2025年8月15日金曜日

恐らくパリは今、一番空いている・・

  


 このまま涼しくなるとは思っていなかったものの、やはり戻ってきた猛暑に少々、バテ気味です。しかし、今、恐らく多くのパリジャン・パリジェンヌはバカンスに出かけていると見えて、同じアパートの中も人があんまりいない感じで、エレベーターでさえも滅多に人と顔を合わせることがなく、日頃からそんなに騒がしいわけではないのに、人がいない気配というか、なんとなくしんとした感じが伝わってきます。

 観光地のような場所に行けば、全然、違うのでしょうが、とりあえずは、我が家の近所はとても静かです。こんな感じの静けさが私はとても好きです。

 今日、明日中に終わらせなければない仕事があるために、今日は観念して、扇風機の前を陣取って、黙々と仕事をし、一段落したところで、少し散歩がてらに近所のコマーシャルセンターに買物へでかけました。

 コマーシャルセンター内のお店も、そもそもこの期間は夏休みで閉店してしまっているお店もあるのですが、それにしてもお客さんがまばらなことといったら、ちょっとロックダウンの頃を思い出すくらいでした。

 これでは、わざわざ、この期間にお店をあけておくのもなんだなぁ・・と思いながら、こちらは、やっぱり空いているお店というものは、快適です。

 以前、日本で暮らしていた頃も、お盆休みの頃は、通勤ラッシュも緩和され、なんとなく街がスーッとする感じで、意地でもこの時期には休みをとらない!と思ったのと同じ感じです。

 昨日は珍しくマルシェに買物に行きましたが、こちらのお店の閉店ぶりは、もっと顕著で、お魚を見に行ったのですが、いつもは3軒くらいは出ているはずの魚屋さんも昨日は1軒だけ。そのため、なんだか行列ができているという皮肉な結果。

 行列は嫌なので、別の用事を済ませて、帰りにまた寄ってみたら、もう店じまいの準備中で、未練がましく覗いていたら、「マダム!何にしましょう!」ってすぐに来てくれて、そこまででもなかったんだけど、「タコが欲しいんだけど・・大きいのしか残ってないですね・・買うんだったら、一番小さいのに・・」と言うと、やっぱりやたらと大きなタコで、「ん~~」と渋っていたら、お揉むろに重さを測り始めたので、一応、「それでいくらですか?」と聞いてみたら、35ユーロだと・・。

 「一人だし、食べきれないだろうし、高いしな・・」と言ったら、「25ユーロでどう?もうお店も今日は閉めるし・・」と10ユーロも値引きしてくれるなら・・とタコをまるまる1杯買ってきました。

 それにしても、あんまり予期していなかったお買物。タコって意外と重いんです。

 それが、家に戻ってみると、この暑さの中、まさかのエレベーターが故障。思いタコを下げつつ我が家はなんと8階。日々、けっこう歩いているつもりでも階段で8階までとなるともう足はガクガクです。

 ようやく家に辿りついた時には、もうパリが空いていたことなんてすっかり忘れるほどヨレヨレ・・でも、この大きなタコをなんとかしなければ・・と、さっそく買ってきたタコを茹でたり、マリネにしたり、わさび醤油で和えてみたり、タコ飯を作ってみたり、一部を冷凍したりとバタバタ。

 でも、空いているパリでゆったりと・・なんて思っていた私は、結局、貧乏性に重たいタコをしかも階段を8階ものぼって、ひたすら料理。

 まあ、こんなもんです。


空いているパリ


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2025年8月14日木曜日

リステリア症って何? シャヴグランチーズ工場のチーズ 死亡者まで出てリコール

  


 既に販売されている商品(製品)に問題が発覚した場合にその商品(製品)がリコールされることは、決して珍しいことではないので、今回のチーズのリコールの話を聞いても、「ああ、また何かリコールになってる・・」と思っていたら、なんと死亡者まで出ているというので、そこまでだと、なかなかなレベルだな・・と、ちょっとこれは、ちゃんとチェックしておかなければ・・と、聞き流していたニュースを、もう一度、最初から見直しました。

