2024年5月14日火曜日

フランス内務省からのアラート オリンピックパス

  


 夜8時、なにやら耳障りな音が響き始めて、私はギョッとしてしまいました。

 その音が聞いたこともない奇妙な電子音で、ちょうど机に向かっていた私は、正面にパソコン、となりにタブレット、ポケットの中に携帯が入っていて、その音がどこから聞こえてくるのかわからず、慌てて、パソコンが壊れた??と焦ったら、そのうち何やら喋り出したので、いよいよ、「え~~~?」と泣きそうになったら、どうやら、それは携帯の方で、なにやら、アラートで内務省からのメッセージが入っていた模様。

 慌てていたし、なにを言っているのかも聞いておらず、携帯にアラート!!という緊急事態に、「どこかで大規模なテロでも起こったのか?」、それとも「どこかから、ミサイルが飛んできた?」など思いながら、携帯を開いてみたら、「オリンピック開会式前7月18日から26日までの期間は、セーヌ川沿いの式典が行われる場所への立ち入りが規制されるため、この区間の通行のためにはQRコードを取得する必要があります」というものでした。

 このQRコードを取らなければならない話は聞いていたので、正直、「なんだ!脅かすなよ・・」という気持ちでした。

 以前も、パンデミックの際にロックダウンになった時に、政府からのメッセージがSMSで送られてきて、その時は、こんな音はしなかったと思うのですが、「なんで?私の携帯番号知ってるの?」ということに驚いたくらいでした。しかし、今回は、ビービービーという異様な耳障りな音付きのメッセージで、まさに、もっともっと、アラートという感じだったのです。

 このQRコードの申請をしてから、取得までに数日間かかる場合があるので、早めに申請してくださいとのことでしたが、そもそも、これが知れ渡っていなかった場合、そこを通れる通れないで、余計に争いごとのタネがあっちでもこっちでも勃発しかねない話なので、周知徹底する必要があるのだとは思います。

 しかし、それにしても、あんなアラーム音いりますけね・・?インパクトは大だけど・・。本当に、いよいよ、もう終わりか・・くらいに思っちゃいました・・。オーバーだけど、それくらいビックリしました。

 セーヌ川沿いの式典が行われる地域といっても、相当な数の人々、住民やそこに通勤してくる人々、そしてオリンピックのために訪れる観光客など全てが影響下におかれるということで、このパスがなければ、身動きが取れなくなります。

 もっとも、私は、これがあっても身動きが取れなくなるのではないか?とさえ思っています。

 少なくとも、この間は、好きな時に好きなところに行くことはできず、観光客でにぎわうであろうとはいえ、その区間にあるお店やレストランなどは、どうするんだろうか?と不安がだんだん具体的になってきました。

 このパスがなければ、身動きがとれないとなれば、ちょっとロックダウンの時みたいな感じになっちゃうのかも?など、それでもやっぱり具体的にイメージができなくて、この期間、パリを逃げ出そうとしている人々の気持ちがわかる気がしてきました。

 出歩くのに必要になるワクチンパスならぬオリンピックパスです。

 それにしても、携帯のアラートが異様な音をたててなった時に、よもやテロ?とか戦争?とか思ってしまったのも、自分でもビックリでしたが、実際に、そのようなアラートが来てもおかしくない世の中なのかも?とも思います。

 そんな場所でオリンピックをやろうというのですから、それはそれは大変な警戒になることは必須なわけで、致し方ないのかもしれません。

 しかし、これ、さっさと申請してしまおうかな?とやりかけたのですが、身分証明書やら写真などが必用で、途中で断念して、全部揃えてから、また後日やることにしました。

 この手の手続き、本当に気が重い私です。

 でも、考えてみれば、これはオリンピック開会式までの間のことで、実際のオリンピックの競技が行われる期間(7月26日~8月11日)は、この通行止めはないわけで、なんだか、中途半端な気がしないでもありません。

