2022年5月23日月曜日

全仏オープンテニス ローランギャロス平常モードで開幕 ロシア選手は出場するか?

    フランスで毎年、行われる国際的なイベントの一つとして、毎年5月に開催される全仏オープンテニス・ローランギャロスがあります。 パンデミックのために2020年には、5月開催を延期し、さらに感染状況が悪化した9月に開催したり、昨年は、感染対策が厳しくとられる中、例年どおりの5月に開催されました。 今年の全仏オープンは、マスクの義務化もワクチンパスも撤廃された例年どおりの大会を取り戻しています。観客も100%入ります。2年間のパンデミックの規制がこの大会では全て、取り払われ、まだ、始まったばかりというのに行列ができています。 ローランギャロス観戦は、もともと感染対策以外の警備も厳しいことで知られており、荷物のチェックもうるさく、持ち込めるバッグの大きさ(15ℓ以下)から、禁止項目は、アルコール飲料やヘルメット、応援用の旗のサイズや楽器類から、セルフィースティックまで詳細にわたっています。 さんざん、感染対策用の規制ばかりを見慣れてきた身としては、逆にこのようなセキュリティーのための規制が新鮮に感じてしまうのは不思議です。 感染対策への規制が撤廃され、ほぼほぼ平常が戻ってきている雰囲気の中、今年は、新たな問題が登場しています。それは、ロシア、ベラルーシからの選手の出場可否についての問題です。 これについては、世界中でロシアに対する様々な経済措置がとられる中、大会開催前から、物議を醸してきましたが、今回の2022年の全仏オープンテニス大会では、今年3月9日の時点で欧州連合をはじめとする36カ国のスポーツ大臣の共同宣言の署名文書に沿ったものとして、ロシア・ベラルーシの選手が中立的な旗の下で競技に参加することを認めています。 この共同声明によると、ロシア・ベラルーシの選手に関しては、出身国に関するいかなる表示もしないという厳しい中立性制度を尊重しなければならないとされています。このため、ロシア・ベラルーシの選手は出場は許可されているものの、国旗、国歌の掲揚は禁止されています。 実際にローランギャロスの出場選手のリストを見ると、世界ランキング2位のダニール・メドベージェフ選手や、世界ランキング7位のアンドレイ・ルブレフ、同8位のアリナ・サバレンカはロシアの国旗を掲げることが許されず、各選手の国旗が記されているスペースはブランクになっています。   出身国に関するいかなる表示もしないという厳しい中立性制度を尊重しなければならないというのは、こういうことなのか・・と思わせられます。 この大会ディレクターのアメリー・モーレスモは、「これは非常にデリケートな問題で、正しい判断が何かはわからない。しかし、国としての代表選手の場合は出場できないが、個人として中立な立場をとる者の出場は制限しない。しかし、これらの選手がメディアを通して、プーチン寄りの発言をした場合には、必ず制裁をとる」としています。 また、FFT(フランステニス連盟)会長のジル・モレトン氏も「すべては進化している」とし、ロシア人選手のプーチンに対する立場について、「我々は、一人ひとりの家庭の事情に余計に左右されることを知っているので、個々の個人的な状況の詳細に踏み込むつもりはない」と語っています。 これに対して、6月に開催が予定されているイギリスのウィンブルドン大会では、すでに「ロシアが自らの利益のためにイベントの成功を利用しないように、また選手や家族の安全のためにロシア・ベラルーシからの選手を排除する」決定をしているようです。 全仏オープンとウィンブルドン、2つの大きなテニスの国際大会で、異なる選択をしたフランスとイギリス。 本当にこの状況で何が正解なのかは、わかりませんが、とりあえず、私は、全仏オープンに関しては、フランスらしい選択をしたような気がしています。全仏オープンテニス2022...

