パリの国立自然史博物館は、オーステルリッツの広大な植物園の中にあります。
国立自然史博物館 (MNHN) は、自然、生命科学、地球科学、人類学の教育、研究、普及を目的として1793年に設立された、この種の施設としては、世界最古の施設の一つでもあります。
かなり前に友人が子供を連れて、パリに遊びに来た時に、その博物館に恐竜を見に行きたいと言って、でかけたことがありましたが、不覚にも、その時の記憶は、友人とのおしゃべりに夢中で、ほぼ記憶がないのです。しかし、この間、近くに来て、なんとなく懐かしくなり、久ぶりに覗いてみたところ、はっきりした記憶はなかったとはいえ、明らかにきれいになっていて、展示品はもとより、照明を含めた全体のレイアウトも素晴らしい、映画「ナイトミュージアム」を彷彿とさせる光景でした。
この映画の撮影に使われたのは、ニューヨークにある「アメリカ自然史博物館」のようですが、このパリの博物館もなかなか、悪くないぞ・・と、妙に対抗心を覚える私も奇妙なものです。
アメリカの自然史博物館は行ったことがありませんが、ロンドンにいた頃は、私は自然史博物館の真ん前に住んでいて、何回か行ったことがありました。ロンドンの自然史博物館に比べると(などと書いても、あまり意味がないと思うものの・・)若干、小規模ですが、一つの箱としたら、トータルの美しさを堪能できる芸術性の高い博物館だと思います。
私の夫はやたらと美術館・博物館の類が好きな人で、特に子供には、やたらと美術館や博物館に連れていきたがり、特に私が休日出勤の時などは、子供たちを連れて出かけるといえば、博物館の類で、娘などは、「え~~また?ミュゼ~~(博物館・美術館)?」などと言うほど、恐らくパリ中の博物館めぐりをしていたと思われます。
現在は、巨大なクジラの骨が正面入り口に展示され、地上階には、まるで大きな動物(マンモスやカバ、キリン、象などなど)が行進しているように置かれていて、天井は吹き抜けになっており、その四方を囲むように上階が広がっており、時間帯によって変化するライトが神秘的です。
昔の駅を思わせるような造りなのは、オルセー美術館などとも、共通する感じがあるのですが、やはり、自然史博物館ということで、動物が中心で、一つ一つの動物の解説などに、ビデオやゲームなどが取り付けられていて、小さな子供とともに家族で楽しみながら、動物の起源や習性、その生態などを楽しく学べるばかりでなく、大人がふらっと見て歩くのにも、美しく、デートコースとしても充分満足できそうな場所でもあり、実際にそんな感じのカップルもけっこういました。
ちょっと腰掛けることができるように置いてある皮張りの椅子なども、いちいち味わいの深いもので、歴史の余韻に浸ることができます。
現在は、常設展の他にネコ科の動物展を開催していて、猫好きの私としては、う~ん、勇ましいライオンもトラもネコみたいな動きやしぐさをする・・とか、逆に考えればうちの猫もライオンっぽいところがあるのかも?などと思いながら、楽しみました。
ネコ科の動物展の最後に展示されていたのは、まさかの大きな招き猫だったのも、日本人としては、見事なオチだったな・・と、ちょっと嬉しくなりました。
家族連れでも、デートでも、ちょっと行き場に困ったら、こんな博物館も楽しいかもしれません。
🌟 Musée National d'Histoire Naturelle
57 Rue Cuvier 75005 PARIS
入場料 大人13€、子供10€ 火曜休
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