効のようなものを設定するのはおかしいな・・と思うのです。

 告発されたこの男性は、事実を否定しており、「無実の証拠もある」と公言していますが、彼は今のところ、それを裁判を理由に公表していません。


Me too フランス


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