 もっとも住民としては、そこまで長期間の通行止めは勘弁してもらいたいものです。


オリンピックパス 


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2024年5月13日月曜日

RATP(パリ交通公団)の検札は観光客にも容赦なし

  


 5月はフランスでも祝日が多い月で、ここを休めば連休になる・・という日も多いためか、パリ市内も観光客が少しいつもよりは多い感じ・・というか、フランス人の観光客というのもけっこういるもんだな・・と感じます。

 やけにおしゃれをしてきたな・・という感じの若い女の子たちがいたりして、様子を見ていると、フランス語で話しているので、フランス人だな・・と思うのですが、どうも交通機関に慣れていないみたいで、「バス降りるときのボタンはこれでいいのかな?」と言っていたかと思うと、「このチケットでいいのかな?マルセイユとは違うから・・」などと聞こえてきて、この人たちは、マルセイユから来ているんだ・・と思ったり・・。

 とにかく、ここのところ、フランス人の観光客をよく見かけるのです。

 今日、バスに乗っていたら、いつのまにか、どこかの停留所で検札の人が乗ってきて、コントロールを始めていました。ほとんどの人はチケットをちゃんと持っていたのですが、観光客らしきフランス人の男性のチケットがメトロで使用済のものだったチケットで大丈夫だと思っていたらしく、これでは、ダメだと罰金を請求されてゴネていました。

 RATPのチケットは、バスでもメトロでも両方使え、メトロからメトロへの乗り換え(1時間半以内)ならば、同じ1枚のチケットを使用することができ、また、バスからバスへの乗り換え(1時間半以内)でも、同じ1枚のチケットを使用することができますが、メトロからバス、バスからメトロへの乗り換えは、それぞれ別のチケットを使用しなければなりません。

 男性は、そのルールを知らなかった様子でしばらくゴネていましたが、罰金50ユーロを支払っていました。この罰金のシステムもその場で支払えば(カード払い可能)50ユーロ、20日間以内なら60ユーロ、20日間を過ぎてしまうと80ユーロになってしまいます。

 ちなみにチケットやNavigoを持っていても、乗った時にマシンに通すのを忘れていた場合も罰金をとられることになっています。この場合、バスやトラムの場合は、その場で支払えば、5ユーロ、20日間以内に支払えば10ユーロ、20日間以降になると35ユーロ、メトロやRERの場合は、その場で支払えば35ユーロ、20日間以内だと45ユーロ、20日間以降になると80ユーロになります。

 実際にチケットというかNavigoは持っているのに、マシンに通すのを忘れただけでも罰金なんて、すごく厳しいです。

 これらの罰金は、90日間を過ぎても支払われない場合は、全ての罰金は180ユーロに跳ね上がります。

 これは、罰金の金額を調べていてたまたま知ったのですが、マシンに通し忘れただけでも罰金というのは、私も今まで知りませんでした。メトロは駅を通過するときには、否応なしに機械に通すし、バスは乗車時に運転手さんの前を通って乗るので、忘れることはほとんどないのですが、トラムなどの場合は、改札もなく、どこから乗ってもいいため、たくさんの買い物の荷物を持っていたりして、そっちに気をとられて機械に通すのを忘れそうになったこともありました。

 やばいやばい・・。私の場合は、Navigo(定期券のようなもの)を持っているので、あまりチケットで問題があったことはないのですが、ルール?をよく知らない観光客にも容赦せずに罰金をとりたてているのを見て、観光客とて「知りませんでした・・」は済まされないんだな・・と思った次第です。

 パリにいらっしゃる機会のある方はどうぞお気をつけくださいませ。


パリのバス・メトロの検札と罰金


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2024年5月12日日曜日

マヨット島(マイヨット島)でのコレラ感染拡大 フランス政府と現場の食い違い

  


 コロナウィルスによるパンデミック以来、感染症という単語に敏感になっていることに自分でも感じます。そして、この感染症という単語が耳に入ってきて、「えっ??」と思ったら、マヨット島での話でした。

