2021年10月12日火曜日

フランスの小・中学校(高校) 私立進学へのススメ

  子供の教育は、もちろん、その家庭に一番の責任があることは言うまでもありませんが、子供の通う学校も大きくその子の人生に影響してきます。 どの国にも社会的格差は存在しますが、フランスはその格差がかなり大きく、子供の頃から通う学校によって、まるで世界が違います。そのどちらに行くか、人生の別れ道の違いは最初は小さいものでも、年齢を重ねるとともに大きくなっていくのが、恐ろしいほどです。 我が家の近所にも、小学校、中学校、高校ともにいくつかの公立の学校がありますが、たまに近所を走っているバスに乗ったりすると、子供たちのバスの中での立ち振る舞いや言動で、大体、どこの学校の生徒なのかが見当がつ...

2021年10月11日月曜日

パリジャンの84%は自分たちの街が汚れていると思っている でも自分たちが汚しているとは思っていない

   パリの街並みはやはり美しいです。しかし、街並みは美しくても清潔であるかと言えば、そうでもありません。 JDD(Le Journal du dimanche)の行った世論調査によれば、実際にパリの住民の84%は自分たちの街が汚れていると考えており、73%が清潔さとその維持に不満を感じていると答えています。 パンデミックにより、数回のロックダウンを経て、一時はパリの街も至るところが消毒され、人出が極端に減少し、飲食店も閉鎖されたことから、その間は清潔さを保っていました。 しかし、ロックダウンが解除され、ワクチン接種が進み、ヘルスパスの起用により、人々がほぼ以前の日常と同じように街に出始めると、再び街の清潔さも失われ、不衛生な日常が戻ってきました。 日本人がイメージするおフランスのイメージのパリはシャンゼリゼやサンジェルマンデプレなどのごく一部であり、さすがにそんな場所はキレイに保っていますが、東京に比べれば、決して広いとは言えないパリにも、目を疑いたくなるような不衛生な場所が少なくありません。 日常が戻ってきて、駅の臭いトイレも戻ってきました。トイレだけが臭いならまだしも(それさえも信じがたいのですが)、駅の周辺までもが臭くなるのは、これが先進国なのか?と疑いたくなります。 私が時々、通るパリ・リヨン駅なども駅・構内に入るとそこはかとなく漂ってくるアンモニアを含む不快な匂いが戻りつつあることを感じています。 パリの地下鉄オペラ・オーベール駅も臭い駅として有名な場所です。 これらの匂いが駅に戻ってきたということは、人出が戻ったことが原因ではありますが、同時に駅での清掃、消毒作業がパンデミックが始まった頃のようには、もはや行われていないということでもあります。 また、このパンデミックをもってしても、フランス人の衛生観念は、改善されていないということでもあります。 パリの街中には、多くのゴミ箱がありますが、たくさんあるゴミ箱も利用する人はまだマシですが、そのゴミの捨て方も酷いのです。逆に日本(東京)に行ったことのあるフランス人は、ゴミ箱の少なさに驚いています。(ゴミ箱が少ないのにゴミが落ちていないこと) また、住宅街の家庭が排出するゴミなどは、ある程度は分類されて、住宅施設ごとに纏めて管理人が出すのが普通ですが、引っ越しの際の大量の粗大ゴミが出されていたりすると、そこから掘り出し物を探すのか?近隣住民が寄ってきてゴミが大散乱していたりします。 パリ市は実に街を清潔に保つために年間5億ユーロを費やしているにも関わらず、パリの住民が不満に感じるほどにしか、その成果は上がっていないのです。 このパリという街を清潔に保つことに目を瞑り、改善しようとしていないパリ市に抗議して、この日曜日にはPlace...

