2023年1月31日火曜日

日本のピエールエルメのお店にビックリした! PIERRE HERMEとピエールエルメ

  


 現在、日本で仕事をしている娘が時々、自分が美味しいものを食べたり、これが、こんな値段で売られているとか、私の好きなお店とか、フランスにゆかりのあるものなどを見つけたりすると写真を送ってくれるのですが、つい最近、娘が送ってくれたのは、ピエールエルメのお店の写真でした。

 「偽物かと思ったら、ホンモノだった・・ダサすぎ・・」と。

 正直、私も正直、「なにこれ?」とビックリしました。

 パリにピエールエルメのお店はかなりありますが、どこの店舗もおしゃれで洗練されていて、同時期でも場所によって、デコレーションは違いますが、それぞれに、イメージのコンセプトがはっきりしていてカッコいいのです。

 私は、正直、そんなに興味もないので、通りすがりに外から眺める程度なのですが、今回、彼女が送ってくれた写真には、びっくりしました。

 日本人でも読みやすいようにカタカナ表記にしたのかもしれませんが、イメージや店舗のデコレーション、デザインなどには、ことさら気を配っていると思っていたピエールエルメ(というか、全般的にフランスのブランドのお店)がまさかのこの表記には、ビックリです。

 見慣れない分、違和感も強いのだと思いますが、100歩譲ってカタカナ表記にするとしても、せめて、そのカタカナの書体(字体)くらいはもう少し選んでもよかったのではないか?と。

 まぁ、これは、失礼な言い方をすれば、かなりマイナーな地域にできた店舗なのかな?と思いきや、なんと、これは渋谷の店舗なのだと聞いて、二重にビックリしました。

 これまでも、ピエールエルメは、かなり商魂たくましいという印象があり、今はパリにもかなり店舗が増え、ギャラリーラファイエットなどには、すべての階にピエールエルメのスタンドがある?と思うくらいですが、一時はフランスよりも日本の店舗数の方が多いくらいで、日本は完全にマーケットのターゲットになっているんだな・・と思ったこともありました。

 最近では、コンビニスイーツに参入したり、高級イメージで売っていたはずなのに、大丈夫なの?と思ったりもしました。

 もう数年前になりますが、シャンゼリゼの真ん中にロクシタンとのコラボの店舗を展開したり(今でもあるけど・・)、それが、同じマカロンで有名なラデュレのハス向かいだったりして、なかなかたくましいものだ・・と思っていました。

 しかし、今回、彼女が送ってくれた写真の店舗は、調べてみると、渋谷の東急フードショー・デリゾーン(しぶちか)の新名所を目指している「Made in ピエールエルメ」という店舗で、PIERRE HERMEとは別のブランドのお店なのでした。

 つまり、私の思っていたPIERRE HERMEではなかったわけです。

 偽物というよりは、別物だったのです。

 娘が「なんだか売っているものも全然違う・・」と言っていたのですが、ここでのメインの商品は、焼き立てのフィナンシエやマドレーヌ、マカロンやロールケーキ、チーズケーキなのだそうで、元祖PIERRE HERMEのお店とは別物の「Made in ピエールエルメ」というお店なのだそうです。

 この渋谷の店舗はお菓子が中心なようですが、ピエールエルメ氏と初期からのビジネスパートナーであった「Made in ピエールエルメ」の社長は、ピエールエルメ氏とともに見つけた日本の厳選された食材に目を向け、お菓子だけではない、調味料やお茶など、広範囲にわたる食材の選りすぐりの商品を扱っているお店のようです。

 どちらにしても、まだあまり知られていない「Made in ピエールエルメ」という命名もどうかと思いますが、なんといっても、このお店の看板には、わざわざ「ピエールエルメ」の名前を使うことがマイナスのイメージになっているような、そんな感じです。

 これが全くの別物ならば。PIERRE HERMEからしたら、「ピエールエルメはPIERRE HERMEとは別ブランドです」と言いたくなる感じな気がします。

 どちらにしても、商品そのものがよければ、いいとはいえ、「ん~~この看板・・」どうにも納得がいきません。

 


ピエールエルメ 渋谷 Made in ピエールエルメ


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2023年1月30日月曜日

数年ぶりに冬のソルドで買い物

  


