パンデミックが始まって、コロナウィルスのPCR検査が登場し始めて以来、フランスでは、検査はずっと無料でした。ワクチン接種が始まってからは、これには、ただし書きがついて、ワクチン接種の証明書を提示すれば無料とされてきました。
これには、私もとても助けられてきて、昨年の年始頃などは、爆発的に感染者が多くて、ちょっと出歩いただけで、感染者追跡アプリには、「あなたは感染者と接触しています。すぐに検査を受けてください!」というメッセージが入っていたので、そのたびにウンザリしながらも、隣の薬局に検査を受けに行っていましたし、熱っぽかったり、風邪っぽかったりした時でも、「もしかしたらコロナ??」とまずコロナウィルス感染を疑い、すぐに検査を受けに行っていました。
昨年、日本に一時帰国した時にも日本入国には陰性証明書が必要だったので検査を受けに行きましたが、それも無料だったし、証明書の発行も無料でやってくれました。
結局、これまでに数十回は検査を受けてきたので、それが全て無料であったことは、大変たすかりました。幸いにもこれまで一度も陽性になったことはありません。
そもそも、無料でなければ、隔離義務を強いる検査などフランス人が受けるわけもなく、結果、被害はもっと甚大になっていたと思います。
現在は、マスクの義務化が撤廃されてから、かなり時間も経ち、にもかかわらず、感染者数はさほど増加しなくなり、1日の新規感染者数も多い日でもせいぜい5,000人程度にまで減少し、病院のひっ迫状態も改善され、ほぼコロナ前の生活に戻りました。
そんな世界の中にいると、私自身は、今は花粉症もありマスクを持ち歩いて、場所に応じてまだマスクをすることもあるのですが、実際にちょっと熱っぽかったり、風邪っぽかったりしても、いつのまにか、「もしかして、コロナ感染??」とは思わなくなっていました。
なので、検査に行こうとも考えなくなっていたのですが、3月1日から、検査費用の全面国民健康負担はなくなっており、医師または薬剤師が検査を行う場合は検査費用の 30%、看護師または理学療法士が検査を行う場合は 40% が自己負担になっていました。
しかし、これもフランス人の多くが入っているミューチュエル保険(国民健康保険をカバーする保険)に入っていれば、カバーされるので、自己負担分はカバーされます。
また、これには例外として、引き続き検査が無料とされる人々について、長期疾患(ALD)にかかっている人、65 歳以上の人、未成年者、医療専門家、医療施設または医療社会的サービス(高齢者施設や障がい者施設等)で働く人、免疫不全の人などが認められています。
そもそも、私自身もちょっと具合が悪くても、コロナ感染を疑う気持ちが失せているほど、普通の日常に戻っている状態であるうえに、陽性者の場合でも、もう国は隔離義務を課してはいないので、国の保険体制も変更していくのは当然の話です。
しかし、まだ、完全にコロナウィルスが消滅したわけではないので、心配でないことはありませんが、パンデミック以前のことを考えれば、すでにそれに対処する術は心得ているし、また、事態が深刻な状態になった場合は、元に戻せばいいだけの話で、余計な支出は省いて他の問題にも対応していかなければならないのでしょう。
とりあえず、いつまた、大変な事態になるかもしれませんが、検査が有料になっても誰も文句を言わずにいるほどになったのですから、今度こそ、本当にパンデミックの終わりが見えてきたのかもしれません。
コロナウィルスPCR検査一部自己負担
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