2023年10月4日水曜日

日本のユニクロの折り込みチラシはちょっと衝撃的だった・・

  


 フランスにユニクロができてから、もう15年近くなります。もちろん、私がフランスに来る前から、ユニクロのことは知っていましたが、当時、ユニクロは、そこまでメジャーな存在でもなく、どちらかというと、私は株式の方で記憶に残っているくらいで、当時、ユニクロの会社(ファーストリテイリング)は、店頭公開株で、「これって、ユニクロの会社なんだって!」と会社で聞き及んだ覚えがあるくらいで、妙な記憶の残り方でした。

 もちろん、その存在は知っていても、日本に住んでいた頃はユニクロで買い物をしたことはなく、その後、ヒートテックなどが登場したりした後に、日本に帰国時に買いものに行ったりしたこともありました。

 そのうち、パリにもあちこちにユニクロが増え始め、ユニクロの商品もほぼ、パリで調達できるようになったため、日本に行った際にユニクロを覗いてみることもなくなっていました。

 国が違うのですから、商品構成が違うことは、わかっていましたが、昨日、たまたまTwitter(X)で流れてきたユニクロの広告(今週の折り込みチラシ)というのを見かけて、ハッキリ言って、かなり衝撃的でした。思わず、「うそ!これユニクロ?」と目を大きく見開いてしまったほどです。


 今や、日本では、折り込み広告というものが、どのくらい拡散されているのかわかりませんが、まあ、折り込み広告というものだから、このようなレイアウトになるのかもしれませんが、これでは、まるでスーパーマーケットの折り込み広告と大して変わらないイメージで、パリにあるユニクロのイメージとは、あまりにかけ離れています。

 チラシそのものに関しては、パリでも昔は、ポストに放り込まれていたものも、ペーパーレスで、今や、ほぼ姿を消しています。

 チラシをよくよく見てみれば、商品構成もかなり違うこともあるし、金額もわかりやすく、だいたい安いし、種類も多く、思わず、欲しくなってしまいそうなものもあるのですが、このユニクロのイメージがあまりにパリとは違うことにかなりビックリしたのです。

 パリでは、お店はかなり整然としていて、おしゃれで、そこまで高級品扱いではありませんが、かなり、シンプルでベーシックな商品にしては、ちょっとお高め・・だけど、確実に高品質・・というイメージを持たれている感じで、この日本の折り込みチラシのイメージとはかけ離れています。

 ユニクロの広告は、雑誌などにも載っているし、駅などで見かけることもありますが、まるで、違うメーカーのものみたいなイメージです。

 これは、ユニクロの戦略なのでしょうが、これだけフランスでも存在感を増したということは、フランスでのアピールの仕方は、大成功だったと思われます。

 どっちがどうというわけではありませんが、国によって、こんなにアピールの仕方を変えているユニクロに、あらためて、おそるべし・・と思ったのでした。


ユニクロ 折り込みチラシ ユニクロフランス


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2023年10月3日火曜日

同族経営企業に共通すること

  


 日本では、性加害問題で大揺れのジャニーズ事務所問題が大騒動になっているようで、YouTubeを見ていたりしても、やたらとジャニーズ関係の動画が上がってきて、なんとなく、様子をうかがっているような感じです。

 私は特にジャニーズのファンでもないし、そんなに興味があったわけではなかったのですが、数年前?のSMAP解散騒動の時にも、彼らの解散が発表された時に、たまたま私は日本にいて、夜、テレビを見ていた時に、「SMAP解散!」という速報がテロップで入って、「すごい!こんなに速報で流れることなんだ・・」と驚いたので、なんとなくmその後も印象に残りました。

 日本を離れて長くなり、日本のテレビもあまり見なくなる中、娘が日本語に親しめるようにと、日本の家族が日本のテレビ番組、ドラマやバラエティ番組などを録画して送ってくれていて、特にリクエストしたわけでもないのに、その中にはいつも、SmapSmapという番組が入っていたため、Smapのことは知っていたのです。

 時々、目にしていた騒動を見つつ、同族経営という点で私が一時、務めていた会社と似ている点があり、メリーさんって、あいつにそっくり!と思ったり、能力のない家族に不相応な地位をごり押しで与えるために、邪魔になる、本来ならばとてもやり手の切れ者を理不尽なケチをつけて、ヒステリックに感情的に人を攻撃したりするところが、そっくりだと思ったのです。