 マヨット島は、海外とはいえ、フランスの海外県のひとつで、なにかが起これば当然のことながら、フランス政府が対応します。

 マヨット島は、3月以来、コレラの流行に直面しており、未だその感染はおさまってはいません。現在は、先進国では、ほぼほぼ、その対処方法(ワクチンや治療法など)も解明されており、稀に旅行者などから、コレラ菌が持ち込まれたとしても、深刻化するまえに、封じ込めることは可能になっているはずの病気です。

 しかし、今回のこのマヨット島でのコレラ感染が3ヶ月以上もおさまらない(5月9日の段階で確認されている感染者は一地区に限っても50人以上の感染者がいる)のは、異常事態、やはりこの地域の医療体制や衛生問題には、問題があると思わざるを得ません。

 まず、救急医療チームを備えた病院が島内には1つしかなく、このような感染症が蔓延した場合に対応しきれない現実があります。このため、フランス政府は、この感染症対応の援軍の人員を30名程度派遣しています。

 保健担当大臣は現場を視察したうえで、「感染が疑われる人々の家はすぐ消毒し、家族にも抗生物質を配布し、可能な限りワクチン接種を行い、ボトル入りの水を配布している」と、適切な対応が行われているため、これ以上に急激な感染拡大はないと断言しています。

 ところが、現地では、政府の努力は認めるが対応は適切ではないという声が多く上がっており、食い違いが指摘されています。

 まず、一つしかない病院になかなかアクセスができないうえに、不法移民の逮捕が病院でも行われているために、感染しても病院に行けない人が少なからずいるために、治療ができないばかりか、そのまま、感染が拡がり続けることに繋がっているというのです。

 また、全ての人が携帯を持っているわけではないため、情報にアクセスできずにコレラの流行そのものを知らない人さえいるそうです。 コレラは、細菌に汚染された食物や水を摂取することによって引き起こされる病気で、感染者の4分の3は無症状です。しかし、発症すると、症例の 10 ~ 20% が重度の下痢と嘔吐を引き起こし、脱水症状が進行するという恐ろしい症状を引き起こす可能性もあります。ちなみに潜伏期間は5日程度だそうです。

 現地の役人は、「私たちは常に、遅れたり、軽視されたりする場面に直面しています」と語っており、フランス本土ならばあたりまえのように対応されることが、このマヨット島では、なされておらず、未だに断水が続いている場所もあると説明しています。

 保健担当大臣は、国民を安心させるために、適切な対応がなされていると説明しているならば、それはそれで事実ではなさそうだし、本気でそう判断しているとすれば、現状の把握ができていないということで、これ以上の改善が見込めないというさらに深刻な話でもあります。

 ワクチン接種に関しても、実際には、ワクチンの数は限られているため、保健当局は投与回数を減らすようになってきていると言われています。

 政府の発表と現実が異なることは、少なからず、どこの国でもあることだとは思いますが、なんともやるせない話ではあります。しかし、微かな救いはその現実を書き立て報道するマスコミがフランスにはいるということです。

  NGO、学術機関、国連機関を集めた世界コレラ対策特別委員会は、「コレラは数十年前に先進国では見られなくなったが、依然として多くの人々に影響を及ぼし、最も貧しく脆い地域社会に影響を与えている」と強調しています。


マヨット島(マイヨット島)コレラ感染拡大


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2024年5月11日土曜日

いつのまにか街中でオリンピックのマスコット「フリージュ」を探している・・

  


 オリンピックのマスコットキャラクターが決まったのは、2年前の11月のことで、フランスカラーであるトリコロールとフランス革命とフランスの象徴であるフリジア帽をモチーフにしていると言われています。

