2023年10月1日日曜日

インフレと食餌制限と商品価格の感覚の麻痺

  


 今年に入って、具体的に症状が何かあるわけではないのですが、たまたま、かかりつけのお医者さんに、「あなたは、ここ数年、心臓専門医の診察を受けていないから、そろそろ行っておいた方がいいわよ・・」と言われて、心臓専門医にかかる時に持参するために、今年の初め頃に受けた血液検査から、心臓だけでなく、肝臓にも問題があるかもしれないなどと言われて、肝臓の検査まで受けるハメになり、結果、現在のところ、深刻な状態ではないとはいえ、アルコールや糖分は控えるようにと言われて、食餌療法というほどではないにせよ、少々、食事には気を付けるようになりました。

 若い頃は、身体にいい食べ物・・などと言われると、それだけで、なんだかマズそうな気分になる、あまのじゃくな私でしたが、年齢を重ね、実際に、身体に異常が見られ始めたりすれば、気弱にもなり、少々、食べ物には気を付けるようになったのです。

 アルコールに関しては、若い頃から、もう酒瓶を見るだけでワクワクするほどのお酒好きで、ふつうの人の一生分の消費量をとうに上回っている量を消費してきたと思うのですが、どういうわけか、昨年末頃から、全くお酒が飲みたくなくなり、「飲みたいと思わないんだから、無理して飲むこともないな・・」と思って、全然、飲んでいないのですが、「この私がお酒を飲みたくないなんて、私、死ぬんじゃないかな?」と、ちょっと不気味でもあったのです。

 そんなわけで、「肝臓に異常があったから、飲みたくなくなっていたのか・・身体はうまくできてるもんだ・・」と妙に納得したりもしました。

 しかし、お酒を飲まなくなった代わりに、甘いものが食べたくなり、若い頃は見向きもしなかったスイーツ類をやたらと食べるようになり、ワインを買いだめするかわりに、家には、なんらかのスイーツがストックされるようになっていたのです。

 それを「糖分は控えなさい」などと言われて、全く、ゼロにしてしまうのも、あまりに寂しいので、スーパーマーケットで買えるような袋菓子のようなスイーツは一切、買わないことにして、たまに、特別に食べてみたいと思う特別なお店のものなら、まあ良しとしようとすることにしたのです。

 結果、お値段は、ケーキやタルト1個の値段が平均17ユーロとか、ヴィエノワズリーでさえも、1個5ユーロから10ユーロあたりという驚異的な価格で、まあ、それなりの有名どころのパティスリーなどでも、ケーキ1個10ユーロは当たり前の感じで、一度にそんなにたくさん買うわけではないにせよ、かなりのお値段で、値段的にも制限せざるを得ないような感じなのですが、同時に、だんだん、その値段にも麻痺してきてしまいました。

 ある日、あれ?こんな場所にブーランジェリーがあったっけ?と思って入ったお店で並んでいたケーキを覗いてみたところ、お値段が、半分どころか、3分の一くらいのお値段で、あれあれ?ケーキって、一体、いくらくらいのものだったんだっけ? と少なからず、自分でも動揺し、わけがわからなくなってしまいました。

 つまり、私の生活は、非常に偏っていて、日常の買い物は必要最低限のもので、特に夏の間などは、ベランダで野菜を育てて自分で作る質素な食事をし、ごくごく、たまに常識を超えた値段の贅沢なスイーツなどを食べてみるという奇妙なもので、インフレを感じつつも、もう物の値段がわからなくなりかけている奇妙な状態なのです。

 止まらないインフレで、スーパーマーケットに行って、「何でも高くなったなぁ~」と思うことにも慣れてしまっている今、「値上がりしている分だけ、消費を控えればいい・・」などと気安く考えていたのですが、そんな単純なことさえ、商品価格の感覚が麻痺してきていて、わけがわからなくなっているということは、さらに始末に負えないことになってしまっているということなのです。