 今やほしいものはネットで探して、値段を比較して、より安い商品をいつでもどこでもポチって買える時代に政府がソルド(バーゲン)の期間を制定する意味がどれだけあるのかと思いますが、一応、今でもフランスでは政府が夏と冬のバーゲンの期間を設定しています。

 若い頃には、このソルドの時期が待ち遠しく、ソルドの初日にはお休みをとって買い物に行ったり、普段は、お店を見て歩くと、欲しいものを我慢するのがつらくなるから、むやみに見て歩かないようにするほど、洋服や靴などをやたらと買っていた私ですが、もうすっかり、そういった物欲も着飾りたいと思う気持ちも失せ、どちらかというと、もうすでに持っているものを有効に処分することに注力するようになっています。

 それでも、少し前までは、娘が○○が欲しいなどと言われて、その買い物につきあったりして、ソルドの時に買い物に行ったりしてもいたのですが、娘も独立した今、ソルドだからといって、買い物に行くこともなくなっていました。

 今年の冬のソルドは2023年1月11日8時からとご丁寧に時間まで決められていて(いつものことですが・・)終了は2月7日ということになっているようです。

 以前は、とにかくカッコいい靴が好きで、今から考えると、若い頃は、ソルドというと、ハイヒールばかりを買っていたのですが、フランスに来て以来、石畳ということもあり、ハイヒールなどはすっかり履かなくなり、今やもっぱらスニーカーというか運動靴ばかり。

 健康のことを考えて、できるだけ歩くことを心掛けているため、運動靴でひたすら、パリの街を歩いているのです。さすがに運動靴は消耗品で、傷んできても、修理して履くというわけにもいかず、ネットで探してもいいけれど、やっぱり靴は履いてみないとモデルによってもサイズも違うし、まぁ機会があれば、ソルドの期間中に買えればな・・くらいに思っていたのです。

 今回も一人だったら、めんどくさくなって、「まぁ、また今度でもいいか・・とか、どうしても必要になれば、ソルドじゃなくても買うか・・」と思ってしまっていたと思うのですが、たまたま友人がつきあってくれるというので、「まぁ、気に入ったものが見つかれば・・」くらいなつもりで、久しぶりにソルドを覗いてきました。

 ソルドは特に狙いを定めたものがある場合は、初日か最初の週末、それ以降は、1週間ごとに値引き率が上がっていくので、物にもよるし、タイミングにもよるのですが、早すぎれば、さほど値引きしていないし、かといって、遅いと、商品も残っていないので、どこがよいタイミングなのかも難しいところです。

 ましてや靴の場合はサイズもあるので、欲しいものがあってもサイズがないということも少なくないので難易度が上がります。そしてソルドも終盤に近付くと、ソルドの商品よりも並んでいるのはほとんど春物の新作だったりもするので、ソルドに行ったつもりが、結局、全然、値引きしていないものを買ってくることになるということも少なくありません。

 何よりも、春物の値段は定価でも冬物に比べて安いことは大きな落とし穴です。

 結局、数店舗を廻って、いくつかの靴を履いてみても結局サイズがなくて、また、自分のサイズだと思っていたものが、このモデルは小ぶりだからと、サイズが合わなかったりして買えず、いい加減、めんどくさくなってきて、ここでもうなければ、今回はもういいやと思ったところで、気に入った運動靴に出会い、その中で2足、サイズのあうものがありました。

 どっちにしようかな?と思ったのですが、2足とも、半額になっていたので、「まぁいいか・・、どうせ、いつも同じようなのが欲しいんだし、2足買っても1足分だ・・」と思い、2足の運動靴を買ってきました。

 結局、2足買って、定価分と同じ金額を支払うことになったので、なんだか安かったにしろ、高くついたような気もしましたが、結局は1足分の値段で2足買えたわけで、やっぱり安かったなと満足し、「やっぱりソルドは悪くない・・」と、ついソルドなど面倒になって、ついつい定価で買いがちな私は、えらく満足したのでした。


冬のソルド バーゲン


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2023年1月29日日曜日

2月1日からコロナウィルス感染対策緩和へ

  


 フランス政府は、コロナウィルス感染対策について、2月1日から、緩和することを発表しました。

 この感染対策緩和は、これまで「コロナウィルスの検査で陽性となっていた人々に対して強制的に隔離することが求められていたものが、この強制措置が解除され、感染者との接触した人の強制的な検査が求められなくなる」という結構、大胆といえば、大胆な内容となっています。

