学校は、できる限り閉鎖せずに、検査と隔離を繰り返しながら、継続しようとしているものの、感染者数や教員の欠員のために、現時点で、19,000近いクラスが学級閉鎖になっています。これは、全国の学校の3.56%に相当します。
そして、全国の学校の0.25%に相当する152校が休校となっています。
先日のカステックス首相のワクチンパススタートとともに、いくつかの感染対策の制限解除の日程が発表されましたが、学校については、冬休みのバカンス明けに、(冬休みの期間は、3つの地域ゾーンごとにずらされて設定されています)、この時間を利用して状況を確認し、全ての地域のバカンスが終わる頃に再び保健当局と連絡を取り、どの程度までシステムを適応させることができるか確認する "と述べています。
最終ゾーンのバカンス終了は3月7日なので、それまでに、学校での感染状況を考慮しながら、制限の緩和は検討するとしています。まだ少し、先のことです。
そして、同時に、子供のワクチン接種についても、義務ではないものの、ワクチンの有効性が確認されてきていることから、これまでリスクの高い既往症等のある子供に限られていた12歳〜17歳の年齢層に向けてのブースター接種を来週24日から、全ての子供(12歳〜17歳)に向けて解禁することになりました。
すでにこの年齢層の2回のワクチン接種は400万人近く行われているため、ブースター接種を急ぐことで、学校の安全対策を確保しようとする動きです。
学校の検査と隔離のルールは、大変、複雑で、感染した場合、接触者の場合、そして、それぞれ、ワクチン接種済みの場合と未接種の場合は、それぞれにルールが違います。
例えば、感染した場合、ワクチン接種をしている子供は7日間の隔離(5日目の検査結果が陰性ならば、5日で隔離終了)、ワクチン未接種の子供は、10日間の隔離(7日目の検査結果が陰性ならば、7日で隔離終了)になります。
また、接触者になった場合、ワクチン接種をしている子供は隔離なし(即日、2日後、4日後のオートテストをする必要がありますが・・)、一方、ワクチン未接種者は、接触者になった場合は、7日間の隔離が必要です。
検査と隔離の繰り返しに辟易している子供たちも保護者たちも、子供とはいえ、ワクチン接種が進めば、感染のリスクだけでなく、この検査と隔離の繰り返しのリスクを軽減することができるようになります。
まだ開発されて間もないワクチンで、将来的にこのワクチンが子供に及ぼす影響を心配するのは、充分、理解できます。ましてや子供は重症化するリスクが低いとなれば、子供のワクチンは、子供自身のためというより、周囲に感染を広げないためです。
我が家には、もう小さい子供がいないので、そのワクチン接種の将来的な影響を心配することは、ありませんでしたが、今、もしも娘が、まだ未成年の段階であったらば、どうしただろうか?と考えてしまいます。
検査や隔離の作業の煩雑さや、そのために学校に行けずに学業にも影響を及ぼすとなったら、やはりワクチン接種に踏み切るのも止むを得ないかもしれません。
学校のストライキ・デモも初回からは、動員数が減少したものの、2週連続で続いています。この学校のストライキやデモでさえ、子供のワクチン接種で感染が減少すれば、消滅するはずのものです。
いずれにせよ、結局、現在頼れるのは、ワクチンだけで、ひたすらワクチン接種にこだわり、ワクチンパスまで起用する政府の方針は、やっぱり妥当なのかもしれません。
近隣のオーストリアでは、ワクチン接種の義務化(オーストリアのワクチン接種率は、現在72%)が決定し、ワクチン未接種者には、3月中旬以降、罰金3,600ユーロ(約46万円)が課されることになるそうです。
でもこれは、いくらなんでもフランスでは、絶対、ありえないこと。こんなことをしたら、フランスだったら、暴動が起こりかねません。
子供のブースター接種解禁 子供のワクチン接種 学校の検査と隔離
<関連記事>
「前代未聞の歴史的規模の学校の感染対策への教職員組合のデモとストライキ」
「1日の新規感染者が30万人でも閉鎖しない学校の大混乱 来週には学校はストライキの予定」
「フランスの1日の新規感染者数46万人突破と子供の検査を放棄し始めた保護者」