 ブリー、カマンベール、クロミエ、山羊のチーズ・・などなど、クルーズ地方のシャヴグラン社が6月以降に製造した低温殺菌乳製品の多数のチーズ(ソフトチーズ、ブルーミーチーズ、ウォッシュドチーズ)がリステリア菌に汚染されている可能性が大で、フランス全土でリコール対象になっています。

 リステリア症というのは、私はこれまで聞いたことがなかったのですが、要は、細菌による感染症で、今回の騒動では、これまでに21件の症例が特定されており、そのうちの2名は死亡しています。

 典型的な症例としては、発熱が挙げられるそうですが、健康な人の場合は、単なる胃腸炎で済む場合もあります。しかし、より重症化すると、発熱に加え、インフルエンザのような症状、筋肉痛、身体の痛みなどが表れることもあります。

 ことに虚弱体質の人、新生児や70歳以上の高齢者、ガンなどの重篤な病気の治療中の免疫が低下している人にとっては、深刻な事態が発症する可能性があるため、特に注意が呼び掛けられています。

 このリステリア症の始末の悪い点は、リステリア菌に汚染されているチーズを摂取してから感染の発症までに1ヶ月ほどの遅延が生じる可能性があるということで、1ヶ月間の間には、他にもたくさんのものを食しているわけで、原因究明が困難になりやすいということがあります。

 このチーズ、特に珍しいチーズというわけではなく、フランスでは、カーフールやルクレール、オーシャン、リドル、Uなどのごくごく一般的なスーパーマーケットにも置かれている商品のため、現在は、店頭からは、撤収されているとは思いますが、商品が棚に並べられてから、撤廃されるまでの間はふつうに販売していたために、多くの家庭の冷蔵庫にあるか、既に食べてしまっている可能性も考えられます。

 とはいえ、感染症専門家によれば、このリステリア症は、抗生物質で治療が可能なものだそうなので、そこまで神経質になる必要はなさそうです。

 しかし、個人的には、もはや、別に問題のあるものを食べていなくとも、なんやかやと医者通いが絶えない私としては、これ以上、問題は御免被りたく、しばらくチーズはやめておこうかな?(というほど、そんなにチーズを食べているわけではありませんが・・)と思っているのです。


リステリア症 シャヴグランチーズ

 

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2025年8月13日水曜日

クラゲの大量発生で原子炉自動停止

  


 グラヴリーヌ原子力発電所(オー・ド・フランス地域圏・ノール県)の原子炉冷却水ろ過システムにクラゲが流入したため、原子炉4基が自動停止するという事態が発生しています。

 なんで「クラゲ」?と思うのですが、この夏、フランスの多くのビーチでも、クラゲの大量発生が報告されているのです。

 EDF(フランス電力)の発表によれば、原子炉冷却用の水を汲み上げるポンプ場におけるクラゲが大量かつ予期不能なほどに発生のため、グラヴリーヌ原子力発電所の4基が停止しました。

 また、併せて、この2号機、3号機、4号機、6号機の自動停止は、「施設の安全性、作業員の安全性、環境への影響はなかった」と明言。

 そのため、他の2基の発電ユニット(1号機と5号機)は現在メンテナンス中であるため、発電所は一時的に完全に停止しています。

 実際にフランスにある原子力発電所の原子炉で、「メンテナンス中」というものは、意外にも多いものです。

 EDFは、「発電所では、これに対応するチームが動員され、現在、発電ユニットを安全に稼働するために必要な調査と介入を行っています」と発表しており、電力会社の広報担当者によると、「再稼働は、数日以内に予定されている」とのことです。

 また、「他の原子力発電所や太陽光発電などのエネルギー源が現在、稼働しているため、今回の事故による電力網の供給不足のリスクはない」としています。

 クラゲの侵入により原子炉が麻痺するのは、非常に稀なこととはいえ、EDFは、1990年代に既に同様の事例を経験しているとインタビューに応じた広報担当者は回答しています。