2022年5月22日日曜日

パリで一番、美しいスターバックス Starbucks Boulevard des Capucines

  外観はそんなに特別でもないスタバの正面入り口 カフェ文化が根強くはびこるフランスで、スターバックスが出来始めた時には、一体、どの程度、広まるものかとも思いましたが、スタバは今やどこでも見かけるほどにグングン拡大していきました。たしかに美味しいとは思いますが、だいたい、いつも行列していて、並ぶのが大嫌いな私は、滅多にスタバには行くことはありません。 最近は、他のお店でも見かけるようになりましたが、かつてはあまり一般的ではなかったチーズケーキやドーナッツやマフィンなどがあるので、お菓子目当てに行っていたことはあります。 とはいえ、パンデミックで多くのお店が閉店に追い込まれたりしたものの、パリでもスタバは健在、パリのほとんどの区にスタバは存在し、パリ1区にいたっては、ちょっと数えただけでも8店舗もあります。 今回は、パリ2区にスタバとは思えないようなスタバがあるというので、これは是非、行ってみたいと思って、覗きに行ってきました。 オペラ通りから歩いていくと、オペラ通りにも1軒、こちらの方は、そんなに特別感はありません。それでも、ここも大抵、いつも行列ができています。 今回のお目当てのスタバは、もっとオペラ座に近いキャプシーヌ大通り(Boulevard...

2022年5月21日土曜日

ヨーロッパで相次いで症例が報告されているサル痘がフランスにも上陸した

    これまで聞いたことがなかった「サル痘」(Monkeypox)という病気が、ここ数日でヨーロッパで広まっているというニュースを聞いて、ギョッとしています。 正直、また、ヨーロッパを中心に感染拡大・・と思ったら、カナダやアメリカ、オーストラリアでも、症例が報告され始めて、これは、欧州だけではないらしいことがわかりました。 もともと、西アフリカの風土病であったサル痘がアフリカ大陸の外で拡大するケースは稀なことで、WHO(世界保健機構)は、このサル痘に関する緊急会議を召集しています。 しかし、私が以前、西アフリカにいた時、サル痘なんて、聞いたことありませんでした。あの時は、とにかくマラリアが怖くて・・夫は数回、マラリアにかかって苦しんでいました。 この病気(サル痘)は、最初の段階で、発熱、頭痛、関節や筋肉の痛み、リンパ節の腫れなどの症状が現れ、第2段階では、水疱を伴う発疹ができ、多くの場合、顔から始まり、手のひら、足の裏、性器など体の他の部分に広がるとのこと。特定の治療法はないようですが、天然痘のワクチンが有効であるとも言われ、大多数の患者は隔離され、自然に回復するとされています。しかし、一方で、一部の疫学者の間では、「サル痘の死亡率はコロナウィルスよりもはるかに高い」と警告しています。 今回のサル痘の蔓延は、5月6日にイギリスで確認されたのを皮切りに、5月14日以降、ヨーロッパでは、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、イタリア、ベルギーでの症例が報告されており、とうとうフランスでも、5月20日に、イル・ド・フランス地方で初めてサル痘の患者が確認されたと、保健当局とSanté...

2022年5月20日金曜日

フランスでよくある「2個買うと2個目半額」の罠

    スーパーマーケットに買い物に行くと、「ー50%!」とか、表示されていて、「うわっ!」と思うと、よく見ると「2つ目が半額」・・などというのが、よくあります。この2つ目半額というのが、出始めた頃は、その「2つ目が・・」というところをちゃんと見ずに、半額だと思って1個だけ買ってきて、実は定価のままだったりしたことがよくあって、特に夫は、このあたりの注意力が欠如していて、何度も同じ過ちを繰り返していました。 この「2個目は半額」というのが出始めて以来、敵もさるもの、「2個目は40%引き」とか「3個目は無料」とか、手を変え、品をかえ、さまざまな試みをしているものの、大家族でもない限り...