 あの時は、「ああ~そういえば、あの帽子のかたちをしているな・・でも、なんかヘンなの・・」とあまり可愛いとも思いませんでした。

 当初は、このフリージュくんたち・・あまり見かけることもなく、当時はパリに一軒だけだったシャトレにあるオリンピックのオフィシャルショップをわざわざ覗いてみたりしましたが、最近は、いよいよパリオリンピックが近付いてきたこともあり、このフリージュくんのついたグッズはどこでも見かけるようになり、カーフールなどのスーパーマーケットでもTシャツやら、マグカップやら、ぬいぐるみやら、色々と売っています。

 そして、最近、私がやたら見つけてしまうのが、このキャラクターの入った車で、最初に見つけたのは、この赤いフリージュくんのキャラクター入りの郵便局の黄色い配達車でした。



 なにしろ、黄色い車に赤いマスコットですから、すごく目について、なんか、ちょっと可愛いな・・と思いました。普段は、郵便局の配達の車など、気に掛けることはなく、多分、見過ごしてしまっているのですが、この赤いマスコット入りだとやたらと気になります。

 昔、子どもの頃に「黄色いワーゲンを何台かみつけるといいことがある!」とかいう、今から思えば、わけのわからない噂に思わずワーゲンを見つけると嬉しくなったような、そんな気分です。

 郵便局の配達の車など、そんなにちょくちょく見かけるわけではないので、ちょうど私が子どもの頃にワーゲンをみつけるかどうか・・という確率と同じくらいなのかもしれません。


 その後、何台かそんな車を見かけて、その後にクロノポスト?かなにかの配送の車に白いものがあって、このマスコット入りのものも見つけて、「白いバージョンもあるのか!」と妙に感動したり・・、先日は、駅の黄色いポストにこの赤いマスコットがついていて、「うわっ!ポストにまで!」とビックリしたばかりでした。


 こういうオリンピックのマスコットなどは、見慣れていくうちになんだか親しみがわいてくるものかもな・・と思っていたのですが、私はまさに今、それにどっぷりハマっている感じです。

 それが、先日、シャンゼリゼを歩いていたら、ホンモノ?のフリージュくんたちに偶然、遭遇して、大興奮! 

 お天気も良くて、シャンゼリゼを歩くのも気分が良いな・・などと思いながら歩いていたら、彼らが観光客たちの写真撮影に応じながら、シャンゼリゼにいたのです。まるで初めてディズニーランドに行った時に、ミッキーマウスを見つけたみたいな感じでした。

 しかし、シャンゼリゼにフリージュくん!なんとシュールではありませんか!

 


 こうして、あらためて写真に撮ってみると、やっぱり妙なものではありますが、思いがけなかっただけに、なんだかちょっと感動しました・・オリンピックの感動はそこじゃないでしょ!って感じですが・・。

 でも、トリコロールカラーだけあって、シャンゼリゼの緑の街路樹やたまたま祝日が重なったために取り付けられていたフランス国旗がたなびくシャンゼリゼで彼らはなんだか絵になる感じなのでした。



 少しまえから、自分の中で「パリのフリージュを探せ!」モードに入っているおばさんとしては、思わぬところで彼らに遭遇したので、なんだかとっても、ラッキーな気分でその日をごきげんに過ごしたのでした。

 


 このままずっと、シャンゼリゼを歩いて行くのかな?と思っていたら、彼らは途中で横道に入って、いつの間にか消えて行ってしまいました。

 これからしばらくの間は、シャンゼリゼに行ったら、彼らを見かけることがあるかもしれません。


パリオリンピック マスコット フリージュ シャンゼリゼ


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2024年5月10日金曜日

不妊治療対応のための二十歳前後の女性への不妊検査の無料化と卵子自己保存キャンペーン

  


 マクロン大統領が女性誌 ELLEのインタビューで語った少子化対策と不妊治療対策が話題を呼んでいます。彼はこのインタビューの中で、「ダイナミックな出生率を生み出す」という自身の願望を発表し、医療補助出産(PMA)へのアクセスを改善すると約束しています。

