2024年9月29日日曜日

コロナウィルス感染者増加とコロナ&インフルエンザ混合ワクチン

  


 体調不良で、どうにもだるくてたまらない日々が続くので、こんなのやっぱり普通じゃないな・・と思い腰をあげて、お医者さんに行ってきました。

 自分としては、ちょっと風邪っぽくもあるけれど、特に咳が出るとか、高熱が出るとかいうことでもなく、とにかく、ひたすらに身体がだるく、朝からとても辛い日がずっと続くので、いよいよ、どこかおかしいのかも? ひょっとして心臓?もしかして肝臓?などなど、以前から、色々と薬を飲みつつ様子を見ましょうと言われている箇所が多数あるので、そのうちのどこかが悪化したのでは? もしそうなら、早いとこ血液検査をしてもらえるように処方箋を書いてもらおう!・・と思っていました。

 いつもお世話になっているかかりつけの先生なので、症状を話して、血液検査のことを頼むと、一応、診察をしてくれてから、「ん~~・・まずは、今、またコロナが流行ってきているから、もしかしたら、コロナウィルスに感染しているかもしれないから、まず、コロナの検査を受けた方がいいわよ!薬局ではなく、ちゃんとラボで検査受けた方がいいわよ!」とまず、PCR検査の処方箋を書いてくれました。

 そして、もし、コロナが陰性だとわかってから、血液検査をした方がいいから・・と血液検査の処方箋も同時に書いてくれました。

 検査に行ってみると、まあ、久しぶりとはいえ、ラボは超満員、ラボなので、必ずしもPCR検査に来ている人だけでなく、他の検査に来ている人も多いとはいえ、こんなにここのラボが混んでいるのは、初めてで、もう待合室の椅子が足りないくらいで、ただでさえ、だるくてしんどいのに、立って待っているの辛いな~と思ったくらいでした。

 私のかかりつけのお医者さんは、現場で見ていて、コロナやインフルエンザなどのウィルスに感染している人が多いことを感じてそのように勧めてくれたのですが、それから少したって、フランス公衆衛生局は、ここ数日の新型コロナウイルス感染症の感染者数の確実な増加について警告を発表しました。

 このフランス公衆衛生局の発表によると、9月16日から22日にかけての1週間で新型コロナウイルス感染症の疑いで緊急治療室に行った後の入院が1,013件とかなりの数字になっています。

 パリは、もうすっかり秋というより、もう冬に近い感じで暖房をいれたくなるくらいの気候で、朝晩の寒暖の差が激しく、ただでさえ、風邪をひきそうな季節に加えて、ウィルスが蔓延するための適温になってきました。

 Ameli(フランス国民健康保険)からは、ついこの間、ワクチン接種のお知らせが届いていて、今年からは、コロナとインフルエンザの混合ワクチンもあるようです。10月の半ばには、薬局に出回るそうなので、それ以降に受けようと思っています。

 幸か不幸か、私は、コロナウィルス検査では陰性で、コロナウィルスに感染していなかったのは、「セーフ!」という感じではあるものの、私の症状の原因は別にあるわけで、どうもすっきりしませんが、来週にでも、今度は血液検査に行こうと思っています。

 まったく、私も以前と比べると、すっかり検査や医者や薬局に行くことが多くなり、もう高齢者みたいだ・・とちょっと、自分で自分が情けないです。

 しかし、この体調の悪いところに、コロナウィルスにまで感染したら、本当にダブルでダメージをくらうところなので、注意しなければ・・と思っています。


コロナウィルス感染増加 混合ワクチン


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2024年9月28日土曜日

乳製品業界世界市場トップに君臨する仏ラクタリスのフランスでの牛乳回収削減発表の波紋

  


 仏乳製品大手ラクタリスが2024年末からフランスでの牛乳の年間回収量を全体のほぼ9%にあたる約4億5000万リットル削減すると発表し、酪農業界に激震が走り、農業大臣はラクタリスに対し「我が国の食料生産資本を守る」よう呼びかけ、全国牛乳生産者連盟(FNPL)のヨハン・バーベ会長を緊急に迎え、同部門への支援を確約しています。

 ラクタリスは、仏大手乳製品の会社で乳製品業界世界市場シェア第一位に君臨するフランスの乳製品トップの会社です。世界51ヵ国に270ヵ所の生産拠点を展開し、従業員数は8万5000人。150ヵ国で製品を販売している大企業でありながら、同族経営の非上場企業のうえ、社名は製品には表示されていないため、一般消費者の間での認知度は比較的低い会社です。これは目立つことを意図的に避けてきた創業家の方針で、ラクタリス本体は、目立たずとも確実に業績を伸ばし、拡大してきた、なかなか、したたかな企業です。