 同様の事例は、2010年代にアメリカ、スコットランド、スウェーデン、日本でも発生しているそうです。

 クラゲのような海洋生物の増殖は、気候変動による海洋温暖化だけでなく、マグロなどの直接的な天敵の一部を乱獲することなど、いくつかの要因によるものと言われています。

 地球温暖化はもちろんのこと、自然の脅威は、隙を見ては、攻撃の手をのばしてくる・・そんな気もします。


クラゲ 原子炉停止


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2025年8月12日火曜日

忘れ去られた預金はどうなってしまうのか? CDC・預金保険公庫(Caisse des Dépôts)

  


 紛失?した古い銀行口座、忘れ去られた子どもの頃の貯蓄口座、あるいは亡くなった人の所在不明だった銀行口座や受取人不明の生命保険などの客観的には、放置されていると思われる資金は、最終的には、預金供託金庫、預金保険公庫(Caisse des Dépôts)の預金部門に移管されてしまいます。

 金融機関に対しては、一年間取引がなく、口座名義人からの連絡情報も確認されていない休眠口座(口座名義人による取引も連絡先情報も確認されていない口座)と休眠生命保険契約(満期を迎えているにもかかわらず請求されていない契約)を毎年記録し、顧客の生存を確認することが2017年から法律により義務付けられています。

 実際には、銀行は休眠口座の保有者に定期的に書面で通知し、口座が閉鎖されるのを防ぐように促しているのが通常ではあります。

 原則として、10年間、10年以内に回答がない場合、忘れ去られた資金は、CDC・預金保険公庫(Caisse des Dépôts)に移管され、CDCは、それを保管し、要求に応じて返還することになっています。

 このシステムがスタートして以来、CDCは、90億ユーロを保管しています。

 フランスに忘れ去られているお金が90億ユーロもあるというのも不景気な世の中で、驚きといえば、驚きですが、本人が亡くなってしまっている場合など、資産管理がしっかりしていない場合などは、大いにあり得る話なのではないかとも思います。

 しかし、たとえ、CDCに移管されてしまったとしても、後に正当な手続きを行えば、しっかり返金されるそうで、昨年は、約9万4千人が平均1,573ユーロを取り戻しているそうです。

 原則として10年間の活動停止後、お金は CDCへ。そしてCDCに保管されたお金は、20年間保管されます。そして合計30年経過しても誰も請求しない場合は、国に返還されます。

 この話を聞いて、私の場合は、どうせ、そんなにお金持ってないしな・・と思ったのですが、このCDC行のお金は、むしろ少額であることが多いのだとか・・。なるほど、大金であれば、躍起になって行方を追う人も多いのでしょうが、少額の場合は、忘れてしまったり、手続きの煩わしさから、放置してしまうのかもしれません。

 多くの人が放置?あるいは忘れていたお金は少額のお金の積み重ねで90億ユーロとは・・すごいことです。

 私はフランスでの銀行は1ヶ所と郵便局のみなので、行方不明になりようもありません。


CDC・預金保険公庫(Caisse des Dépôts)


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2025年8月11日月曜日

コントレックスとエパールに計測不能レベルのマイクロプラスチック汚染

  


 またまた「ネスレウォーターズ」??と、もうスキャンダルの常連になりつつあるネスレグループのミネラルウォーター汚染問題で、今度は、ミネラルウォーター「コントレックス」と「エパール」に高濃度のマイクロプラスチックが混入していることが、仏紙メディアパート(MédiaPart)がその詳細を報じています。

 マイクロプラスチックの人間への健康への影響は、明確ではありませんが、多くの研究により、血液、臓器、神経系に蓄積されると言われています。

 メディアパートが明らかにした司法調査によると、コントレックスとエパールのミネラルウォーターから環境中の測定値の最大130万倍に相当するマイクロプラスチックが検出され、これらの高濃度のマイクロプラスチックが検出された原因は、プラスチックの埋立地であると説明しています。