 また、周囲からは多少、歪んでいるとも思われるきらいがあるほどの強い家族愛が見られるところも同じでした。

 ジャニーズ事務所の問題は、性加害というそれ以上に絶対的に許されない行為が問題の中心ではあるものの、それが、公にならずに長期間続けられ、マスコミも口を閉ざすことに家族ぐるみで加担していたという、さらに深刻な話ですが、同族経営の弊害というものには、共通するところがあるものだ・・と、私は自分の体験から、つくづく思ったのです。

 ジャニーズ事務所とは、規模が違いますが、家族の誰かが事業に成功し始めた時、これは、人間の心情としてはあり得ることかとも思うのですが、往々にして、そのオーナーは家族を巻き込みたがり、家族だから信頼できるというのもわからないでもないのですが、ずるずると割り込んでくる家族たちは、当然のことながら?能力が伴わない場合が多く、また、能力がないにもかかわらず、結構な要職に就くため、周囲の者はとてもやりにくくて、大変な迷惑を被ることになるのです。

 なぜか、事業をある程度成功させていたオーナーも、それだけの力量と手腕を持ちながら、家族のこととなるとひいき目になり、目が曇り、悪い結果はすべて、周囲の人々のせいだということになり、当然、周囲にはモヤモヤが蓄積し、やるべきことをやらないその家族が大きな足かせになり、会社の発展を悉く遮る結果となるのです。

 家族のこととなると、ヒステリックに庇おうとして、どんな損害が出たとしても、もう感情を抑えることができずに興奮し、大損害をも厭わなくなるところもメリーさんと似ていると思った点でした。(実際にジャニーズ事務所はやり手の社員を追い出し、SMAPという大変な大きな収入源を失うことになりました)

 そこまでゴリ押しして、家族を後継者に据えたとて、能力のない者に大きな所帯を率いることができないことくらい、どうしてわからなかったのか?と思いますが、今回の騒動の成り行きを見るにつけ、性加害が公に問題となり、どうにも隠しようがない状態にまでなった時、対処の仕方で、もう少し、マシな展開があったのではないか?と思うものの、どうにも対応は最悪で、これでもかというぐらいの後継者の能力のなさを見せつけられ、同族経営が最悪の事態を招いたような感があります。

 もっと早い段階で、能力のある人に経営を任せて、株だけ握って遊んで暮らしていれば、傷は浅くて済んだろうに・・、私が関わった同族会社は、他の犯罪に関与していたわけでもなく、また年齢も関係していると思いますが、そこまで悪い事態になる前に会社を売却して、家族揃って、身を引いたので、会社が崩壊するようなことはありませんでしたが、なんとなく、このジャニーズ問題を見るたびに、私は、以前、会社にいたあのオーナー家族たちのことを思い出すのです。


同族経営 ジャニーズ


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2023年10月2日月曜日

健康志向がバゲットの味を変える! バゲットの塩分量制限

  


 WHO(世界保健機構)は、健康のために1日あたりの塩分摂取量は、5g以内に控えることを推奨しており、これにより、血圧を下げ、心血管疾患、脳卒中、心筋梗塞のリスクを下げる効果が期待できるとしています。

 しかし、現状、フランス人の一般的な塩分摂取量は、これを約2~3g超えていると言われています。

 そこで、注目されたのが、フランス人の主食とも言えるバゲットの塩分量で、フランス パン・パティスリー全国連盟は、すでに2022年の段階で、それまでバゲット100gあたり1.7gであった塩分量を1.5gにすると発表していましたが、2023年10月から、この1.5gからさらに下げて、1.3gにすることを発表しています。

 このバゲットの塩分制限については、フランス パン・パティスリー全国連盟と農業省が関わっているもので、本来ならば、厚生省あたりが関わっていそうなところを、農業省というところが生産者側の立場自らが動いている感じがします。

 また、公式にこれらの塩分量を定めるあたり、無形文化遺産として登録されているフランスのバゲットというものをフランスに正しく継承していこうとしている姿勢も感じられます。

 100gあたり0.2gの差が、バゲットの味にどの程度影響するものか?両方を同時に試したことがないので、わかりませんが、たしかにフランス人のバゲット消費量は、侮れないものがあり、フランスでは、年間100億本のバゲットが消費されていると言われており、これは、1秒あたり320本に相当するそうです。なので、少しずつの積み重ねを考える場合、きっと、少なくない塩分摂取量低減につながるのかもしれません。

 つまり、バゲットは、フランス人の1日あたりの塩分摂取量の20%が占められていると言われており、この分の塩分を下げることは、かなり確実な塩分摂取量の低減に繋がることになるというわけです。