 出生率を高めるための計画は、今年1月の段階ですでに発表されていましたが、女性にとって重要と考えられるいくつかのテーマを取り上げたこのインタビューで、彼はあらためて、「子供を持ちたくない人々に罪悪感を感じさせてはなりませんが、私たちの社会保障組織が充分でないことが女性や家族が望むなら子供を産むことを妨げてはなりません。」と述べています。

 そのひとつとして、これまでの育児休暇に代わる措置として、出産休暇を設け、母親には 3 か月、父親には 3 か月、子供の生後 1 年間は累積され、社会保障の上限 (1900 ユーロ) まで給与の 50% が補償される(雇用主は希望に応じてこの金額を補うこともできる)システムを構築し、2025年8月の発効を目指しているといいます。

 これにより、親は現行の育児休暇(金額は429ユーロに設定)よりもはるかに高い報酬を受け取ることができるようになるはずだとしています。

 一方、これにも増して衝撃的な感じがしたのは、不妊治療についての対策で、「二十歳前後の「不妊検査」がすべての人に提供され、健康保険によって払い戻されるシステム」と「将来子どもを持ちたい女性のために、卵子の自己保存を支持するキャンペーン」の実施です。

 そして、現在のPMA(不妊治療)にアクセスするまでの待ち時間(現在16~24か月)を短縮するために、「これまで病院施設のみが利用していた卵子の自己保存を民間センターにも開放する」ことを発表しています。

 フランスでは、FIV(体外受精)の費用を平均4,000ユーロ、 IAC (配偶者の精子による人工子宮内授精) の場合は、平均 950 ユーロと言われていますが、これらの各処置は健康保険によって評価および価格設定され、その結果、ケアシートが発行され、人工授精や体外受精にかかる費用を全額補償してもらうことが可能です。

 それにしても、不妊検査を二十歳前後に行うというのも、二十歳前後以上から~ということだとは思いますが、今どき、その年ごろの女性がすでに子どもが欲しい・・子どもを持つことについて、どの程度、真剣に向き合って考えているかは疑問でもあります。

 しかし、一方でこのようなことがあれば、考えるきっかけになり得るとも言えるかもしれません。

 まあ、とりあえず、検査を受けておいて、治療が必用ならば、早く治療しておいた方がよいということなのでしょうが、現実的にそれが拡まっていくかどうかは、わかりません。

 また、この不妊問題について、彼は、代理出産(GPA)については、反対の立場をあらためて、表明しており、「これは女性の尊厳に反するものであり、女性の身体の商品化の一形態である」と述べています。

 実際に私のフランスでの友人の中には、当然、娘を通じて知り合っていることも多く、ママ友とか、すでに子どもが何人かいる状態で知り合いになっているので、あまり、このような話は聞いたことがなく、日本の友人たちは、子どもも何もシングルを貫いている人も結構多いので、具体的なことは正直、わからないのですが、悩みを抱えている人にとっては、切実なことです。

 しかし、数年前に結婚した娘の友人が、結婚だけでも「えっ?もう結婚するの?」とびっくりしたと思ったら、「彼女、今、子どもが欲しくて、欲しくて、不妊治療をしている・・」という話を聞いて、さらにびっくり!まだ20代半ばなのに、そんなに急ぐ?と思ったくらいですが、彼女は無事に妊娠して今は、もうママになっています。

 本当にこの不妊についての悩みを持っている人がどれだけ切実に悩んでいるかはかなり大変な様子。子どもは欲しくないというのも自由だと思いますが、この出生率が低下しているなか、子どもが欲しいと思う人のために国が手を差し延べてくれるのは、とってもありがたいことなのではないか?と思います。


フランスの少子化対策と不妊治療


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2024年5月9日木曜日

オリンピック聖火がマルセイユ港に到着! 