 メディアパートの記事では、フランス生物多様性庁(OFB)と環境公衆衛生被害対策中央局(OCLAESP)の調査を引用して説明しています。

 これまでにもネスレウォーターズは、違法精製を行っていたことや、細菌混入などの汚染問題、もはやペリエの名称剥奪か?とまで騒がれた問題を抱えているネスレグループのミネラルウォーター問題が定期的に取り沙汰され、いくつもの訴訟を抱えています。

 そして、今回は、このコントレックスとエパールのマイクロプラスチック汚染問題に関して、ネスレウォーターズは、コントレックスヴィル、テ・スー・モンフォール、サン・トゥアン・レ・パレ、クランヴィリエの各工場周辺の土壌と水域に有害粒子を漏出させたとして、訴追されています。

 つまり、コントレックスやエパールに計測不能と言われるほどのマイクロプラスチックが混入しているのは、プラスチックの埋立地であることが示唆されているのです。

 この埋立地は1960年代に遡り、埋め立てが行われた場所なのですが、これが、時を経て土の中でマイクロプラスチック、さらには、ナノプラスチックにまで分解され、土壌や地下水系に浸透・分散しているため、分解は著しく、浄化は不可能なレベルに達していて、もはや水源地としては、不適切になっています。

 ただ、現時点では、法的には、天然ミネラルウォーターに含まれるマイクロプラスチックの濃度の規制はないため、ネスレグループは、それを盾に「当局に提出した環境分析結果では、汚染は証明されておらず、当社の製品の安全性は保たれている」と頑として、非を認めない立場を通し続けています。

 しかし、メディアパートは、ネスレが2022年の段階で提出した機密メモも参照し、ネスレ側が「埋立地が水質に影響を与える可能性がある」と問題があることを自覚していたことも指摘。

 これまでも様々な問題を抱えつつもロビー活動などにより、それを回避してきたと批判しています。

 いずれにしても、ミネラルウォーターの消費者は、健康に気を配るからこそ、わざわざミネラルウォーターを購入しているわけで、それを欺くような姿勢は許されないことです。


コントレックス エパール マイクロプラスチック


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2025年8月10日日曜日

エッフェル塔からパラシュートで飛び降りた男 逮捕

  


 また、暑さが少しぶり返してきた感じのパリですが、そんな中、早朝からエッフェル塔に侵入し、パラシュートで飛び降りた輩3人が逮捕されています。

 朝早くから、ご苦労様という感じですが、それを見過ごすわけにはいかない警察官たちにとっても迷惑な話です。

 8月に入って2週目の土曜日の早朝、午前5時20分、ジャックシラク通りでエッフェル塔警備隊が警報を鳴らしました。

 このエッフェル塔からのパラシュートによる降下を試みた3人は、エッフェル塔に不法侵入して、(飛び降りるために)登ろうとしていました。現場で通報を受けた警察とGRIMP(危険環境介入グループ)の消防隊は、介入を試みたようですが、思うように迅速に介入することができずに、3人組のうちの1人は、降下予定地点に到着。

 考えてみれば、エレベーター等も当然、動いていない中、パラシュートで降りるのによい地点まで、パラシュートの用具をかついで登らなければならないのは、大変なエネルギーを要するものです。

 登り遅れていた2人は、追いつかれた消防隊により、足で降りてくるように指示されて、渋々断念。

 しかし、先頭を切っていた男は、パラシュートによる降下に成功し、シャン・ド・マルス公園付近の地上に降りた模様です。最終的にこの男性がどの階から飛び降りたのかは不明ですが、とにかくパラシュートによるエッフェル塔からの降下を成し遂げてしまいました。

 まったくご苦労なことだと思いますが、実はエクストリームジャンプ愛好家にとっては、エッフェル塔からのパラシュートによるジャンプは、偉業とされているようです。

 しかし、パラシュートによるジャンプに成功した者も断念した者も3人揃って、指定建造物、歴史的建造物への不法侵入の罪で逮捕されています。

 今回の件については、エッフェル塔占拠事件管理委員会の代表らが彼らを告訴するそうです。

 このエッフェル塔からのジャンプは、そんなに珍しいことでもないようで、実は、7月10日にすでに2人の男性がエッフェル塔の3階から飛び降りているとのことで、こう度々のこととなると、エッフェル塔の管理体制が問われてくることになります。


エッフェル塔パラシュート降下


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2025年8月9日土曜日

隣人の激しすぎるケンカにビビった!