インフレ 商品価格の感覚麻痺


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2023年9月30日土曜日

ラデュレとカイリー・ジェンナーとのコラボでマカロン無料配布 LADUREE Champs Elysees

  


 たまたま、朝、インスタグラムを開いたら、広告だと思うけど、たまたまラデュレの写真が載っているのを目にして、私にラデュレの広告してもね~などと思いながら、見過ごしてしまいそうになったら、マカロンのコフレ(箱詰め)が無料配布!という文字が目に入って、えっ??となりました。

 場所は、シャンゼリゼのラデュレ、期間限定で毎日、100人にラデュレのコフレを配ります!合言葉は「パワープラッシュ」! 17時から100名様限定・・とあったので、これは、この100人に入るためには、どれだけ前に行けばいいのだろうか? こんなの、すぐに100人になっちゃうから、少なくとも、1時間前には行かなければ・・と16時に行くと、すでに行列が・・。

 昔は、フランス人というものは、行列が嫌い(誰でも嫌いだとは思うけど・・)で、入場制限をしているようなハイブランドのお店などは別として、(これとて、行列しているのは、たいてい観光客)行列してまで、何かを手に入れたりしようとすることはないんだな・・と思っていました。

 しかし、時代は変わったようで、フランス人も行列することを厭わなくなってきて、けっこう、人気のお店の前には、どこも行列ができているのを見かけます。

 少し前に軽い気持ちで訪れた大人気パティスリー・セドリックグロレなどでも、かなり行列に並ぶハメになったし、しかも、今度のラデュレは無料配布、しかも、誰もがニッコリしてしまうラデュレのマカロン、しかも、シャンゼリゼ・・一体、どんなことになるのか?興味もありました。

 今回のラデュレのマカロン配布は、カイリー・ジェンナーのカイリー・コスメティックス(Kylie Cosmetics)とのコラボで、カイリー・ジェンナー自身がチョイスしたフレーバーのマカロンが箱詰めされています。

 なぜ?マカロンとコスメのコラボ?と少々、不思議な気もしますが、ラデュレのお店や色とりどりのマカロンは、大変、フォトジェニックで、いわゆるインスタ映えそのもののような媒体。

 


 このマカロン目当てにラデュレに訪れた人々が、次々に写真に収めて、SNS上で拡散してくれれば、大変な好印象とともに、カイリーコスメティックスのPRにもなるわけです。

 奇しくも、シャンゼリゼのラデュレの正面には、ピエール・エルメがロクシタンとコラボしている店舗が存在し、まさに、マカロン+コスメのコラボが正面対決しているようでもあります。

 


 しかし、残念ながら、シャンゼリゼのラデュレのレストラン自体は、現在、改装中で、可愛く作りこまれたテラス席ならぬテラス上のショップができており、改装中の店舗自体も、インスタ撮影用と言わんばかりのスポットが出来上がっており、ラデュレとカイリーコスメティックスの目論見どおりに、マカロン目当てに訪れた人も、シャンゼリゼを通り過ぎていく人々も皆、写真撮影していきます。



 我が家も娘がいた頃は、彼女がけっこうマカロンが好きだったので、たまに買うことはありましたが、私自身は、それほどマカロン好きというわけでもなく、妙に可愛らしすぎるところも、ちょっと、こそばゆかったりもし、また、何よりもこんなちっちゃいのに、こんな値段!とバカらしい気もして、久しくマカロンを買うことはありませんでした。

 ピエール・エルメが幅を利かし始めてから、マカロン人気は、ラデュレとピエール・エルメで人気を二分するようになりましたが、さりとて、老舗感は圧倒的にラデュレの方があり、とにかく、街中にもけっこうお店はあるし、空港や駅などには、必ずと言っていいくらいラデュレのスタンドが存在します。

