東京にある実家のことで話すことがあり、今度、姉貴が帰ってくるときに合わせて帰るからと弟から連絡があって、その予告どおりに弟も日本に帰国してきてくれて、本当に数年ぶりに弟と再会しました。
私は、イギリスから一度、日本に戻った後に、コートジボアールを経てパリ、その間、弟は、アメリカに転勤になって、その後、現在はシンガポールで仕事をしており、二人とも、海外生活を続けているため、帰国のタイミングが必ずしも合うわけでもなく、長い間、あんまり顔を合わせる機会はありませんでした。
私はなんだかんだでパンデミックの時を除けば、たいてい一年に一度は日本に来ているのですが、従姉妹や他の親戚に会うことはあっても、彼に会えることは滅多にありませんでした。
弟は、日本の企業に勤めていて、そこから海外赴任という形で海外生活を送っているので、私とは、ちょっとスタンスが異なるのですが、二人とも海外で生活をしているという意味では共通することで、これは母が小さい頃から私たちに英語を教えてくれていたことが大きく影響していると思っています。
私の記憶が正しければ、私が彼と前回、最後に会ったのは、父が亡くなった時と、その翌年の相続手続きの際だったと思います。ごくごくたま〜にメールなどをすることはあっても、弟は第一線でバリバリに忙しく働いているので、そうそう頻繁に連絡を取ることはしていません。
しかし、そこはさすがに兄弟で、いくら久しぶりでも一瞬に距離が縮まる感じで楽しく話をすることもでき、色々な昔話や、合わなかった間の出来事など、話が尽きることはありませんでした。
弟は知らない間にけっこうな大病もしたりしていたようで、話を聞けば、命を取り留めているのが奇跡的な感じでもあるのですが、とりあえず、現在は、なんとか病気も克服したようで、元気に、また精力的に仕事をし、それなりに苦労もしながら、大人になったんだなぁと懐かしいような嬉しいような、一面では母親のような気持ちにもなりました。
彼の娘もまた立派に成長し、仕事をしているようで、お互いに子育ての時は終わり、また人生の次の段階にさしかかりつつあることを感慨深く、思いました。
今は私の娘が一人で生活している実家で少し話をしてから、従姉妹も交えて食事にでかけましたが、同世代の親族での会話はお互いのこれまでの軌跡を知り合い、共通のバックグラウンドを持つもの同士にしかわからない微妙な感覚があり、また、我が一族共通の異常な「食」への執着も楽しい話題の一つでもあり、周囲から見たら、あの人たち、一体、どれだけ飲んで、どれだけ食べる奴らなんだ・・と思われたと思いますが、それぞれの面々は、そんなことは、微塵も気にしている様子はなく、思い切り飲んで、食べて、しゃべって、楽しい時間を過ごしました。
「次回はみんなで旅行でもしようよ・・」という話になったところで、お開きになりましたが、今までは似ても似つかないと思っていた弟の後ろ姿にちょっと父の面影を感じてどっきりしたりもしました。
これまでの人生を振り返れば、弟と暮らしていた時間よりも別々になってからの方がずっと長い時が経っているのに、やっぱり兄弟なんだな・・と思えるのは、とても不思議な気持ちと嬉しい気持ちが混ざったほんわかとした温かい気持ちになりました。
海外で生活していて、ふだんは離れていても、こういう兄弟とか従姉妹のつながりってありがたいものだな・・と感じた夜でした。
一応、社会人としては成功したと思われる弟ですが、これからは、そんなに忙しくしないで、余暇を楽しめる生活に上手くシフトしていってほしいなと思っています。
兄弟 弟
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