 とはいえ、このことで、バゲットの味に変化があらわれることは必須で、減塩による味の低下を補うために、酵母に加えて活性サワー種や酵母エキスなどの代替物を取り入れるなどの工夫を加えていくと見られています。

 そこまで厳密なバゲットの味の変化をフランス人がどの程度、感じ取ることができるのかどうかはわかりませんが、知らず知らずのうちに減塩できていたら、それは、ありがたいことかもしれません。

 しかし、バゲット以上に気になるのは、フランス人の食卓に上ることが多い、ハム・サラミ・ソーセージ・パテ・テリーヌなどのいわゆるシャルキュトリーと呼ばれる食肉加工品。

 これらの食品の塩分は、ちょっと知るのも怖いほどの塩分が含まれていることは間違いなく、塩分摂取量を低減するためには、こっちを何とかする方が大幅に削減できそうな気もしないではありません。

 だいたい、一般的なフランス料理を思い浮かべるに、脂肪分の塊のようなバターやチーズ、生クリームたっぷりのフランス料理に使われるソース類など、決して身体によいイメージはなく、フランス料理で体調を整えるのは、大変な話ではないか?と思わないでもありません。

 しかし、実際には、フランス人は、結構、長寿で、逆にこれだけ、あんまり身体によくないと思われる食品を食べ続けているにもかかわらず、寿命が結構長いのには、この塩分云々以外に何か理由があるのではないか?と思ったりすることもあるくらいです。



バゲット塩分量制限


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2023年10月1日日曜日

インフレと食餌制限と商品価格の感覚の麻痺

  


 今年に入って、具体的に症状が何かあるわけではないのですが、たまたま、かかりつけのお医者さんに、「あなたは、ここ数年、心臓専門医の診察を受けていないから、そろそろ行っておいた方がいいわよ・・」と言われて、心臓専門医にかかる時に持参するために、今年の初め頃に受けた血液検査から、心臓だけでなく、肝臓にも問題があるかもしれないなどと言われて、肝臓の検査まで受けるハメになり、結果、現在のところ、深刻な状態ではないとはいえ、アルコールや糖分は控えるようにと言われて、食餌療法というほどではないにせよ、少々、食事には気を付けるようになりました。

 若い頃は、身体にいい食べ物・・などと言われると、それだけで、なんだかマズそうな気分になる、あまのじゃくな私でしたが、年齢を重ね、実際に、身体に異常が見られ始めたりすれば、気弱にもなり、少々、食べ物には気を付けるようになったのです。

 アルコールに関しては、若い頃から、もう酒瓶を見るだけでワクワクするほどのお酒好きで、ふつうの人の一生分の消費量をとうに上回っている量を消費してきたと思うのですが、どういうわけか、昨年末頃から、全くお酒が飲みたくなくなり、「飲みたいと思わないんだから、無理して飲むこともないな・・」と思って、全然、飲んでいないのですが、「この私がお酒を飲みたくないなんて、私、死ぬんじゃないかな?」と、ちょっと不気味でもあったのです。

 そんなわけで、「肝臓に異常があったから、飲みたくなくなっていたのか・・身体はうまくできてるもんだ・・」と妙に納得したりもしました。

 しかし、お酒を飲まなくなった代わりに、甘いものが食べたくなり、若い頃は見向きもしなかったスイーツ類をやたらと食べるようになり、ワインを買いだめするかわりに、家には、なんらかのスイーツがストックされるようになっていたのです。

 それを「糖分は控えなさい」などと言われて、全く、ゼロにしてしまうのも、あまりに寂しいので、スーパーマーケットで買えるような袋菓子のようなスイーツは一切、買わないことにして、たまに、特別に食べてみたいと思う特別なお店のものなら、まあ良しとしようとすることにしたのです。

 結果、お値段は、ケーキやタルト1個の値段が平均17ユーロとか、ヴィエノワズリーでさえも、1個5ユーロから10ユーロあたりという驚異的な価格で、まあ、それなりの有名どころのパティスリーなどでも、ケーキ1個10ユーロは当たり前の感じで、一度にそんなにたくさん買うわけではないにせよ、かなりのお値段で、値段的にも制限せざるを得ないような感じなのですが、同時に、だんだん、その値段にも麻痺してきてしまいました。