 しかし、一時は、ラデュレのマカロンはフランス製ではないことが暴かれたりして、「えっ?」とびっくりしたこともありました。

 今回、1時間くらい並んで、無事、マカロンをゲット!小さいサイズのマカロン8個が入った小箱を手にしながら、このサイズのマカロンは1個 2.5ユーロだから、ひと箱20ユーロ分だ!などと、せこい計算をしてニコニコしながら、家に帰りました。

 


 マカロンなど、もう何年も食べていなかったので、マカロン・・久しぶりだな・・と思いながら、今日は、夜だし、1個にしておこう!と食べると、思いのほか美味しくて、「えっ?マカロンってこんなに美味しかった?」「やっぱり、ラデュレ美味しい!」となり、今後、また、買いに行ってしまいそうで、ヤバい気持ちになりました。


ラデュレ マカロン カイリーコスメティックス


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2023年9月29日金曜日

超高級車で回るパリ フェラーリ・ランボルギーニでのパリ・プチツアー

  


 シャンゼリゼを歩いていたら、もうノエルのイルミネーションの準備が始まっていて、街路樹には、ライトアップ用の電球?がとりつけられ始めていて、まだ9月というのに、なんだか、今年はやけに早くないか?と驚かされました。

 また、依然として工事中のルイヴィトンのとなりのビルは、つい、この間まで、白っぽいディオール仕様のカバー(工事を隠すためのカバー)だったのが、なんだかメタリックな感じのルイヴィトンのマークが一面にバ~ンと貼られていて、あれ?ここディオールじゃなかったっけ?と思いつつ、まあ、どっちにしてもLVMHだな・・などと思いながら、シャンゼリゼは、少し来ない間に様変わりする場所だな・・と思っていました。

 すると、シャンゼリゼの脇道、(ジョルジュサンク(George Ⅴ)あたり)に飛びぬけて派手な車を発見! そういえば、以前から、なぜか、フェラーリとかポルシェとか、やたらと派手な車が停まっている通りがあったな・・と思い出しましたが、それは、この場所ではなく、もっと上の方(凱旋門に比較的近い場所・シャンゼリゼからの脇道)だったのに、どなたか知らないけど、停車場所を変えたのかな?と思っていると、どうやら、私の思っていたのとは、違う理由で停まっている車だったようで、車のフロントには、何やら、広告のような紙が・・。

 「まさか?こんなところでフェラーリ売ってる??」とびっくりしてのぞき込むと、どうやらそれは、レンタル?だったようで、フェラーリとランボルギーニでパリを廻るツアーのようなもので、免許を持っていれば、自分で運転することもできるし、運転してもらって、ジョルジュサンクから、エッフェル塔、エリゼ宮、コンコルド広場、アンヴァリッド(軍事博物館)などを20分ほどで回ってくるプライベートプチツアーのようなものでした。



 自分で運転したい場合でも、隣には、この管理会社の人が同乗するので、ランボルギーニの場合は、一人だけしか乗れず、フェラーリの場合でも3人までしか乗れません。

 また、お値段が強烈で、ランボルギーニ、おひとり様 199ユーロ(約3万1千円)、フェラーリだと1人129ユーロ(約2万円)、2人 159ユーロ(約2万5千円)、3人 189ユーロ(約3万円)と設定されています。

 まあ、考えようによっては、超高級なトゥクトゥクのようなものですが、20分でこのお値段、フロントに置かれている値段表には、要予約となっているので、「予約が必要なんですね・・?」と聞いてみると、「いやいや、今すぐでも乗れますよ!」と。

 いくらなんでも、20分でこのお値段、そうそう利用する人がいるとも思えないのですが、そこはシャンゼリゼ、立ち並ぶお店は高級店ほど行列ができていて、カフェフーケなどのテラス席も満席です。いないこともないかもしれません。



