ガレット・デ・ロワは、年明け1月6日のエピファニー(公現節)に食べるお菓子で、その王様のガレットと呼ばれるとおり、ガレット・デ・ロワを買うともれなく紙の王冠がついてきます。中にはフェーブと呼ばれる小さな陶製のお人形などが入っており、切り分けて食べたときに、そのフェーブが当たった人は、その年、幸運が訪れると言われ、祝福を受けて王冠をかぶせてもらうという古典的なお遊びを含んだお菓子です。
以前に比べると、このガレット・デ・ロワは、ノエル前からスーパーマーケットなどには、登場するようになっていますが、その本番は、年明け早々のフランスの家族や友人の間での一つの行事のようなもので、この時期にしか並ばないお菓子です。
年末年始と、ノエルのブッシュ(丸太型のケーキ)やごちそうに始まり、年越しのカウントダウンに続くこのガレット・デ・ロワは、カロリーの過剰摂取の極めつけのような存在で、この時期、家族はもちろんのこと、友人同士や会社などでも、誰かしらがガレットを買ってきて、シャンパンを開けては「Bonne année ボナネ~!」となるため、なかなか罪悪感にかられる代物でもあります。
以前、甘いものがあまり得意ではなかった私でもこれは好き!と思っていたガレット・デ・ロワは、甘すぎず、サクサクのパイ生地だったりすることもあって、食べやすいのですが、しかし、普段、私はそんなに食べることのないパイ生地というものも、なかなかハイカロリーな上に、中身はアーモンドバウダーのマジパンのようなクリーム、つまり、バター、卵、小麦粉、砂糖、アーモンドパウダーの詰まった計算してみるのも恐ろしいカロリー爆弾なわけです。
通常、一般的なケーキ類の平均カロリーは、100gあたり338kcalなのに比べると、このガレット・デ・ロワは、456kcalなのだとか・・。もちろん、製品によって、差はあるものの、あらためて、自分が食べた分量に対して反省してしまうカロリー爆弾ぶりです。
しかし、一年のこの時期だけという言い訳が先に立ち、また行く先々で「ホレホレ~食べないの?」と言わんばかりにこの時期、どこのスーパーマーケットでもブーランジェリーでもこのガレットが見事に並んでいるのを見ると、やっぱり縁起ものだしな・・などと思いながら、ついつい手が伸びてしまうのです。
値段は、それこそ、かなりばらつきがあるようで、モノプリなどのスーパーマーケットだと6~9ユーロ(約840円~1250円)程度、PAULなどのお店だと小・中・大(4-6-8人分)16.5、24、29ユーロ(約2300円~4000円)くらい、一人分という小さいものもありますが、一人分のものには、フェーブが入っていません。
また個々のブーランジェリーだと、かなり大きさにバラつきがあって、計り売りなのか、妙に半端な値段で売られていたりもします。
私は今年は、最近、ドハマりしているストレー(パリ最古のパティスリーと言われているお店)というお菓子屋さんで、今年はこの1個だけ!と誓って少々、高いな・・と思いながら、どうしてもここのガレットが食べてみたくて買いました。
私史上、最も高いガレット(30ユーロ・4人分)でしたが、材料がいいのか、バターがいいのか、とにかく軽くて、美味しいガレットで、「やっぱりすごい!」と感激しながら、しかし、いやいや・・いくら軽くてもカロリーにかわりはない・・と自分を戒めるのでした。
とはいえ、感動的に美味しかった・・。
ここのお店には、ドライフルーツに彩られたブリオッシュ生地のガレットもありましたが、ブリオッシュ生地の方は多少、カロリーが下がるようです。
年末年始のカロリー過剰摂取期間は、一応、このガレットで締めくくられることになりますが、実は、この後、クレープの日(2月)が残っています。