 しかし、厚生省は、「これらの感染対策は強制されるものではないにせよ、引き続き推奨されるものである」と追記しています。

 フランスのコロナウィルス感染については、ここ1カ月間で、1日の感染者数が1日平均2万件以上だったものが、5千件以下にまで減少しています。ここのところ、感染者数が劇的に減っているので、私はこの数字がちょっと信じ難く、検査機関のストライキのため、結果が正確に収集できていないせいだと思っていましたが、どうやら本当に減少していたようです。

 しかし、これらの感染対策緩和措置が発表されるまでもなく、もともと強制といいながらも、すでに、この強制措置はそれほど遵守されていたとも思えないので、この決定が大きく影響を及ぼすとも考え難く、むしろ、現状のフランス人の生活ぶりを見るにつけ、ほぼほぼ通常どおりの日常を送っているため、一応、名目上は強制措置となっていることが、なんとなくアンバランスな気さえするくらいです。

 この気温で、しかも、この普通の日常の生活ぶりで、感染者が減少しているのであれば、ことさら強制的な感染対策措置を行う必要も感じられず、むしろ、個々人の責任や感覚でそれぞれが感染対策を行うことも、少数派ではありながら、一定のマスク着用などが定着したことなどからも、ある程度は可能になってきたと同時に、何よりもこの感染者数の現状を見る限り、強制的な措置は妥当ではないとの判断なのだと思います。

 しかし、一部の専門家は依然として、異論を唱えてはいますが、義務化したところで、もうこれだけ生活が日常に戻っていれば、実際には制御不可能であり、また、義務化することによる社会的な補償が嵩み続けるのを抑えたかったことも正直なところではないかと思われます。

 これにより、隔離のために病欠扱いで補償されていた給与保障は、一般の病気?の病欠扱いと同じ保障の形態になります。

 これらの感染対策が緩和される中、依然として特別扱いされているのは、中国からのフライトと入国者に関するもので、1月初旬から規制されている「中国からフランスへのフライトを利用する搭乗客にはフライト中のマスク着用義務(6歳以上)、搭乗前48時間以内の検査での陰性証明提示、フランスに到着後は、無作為にスクリーニング検査を受け、結果が要請であった場合には隔離されることを約束しなければならない」という規制は、とりあえず、2月15日まで延長されることになりました。

 中国当局の発表によると、コロナウィルス感染に関する1日の死亡者数が1月初めから80%近く減少しており、12月から発生した最新の汚染の波が収まりつつあることを発表していますが(それ自体もあまりフランス側は信用していないと思われる)、しかし、1月22日に行われた旧正月で大規模な人の移動があり、ウイルスが広がる可能性が高いことから、旧正月後に感染の新たなピークが訪れると警告もしています。

 フランスの中国に対する感染対策の決定はこれによるものと見られています。

 パンデミックが始まって、そろそろ3年が経ちます。当初は、私は一年くらいで収まるだろうな・・と思い、「あの時は大変だったね・・」と笑顔で話せるときがくることを思い描いてきました。

 フランスの感染対策や数字を見る限り、峠は越えたかな?とも思えなくもありませんが、イマイチすっきり吹っ切れない日は、まだ、もう少し続きそうな感じです。


フランス コロナウィルス陽性者強制隔離措置撤廃


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2023年1月28日土曜日

13歳 LGBTの少年の自殺でクラスメイトが身柄拘束・裁判へ

  


 年明け早々に、LGBTの13歳の少年の自殺が報じられていました。

 自殺とは、自ら自分の生命を絶つという意味では自殺ではありますが、ある意味では、そうせざるを得なかった、彼を自殺に追い込んだ人がいるという意味では殺人事件と言えないこともありません。

 13歳といえば、ティーンエイジャーとはいえ、まだまだ小学校を終えたばかりの子供です。もしも、自分の子供が自殺してしまうようなことがあったとしたら、彼自身は十分すぎるほどに傷ついていたことはもちろんですが、彼の両親や家族も悔やんでも悔やみきれないほど、深い悲しみに苦しむことになるのは、間違いありません。

 フランスでは、同性婚も認められていますし、私には、かなり市民権を得られているような印象があったのですが、このような事件が起こってしまうということは、やはりLGBTの人々が侮蔑的に扱われることがある・・しかも子供の間で・・ということはショッキングなことです。