 観光客は通貨の違いなどもあって、金銭感覚が麻痺しがちな傾向もあり、ましてや、せっかくパリに来ているのだから、少々、お高くても・・などと気が大きくなるのもわからないではありませんが、この、初めて見かけた超高級車によるプチツアーという新しいビジネスに驚かされたのでした。

 しかし、平日の昼間などは、まだマシだとしても、けっこう、渋滞も多いパリの中心部、このコースを廻って、20分では到底、済まないことも多々ありそうでもあるし、ましてやこんな超高級車のしかもオープンカー。このように走っていれば、観光客だということは、わかっても、狙われることも充分に考えられるし、そういった対策はとられているのか?と少々、心配にもなります。

 たしか、昨年だったと思いますが、パリの街中の観光地っぽい場所には、トゥクトゥクが急増し、また、それが結構な値段でビックリした覚えがありますが、今度のフェラーリやランボルギーニは、またさらに、桁違いのお値段です。

 あまりのお値段に、半分はやっかみの気持ちがないとも言えませんが、何より、こんな車でパリをうろうろして大丈夫なの?と本気で心配になります。

 観光客にせよ、こんな車を利用する人は、お金を持っているであろう人として目をつけられ、車に乗っている間に襲われなくとも、車から降りて、しばらくして、後をつけられて、襲われる・・など、犯罪者の絶好のターゲットになりうるのではないか?などと余計なことばかり考えてしまいます。

 オリンピックに向けて、観光客向けの新しいサービスが生まれていることは、悪いことではないのですが、このようなビックリ価格を見ると、なんとなく、微妙な気持ちになります。

 しかし、興味のある方は、こちらから、詳細をご覧になれます。Drive Ferrari Lambo


フェラーリ・ランボルギーニのパリツアー


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2023年9月28日木曜日

学校でのいじめの惨状に容赦ない闘いを宣戦布告するフランス政府

  


 久しぶりに登場した感のあるボルヌ首相が、深刻化するフランスの学校でのいじめ問題の惨状に今年度の絶対的な優先事項として、学校および子どもたちが生活するあらゆる場所におけるいじめ問題やハラスメントを掲げ、容赦ない闘いを主導すると宣言しています。

 新年度早々に自殺した子供の事件をきっかけに、この動きが加速化し、パワーアップしたカタチをとりましたが、この問題に関して、組織的に、あらゆる手段を総動員するといくつかの対応策を発表しています。

 まず、いじめに遭遇した場合の通報ナンバーを、より迅速な対応を可能にするために、これまで3本あったナンバーを「3018」に統一して一本化し、通報があった場合は、組織的にただちに「検察官」を送致すると発表。

 また、「SNSによって、嫌がらせ、いじめをする者を徹底的に排除する」とし、深刻ないじめ加害者の携帯電話を没収、またそれに関与した者らの携帯のSNSへのアクセスを禁止することを検討していると発表しています。

 携帯の没収やネットへのアクセス禁止とは、なかなか強引な手段でもありますが、具体的に、誰によって、どのタイミングにどのように実践されるかは、有罪判決を下した裁判官ではないか?などと言う向きもありますが、現段階では未定です。

 新年度が始まる前に、すでに、いじめ問題に関しては、いじめの被害者ではなく、いじめの加害者の方が学校を退学、あるいは、停学になるという法令が施行されたばかりですが、SNSによる嫌がらせやいじめに至る場合は、それだけでは、充分ではないということなのでしょう。

 このいじめ加害者の携帯電話の没収やネットアクセス禁止の新たな措置を見る限り、SNS上での嫌がらせがどれだけ拡大していることか?と思います。

 また、ガブリエルアタル教育相は、2024年度から、学校教育の一環として、学校カリキュラムの中に「共感」の授業を設けることを発表しています。このカリキュラムは実際にオランダで行われて、いじめ問題減少の効果が表れているという授業をモデルにしていると言われています。