 実際には、プレジデント(バターやチーズ、クリームなどなど)、ラクテル(ミルク)、ブリデルを始め、スーパーマーケットの乳製品コーナー(フランスはどこもこのコーナーがとんでもなく広いスペース)の多くのスペースは、このラクタリスの製品で占められています。

 非上場ということは、よく言えば会社の方針を貫きやすいということでもあり(よく言えば)、この企業の規模が拡大していくにつれて、その分、その外との摩擦がここのところ目立ってきている気がします。

 2017年から2019年にかけて同社が製造した粉ミルクにサルモネラ菌汚染が発生したことを機に、同社の経営の不透明性についても追及を受けたり、また、2022年には、加重脱税のロンダリング容疑で国家金融検察庁の予備捜査の対象ともなっている。

 そして2024年に入ってからは、(もうそのあとに色々なことがあったので、なんだかずいぶん昔のことのような気もしますが・・)農民たちの大規模なデモが起こり、地方から押し寄せた農民たちが、高速道路やパリ、ランジス市場への道をトラクターで封鎖したり、パリで行われた国際農業見本市で、トラクターを勢ぞろいさせてデモを起こしたり、マクロン大統領と農民たちがほぼ一日をかけて大激論を戦わせたりしたことがありました。

 その口火を切ったのは、このラクタリスと酪農家の間の下限価格設定問題と言われており、ラクタリスと酪農家の間の争いであったとも言われています。

 ところが、今回、ここに至っては、下限価格設定どころか、ラクタリスが買い取る牛乳の量を大幅に減らすというのですから、ラクタリスに依存している酪農家にとっては、さらに深刻な話になります。

 ラクタリスは、フランスで販売される乳製品の50%、輸出用に販売される乳製品の20%、および、バター、粉乳などの乳加工製品の30%のシェアを抱えており、同社は、その一部が加工され輸出される予定の約30%の牛乳余剰によってその決定を正当化して説明しています。ラクタリスにとっては、この輸出部門を費用がかかり不採算な事業であると考えており、牛乳の価値をあげ、フランスの消費者向け製品に再び集中したいとしています。

 今や世界51ヵ国に270ヵ所の生産拠点を抱える企業にとって、原料をフランスから輸出する必要はなく、現地で仕入れた方が合理的であるということです。

 ラクタリスは、この厳しい決定の影響を和らげるために、グループは量の削減が「2024年から2030年までの間で段階的に行われるようにする」として、譲歩しています。

 この削減の第 1 段階では、ラクタリスがフランスの消費者向け製品に再び集中できるようにするために、3 億 2,000 万リットルが対象となります。

 このラクタリスの決定は、非情な気もしますが、この企業も時代の変化に沿って、変化していかなければならず、利益を追求するのは、当然の話でもあります。

 しかし、国全体の将来を考えれば、自給できる産業は、残さなければならないのも現実です。

 ここで、出番になるのは、政府というところなのでしょうが、なんだか、新政府になって以来、なんだかパワーダウンしているように感じられますが、ここで、また酪農家たちの暴動が・・なんてことになったら、大変ですが・・怒りの矛先をラクタリスに向けたところで、その会社にとって、今後、必要のなくなるものを買わないというのは、しごく当然な話なので、なんだかなぁ?と思ってしまいます。

 しかし、成長して拡大していく企業というものは、したたかで、先を見据えて、冷酷にバッサリとした決断を下すものだなぁと感心します。


ラクタリス 乳製品業界


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2024年9月27日金曜日

フランスの妊娠中絶件数が記録的な水準に達した・・

 


 フランスDREES(調査研究評価統計局)は、フランスの自発的妊娠中絶の件数が記録的な水準に達していると発表しました。

 フランスにおける自発的妊娠中絶(中絶)件数は2023年に24万3,623件で、この数字は 2022 年と比較して 3.6% の増加に相当し、1990年以来最高の数字で、1,000人あたり16.8人の女性が中絶を経験している計算になると言います。

 フランスは、その前の段階の「25歳以下の女性への避妊ピルの無料化」や「18歳から25歳までの若者への薬局でのコンドーム無料提供(実際には、社会保障による100%払い戻し)」などの避妊対策も積極的に行ってきました。