 子供の社会は大人の社会が反映されるとも言われるので、大人の世界では、ある程度、分別がついてきて、オブラートに包まれるところを「これから大人になるステップの途中」である彼らの年代では、残酷さがそのまま表れてしまうのかもしれません。

 イジメは、どこの国においてもあることなのだと思いますが、個人をターゲットにイジメるという行為への理由はいくらでもあり、こじつけのようなものまであるものの、その理由がLGBTであったということが、今回は、話を深刻化しているようです。

 娘が小学生の時のクラスメイトにLGBTと思われる少年がいて、娘の仲良しの4人組みの一人でしたが、心優しく非常に繊細な子でした。

 今回、自殺してしまった少年は中学校に入ったばかりで、彼が自殺する前に、「自分の人生を終わらせたいという気持ちを説明するメモ」をノートに書き残していたことが公表され、検察は、「自殺につながるスクールハラスメントの罪で4人の13歳の未成年者を裁く」と発表し、事件の起こったエピナル警察署の都市警備隊によって、4人の未成年者が身柄を拘束されました。

 この少年・少女4人が彼に対して、どのような言動をしていたのかわかりませんが、被害者も加害者も13歳という悲惨な裁判です。しかし、このようなことが二度と起こらないように、真実を追求することは必要なことなのではないかと思います。

 実際に、私の周囲にも、同性婚をしている人が複数人いますが、その誰もが本当に普通の優しい人々で、私も普通に友人としてつきあっているので、なぜ、LGBTの人々を特別扱いするのかは、正直、私には理解ができません。

 このニュースを見ていたところに、日本の岸田首相が「同性婚の導入を否定」「我が国の家族の在り方の根幹に関わる」と発言したというニュースを目にして、ちょっと、あまりに情けない・・と深いため息が出てしまいました。

 人を傷つけるわけでもなし、どうして自分と違う人を認めることができないのか?なぜ、こんなにもズレていることばかり発言するのか? 首相の発言は、国内だけでなく、海外からも注目されるものです。今、この時代に、「家族の在り方の根幹に関わる」などという言い方をするのは、どういう風に受け取られるか? これでは、まるで昨年から問題視されている新興宗教が言っていることみたいではないですか?

 話は、横道に逸れてしまいましたが、今回のフランスで起こった13歳の少年の自殺の予備調査について、検察官は「4人の少年少女の同性愛嫌悪の嘲笑と侮蔑行為と少年の自殺との直接的な因果関係を検証する」ことに焦点を当て、「ハラスメント行為の実態、期間、糾弾された発言の正確な内容を確認し、取られた様々な措置とともにサイバーハラスメントの可能性も検証する」と述べています。

 被害者の母親は、この闘いのために人生を捧げると宣言しています。


LGBT13歳少年自殺 クラスメイト4人身柄拘束 裁判


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2023年1月27日金曜日

フランスの刑務所は超満員、受刑者数はちょっと減少したらしいがその理由が怖い

 


 幸いなことに、全くご縁のない刑務所という施設ですが、フランスでは犯罪に遭遇(といっても、スリとかひったくり、せいぜい強盗??・・くらいですが・・)する機会はやはり日本よりは多く、しかも、簡単な窃盗の類では、ほぼ、事情聴取、調書を取られるくらいで釈放されてしまうので、フランスで刑務所に収監されるということは、よほどの場合なんだろうな・・という認識がありました。

 一度、万引き集団(若者たち)に出くわしたことがあって、お店の人が警察に通報して。お店に警察官の一団がやってきて、抗う若者たちを取り押さえて、後ろ手に手錠をかけたりしているのを目にして、なんだか殺伐としていて、やることが派手だな・・と思っていました。

 その時に、同行していた警察官に「この子たちはどうなるんですか?」と尋ねたら、「身元を確認して、調書を作って、家に帰します」と言われて、「えっ?それだけ?」とビックリしていたら、逆に警察官にビックリし返され、「あなたはそれ以上にどうしてほしいの?」と言われて、ダブルに驚いたことがありました。

 なので、変な話、フランスで刑務所に入るには、かなりハードルが高いと思われるのですが、にもかかわらず、刑務所はいつも超満員で、2023年1月1日現在の受刑者数は72,173人(日本の受刑者の約2倍(フランスの人口は日本の約2分の1))で若干減少した・・と言われています。