 これだけでも、警察、検察などの法務省、携帯に関してのデジタル省、そして、教育省と省庁間をまたがって、連携した対応が必要な問題であり、ボルヌ首相が総動員で連携していいめ問題との闘いを主導するという意味がわかるような気がします。

 たかだか子供のいじめ問題とは、簡単に済まされない惨状が、これだけの政府間の連携に感じられます。

 一度には無理なことは、わかっていますが、これらの措置と同時に、なぜ?いじめるのか?なぜ?嫌がらせをするのか? についてを追求し、原因を考えることも必要なのではないか? 病んでいるいじめの加害者をただ罰するだけではなく、指導していく道も必要なのではないか?と思います。

 今、フランスの学校では、1クラスに2~3人、年間80万人から100万人のいじめの犠牲者が生まれていると言われており、問題は本当に深刻です。


学校いじめ問題 携帯電話没収 ネット遮断


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2023年9月27日水曜日

15歳の少女の不可解な失踪事件

  


 フランスのサヴェルヌ(アルザスとロレーヌの間あたり)の人口が約230人という小さな町で、15歳の少女が突然、行方不明になったという話が大きく報じられています。

 彼女は、土曜日の午前中11時頃に家を出て、ストラスブールに住むボーイフレンドに会いにでかけました。駅までの3キロほどの道のりを電話しながら歩いている様子が11時30分頃までに2人に目撃されています。

 実際には、彼女の携帯電話は11時22分に不通になっていますが、その直前に彼女は自分の乗る乗車予定の時間と到着時間を知らせるため、ボーイフレンドにメッセージを送っています。

 この事件は、彼女が乗っているはずだった電車に彼女は乗っておらず、携帯も繋がらなくなってしまったことから、まず、家族に連絡が行き、比較的早い段階で、彼女の両親は、警察に連絡を入れました。

 のどかな街並みで、街中の人すべてが知り合いのような場所で、突如、何の痕跡もなく姿を消してしまった彼女を家族はもちろんのこと、周囲の人々も大いに心配して、もう数日が経過していますが、未だ行方不明です。

 この事件が失踪事件というのかどうか?わかりませんが、彼女は直前までボーイフレンドに会いに行く途中であり、その時間等の連絡をとっていたことを考えれば、彼女が自ら失踪することは考えづらく、また、彼女が歩いていたと思われる駅までの道には、交通事故等の痕跡もなく、事故とも考えづらく、事件性が高いです。

 彼女の母親はマスコミの前に登場し、涙ながらに、娘の無事を祈っている、そして、捜査に協力して下さっている憲兵隊をはじめ、ボランティアの方々にもとても感謝していると語っています。

 彼女が行方不明になって以来、彼女のカード等が使われた痕跡もなく、彼女の生命の痕跡が絶たれてしまったのではないかと心配されています。

 推理小説のような話でもありますが、人口230人あまりのすべての人々が知り合いであるというような町で、土曜日のお昼近くという時間帯に目撃者が2人だけで、突然、姿を消してしまうというのも不思議な気もしますが、かなりな田舎町、しかも駅までの道のりは歩道ではなく、あまり人目につかないような自転車用のルートを歩いて行かなければならないのです。

 そのルート上にも何も痕跡がなく、また、駅の防犯カメラ等にも彼女は写っておらず、電車内でも彼女は目撃されていないことから、彼女が駅に行く途中で車で連れ去られたのではないか?と見られています。

 彼女が乗っているはずだった電車の到着を待って、駅を何度も歩きまわったという彼女のボーイフレンドの心情を考えるも、いたたまれない気持ちにもなります。もしも、彼女と会う約束をしていなかったら、こんなことにはならなかったかもしれない・・と自責の念にもかられてしまいそうです。

 娘を持つ親として、ちょっと想像するだけでも恐ろしい話ですが、正直、娘がその年ごろに、私は、ほとんどそのような心配をしたことがなく、今さらですが、冷汗もの。このような事件を聞くたびに、よく無事に何ごともなく、育ってくれたことを奇跡のような気がしてしまいます。