2021年10月10日日曜日

フランス・死刑制度廃止40周年 死刑制度廃止説得のための戦い

   10月9日、フランスは死刑制度を廃止して、40周年を迎え、パンテオンで、これを記念するシンポジウムを開催しました。 この講演会でマクロン大統領は、「死刑制度の普遍的廃止のための戦いを再開する」と宣言しました。1981年にフランスが死刑制度を廃止して以来、106カ国がこの道を進んだことを振り返り、中国、アメリカ、インドなど50の国は死刑執行の正当性を尊重し続け、2020年には世界で483人の国家殺人が行われたことを嘆きました。 そして彼は、2022年の前半に欧州連合の枠組みの中で、依然として死刑制度を採用している国に対してこの制度を廃止することの重要性と緊急性を各国指導者に納得させる「最高レベルでの会合」を組織し、それらの国々を説得することを発表しました。 このシンポジウムには、ジャン・カステックス首相をはじめ、法務大臣のエリック・デュポン・モレッティ、国会議長のリチャード・フェラン、上院のジェラール・ラーチャーを含む約200人が出席しました。 このシンポジウムには、1981年の死刑制度廃止の際に実際に投票した元法務大臣ロベール・バタンターも参加し、「死刑は人類にとっての恥であり、世界で消滅する運命にある」と断言しています。La...

2021年10月9日土曜日

もしもフランスで地震があったなら・・それはパンデミックの被害にも表れている

   先日、日本で大きな地震があったことは、フランスでも、すぐに報じられていました。私自身、もう長いこと地震のない国にいるので、震度5強という自身がどの程度のものであったのか? 見当も付かなくなっていました。 私の記憶に残っている日本での大きな地震は阪神大震災と東日本大震災ですが、阪神大震災があった時はまだ、私もまだ日本に住んでいましたが、私は東京に住んでいたため、さほどの影響はありませんでした。 ただ、当時、祖母の病状がかなり悪く、転勤で関西にいた弟が祖母に会うために東京に来ており、祖母の病状が少し落ち着いたために、また関西に、よりにもよってバスで戻る帰途に着いた直後のことで、テレビで報道...

2021年10月8日金曜日

まだまだ油断はできないフランスの感染状況 いくつかの地域で再び感染上昇

  フランスで感染が再び上昇し始めた地域  政府のスポークスマン・ガブリエル・アタルは、フランス国内のいくつかの地域で、再び感染が上昇し始めたことを発表しました。 これまで、ワクチン接種率の上昇とヘルスパスの起用により順調に減少してきたコロナウィルスの感染状況がペイ・ド・ラ・ロワール(Pays-de-la-Loire)とオード(Aude)の地域で感染状況が増加傾向に転じ始め、10万人あたりの感染症例50のしきい値を超え、警戒が必要な数字に達しています。 政府当局は、感染率がもはや減少しないどころか、増加し始めた、これらの地域の約30県は、危機に瀕しており、今後、より注意を払う必要が...