2022年5月19日木曜日

フランス 5月の記録的な熱波

   ここ数年、フランスの夏の猛暑は毎年のことで、珍しいことではなくなってきました。 私がフランスに来た頃、20年くらい前は、夏の間、暑い日があってもせいぜい2〜3日のことで、湿度も低いせいか、夏は断然、フランスの方が過ごしやすいと思っていましたし、建物自体が木造ではないため、外が暑くても建物の中に入ると、冷房がなくとも、すっと涼しい感じでした。 年間を通して、あっつ〜 い!と感じる2〜3日のためにエアコンを買うこともないし、実際、一般家庭にエアコンのある家はほとんどありませんでした。 フランスでも、日本のエアコンのように壁面に取り付けるものも、もちろんないことはありませんが、それ...

2022年5月18日水曜日

カンヌ国際映画祭開幕セレモニー サプライズゲストはウクライナのゼレンスキー大統領

   パンデミックのために2020年には、開催が延期されたり、今ひとつ盛り上がりに欠けていた2022年カンヌ国際映画祭が開幕し、久しぶりにコロナ前の人出に沸き、ようやく取り戻したこの国際的なイベントの盛況ぶりに、カンヌの街、ホテルやレストラン、映画関係者は、祝祭ムードに包まれていることで喜びに湧いています。  昨日、今年が75回目にあたるこのカンヌ国際映画祭の開幕セレモニーが行われ、レッドカーペットが敷き詰められた会場は、満席状態、華やかな服装にマスク姿はもうどこにも見当たりません。 煌びやかにセレモニーが始まって、まもなく、司会の女性に、「今日はスペシャルゲストが登場します」と紹介されて、スクリーンに登場したのには、なんと、ウクライナのゼレンスキー大統領、これには、会場も一斉に立ち上がり、彼は大きな拍手で迎えられました。"C'est...

2022年5月17日火曜日

フランスに女性新首相エリザべス・ボルヌ現労働相が就任

   マクロン大統領の再選が4月24日に決定して以来、新内閣の組閣について、長いこと発表されないままでしたが、特に首相の選出については、注目されてさまざまな憶測が流れていました。 しかし、大統領選直後にJDD(Le Journal du Dimanche)が行った世論調査によれば、国民の74%が次期首相には女性を任命してほしいと思っているという結果が発表されていたので、もしかしたら、次期首相は女性なのかも?と思っていました。 74%といえば、マクロン大統領の支持率よりも多い数字、この世論を無視するわけはないと思っていましたが、数日前から新首相予想に上がっていた数名も女性ばかりでした。 昨日までのカステックス首相が首相に就任したのは、2年前の7月のこと、エリゼ宮での首相交代のセレモニーの記憶もそんなに遠いものではありません。パンデミックの第一波を乗り切ったばかりの頃で、前フィリップ首相の辞任により、突然、登場した感じでした。 彼が最初に現れた時は、その経歴からも、かなりのエリートであることは歴然としていたものの、彼の南仏訛りのきついアクセントやどこか冴えないスーツ姿に、フランスの首相としてどうなの?みっともない・・などという声もあがっていました。 しかし、結果的に首相に就任してからの彼の言動は、アクセントはそのままでしたが、暖かい人間味あふれる感じや誠実さ、そしてどこかコミカルな印象を与える人柄(決してウケを狙っているわけではないし、本人大真面目なのに、どこかコミカルという感じ・・)が、常に論理的で、口が立ち過ぎて、どこか反感を持たれるところのあるマクロン大統領のマイナス面を見事にカバーする役割を果たしていたように思います。 首相退任後にまず何をしますか?という記者からの問いに、「家でペンキ塗りをする所がある」と答えたとかで、家でのペンキ塗りもしっくりきそうなほんわかした人柄です。 実際に、パンデミックの感染悪化、テロ、暴力事件などの問題が起こるたびに、現地に出向き現地の人々声に耳を傾け、誠実に応対する姿勢をこの2年間、度々、報道で目にしてきましたが、これまでの首相の出張記録回数の新記録を樹立していたそうです。 新旧首相の挨拶では、お互いに向ける言葉の中でそれぞれを"Tu"...