 しかし、我が家の場合は、特に娘が未成年の間は、突然、片親になってしまったために、裁判所の監督下にあったということもあり、具体的にこのような心配はしなくとも、娘を一人にすることはできる限り避けていたし、何より、彼女は勉強に忙しくて、休日にボーイフレンドと遊びに行くなどということも全然、ありませんでした。

 しかし、未成年の失踪事件、行方不明事件は、フランスでは年間4万件くらいあるそうで、その中には、自ら家出するようなケースも多く含まれているとはいえ、そんなにいるのか?と、この事件の中で最も驚かされた情報です。

 夫が急に亡くなったときにも感じたのですが、不幸に見舞われたり、また、困難に陥っている人々に対しては、特別ないたわりの情を示し、協力してくれるフランス人の国民性?からも、また、しかも、このようなすべての人々が知り合いのような田舎町での人々の協力体制がどんなに強力なものであるかは、想像に難くないところです。

 もしも、彼女を連れ去った犯人がいたとしたら、間違いなく、この事件が国中で大騒ぎになっていることを知っているはずで、一体、どのような人物がどのような目的で彼女を連れ去ったのか? 異常者であれば、再犯の恐れもあるわけで、出来るだけ早い事件の解決が切望されます。

 また、捜索のために公開されている彼女の写真を見る限り、ブロンドの悲しいほど可愛らしい女の子です。しかし、私の勝手な見解ではありますが、14~15歳という年齢は、やたらと事件に巻き込まれることが多い気がするのは私の気のせいでしょうか?


15歳の少女の失踪事件


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2023年9月26日火曜日

今度はプリンターが壊れて大わらわ・・

  


 夏、真っ盛りの時期に冷蔵庫が壊れて、なんとかネットで色々、調べて復活を試みるも結局、功を奏さず、あきらめて、慌てて冷蔵庫を買いに行ってから、まだそんなに経っていません。

 もう買い替えると決めると、もうすぐにでも・・となり、やはり結構な大きな出費となるため、さすがにネットで買うのは、躊躇われ、自分の目で見て、サイズ感などを目の当たりにして選びたいと電気屋さんに行って注文し、翌日には、冷蔵庫が届いて、壊れた冷蔵庫は、引き取ってもらいました。

 新しい冷蔵庫は、運んできてくれた業者のおじさんがセッティングしてくれて、スイッチを入れて、ちゃんと稼働するか確認してくれて、1時間くらいして冷えてから、中身はいれてください・・と教えてくれました。

 やはり、新しい冷蔵庫はよく冷えて(あたりまえですが)、快適でしたが、慌てて、設置してもらったために、電源コードの位置が悪く、一旦、コードの向きを変えるためにコードをいったん外して、電源を差し替えたら、いきなり、ピーピー冷蔵庫がアラームのような音がし始めて、何ごとか?と焦って、ちょっと絶望的な気分になりました。

 とにかく、電化製品、そして、ネット、いわゆるデジタル関係などに、ものすごい苦手意識を持っている私(苦手意識だけでなく、実際に苦手)は、必要以上にパニック状態になるのです。

 とにかく、大金をはたいて、今、届いたばかりの冷蔵庫に、もうアラーム??と焦りまくり、配達に来てくれたおじさんを呼び戻そうかと真剣に考えたくらいです。

 しかし、幸いにも、アラームの音は、次第に小さくなっていき、そのうち、消えてくれました。慌てて、おじさんを呼び戻さずにすんで、少々ホッとしました。

 そんな冷蔵庫の故障から、そんなに経っていないというのに、今度は、プリンターが壊れて、また、慌てることになりました。少し前から調子が悪くて、怪しいな・・と思っていたところ、ついに壊れてしまったのです。