 ある日、あれ?こんな場所にブーランジェリーがあったっけ?と思って入ったお店で並んでいたケーキを覗いてみたところ、お値段が、半分どころか、3分の一くらいのお値段で、あれあれ?ケーキって、一体、いくらくらいのものだったんだっけ? と少なからず、自分でも動揺し、わけがわからなくなってしまいました。

 つまり、私の生活は、非常に偏っていて、日常の買い物は必要最低限のもので、特に夏の間などは、ベランダで野菜を育てて自分で作る質素な食事をし、ごくごく、たまに常識を超えた値段の贅沢なスイーツなどを食べてみるという奇妙なもので、インフレを感じつつも、もう物の値段がわからなくなりかけている奇妙な状態なのです。

 止まらないインフレで、スーパーマーケットに行って、「何でも高くなったなぁ~」と思うことにも慣れてしまっている今、「値上がりしている分だけ、消費を控えればいい・・」などと気安く考えていたのですが、そんな単純なことさえ、商品価格の感覚が麻痺してきていて、わけがわからなくなっているということは、さらに始末に負えないことになってしまっているということなのです。


インフレ 商品価格の感覚麻痺


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2023年9月30日土曜日

ラデュレとカイリー・ジェンナーとのコラボでマカロン無料配布 LADUREE Champs Elysees

  


 たまたま、朝、インスタグラムを開いたら、広告だと思うけど、たまたまラデュレの写真が載っているのを目にして、私にラデュレの広告してもね~などと思いながら、見過ごしてしまいそうになったら、マカロンのコフレ(箱詰め)が無料配布!という文字が目に入って、えっ??となりました。

 場所は、シャンゼリゼのラデュレ、期間限定で毎日、100人にラデュレのコフレを配ります!合言葉は「パワープラッシュ」! 17時から100名様限定・・とあったので、これは、この100人に入るためには、どれだけ前に行けばいいのだろうか? こんなの、すぐに100人になっちゃうから、少なくとも、1時間前には行かなければ・・と16時に行くと、すでに行列が・・。

 昔は、フランス人というものは、行列が嫌い(誰でも嫌いだとは思うけど・・)で、入場制限をしているようなハイブランドのお店などは別として、(これとて、行列しているのは、たいてい観光客)行列してまで、何かを手に入れたりしようとすることはないんだな・・と思っていました。

 しかし、時代は変わったようで、フランス人も行列することを厭わなくなってきて、けっこう、人気のお店の前には、どこも行列ができているのを見かけます。

 少し前に軽い気持ちで訪れた大人気パティスリー・セドリックグロレなどでも、かなり行列に並ぶハメになったし、しかも、今度のラデュレは無料配布、しかも、誰もがニッコリしてしまうラデュレのマカロン、しかも、シャンゼリゼ・・一体、どんなことになるのか?興味もありました。

 今回のラデュレのマカロン配布は、カイリー・ジェンナーのカイリー・コスメティックス(Kylie Cosmetics)とのコラボで、カイリー・ジェンナー自身がチョイスしたフレーバーのマカロンが箱詰めされています。

 なぜ?マカロンとコスメのコラボ?と少々、不思議な気もしますが、ラデュレのお店や色とりどりのマカロンは、大変、フォトジェニックで、いわゆるインスタ映えそのもののような媒体。

 


 このマカロン目当てにラデュレに訪れた人々が、次々に写真に収めて、SNS上で拡散してくれれば、大変な好印象とともに、カイリーコスメティックスのPRにもなるわけです。

 奇しくも、シャンゼリゼのラデュレの正面には、ピエール・エルメがロクシタンとコラボしている店舗が存在し、まさに、マカロン+コスメのコラボが正面対決しているようでもあります。

 


 しかし、残念ながら、シャンゼリゼのラデュレのレストラン自体は、現在、改装中で、可愛く作りこまれたテラス席ならぬテラス上のショップができており、改装中の店舗自体も、インスタ撮影用と言わんばかりのスポットが出来上がっており、ラデュレとカイリーコスメティックスの目論見どおりに、マカロン目当てに訪れた人も、シャンゼリゼを通り過ぎていく人々も皆、写真撮影していきます。



 我が家も娘がいた頃は、彼女がけっこうマカロンが好きだったので、たまに買うことはありましたが、私自身は、それほどマカロン好きというわけでもなく、妙に可愛らしすぎるところも、ちょっと、こそばゆかったりもし、また、何よりもこんなちっちゃいのに、こんな値段!とバカらしい気もして、久しくマカロンを買うことはありませんでした。

