2分30秒という長い「インターマルシェ」のCMが世界的に大絶賛を受けているらしいのです。
これは、フランスのスーパーマーケット インターマルのシェ今年の冬のクリスマスバージョンのCMで、12月初旬に公開されるやいなや、3日で2,000万回再生されたという世界的大ヒットと言われているCMです。
100%フランス製でAIは一切使用していないというこのCM制作は、広告代理店ロマンスとモンペリエを拠点とするスタジオIllogic Studiosが約100人を動員し、1年にわたるクリエイティブプロセスを経て完成されました。
「愛されなかった者」と題されたこのCMは拒絶されたオオカミが森の動物たちに受け入れられるために、より良い食生活を学び野菜を調理し始め、ついには、、森の動物たちのクリスマスディナーに受け入れられていく物語を実写とアニメーションを融合させながら描いています。
この世界的な大絶賛は、昨今、多くのCMクリエイターたちが生成型AIに取って代わられるのではないかという不安を表明している中、クリエイターたちは、「機械にアーティストの代わりはできない!」、「人間の感情や感受性を伝えるには、手作業による作品が重要である」という一種のムーブメントによるものもであると言うこともできます。
このCMの大ヒットにより、インターマルシェはこのCMに登場する「オオカミのぬいぐるみ」の発売を予定しているそうです。
一方、同時期にAI広告を発表したコカ・コーラは大バッシングを受け、また、オランダのマクドナルドのAI広告も猛烈な批判にさらされ、同社は広告を削除する事態に陥っています。
思わぬ大成功を遂げた「インターマルシェ」は、私たちの「愛されていなかったオオカミ」が世界中に愛されている!と喜びの声を表明しています。
CMに関しては、フランスでは、細かな禁止事項なども多々あり、また、日本のCMのように大々的に有名タレントや俳優が登場することはないCMが基本となっており、全然、色合いが違うものです。
たまに見かける日本のCMは、日本人としては、それはそれなりに懐かしい感じがするものではありますが、今回の大ヒット作品のように、広い世代に優しく何かを訴えかける芸術的なCMというものにも、日本の広告業界も挑戦してほしいと思っています。
インターマルシェの大ヒットクリスマスCM
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