2021年10月7日木曜日

一年以上かかって、まだ治療が終わらないフランスの歯医者

   思い起こせば、通い始めて1年以上経ってしまった歯の治療ですが、手短に言えば、まだまだ終わりそうもありません。 そもそも、もしかしたら、ヤバいかも?・・と思いながら、放置していた上に、衝撃的な完全ロックダウンを迎えて、医者通いの外出は認められていたものの、マスクを外さなければ用をなさない、しかも口の中をいじくりまわす?歯の治療は、何とも恐ろしくて、躊躇われて行かなかったことが、さらに症状を悪化させたこともあり、事態は最悪の結果を迎えることになり、一本の歯はインプラント、そして、その隣の歯も治療が必要になってしまいました。 ロックダウンが解除になって少しして、ようやく恐る恐る歯医者さんに行って聞かされた、まさかの入れ歯かインプラントの選択から始まり、まさか自分が入れ歯を入れるかどうか悩む日が来るとは思ってもみませんでした。 私の歯も間接的なパンデミックの被害に遭っております。 まずは、もう根っこももうダメになっている・・と言われてしまった方の歯の根っこを抜くことから始まり、結局は、その後の煩わしさや「食べる」という私の数少ない楽しみを尊重するために選択したインプラントの埋め込みの手術(現在のところは歯の根っこの部分にネジのようなものを埋め込んだ状態)も、2回目のワクチン接種から2週間経過しないと・・さらにワクチンのために延期されて、ようやくできたのが、6月の末のことで、それから1ヶ月間は、経過を1週間おきに診る必要があることで、7月は毎週、歯医者に通ったところで、再び治療は夏のバカンスのためにストップ。 私は、特に夏の間に遠出はしなかったものの、夏のバカンスの間に診察室の改装工事をするとかで、次の予約は9月になりました。 しかし、予定どおりに行かないのがフランスで、案の定、工事が工期どおりに済まなかったということで、予約はキャンセル、しかも9月中に2回、毎回、携帯に歯医者さんから電話が入るたびに、またか・・とうんざりし、10月に入ってからに変更された予約も怪しいものだ・・と半ばあまり期待しないで、逆にギリギリまでキャンセルの電話があるのではないか・・と思っていました。 結局、今回の予約にはキャンセルの電話が入らなかったので、半信半疑で歯医者に行ってみると、エレベーターを降りた段階から嫌な予感。エレベーターの中からエレベーターを降りた廊下のカーペットには、工事用のビニールのシートが貼られたままで、歯医者に入ると工事の真っ最中。 夏前までは、感染対策のために診療所に入るとガウンを着せられたり、頭に感染防止用のキャップまで被せられていたのに、そんなものも一切なくなっていました。 それどころか、どうにか間に合わせでほぼ仕上がっているのは、診察室の一つだけで、他の部屋では工事が続いています。歯医者さんも、そうそう休診のままではいられないので、どうにか診察室の一つだけを先に工事を完了させたのだと思いますが、それにしても、診察中にも工事の問い合わせの電話が入ったり、バタバタと落ち着かないことこの上ありません。 ただでさえ、インプラントは時間がかかるのはわかっていますが、今回のところは、インプラントの方は、手が付けられず、結局、もう一本の方の仮歯の付け直しで終わりました。 私の方は、年内いっぱいで保険を切り替えたいために、前々から、年内には、終わらせてもらいたいと念を押して来ましたが、今やすでに10月。 年内中に歯の治療が完了するのは絶望的です。 こんな状況からか、「インプラントの次の手術はもう少し時間を置かないと・・」などと自分の都合の良いように言うことを変えるので、「年内には終わるって言ったじゃない!」と言うと、保険の都合なら、「支払いは先に済ませれば、保険の方は問題ないから、その後、治療は、ゆっくりやりましょう!」とのこと。 いくらなんでも今年中に終わらなければ、治療を始めてもう2年。この期に及んで「ゆっくりやりましょう!」もないものだ・・と思いつつ、治療を始めてしまった以上、現段階で歯医者を変えるわけにもいかず、仕方がありません。 今の家に引っ越して以来、ずっと通ってきた家の近所の歯医者さんで、これまでこんなことはなかったのですが、いつもの歯の治療とは違うインプラントということもあり、それにパンデミックやバカンスが重なった上に、診察室の工事まで重なって(こちらの工事は工期を守るという観念はない)しまったことなどもありますが、これでは乗り替えるのは、保険だけでなく、歯医者さんも乗り換えることを考えなければ・・と思い始めているのです。 というより、今後は歯医者に用事がないように祈るばかりです。インプラント フランスの歯医者<関連記事>「フランスでのインプラントの手術」「歯医者で見えるフランスでの優先順位 ここでも出てくるバカンスの優先度」「コロナ禍中のフランスの歯医者...

2021年10月6日水曜日

やたら謝る日本人と謝らないフランス人に見る厳しい日本社会と緩いフランス

    フランスでの生活が長くなって、たまに日本に行くと、やたらと謝られることに恐縮してしまうことがあります。「こんなことで、そんなに謝らなくてもいいのに・・」と。 日本で生活していた頃はあまり気にもしませんでしたが、こんなに謝られる国は、そうそうないのではないかと思います。 「すみませんでした」「申し訳ありませんでした」「ご迷惑をおかけ致しました」などなど、日本にいたら、1日、何回、謝られることかと思うほどです。 日本のサービスは、正直、世界一ではないかと思うのですが、また顧客側も世界一厳しい顧客なのではないかとも思います。 逆にフランスに来たばかりの頃は、何をするにも時間がかか...