 ピルなどの避妊薬に関連する費用は、既に2013年から、15歳から18歳の少女に対して、そして、また、2020年8月からは、15歳未満の子供に対しても国民健康保険で100%カバーされてきました。

 そして、この避妊薬の無料化により、その後5年間の期間を経て、この該当年齢の少女の人工中絶の割合を1,000人あたり9.5人から6人へと大幅に減少させることに成功したとその成果を発表したりもしていたのです。(2023年には、1,000人あたり16.8人という割合に増加している)

 しかし、フランスは、同時に妊娠中絶についても、「中絶の権利」が法律で認められており、2022年には、この法律は、中絶の権利の強化を目的として、中絶へのアクセスを改善するためにいくつかの修正が加えられています。

 この修正された内容の一部には、中絶法的期間を妊娠12週から14週に延長したことや、薬による中絶の規制期限を妊娠5週目から7週目まで延長することなど、少なくとも外科的処置が必用となる前に薬で中絶できるという、中絶へのハードルが低くなったことも、この中絶の増加に繋がっているのかもしれません。

 DREES(調査研究評価統計局)によると、2023 年の中絶の 79% がこの薬によるものであることについても銘記しています。報告書はまた、無月経 12 週間後に行われる後期中絶が病院介入の 9.5% を占めていることも強調しています。

 不妊症に悩む人も多い中、中絶の件数が増加していることは、皮肉なことでもあり、また、決して喜ばしい話ではないと同時に、女性が必要なときに中絶を受けられる自由の結果として、進歩としても捉えなければなければならないと説明しています。つまり、増え続ける中絶件数は、フランスでは中絶へのアクセスが決して妨げられていないことを証明しているというのです。

 このような記録的な数字を前に、女性が中絶を受ける経済的、社会的、家族的背景を理解することが急務であり、悪化し続ける人口動態(出生数の減少と中絶件数の増加)の中で新政府が考慮しなければならない課題であるとしています。

 

フランスの妊娠中絶


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2024年9月26日木曜日

ブローニュの森に埋められた大学生殺害事件 容疑者は OQTF(フランス領土退去命令)を受けていたモロッコ人

  


 今回の事件の被害者となったのは、パリ・ドーフィーヌ大学で「金融経済工学」を専攻していた大学3年生の女の子です。彼女は殺害されたと見られている当日、大学で昼食をとった後、午後2時ごろから行方がわからなくなっており、その日の夜に、家族は捜索願いを提出していました。

 彼女は大学の近くに住んでおり、遺体は大学から数百メートルのブローニュの森で彼女の携帯の位置情報から発見されました。遺体が発見されてから3日後、容疑者はスイスで逮捕されました。

 この容疑者は、22歳のモロッコ人で、2019年にモロッコのパスポートで観光ビザでスペイン経由で、一応、合法的にフランスに入国。当時、彼は17歳でしたが、その後、彼はフランス領に留まる選択をしました。ところが、その2ヶ月後、彼はパリ近郊タヴェルニーの森(ヴァル・ドワーズ県)で23歳の女性を強姦し、有罪判決を受け、懲役7年を求刑され、OQTF(フランス領土退去命令)が出ていました。OQTF・強制退去命令が出たときも、彼はこれに対するいかなる反対も訴えも起こしていませんでした。

 逮捕後、ただちに公判前の拘留で服役が開始されたことを計算に入れたとしても、実際に彼が服役していたのは約5年間でした。彼が受けた7年間の懲役刑は、自動減刑?の恩恵を受け、服役5年で2024年6月に、彼の身柄は行政拘置所(CRA)の管轄に移され、その後、どのような経緯を辿ったのか彼は性犯罪者ファイルFIJAISへの登録の対象となり、今年の9月3日には、ヨンヌのホテルに軟禁と報告義務という一般的な拘置所からの処遇よりも軽いものになっていました。

 その後、彼のモロッコへの送還をめぐって、モロッコ側が一度、フランスが申請を出した書類に対して、この要請は在フランス外国人総局(DGEF)が行うべきであると却下、フランス側は、再び、DGEFから申請を行い、9月6日、モロッコは彼の国外追放を許可しましたが、その時には、この男は、すでに外に軟禁場所から逃亡していました。

 そして、今回の事件が起こったのが、9月20日と見られており、ひと月も経たないうちに、彼は再び、深刻な事件を起こしたことになります。

 だいたいOQTF(フランス領土退去命令)を受けているような危険人物の管理があまりにも杜撰であることは、度々、報じられていることで、なにか事件を起こした犯人が逮捕されると、その人物はOQTFを受けていた人物であったということは、少なくないのが現状です。