 たまたま郵送しなければならない書類があって、パソコン内に保存していたものを印刷しなければならないタイミングでした。結局、プリンター用のインクを買ったばかりだったので、ケチ根性で、このインクが使える機種にしようと同じメーカーのものを選び、さすがに、それをネットで注文すると、配達は翌日、または翌々日・・となっていて、おいおい・・2日間も来るかどうか待ち構えていなくちゃならないの?と思ったものの、運よくプリンターは翌日配達され、ヤレヤレ・・と安心したのもつかの間、今度は、そのプリンターとパソコンを接続しなければなりません。

 そういえば、前のプリンターの時には、まだ家に娘がいたので、娘任せにしていた私。コードで繋ぐならともかく、無線でwifiにつなぐとなると、私には、ハードルが高くなり、ものすごいストレスです。

 そもそも、家のネット環境、携帯などに関しては、デジタル世代の娘に一任していて、未だに、よくわかっていない私。ラクラクとこなしていく彼女がやってのけるように、私にはいくはずもなく、もうとりかかるのも大変、気が重く、それでも致し方なく、これまたネットで調べて、接続の仕方をしらべ、手順どおりにプリンターを設定するためのファイルをダウンロードして、手順どおりに進めるも、「接続するプリンターが見つかりません・・」と出てきます。

 何度、繰り返してもできずに、仕方なく娘に電話。まずは、家のネット環境とプリンターを繋がなければならないということに気付かずにいた自分が情けないやら、もう疲労でぐったり。

 そんな中、外で携帯でのネットが繋がらなくなり、もうトラブルに次ぐトラブルで、もう心底ウンザリ。

 いちいち、このようなトラブルのたびに私から「助けて!」メッセージが届く娘には、もう慣れているとはいえ、いい加減、あきれられていることはわかっても、どうしようもないのです。

 結局、娘に教えてもらったとおりにプリンターとネット環境を繋いで、なんとか、プリンターは稼働するようになり、おまけに、携帯電話の方もプリンター騒ぎでワタワタ携帯を懐中電灯がわりに使った際に私がいらぬところを触ってしまったおかげで、ネットが絶たれたことが判明。

 娘も呆れて、「まさかとは思ったけど・・」と返す言葉もない様子。

 デジタルネイティブ世代にはわからない、この電化製品、ネット環境周りのことに対する苦手意識(というか苦手)とこのストレス。

 今の時代を生きていくためには、必要不可欠なものとは知りながら、これらのことでトラブルが起こるたびに、過剰に絶望感を感じるのです。

 昭和生まれの私が子供の頃には、携帯やネットなどはSFのような話だったのに、あっという間に時代が変わり、もはやそれがないと生活できないくらいになっていて、見事に私は、それに取り残されそうになりつつあるのを必死にぶらさがっている感じです。

 以前、私が若い頃に、家庭用ビデオができて、母がテレビの録画などができなくて、「なんで、こんなことができないんだろう?」と不思議に思ったのを記憶していますが今の私は、娘にとって、きっと、そんな存在になっているのだろうと、このような件で娘に頼るとき、いつもあのビデオの録画のことを思い出すのです。

 と、ここまで書いたところで、今度はタブレットが壊れた模様。今度はこっちのネットが繋がらなくなった!!今年は色々、壊れる年なのか・・本当についていない・・もう嫌だ・・新しいの買った方が早いかもと思ってしまうのはダメですか??