 しかし、フランスでの犯罪が減少しているはずはなく、2022年11月、12月と過去最高記録を更新し続けた挙句の若干の減少で受刑者数がかなり高い人数であることに変わりない中での若干の減少ということらしいです。

 そして、前述したように、フランスでの収監は狭き門?でありながら、刑務所は常に不足状態であり、全体の刑務所密度は119%、150%を超える刑務所は56ヶ所あります。6つの刑務所では稼働率?が200%以上に達しているそうです。

 フランスは3年前に欧州人権裁判所(ECHR)から、慢性的な刑務所の過密状態を指摘され、歴史的ともいえる非難を受けました。この記録的な稼働率を改善するために、政府は新しい刑務所の建設と仮釈放の延長による効果を期待しているのだそうです。

 1月1日以降、これによって懲役2年以下、刑期3カ月未満の受刑者の早期釈放が可能になりました。2021年4月からの試算では、6,000人の受刑者がこの仕組みの影響を受けるとされています。

 新しい刑務所の建設はともかく、早期釈放が刑務所の過密回避の対策というのは、どうにも恐ろしい話で、「それは、あまりに安易で、解決策ではないだろ!」・・と思います。

 以前、パンデミックが始まったばかりの頃に、刑務所内での感染拡大のために、一部受刑者を釈放・・ということがあり、「ちょっ・・ちょっ・・と待ってよ!」と思ったことがありましたが、今回もまたそんな気持ちです。

 特に性犯罪者、DVなどの暴力犯に関しては、マスコミを騒がすような重大事件などでも、よく「つい数ヶ月前に出所したばかりだった・・」とか、釈放後、追跡用のプレスレット(電子タグ)の監視が充分にできていなかった・・などという話が浮上することが多い気がするので、一般市民の安全が脅かされる可能性があるのです。

 そもそも、犯罪者にもかかわらず、収監に至るケースが日本などに比べるとかなり低いうえに、懲役2年以下、刑期3カ月未満の受刑者の早期釈放というのは、全く理解しがたいことです。

 ここで、チラッと日本の刑務所問題を見てみたら、一般社会同様、刑務所内の受刑者の高齢化が問題になっているようで、下手をすると、介護施設?と思われるようなところもあるようで、それはそれで、ため息が出てしまう感じです。

 また、一時、カルロスゴーンの逮捕の際にフランスにも日本の刑務所内の受刑者への厳しい扱いは常軌を逸しているとフランスでも話題になりました。

 フランスの刑務所と日本の刑務所、それぞれのドキュメンタリーを見たりすると、それぞれ全く別の恐怖にかられます。

 しかし、とりあえず一般社会の生活を脅かす人について、少なくとも刑務所のキャパの問題で解放してしまうことは、やめていただきたいと思うのです。


フランスの受刑者数


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2023年1月26日木曜日

PICARD(ピカール)の日本食メニュー開発の努力と微妙なズレ

 


 フランスの冷凍食品メーカー・ピカール(PICARD)が日本に上陸して久しくなりますが、日本に一時帰国したりした際には、わざわざピカールに買い物に行くことはありませんが、たまたま出かけた先でピカールの店舗を見かけたりすると、日本のピカールには何が売っているのだろうか? いくらくらいで売っているのかな?と、思いつつ、ちょっと、ひやかし半分に覗いてみたりもします。

 いつだったか、青山あたりを歩いていて、ピカールのお店を見つけて入ってみたら、フランス人の店員さんがいて、なんだか日本のピカールでフランス語で話ができたことがちょっと嬉しい妙な気分を味わったこともありました。

 ピカールはフランスの冷凍食品専門のお店ですが、一般的にスーパーマーケットで売っている冷凍食品よりも若干、高めの価格設定ですが、それなりにクォリティーも高く、まあまあ、そんなにハズレもない印象ですが、さすがに日本のピカールの値段を見ると、フランスでの値段にプラスアルファのせられているので(輸入品だから仕方ないとは思うけど・・)、ちょっと驚きの値段で、これでも売れているのか?とビックリします。

 私が、普段、フランスのピカールで買うものは、どちらかというと野菜や魚などの素材の方が多いのですが、その定番メニューともいうべく、お料理されたものやお菓子類なども、フランスのメーカーにしては、新製品が登場する割合が高いので、けっこう興味深く、行くと必ず店内を一回りして、新製品やセール品などをチェックします。