 また、この男、本気で逃げようとしていたならば、ちょっと知恵が足りないというか?この女性を殺害した後、被害者のカードで現金を引き出していたり、翌日に遺体を埋めにブローニュの森に戻っていたり、行方を追跡されないように携帯を切っていたにもかかわらず、スイスに着いた途端に携帯のスイッチを入れてしまい、結局は、それで所在地が特定されて、逮捕されたりと間が抜けたことばかりしています。

 しかし、刑期が7年から5年になっていたとしても、OQTF(フランス領土退去命令)対象者であるならば、国外退去するまでの身柄は、しっかり拘束しておいてほしいものです。

 この容疑者と被害者の関係は明らかになっていませんが、ふつうに考えれば、あまり接点がありそうもないのですが、どちらにしても、同じ女の子を持つ親としては、こんな札付きのワルが野に放たれているということは、怒りと恐怖を感じるところです。


OQTF(フランス領土退去命令)


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2024年9月25日水曜日

RATP(パリ交通公団)が掲げる9つの約束と知らなかったサービス

  


 「私たちは、お客様にさらに満足していただくために、一貫した、パーソナライズされた高品質のサービスを提供することに日々取り組んでいます」、「私たちは具体的な9つの取り組みを掲げて絶え間ない動員を続けています!」というRATP(パリ交通公団)の広告をチラッと見て、「こんなの絵にかいた餅になるんだろうな・・」と半ば、あんまり信用せずに読んで行ったら、けっこう知らなかったサービスもあったんだな・・と思ったので、ちょっとだけ書いておくことにしました。

 メトロや RER のプラットフォーム、またはバスやトラムの停留所での待ち時間を短縮する取り組みとして、待ち時間はメトロで3分、RER 中央区間で4分、支線で12分を目途に調整しているそうで、メトロ、バス、トラム、RERを年中無休、1日20時間利用できるようにし、ノクティリアンバスは一晩中、利用可能を実施。

 ここに関しては、待ち時間はともかく、忘れてはならないのは、ストライキ問題で、なんといってもRATPの一番の問題は何かあるたびに先頭を切ってストライキをお客様そっちのけで、高品質のサービスとはかけ離れたことをやるわけで、待ち時間とか、運行時間などの問題ではなく、この期間は運休だったり間引き運転だったり、大変な迷惑を被るので、この問題を一番に解決してほしいところです。

 また、27,000 人の従業員が、身体の不自由な方や障害のある方を歓迎し、サポートするための訓練を受けており、フランス語を話せない方、視覚障害者、聴覚障害のある旅行者を毎日案内しているそうです。

 これに関しては、一度、RATPの職員が視覚障害のある女性を案内して、メトロに乗せるために、駅のホームをエスコートしているのを見かけたことがあり、その女性が下りる駅では、その駅の職員が待機して案内するように手配してあるのでご心配なく・・と伝えているのを目撃したことがあり、ずいぶんと親切なんだな・・と感激したことがあります。

 フランス語を話せない方・・に対しては、最近は、オリンピック効果?なのか、駅によっては、オリンピックが終わった今でも英語で案内してくれる人が待機している駅もあります。

 また、「RATP」のサイト上(仏・英語)では、交通情報や物品を紛失した場合の問い合わせができると言っていますが、これはRATPの問題以前に、メトロなどの公共交通機関で失くしたものが出てくるかどうかは、また別問題です。失くさなくても盗られるのに、自ら紛失したものが出てくる可能性は、限りなく低いです。

 そして、これは知らなかったのですが、駅によっては、傘の貸し出しサービスをやっている駅もあるそうです。

 また、RATPには、カスタマーサービスがあり、年中無休、3424 (無料通話) で利用できるそうです。

 そして、これまたビックリしたのは、RATP ネットワーク全体 (車両とスペース) は毎日清掃および消毒されているのだそうで、そういえば、以前ほど、汚~い!というメトロは見かけなくなった気がします。

 また、さらにビックリするのが、「当社は、すべてのエスカレーターとエレベーターの 95% が正しく機能することを保証します」というところで、これは、正しく機能するために修理中・・というのは、カウントされるのだろうか?とちょっと、いじわるに思いますが、100%と言わないところがなかなかリアルです。