  


 オリンピックの聖火がマルセイユに到着する!というのは、数日前から聞いていました。しかし、それは、想像を遥かに上回るお祭り騒ぎぶりで、あたかも、もうオリンピックの開会式?と思うほどの盛り上がりぶりでした。

 それがマルセイユであったということもお祭り騒ぎぶりを大きくしているような気もしますが、その華々しい聖火到着のセレモニーは、さすがにこういった催し物を美しく盛り上げるのがフランスは上手い!と思わせられるものでした。

 オリンピックの聖火リレーというものがあることは聞いたことがありましたが、そのオリンピックの聖火はこんなに華々しく迎えられるのを私は初めて見た気分でした。

 ギリシャから地中海を横断して12日間を経て、オリンピック聖火は今週水曜日、5月8日早朝、マルセイユ港に到着。オリンピック聖火の到着式はまず、近港北部、南部の港でこれを護衛するために登録された1,024隻のボートによる大規模な海上パレードで始まりました。

 これだけ大規模なパレードを海上で行う風景はさすがに圧巻で、お天気にも恵まれ、夕刻には、虹がかかる瞬間まで加わり、最高の盛り上がりを見せました。セレモニーは、長い時間続き、パリ祭さながらのトリコロールのひこうき雲をはいて飛行機が飛び、夜には見事な花火もあがり、マルセイユは大熱狂に包まれました。

 マルセイユといえば、ふだんは事件がらみのニュースを聞くことが多いのですが、この日ばかりは、華やかな明るいマルセイユの光景が映し出され、空撮も含めて美しいマルセイユを見ることができました。

 つい先日まで、マルセイユは、このオリンピック聖火の到着を前に、ゴミ収集業者が賃上げ要求のためにストライキを起こしており、街には、未回収のゴミが山積みになり、悪臭を放っているというニュースを見たばかりでした。

 このゴミ収集業者のストライキはどうなったのか?全然、わかりませんが、このマルセイユ全体のオリンピック聖火到着の盛り上がりぶりを見ていると、そんなことは忘れてしまいそうです。

 マクロン大統領もマルセイユにかけつけ、「長年、準備してきたオリンピックはもう始まった!」とかなり高揚した表情で語っていました。

 マルセイユ市民のみならず、このオリンピック聖火到着の模様を見に、多くの地域から人々が集まり、熱狂的にこの聖火の到着を喜び、マルセイユ市民たちは、「世界の中心はマルセイユだ!」とでも言いたげに、「世界がマルセイユに注目している!」と興奮してインタビューにこたえている人もいました。

 フランス人って、そんなにオリンピック好きだった?と思ってしまうほどの興奮ぶりで、私は、パリにいるので、周囲の人々を見ても、少々、マルセイユとは温度差は感じるものの、基本、お祭り騒ぎが好きな人たち、こういうお祭り騒ぎがあると、やっぱりラテン系の人たちなんだな・・と感じます。

 これから、この聖火は7月26日パリのオリンピックスタジアムの聖火台に点火されるまで、ツールドフランスの3倍に相当する距離、60以上の県を通過しながら、その模様を中継し、フランス各地の美しい景色を全世界にアピールすると言われています。

 オリンピック本番はもちろんのこと、この聖火の長距離の旅には、大変な警戒体制がとられることになっているそうで、すでに1月付けの内務省の機密文書には、「聖火リレーに係るリスク分析・評価」と記された15ページにもわたる文書が作成されており、聖火リレーの間に発生する可能性のある主な危険地域がリストアップされています。

 オリンピックの聖火リレーの際には、毎度、これをなんとか消そうとする人が表れるようで、2021年7月、日本では茨城県での聖火リレー中に、デモ参加者が水鉄砲を使ってオリンピックの聖火を消そうとしたり、 5年前の2016年7月、ブラジルではサンパウロ近郊で、ある人物が消火器を使って車列を妨害し、2012年ロンドンで、群衆の中に水の入ったバケツを持った男性が登場したという記録も紹介されています。

 こういっては、身もふたもありませんが、その第一に挙げられそうなマルセイユでの聖火到着は、無事終了し、真っ青な海に浮かぶ千隻以上の白い帆船が散らばる中、トリコロールの噴煙が上がる様子は絶景で、マルセイユの海ってこんなに青かった?とあらためて美しいところだな・・などと思いました。