デジタルネイティブ


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2023年9月25日月曜日

ワインの国フランスでのノンアルコールワイン市場拡大

  


 これまで私は、ノンアル、あるいは、ノンアルコールといえば、ビール・・かな?と思っていたのですが、どうやら、最近、フランスではノンアルコールワインなるものが市場を拡大しつつあるらしく、ノンアルコールのワインなんて、あるんだ??とちょっと驚かされました。

 そもそも私にとって、アルコール飲料は、その味はもちろんのこと、多少なりとも、酔い心地を楽しみたいというものでもあって、アルコールが入っていないなら、なにもそこまでして、ビールを飲みたいというものでもなく、私はこれまでノンアルコールビールですら、飲んだことがありませんでした。

 それが、ここのところ、ノンアルコールワインの市場が拡大していると聞いて、ノンアルコールワインなんてあるの?と驚いた次第です。

 ワインといえば、原材料はぶどうで、アルコールが入っていないならば、ぶどうジュース?と思ってしまいそうなところですが、ノンアルコールワインとは、正確に言えば、脱アルコールワイン、あるいは、非常に低レベルのアルコールのみを含むように作られたワインの一種であると言われています。

 そこでは、うんちくを延々と語りそうなフランスでは、そんなものを「ワイン」と呼んでいいのか?などと論争が起こりそうなところでもありますが、一応、欧州連合では、この「ワイン」という名称は、少なくとも7%のアルコールを含んだものに制限する法律があるそうなので、ノンアルコールワインをワインと呼んでよいものかはわかりませんが、現在、一般的に売られているノンアルコールワインのアルコール含有率は香りを保つための、せいぜい0.3%程度で、カロリーは一般的なワインの3分の1と言われています。

 カロリー3分の1というのは、ちょっと惹かれる気もしますが、ワイン好きのフランス人に言わせれば、アルコールの入っていないワインなど、「カカオの入っていないショコラみたいなもの・・」と、かなり邪道な扱いをする人もいます。

 当初は、糖尿病患者やスポーツ選手、妊婦を対象に作られていたこのノンアルコールワインは、現在ではアルコールを摂取したくない人すべてに市場が開かれつつあります。

 このノンアルコールワインは、アルコール入り?のワインからアルコールを除去して作られる製法が主流であると言われていますが、そもそも発酵をおさえて造る製法もあるようです。

 ぶどうを発酵させて、アルコール入り?のワインを作るところ、そこからアルコール分を除いてしまったら、一緒にワインの香りも飛んでしまいそうなところですが、そこを香りを損なわずに製造するところが、ノンアルコールワインの生産者の腕のみせどころのようです。

 実際にフランス人のワイン離れが語られるようになって久しく、特に若者たちの間でよく飲まれているのは、ビールやウォッカなどを使った別の飲み物に変化しつつあり、スーパーマーケットの売り場を見れば一目瞭然、かつて、広いスペースを割いていたワインのカーヴ(ワイン用のスペース)は縮小され、代わりにビールの棚がずっと拡大し、種類も大幅に増えました。

 そんなワインの人気停滞から、なんとか、別の顧客層を拡大しようとしているワイン市場、一部のワインの生産者は、ノンアルコールワインの生産を選択する人が増加していると言われています。

 実際にジロンド県(ランディラ(ボルドー地方))の大手ワイン輸出業者がこのノンアルコールワインのために、350万ユーロを投資して、ワインを約 40℃ に加熱する新しい工場を建設しています。

  この真空温度ではアルコールと香りが蒸発し、その後、香りのみが脱アルコールワインに戻るそうで、ワイン市場の客離れに貢献できるものであると期待されているそうです。

 個人的には、ノンアルコールビールと同じで、酔わないアルコールなしのワインは飲まなくてもいいかな?と思ってしまいますが、カロリー3分の1という点では、魅力的に感じるところもあるので、ノンアルコールワインという呼び方よりは、カロリーオフワインという方が、売れるのではないか?などとも思います。

 それでもフランスでは、秋になるとスーパーマーケットでは、ワインフェアなどをやっていて、カタログ片手にワイン好きのおじさんたちが集まってくるのですが、やはり、見渡す限り、どう考えても、年齢層は高め、「アルコールは控えて・・」などと言われる人も多いのだろうと思えば、このワイン離れの進むフランスでのノンアルコールワイン市場の拡大は、たしかに需要はあるかもしれません。


ノンアルコールワイン


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