 


 先日、自宅のキッチンにいたら、外から、もの凄い怒鳴り声が聞こえてきて、何ごとか?とビックリしました。まあ、なにかに腹を立てているんだろうと思いつつも、それがけっこう長く続くので、思わずそっと立って行って、玄関のドアの小さなドアスコープから外を覗いて見ると、隣人が表玄関を開けたまま、何やら、ドアの外に立っている人と、家の中にいる人が激しく言い合いをしていました。

 正確に言えば、怒鳴り声をあげているのは、家の中にいる女性だけで、怒られている男性らしき人は、ひたすら怒られ続けている感じでした。

 それにしても、怒鳴っている女性の怒りは相当なもので、恐らくフランス語で話している(怒っている)のだと思われますが、けっこう訛りが強く、語気も荒いため、全く聞き取れず、一体、何に対して、そこまで怒っているのかは、全くわかりませんでした。私は身近にそんな勢いで怒り続ける人に遭遇したことがなく、いつ手が出るか?モノが飛ぶか?さらなる暴力的な展開になるのでは?と、思ってしまいました。

 このご家族(高校生くらいの息子と40代くらいの夫婦)が越してきてから、もう5年くらいは経つと思うのですが、以前、住んでいたのは、フランス人のおばさんで、基本的には、彼女は、一人暮らし(たまに息子が来ていた)で、たまに、同年代のおばさんが居候していたのか、しばらく他の女性がいたり、バカンス時などは、自分が留守の間は、人に貸していたのか?突然、日曜の夜に若いイタリア人の女の子がドアを叩くので、何ごとかと思って、ドアを開けたら、「パンはありませんか?パン屋さんがやっていなくて・・」などと言われて驚いたこともありましたが、まったく穏便で平和で全く穏やかな隣人関係でした。

 私も忙しくしていたこともあり、ご近所づきあいは慎重にと思って、つかず離れずの感じでいたのですが、わりとおおらかな人で、お休みの日にヴァンセンヌの森で夫と娘と3人でボートに乗っていたら、橋の上から、「お隣さ~ん!」と大きな声で手を振ってくれたり(一緒に行ったわけではなく、偶然に会った)、冷凍庫の霜取りをしているので、その間、冷凍庫のものを預かってくれませんか?とか、私が家でピアノを弾いていたら、友人が来ていたのか?みんなで、ベランダから、拍手喝さいしてくれたこともありました。

 何よりもポニョ(猫)は、ベランダ越しに自由に彼女の家と行き来していて、ポニョは、勝手に別宅のように過ごしていました。

 それが、彼女が引っ越して、今の隣人に入れ替わってからは、ポニョはパッタリとベランダにさえ出なくなったのを見ていて、何やら、ポニョは不穏なものを感じているのかもしれない・・と私までより慎重になりました。

 これがいわゆる動物的感というものなのでしょうか?

 それでも、特に関係が悪いというわけでもなく、顔を合わせれば、気持ちよく挨拶するくらいの感じなのですが、今回のケンカというか、怒り様には、再び、恐れをなしています。

 何に対して、怒っていたのかはわかりませんが、私は、あのように、しつこく怒鳴り声をあげたことは人生のうちで一度もなく、また、周囲にそのような人もいなく、感情の爆発のさせ方が全く違うんだな・・声の出し方とかも全然違うんだな・・と、なんだか見たくないものを見てしまった感じがしました。

 隣人というものは、自分では選べないので、仕方がありませんが、静かに穏やかに暮らしたい私にとっては、ちょっと嫌な光景でした。


隣人


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