 そんな中でも特に興味深いのは、日本食メニューで、日本食ブームと言われてからは特に、かなり日本食メニューの開発には力を入れているのだろうな・・という印象です。

 しかし、日本人の目からしたら、努力はわかるが、「惜しい」!というか、「ちょっと、どこかがズレている感じ・・」と思うものが多く、だいたい値段に見合う内容とも思えないので、ほとんど買ったことはありません。

 さすがに本家フランスのピカールの商品でも日本のピカールでは絶対、販売しないであろうフランスのピカールの日本食メニューをここで少しご紹介します。


チーズの牛肉巻き串焼き


 このチーズを牛肉の薄切りで巻いた串焼きは、かなり前からピカールにある商品ですが、これは中国人がやっているチェーン展開のお寿司屋さんには必ずある焼き鳥の盛り合わせの中に混ざっているもので、焼き鳥のタレで味付けてありますが、ほぼ、肉というよりもチーズですが、フランス人には人気のようです。

 

スープ ラーメン

 「スープ ラーメン」という名前はスープ扱いなのか、ラーメン扱いなのか、疑問ではありますが、醤油とショウガのブイヨンと書いてありますが、このどうにもふやけた様な麺には、どうにも食欲をそそられません。

 

鶏そぼろ丼


 「鶏そぼろ丼」肝心の鶏そぼろがあんまりのっておらず、そう言われてみれば鶏そぼろ?という感じ。鶏そぼろに添えられていることが多い炒り卵が人参になっていて、青物に枝豆が使われているところは、不思議ではありますが、枝豆は、フランスでも、最近、少し知名度があがり、似非日本食屋さんなどの丼ものには、枝豆が使われることが多い気がします。

 

バオ バーガー カツ

「バオ バーガー カツ」バオがなぜ日本食とされているのかは不明ですが、カツ(チキンカツ)、しかもカレーソースが使われているところで、カツカレー=日本というカテゴリー入りしているのかもしれませんが、謎な商品

 

お好み焼き

 ちっちゃいお好み焼きの4個セット しかし、なぜかバーベキューソース、お好み焼きソースをバーベキューソースと呼んでいるのかは、不明


おにぎり2個 野菜の照り焼き

 最近、登場したとばかりのおにぎりセット、しかし、ベジタリアン向けなのか?具は野菜の照り焼きという不思議なもの、しかも、すごく小さいおにぎりで、一般的なおにぎりが120g程度なところ、これは2つで160g。

 
ミニ餃子

 餃子もまた、フランスで急激に広まった食品であり、普通のスーパーマーケットなどでも、味の素の冷凍餃子などをかなりの頻度で見かけるようになりましたが、ピカールの餃子は、それらの餃子と少々差別化を狙ったのか、餃子の中身はチキン、枝豆、コリアンダー、しかもポン酢で・・という組み合わせの仕方が、なかなか絶妙で、オリジナルです。

 
BENTO

 今回、見かけたものの中では、一番、まともそうな「BENTO」弁当、鶏のから揚げ、なすのしぎ焼き、インゲンの胡麻和え、これで6.50ユーロ(約910円)、しかし内容量350gとかなり、量は控え目です。

 この他にも、まだまだ日本食とされている商品はたくさんあるのですが、どれも、「惜しい!」というか、なぜか若干の絶妙なアレンジが加えられているものが多く、次から次へと新メニューが登場しているのを見ると、日本食商品開発にはチカラを入れて頑張っているのだなぁと思いつつ、もう少しのところで違っているというか、残念な気がして、結局は、自分で作った方がいいな・・と思ってしまうのです。

 しかし、考えてみれば、日本にあるフランス紛いのものにも、ちょっと違うけど・・(特にお店の名前とか、フランス語が使われていることも多いわりには、間違いも多い)というか、日本風にアレンジしているのかな?と思うものも、けっこうあるわけで、なにもホンモノばかりがウケるとは限らないので、ピカールの日本食はそんな意味では、なかなか、ユニークなものが出てくるのが楽しみでもあります。
 
 でも、すごく基本的なところで、パッケージの写真上のお箸が揃えて置かれていなかったり、ひどいとお箸が1本だけだったりするところに、妙な気持ち悪さを感じたりもします。

 ピカールが日本で結構、人気なように、日本食ブームのパリで、ニチレイなどの日本の冷凍食品メーカーがピカールのような店舗を展開してくれたら、そのクォリティーにしても、メニューのバラエティとしても、ずっと素晴らしいだろうし、すごく人気になるだろうにな・・と逆展開も夢見たりしています。

