フランス人が最もお金を使うのは、バカンスとノエルと言われますが、調査によると、今年のフランス人のノエルの予算は568ユーロ(約8万円)で前年に比べると35ユーロ増加しているそうです。
この予算は、23〜34歳の若者の平均が420ユーロ(約6万円)と、若い世代に焦点を当てるともっと低くなり、65歳以上の平均は725ユーロ(約10万円)と、高齢者の方がずっと高くなります。
歳をとればとるほど、一大行事であるノエルを大切に思い、また孫はこの上なく可愛く、ノエルにお金を惜しみなく使う傾向があるようで、孫に甘いのは万国共通なのかもしれません。私も祖父母には大変、甘やかされたタイプです。
このノエルの予算は、クリスマスプレゼントやクリスマスツリーなどの装飾から、ブッシュドノエル(クリスマスケーキ)やクリスマスディナー、洋服、交通費などなどをひっくるめた金額です。
しかし、昨年よりも35ユーロ増加しているとはいっても、あらゆるものが値上がりしていることを考えれば、たとえば、昨年と同じものを買ったとしても、500ユーロ分くらいだと値上がりしている値段は35ユーロ以上だと思うので、実質的には、減少傾向にあるのではないかと思っています。
私は大変な、ざる勘定の人間なので、何にいくら使ったということをほとんど計算したことがないために、(それでもつつましく生きてはいるつもり・・)これまでノエルのためにいくら使ってきたかと言われても、あまり記憶がないのですが、我が家には、地方に親族はいないため、ノエルの時期に家族に会うために移動するということもなく、私自身は、あまりクリスマスというものを特別にも思っていないので、少しごちそうを食べるくらいで、変わったこともしません。
それでも娘が小さくて、まだサンタクロースを信じていた頃は、一応、人並みにクリスマスツリーを飾って、ツリーの木の下に家族全員のくつとオレンジを置いて、夜中のうちに、それまでに集めていたプレゼントをツリーの下に置いたりしていました。
クリスマスプレゼントは、それまでに親戚が送っておいてくれたものや、私たちが買ってきたもの、そして夫の勤め先からのプレゼント(あらかじめカタログが送られてきて自分たちで選ぶことができる)などを合わせると結構な量になり、ほんとに子供一人だけ?というくらいになっていましたが、そんなに特別にお金を使った記憶はありません。
何よりも、サンタクロースを信じていて、朝になると喜んでクリスマスツリーに駆け出して、目を輝かせながらプレゼントを開けていく様子が可愛くて、それが私たちの楽しみの一つで、何よりのクリスマスプレゼントでもありました。
毎年、クリスマスが近づくとメトロに乗っていたりしても、プレゼントらしきものが入っている紙袋や包みを抱えている人がだんだん増えてきて、ケチなフランス人も、さすがにノエルの買い物は違うな・・と感心するのですが、昨年は特に前年には、ロックダウンの制限などもあったりして控えていたこともあったのか、特にノエル前の買い物をする人が多かったような気もします。
しかし、心なしか、今年は昨年ほどプレゼントを抱えている人が多くないような気がするのは、私の気のせいなのでしょうか?
それは多分、私の気のせいだけではなく、ある調査によると、クリスマスプレゼントのための2022年の予算は、子供一人当たり132ユーロ(昨年は148ユーロ)で10%減少していて、値上がりしているのに10%減少しているということは、かなり減らしている感触です。
しかも、5人に1人が中古のおもちゃを買うと答えていますし、64.6%の人が経済的に厳しいので(インフレのために)クリスマスプレゼントに使う費用を抑えるという人が多いようです。
なにしろ、これから、さらにインフレが続くとなれば、先行きが不安というのは、当然のことで、ノエル以前に経済が圧迫されているわけで、特に華やかなはずのノエルという行事に、今年の夏の段階で、マクロン大統領が「私たちは豊かさの終焉の時を生きている」と演説したとおりのシナリオをなぞっているような気がします。
たしかに、昨年などは、クリスマスプレゼントがすぐに転売サイトに載せられるなどという現象が問題にもなりましたが、反面では合理的だとは思いますが、すぐに転売サイトに載せられるような不要なプレゼントの出費を控えるのは、当然のような気もします。
しかし、ノエルの予算を控えている中でも、クリスマスディナーの予算を削るという人は少なく、今年は海産物やフォアグラが特に値上がりしているものの、ノエルのごちそうだけは譲れないということらしいです。
不況の時には食品業界は強いと言われますが、まさにそのとおりです。
ノエルの予算 クリスマス費用
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