 また、セキュリティに関しては、セキュリティ専門の 1,000 人以上の職員と50,000 台を超えるカメラが駅や車両に配備され、24 時間年中無休で運用される指揮所を通じて操作されているそうで、ジェンダーに基づく暴力や性暴力との戦いのために、特別に職員を訓練しているそうです。

 また、85のRER駅と地下鉄駅にはWIFIを導入しているそうです。

 いずれにしても、RATPのクォリティはオリンピックを機に格段にアップしたのは、事実で、車両はずいぶん新車に切り替わったし、少なくとも期間中はほんとに清潔できれいになりました。

 「やれば、できるじゃん!」とも思いましたが、正直、これが維持できるかどうかは、あんまり期待はしていませんが、少しは、改善されていく方向なのかな?とは思います。

 現在、RATPの社長は、数期前の首相だったカステックス氏で、彼自身、時々なのかはわかりませんが、メトロを利用しているようで、私も一度、見かけて「お~~っ!」となりました。

 あまりにふつうに、一般の乗客に溶け込んで、乗っていらっしゃったので、びっくりしたのですが、こんな風に社長自ら、現状をご覧になっているのかもしれません。


RATPのサービス


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2024年9月24日火曜日

薬局で倒れたおじいさんを見守りながら、なにかあったら、薬局に駆け込もうと思いました・・

  


 体調を崩して、お医者さんに行き、処方箋を書いてくれたので、帰りに薬を出してもらいに薬局に寄ったときのことです。

 小さな人だかりができていて、???と思って覗くと、おじいさんが倒れていて、それをコマーシャルセンターの救助の人々と薬局の人が取り囲んでいました。

 おじいさんは、床に仰向けに転がっていて、苦しそうな顔をしています。でも、どうやら意識はあるようで、「何歳ですか?」とか、「左足をたてられますか?」、「右足をたてられますか?」、「私の手を強く握ってみてください」とか言われながら、指示に従って、そのとおりに身体を動かしていますが、目は閉じたままですが、時々、苦しそうに目を薄くあけています。

 ひとまずは、言っていることは理解しているようで、「はい、83歳です」とか、言われた通りに片足ずつをたてたり、救助の人の手を握ったりしています。

 それでも自分で起き上がることはできないようで、また、下手に動かしてはいけない様子で、まあ、とりあえずは、薬局で倒れたのは不幸中の幸いのようで、応急処置に必要な器具などが揃っていて、ひととおりの質問が済んだところで、救助の人が「救急車を呼びましょう」と判断し、通報していました。

 ものすごく優しく語りかけているにもかかわらず、緊迫感が伝わってくる感じです。

 ここで私が驚いたのは、その救助の人たちも薬局の人たちも、ものすごく優しくて、わりとよく知っている薬局で、いつもの彼女たちも知っているので、日常はどんな感じの人なのかわかっているだけに、いつもと全然違うのも、わかります。

 もちろん、日常だって、親切だし、感じよい人々なんだけど、ベタベタは決してせずに、ほどよいさっぱり感が私は、気に入っているのですが、ここぞという緊急時には、本当に親身になって、めちゃくちゃ優しいところに感心させられたのです。

 これは、多くのフランス人に共通するところで、いつもは、わりと我関せずな感じでさっぱりしているけれど、本当に困っている人、怪我人、病人などには、ものすごく優しいのです。

 いつだったか、わりと人通りが少ないと思われるちょっと郊外の通りを道がわからないので、GoogleMapを見ながら、歩いていたら、歩道と車道の段差でものすごく勢いよく、転んだら、どこで見ていたのか、若い男性2人がどこかからすっ飛んできてくれて、大丈夫?大丈夫?近くの会社で手当できるよ・・と助けてくれました。

 他に数人の女性も駆け寄ってきてくれました。

 その時は、かなり痛かったのですが、痛いよりも恥ずかしさが先にたち、もう早く立ち去りたい気持ちが強くて、「はい、大丈夫です。ありがとうございます!」と言って、早々に立ち去ったのですが、後から考えたら、「すごく優しい人たちだったな・・」と、ちょっと感動したのです。

 また、これが薬局ということで、対応もより的確で、お見事といっていいくらいの対処で、見直しました。

 私は、近所にかかりつけのお医者さんがいるので、いざとなったら、彼女のところに駆け込もうと思っているのですが、このお医者さんよりもさらに家から近く、開店時間も長い薬局の方がとりあえず、駆け込むのには、よいだろう・・などと、倒れたおじいさんを見守りながら、考えていたのです。