 
PICARD(ピカール)日本食メニュー


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2023年1月25日水曜日

フランス人のディベートの凄まじさ

  


 もともと口が達者で議論好きなフランス人は、一般市民に関しても、知人が集まって、喧々囂々と議論に花をさかせている場面をみかけることも少なくありません。

 人の話を聞くというよりも、いいたいことを言い合う感じで同時に複数の人が話し続けて、人に話を譲らず、はたから見れば、ケンカしているの?と思うほど、熱が入っていきます。

 そういう議論(というか言い合い)にどうにも慣れない私としては、そういう場面はごめん被りたいし、そんな場面では、私などはとても口をはさむ余地もないし、ハラハラさせられるばかりであまり好きではないし、ものすごい言い合いをして、その後、その当事者たちが険悪で気まずくなったりしないか?などと余計なことを思ったりするのですが、たいていの場合、議論は議論、それはそれ・・で、意外とそのあとは、ケロッとしているのも不思議な感じがします。

 現在のフランス人の最大の関心事は間違いなく、年金改革問題なのですが、一般市民の中でもこの件に関しての議論がさぞかし行われていることだと思いますが、テレビの報道番組などでも、政治家を招いてディベートの様子を公開する番組などが組まれています。

 先日のディベートには、マクロン大統領の側近の政府のスポークスマンと、それに反するグループの議員の代表3名のディベートが生放送されました。

 最初は、それぞれが話している時間がカウンターで示され、だいたい均等に発言ができるようになっているのですが、議論がヒートアップしてくるにつれて、同時に話続けるというまあ、フランスでのディベートとすれば珍しくない現象が起こり始め、それぞれのタイム(発言時間)のカウントは計測不可能な感じになってきます。

 今回の年金問題に関しては、最初に発言を始めた女性が先制パンチを食らわせた感じで、大臣に向かって「年金改革問題に関しては、国民の80%が反対している。あなたは圧倒的な少数派、孤立状態だ」と話し始め、立場に忖度することなく、勢いよくディベートが始まったのでした。

 まぁ内容については、ことさら新しいことはないのですが、今回の年金改革は、女性に対して、よりペナルティが多くかかるようになっているとか、健康寿命の話まで持ち出して、2年の定年延長は、定年後の人生を奪うことになるとか、年寄に長く働かせることは、フランス全体の生産性を下げることになる・・とか、それぞれに様々なデータを示しながら、激しく議論(言い合い)をするのです。

 こういったディベートに参加するには、よほどの自分の理論をしっかりと構築していなければならず、相当な理論武装の準備をしていると思いますが、ハッキリ言って、これは、ある種のスポーツだな・・と思うのです。

 それぞれに、ああ言えば、こう言う者同士の応戦は、その言葉の選び方から、間合いやタイミング、語調や勢いなど、あらゆることが戦況を変えていく感じで、頭の回転が良いことはもちろん、その人々の持っている熱量が測られる場であることも感じます。

 このようなディベート番組に登場する人は、それなりの理論構築をしていますが、フランス人は、一般的に内容や人にもよりますが、このディベートの熱量はレベルの差こそあれ、また、理屈がまったく通らないことでさえも、変わらず主張し続ける印象があります。

 しかし、政治の場面に関しては、政治家がこのようなテレビのディベート番組に出演して話をすることは、少々、荒っぽい感じはありますが、日本のように、いつの間にか、政府が勝手に重要な事項を決定してしまうような状況から比べれば、余程、健全であるような気がします。

 この中の登場人物の一人は、「年金改革に対しての国民投票」を提案していましたが、国民投票を行えば、必ず却下されると思うので、政府は改正案を提案せざるを得ないことになると思います。

 前回の年金改革反対のデモは100万人規模の動員になりましたが、次回は1月31日に大規模なストライキを含めた大規模なデモが行われる予定になっており、また2月以降の冬休みのバカンス時期を狙ったストライキの予定なども続々、発表されています。

 このような番組を見ていると、今回の年金改革の騒動は、そう簡単にはおさまりそうもないことをひしひしと感じます。

 併せて感じるのは、日本でも、このような場面が少しは見られるようになればいいのに・・ということです。


年金改革 フランス人のディベート


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