このところ、値上げの話しか聞いていなかったので、「2025年2月電気料金10%~15%値下げ」の発表を聞いて、ちょっと嬉しい驚きでした。
政府が発表しているのだから、まあフランスの場合、間違いはないとは思うのですが、これを発表したのが、ブルーノ・ル・メール財務相で、まったく個人的なイメージと身びいきからの印象なのですが、この人の話はなんとなく素直に聞いてしまいます。(あくまでも、私個人の印象です)
ほんの数日前の欧州選挙の結果のためにマクロン大統領が下した国民議会解散、総選挙という大事件?に現在、フランスは大騒ぎ。もうほぼ他の全てのニュースを吹っ飛ばして、この話ばかりしています。
昨日は、ベルサイユ宮殿で火事があったというのに、すぐに鎮火されたこともありますが、そんな話は、全くスルーです。
ブルーノ・ル・メール財務相は、この電気料金の値下げについて、「この値下げが可能になるのは、私たちが原子力発電の再稼働に投資してきたためであり、湾岸諸国とロシアの手に手足を縛られずに、フランスがエネルギーの自立を信じてきたためです」と説明しています。
しかし、これは、間近に迫っている選挙対策のためであることは明白で、そもそも、2023 年 2月 には電気料金は15%上昇し、その半年後には 10%上昇しています。そして、その値上げの際には、他の欧州諸国に比べて、フランスの電気料金上昇がこれだけ抑えられているのは、実際の価格との差額を国が負担しているからだと説明し、徐々にこの国の負担は削っていく計画であると説明していました。
要するに事情次第で、どうにでも調整がつけられるということです。その時々で、政府の都合のよい理由をつけて財政をコントロールしているということです。
たしかに、フランスが様々な理由で停止されている原子力発電を再稼働させようと動いているのは、事実であるとは思いますが、まさか、このタイミングでその準備が整ったというのは、出来すぎな話です。
一方、この欧州選挙の結果にまつわる一連の解散・総選挙の騒動が起こる直前に政府は、7月からのガソリン価格の12%値上げを発表してしまっています。今から考えれば、これは実に最悪のタイミングでした。
さしずめ、2025年2月電気料金値下げは、とりあえずは、これを相殺する一手でしかありません。
2025年2月電気料金10%~15%値下げ
<関連記事>