 これからオリンピックの開会式まで2ヶ月ちょっとの聖火リレーの旅ですが、このマルセイユでのセレモニーは、特別なのでしょうが、聖火が到着するだけで、この騒ぎ、このセレモニーですから、オリンピック本番ともなれば、きっとすごい盛り上がりになるのだろう・・とちょっと、怖いような、でも楽しみなような気もしてきました。


オリンピック聖火マルセイユ到着


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2024年5月8日水曜日

RER E 線 ナンテール、ラ・デファンス、サンラザール駅まで開通

  


 私がフランスに来て以来、パリ及びパリ近郊の公共交通機関は、ずいぶん変わりました。その代わりと言っちゃなんなんですが、いつもどこかで工事中な感じですが、ずいぶん新しい駅や新しい路線が様々な既存の線との乗り入れが可能になり、今回は、RER(パリ郊外線)E 線がナンテール、ラ・デファンス、からサンラザール駅まで開通したというので、様子を見てきました。

 日頃、私は、あまり郊外線に乗ることはないので、せいぜい、RER A,B,C 線の一部・・正直、E線なんて、あったっけ?という感じでしたが、このE線がラ・デファンス駅、サンラザール駅まで開通するとなると、これまで他の路線を利用していた人々(A線など)が、それぞれの利便性により、このE 線に路線を変更することも可能になるわけです。

 政府は、このパリおよびパリ近郊の公共交通機関を充実させていくことを「ポピュラーエコロジープロジェクト」と呼び、少しでも通勤等に少しでも車を使わなくてもすむようになることを目指していると言っています。

 このE 線がラ・デファンスまで開通することはおそらく非常に大きいことで、ラ・デファンスは、新凱旋門(ラ・グランダルシュ)を中心に作られているヨーロッパ最大のオフィス街で、グランダルシュ周辺には、近代的な高層ビルが立ち並ぶ、ここほんとにフランス?と思うような近代的な建物ばかりの場所で、大勢の人が働いている街なのです。

 これまでも当然、ラ・デファンス駅は存在していたのですが、E線が新しく乗り入れるとなれば、駅やその乗り換えのための通路などは、新しく作られたもので、また拡張されるとなると車両も現在は新しいものが追加されています。

 数ヶ月後にパリオリンピックを控え、パリでは他の路線でもずいぶんと新車両が増えていますが、私にとっては、E線は初めてです。


 とりあえず、E線のラ・デファンス駅に行ってみましたが、まあピカピカのキラキラ・・。まだ新しくてピカピカということもありますが、デザイン自体もキラキラな素材を使ったキラキラな壁。まだ、平日は午前 10 時から午後 4 時までとラッシュアワーを避けての運転しかしていないこともあり、駅も電車も人はまばらな状態です。



 また、車内が見たこともないカラフルな色調とライティング、パリの他の車両ではあまり見ることが少ないつり革みたいな取っ手がついていたり、途中で車内のライティングがブルーになったりオレンジになったり、まだ空いているせいもあるのでしょうが、なんだかアトラクションに乗っているような気さえしてくる感じでもあります。

 これが通勤時間帯の満員状態だったら、どんな感じなのかな?と、想像がつきません。

 車両のフロントもちょっと丸い感じと速い感じが混ざった感じで可愛いです。撮り鉄みたいな少年も来ていました。

 


 しかし、駅にしても車両にしても、今までとは少しずつ違う感じで、ちょっと面白かったです。 

 でも、きっと、このキラキラでピカピカなきれいな駅も電車もあっという間に汚くしてしいまうのがパリですが、せっかくお金をかけて作ったきれいな駅と電車。きれいに保ってほしいです。

 この延長工事は、まだ終わっていないそうで、このE線はさらに長くなり、最終的には、2026年12月に完成予定だそうです。


RER E線 ラ・デファンス ナンテール


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