 ピエール・エルメが幅を利かし始めてから、マカロン人気は、ラデュレとピエール・エルメで人気を二分するようになりましたが、さりとて、老舗感は圧倒的にラデュレの方があり、とにかく、街中にもけっこうお店はあるし、空港や駅などには、必ずと言っていいくらいラデュレのスタンドが存在します。

 しかし、一時は、ラデュレのマカロンはフランス製ではないことが暴かれたりして、「えっ?」とびっくりしたこともありました。

 今回、1時間くらい並んで、無事、マカロンをゲット!小さいサイズのマカロン8個が入った小箱を手にしながら、このサイズのマカロンは1個 2.5ユーロだから、ひと箱20ユーロ分だ!などと、せこい計算をしてニコニコしながら、家に帰りました。

 


 マカロンなど、もう何年も食べていなかったので、マカロン・・久しぶりだな・・と思いながら、今日は、夜だし、1個にしておこう!と食べると、思いのほか美味しくて、「えっ?マカロンってこんなに美味しかった?」「やっぱり、ラデュレ美味しい!」となり、今後、また、買いに行ってしまいそうで、ヤバい気持ちになりました。


ラデュレ マカロン カイリーコスメティックス


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2023年9月29日金曜日

超高級車で回るパリ フェラーリ・ランボルギーニでのパリ・プチツアー

  


 シャンゼリゼを歩いていたら、もうノエルのイルミネーションの準備が始まっていて、街路樹には、ライトアップ用の電球?がとりつけられ始めていて、まだ9月というのに、なんだか、今年はやけに早くないか?と驚かされました。

 また、依然として工事中のルイヴィトンのとなりのビルは、つい、この間まで、白っぽいディオール仕様のカバー(工事を隠すためのカバー)だったのが、なんだかメタリックな感じのルイヴィトンのマークが一面にバ~ンと貼られていて、あれ?ここディオールじゃなかったっけ?と思いつつ、まあ、どっちにしてもLVMHだな・・などと思いながら、シャンゼリゼは、少し来ない間に様変わりする場所だな・・と思っていました。

 すると、シャンゼリゼの脇道、(ジョルジュサンク(George Ⅴ)あたり)に飛びぬけて派手な車を発見! そういえば、以前から、なぜか、フェラーリとかポルシェとか、やたらと派手な車が停まっている通りがあったな・・と思い出しましたが、それは、この場所ではなく、もっと上の方(凱旋門に比較的近い場所・シャンゼリゼからの脇道)だったのに、どなたか知らないけど、停車場所を変えたのかな?と思っていると、どうやら、私の思っていたのとは、違う理由で停まっている車だったようで、車のフロントには、何やら、広告のような紙が・・。

 「まさか?こんなところでフェラーリ売ってる??」とびっくりしてのぞき込むと、どうやらそれは、レンタル?だったようで、フェラーリとランボルギーニでパリを廻るツアーのようなもので、免許を持っていれば、自分で運転することもできるし、運転してもらって、ジョルジュサンクから、エッフェル塔、エリゼ宮、コンコルド広場、アンヴァリッド(軍事博物館)などを20分ほどで回ってくるプライベートプチツアーのようなものでした。



 自分で運転したい場合でも、隣には、この管理会社の人が同乗するので、ランボルギーニの場合は、一人だけしか乗れず、フェラーリの場合でも3人までしか乗れません。

 また、お値段が強烈で、ランボルギーニ、おひとり様 199ユーロ(約3万1千円)、フェラーリだと1人129ユーロ(約2万円)、2人 159ユーロ(約2万5千円)、3人 189ユーロ(約3万円)と設定されています。

 まあ、考えようによっては、超高級なトゥクトゥクのようなものですが、20分でこのお値段、フロントに置かれている値段表には、要予約となっているので、「予約が必要なんですね・・?」と聞いてみると、「いやいや、今すぐでも乗れますよ!」と。

 いくらなんでも、20分でこのお値段、そうそう利用する人がいるとも思えないのですが、そこはシャンゼリゼ、立ち並ぶお店は高級店ほど行列ができていて、カフェフーケなどのテラス席も満席です。いないこともないかもしれません。



 観光客は通貨の違いなどもあって、金銭感覚が麻痺しがちな傾向もあり、ましてや、せっかくパリに来ているのだから、少々、お高くても・・などと気が大きくなるのもわからないではありませんが、この、初めて見かけた超高級車によるプチツアーという新しいビジネスに驚かされたのでした。