 最近、体調を崩しがちな一人暮らしのわが身からすれば、これは、なかなか心強いことです。


フランスの薬局


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2024年9月23日月曜日

逆さはいけない・・

  


 夫が急死したのは、日本にいる母が亡くなった約2年後のことで、母の死から、ようやく立ち直りつつあった私には、本当に辛いことで、「こんなに悲しく辛いことは、もうこれ以上、この世にはないだろう・・」と思いました。

 母が生きていてくれたら、おそらく何をおいてでもかけつけてくれただろうに、そんな母はもうおらず、(父は、そのような人ではない)、日本に行けば、とても優しく親しくしている叔父や叔母たちも、さすがに腰が引けたのか、すぐには、誰も来てくれませんでした。

 それでも、私にはまだ、当時10歳の娘がいたし、娘もそうそう学校を休むのもいけないし、私も仕事があったので、むしろ、夫がいなくなってしまった家に一日中ふさぎ込んでいるよりも、それぞれ、学校や職場に行った方が気が紛れて助かったのです。

 そのうえ、夫の死後にしなければならない公的手続きなどは、山積みで、夫の同僚の人が手伝ってくれたものの、私が直接、提出しなければならない書類などもけっこうあり、また、さすがのフランスのお役所・・その必要な書類をバラバラ、後から追加してきたりするので、(もう!一度に言ってよ!と思ったけど、その時はそんなことを言い返す元気もなく・・)、ひたすら、淡々とその日、やらなければならないことをこなしながら、時を過ごしていました。

 当初から、「でも、娘ちゃんがいてくれて、よかったね・・」となぐさめてくれる人もけっこういましたが、そんなことを思うのは、それからしばらく落ち着いてから言える話で、異国の地で、子どもを一人で育てていかなければならなくなったことは、正直、とても不安なことでもありました。

 しかし、当時は、これ以上悲しいことはもうないだろうと思ったけれど、これ以上悲しいことは、娘にもしものことがあった時ということがあったわけで、そんなことがあったら、今度こそ、本当に私は立ち直れないだろうな・・と思ってしまいます。

 ところが、その子どもに先立たれるということは、全くない話ではなくて、数年前に、「そういえば、彼女、どうしてるんだろう?」と、仕事関係で(あくまで仕事上でのつきあいだけでしたが、)けっこう親しくしていた人に連絡してみたら、なんと、数年前に息子さんを亡くされたそうで、しかも、自ら命を絶ってしまった・・ということで、それ以上は、あまり彼女も話したがらなかったし、深く聞くのも憚られたし、彼女もその時点では、もう受け入れられたからもういいの・・と言っていたので、あまり詳細は聞きませんでしたが、どんなに辛い思いをされただろうか?ということは想像に難くないところでした。

 彼女も私も一人ずつ子どもがいて、顔を合わせれば、息子さんはお元気?などと、お互い子どもの話をすることも多く、男の子を持つママにはありがちな感じで、もう夫よりも息子の方が恋人みたいな感じで、とても可愛がっていたという記憶があり、男の子の親と女の子の親っていうのも、微妙に違う感じなんだな・・と思っていました。私と娘は、どちらかといえば、恋人というより、友だちみたいな感じです。

 その話を聞いて、また数年が経ちましたが、つい最近、友人から、元同僚の一人が息子さんを亡くしたという話を聞いて、正直、驚きました。彼女とはそれほど親しかったわけではないので、直接、話を聞いたわけではないし、あまりここぞとばかりに、連絡を取るのも空々しい感じなので、詳しい事情はわかりませんが、お悔やみのメッセージだけ送りました。

 月並みだけど、「やっぱり逆さはいけないよな・・」と思い、最も痛ましいことの一つだと思いました。

 しかし、この話は別としても、「逆さはいけない・・」とか、「順番が違う・・」とか、言いますが、この高齢社会、親が90や100まで生きていても不思議ではない時代、その「逆さ」もさぞかし増えてることだろうな・・と妙なことも思いました。

 うちは、両親ともに、すでに他界しているので、もう私の実家においては、「逆さ」はあり得ないことですが、親が長生きすればするほど、それは、充分にあり得る話になってきます。

 今の私などの世代での「逆さ」であるならば、その子供の年齢もあまりにも若いことによる悲劇という要素もあると思いますが、親が90歳とか100歳の逆さの場合でも、やっぱり、そんな風に思うのだろうか?と、私は、そんなことにならないように、逆さにならないようにほどほどの年齢でお暇したいと思っています。


逆縁


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