フランスの長い長い夏休みのバカンスももうすぐ終わり、来週、9月2日(木)からは、新年度が始まります。
現在のフランスのワクチン接種率は、国全体で74.3%にまで上昇してきているものの、一番最後にワクチン接種が開始された12歳から17歳の年齢層に関しては、57%にとどまっています。
科学評議会(Conseil Scientifique)は、現在のところ12歳以下の子供に対しては、ワクチン接種は行われていないため、他の年齢層の生徒達も併せて、新年度が始まれば、1日あたり、5万人の子どもたちの感染が起こるであろうとの懸念を示しています。
しかし、フランス(本土)は、「新年度の開始を延期する理由はない。新年度の開始を延期することは、極端な場合にのみ取られるべき措置である」とし、新年度の学校開始は、従来からの予定どおりに9月2日(木)とすることを発表しました。
感染状況が極度に悪化している一部の海外圏(グアドループ・レユニオン・ギアナ)については、当面の間、9月13日まで、新年度の授業再開が延期されることになりました。
ジャン・ミッシェル・ブランケー教育相は、この新年度の開始について、各学校での厳重な衛生対策とともに、週60万件の学校での唾液検査を行うことを発表しています。
🗣️ Covid-19 : "On vise au moins 600 000 tests salivaires par semaine", poursuit Jean-Michel Blanquer. S'agissant des autotests, "il y en aura autant que nécessaire dans le 1er que dans le 2nd degré."
— franceinfo (@franceinfo) August 26, 2021
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ワクチン接種率が低い子供たちの間での感染から感染拡大が懸念される現在のデルタ変異種の対策として、学校を通常に近い形で再開するために、頻繁にテストを行う対策を取っています。
また、8月30日からは、ヘルスパス(2回のワクチン接種済の証明書、72時間以内のPCR検査陰性証明書、6ヶ月以内にコロナウィルスに感染した証明書)がないと働けなくなる職業には、主に人と接する職業が該当していますが、教師もまた、このヘルスパスが必要な職業の一つになっています。
教育省がイプソス世論調査機関に調査を依頼した結果、現在のフランスの全国の教師のワクチン接種率は、89%(78%が2回接種済み、11%が接種過程(1回接種済または、接種予約済み)がワクチン接種済みであることがわかっています。
現在のところは、教師はワクチン接種が義務化されている職業ではないとはいえ、ヘルスパスがないと働けなくなる職業であることには変わりなく、現在の段階で、ワクチン接種をしていない残りの11%の教師に関しては、当面の間は、PCR検査を週に2回受け続けることが必要になります。
教育相は、今年の初めから政府が示している方針どおりに学校閉鎖は最終的な手段であるとし、これまでも完璧であったとは言えないものの、できる限りの対策をとりつつ、学校の授業を続けていることは、やはりフランスが誇るべきことの一つであると語っています。
しかし、今後の感染状況によっては、新たな対策を講じていくとしています。
学校の新年度の再開は、18ヶ月以上も続いているパンデミックに対して、逃げ続けるだけでなく、対策を講じて、立ち向かい、是が非でも日常生活を続けていくためのフランスの大きなハードルの一つでもあります。
学校再開 唾液検査
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