 しかし、平日の昼間などは、まだマシだとしても、けっこう、渋滞も多いパリの中心部、このコースを廻って、20分では到底、済まないことも多々ありそうでもあるし、ましてやこんな超高級車のしかもオープンカー。このように走っていれば、観光客だということは、わかっても、狙われることも充分に考えられるし、そういった対策はとられているのか?と少々、心配にもなります。

 たしか、昨年だったと思いますが、パリの街中の観光地っぽい場所には、トゥクトゥクが急増し、また、それが結構な値段でビックリした覚えがありますが、今度のフェラーリやランボルギーニは、またさらに、桁違いのお値段です。

 あまりのお値段に、半分はやっかみの気持ちがないとも言えませんが、何より、こんな車でパリをうろうろして大丈夫なの?と本気で心配になります。

 観光客にせよ、こんな車を利用する人は、お金を持っているであろう人として目をつけられ、車に乗っている間に襲われなくとも、車から降りて、しばらくして、後をつけられて、襲われる・・など、犯罪者の絶好のターゲットになりうるのではないか?などと余計なことばかり考えてしまいます。

 オリンピックに向けて、観光客向けの新しいサービスが生まれていることは、悪いことではないのですが、このようなビックリ価格を見ると、なんとなく、微妙な気持ちになります。

 しかし、興味のある方は、こちらから、詳細をご覧になれます。Drive Ferrari Lambo


フェラーリ・ランボルギーニのパリツアー


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2023年9月28日木曜日

学校でのいじめの惨状に容赦ない闘いを宣戦布告するフランス政府

  


 久しぶりに登場した感のあるボルヌ首相が、深刻化するフランスの学校でのいじめ問題の惨状に今年度の絶対的な優先事項として、学校および子どもたちが生活するあらゆる場所におけるいじめ問題やハラスメントを掲げ、容赦ない闘いを主導すると宣言しています。

 新年度早々に自殺した子供の事件をきっかけに、この動きが加速化し、パワーアップしたカタチをとりましたが、この問題に関して、組織的に、あらゆる手段を総動員するといくつかの対応策を発表しています。

 まず、いじめに遭遇した場合の通報ナンバーを、より迅速な対応を可能にするために、これまで3本あったナンバーを「3018」に統一して一本化し、通報があった場合は、組織的にただちに「検察官」を送致すると発表。

 また、「SNSによって、嫌がらせ、いじめをする者を徹底的に排除する」とし、深刻ないじめ加害者の携帯電話を没収、またそれに関与した者らの携帯のSNSへのアクセスを禁止することを検討していると発表しています。

 携帯の没収やネットへのアクセス禁止とは、なかなか強引な手段でもありますが、具体的に、誰によって、どのタイミングにどのように実践されるかは、有罪判決を下した裁判官ではないか?などと言う向きもありますが、現段階では未定です。

 新年度が始まる前に、すでに、いじめ問題に関しては、いじめの被害者ではなく、いじめの加害者の方が学校を退学、あるいは、停学になるという法令が施行されたばかりですが、SNSによる嫌がらせやいじめに至る場合は、それだけでは、充分ではないということなのでしょう。

 このいじめ加害者の携帯電話の没収やネットアクセス禁止の新たな措置を見る限り、SNS上での嫌がらせがどれだけ拡大していることか?と思います。

 また、ガブリエルアタル教育相は、2024年度から、学校教育の一環として、学校カリキュラムの中に「共感」の授業を設けることを発表しています。このカリキュラムは実際にオランダで行われて、いじめ問題減少の効果が表れているという授業をモデルにしていると言われています。

 これだけでも、警察、検察などの法務省、携帯に関してのデジタル省、そして、教育省と省庁間をまたがって、連携した対応が必要な問題であり、ボルヌ首相が総動員で連携していいめ問題との闘いを主導するという意味がわかるような気がします。

 たかだか子供のいじめ問題とは、簡単に済まされない惨状が、これだけの政府間の連携に感じられます。

 一度には無理なことは、わかっていますが、これらの措置と同時に、なぜ?いじめるのか?なぜ?嫌がらせをするのか? についてを追求し、原因を考えることも必要なのではないか? 病んでいるいじめの加害者をただ罰するだけではなく、指導していく道も必要なのではないか?と思います。

 今、フランスの学校では、1クラスに2~3人、年間80万人から100万人のいじめの犠牲者が生まれていると言われており、問題は本当に深刻です。


学校いじめ問題 携帯電話没収 ネット遮断


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