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慌てて検査に行ったところ、陰性でした・・ |
フランスで現在、使用されているヘルスパスのアプリは、「TousAntiCovid」(トゥースアンチコヴィット)と言って、もともとは、ワクチン接種が始まる前に出来上がっていた感染者追跡アプリでした。
感染者を追跡し、感染者との接触を回避する、また感染者と接触した場合に直ちに検査して、さらなる感染を回避するために作られたのですが、当初はあまり使用する人がおらずに、その効果は上がっていませんでした。
現在は、ヘルスパス(ワクチン接種証明書など)として使用されているために、かなりのフランス国民が自分の携帯にダウンロードしているものと思われます。ヘルスパス以外にも、全国(フランス)の感染状況、ワクチン接種状況などのオンタイムの情報もこのアプリで情報を得ることができます。
実際に、私も日常的には、ヘルスパスとして使用しているため、これが、感染者追跡アプリでもあったことを忘れていたくらいでした。
ところが、先日、夜になって、そのアプリに「アラート」(注意)!と連絡が入っていて、「あなたが、もしワクチン接種をしていなければ、感染のリスクが高いです。直ちに隔離して、検査を受けてください」というお知らせ。
そして、私が感染者と接触した可能性がある日付が記されていました。しかし、記されているのは日付だけで、一体、どこで感染者と接触したのか等は、記載されていません。もう、その日付から数日経ってのことなので、もしかしたら、アラートが来ているのに気付かずに数日経ってしまったのか?と思いながら、「明日、行けたら検査に行こうかな?」くらいにぼんやりと考えていました。
ところが、翌朝になって、またアプリを確認すると、すると昨日の日付に加えて、さらにその翌日の日付でのアラートが入っていました。「これは、私が見過ごしていたわけではなかった」ことを悟った私は、「これでは、私は毎日のようにどこかで感染者と接触しているのではないか!」と、慌てて薬局に検査に行きました。
実に私は、パンデミック以来、一度もこの検査を受けたことはなく、初めての経験でした。
日頃、あまり出歩かない私にさえ、アラートが来るのだから、これでは薬局も混雑しているだろうと思って覚悟していくと、予想どおりに薬局は、検査を受けに来る人で溢れかえっていました。
9月以来、ワクチン接種を拡大させるために、ワクチン未接種の人に対しての検査は有料になっていますが、ここでもワクチン証明書を提示すれば、検査は無料でやってくれます。
薬局の検査対応の人は、大変、忙しそうで、「以前よりもずっと陽性の人が多いのよ・・」と、嘆いていました。検査に来るということは、症状がある場合とも限らないものの、私のように感染者と接触し、感染している可能性のある人が来ているわけで、しかも、その中から陽性者が多く見つかるようになったということは、この薬局に来ること自体、感染者との接触に繋がらないことにもなりかねないという事実に空恐ろしいものを感じました。
一緒に生活している娘には、アラートは来ていなかったものの、数日前に会った友人から、「感染した」という知らせが入り、親子揃って検査にいくハメになりました。
私は、12月の初旬に3回目のブースター接種を済ませ、娘もその翌週に済ませていますが、リスクがある限り、検査はしなければ、安心はできません。できるだけ、外出は控えていた私ではありますが、アラートが来ていた日付には、ノエルの買い物に結構な時間、パリの街をあっちもこっちもと出歩いていた日、外食したわけでも個人的に誰かと会ったわけではありませんが、ずいぶん、人出が多いなぁなどと思いつつも、マルシェ・ド・ノエルを覗いたりもしていました。
しかし、その翌日のアラートが来ていた日は、家にアパートの管理人さんが来てくれたくらいで、外出はしていません。となると、彼女が感染していたのか?としか、考えられません。
とにかく、感染者追跡アプリのアラートといい、娘の周囲での感染状態といい、もはや、少しでも誰かと接触すれば、かなりの確率で感染のリスクがあるのか・・と思わずには、いられない、これが1日の感染者10万人のフランスの現状なんだ・・と実感していました。
幸い、親子ともども、検査の結果は陰性でしたが、娘の友人で、感染者と接触して、4日後に検査に行った時には、陰性で、そのさらに2日後に検査に行ったら、今度は陽性だった・・などという話も聞くので、感染者と接触しても、何日後に検査で陽性が出るのかもよくわからないため、現在、娘は念のため・・と家の中でもマスクをしてくれています。
私は、「もしも、あなたから感染して死んでも、悔いはないよ・・」と言ったのですが、「そんな寝覚めの悪い、どれだけ、後で自分を責めることになるかわからない?」と娘から反対に怒られてしまいました。
同じ家にいながら、半隔離状態のような生活・・あと、どれだけ娘と暮らせるのかもわからないのに、本当に悲しいことです。
ますます、生き辛くなってきたこの感染状況、明日の朝もまた、アラートがついているかもしれないと、しばらく、毎日、検査に行かなければならないか?と覚悟しています。
ここまで書いたところで昨日のフランスの1日の新規感染者数が17万人超え(ほぼ18万人)であったことがわかって、思わず絶句してしまいました。
今日の薬局での「陽性者がとにかく多くて・・」という話からも、ありえない話ではないかもしれないとは、思ったものの、それにしても10万人から17万人とは、あまりの急増・・1月には、25万人を突破するかもしれないという昨日のオリヴィエ・ヴェラン保健相の話も現実的になってきたのかもしれません。
このまま大した規制もなく、大晦日のカウントダウンを迎えるのでは、いくら、大統領選挙を前にして、マクロン大統領が国民に嫌われたくなくて、規制を控えているとしても、本当にこのままにするのかと思うと、彼の真意を逆に理解し難く感じてしまいます。
フランス1日の新規感染者数18万人 新記録更新
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