2021年5月2日日曜日

フランス人にとってメーデーは特別な日 2年ぶりの5月1日メーデーのデモ 

      毎年のことですが、5月1日のメーデーは、フランスでは祝日で、「労働者のための祭典」と呼ばれ、スズランの花を送り合う習慣があります。この日の少し前からは、スズランの花がどこでも売られていて、当日などは、街を歩けば、お花屋さんはもちろんのこと、どこから摘んでくるのか、小さなブーケにしたスズランの花を売っている人があちこちに登場します。        あちこちで売られている小さなスズランのブーケ 反面、最近は、夜間外出禁止のために時短営業を強いられているために、店舗も日曜・祝日も営業しているのですが(もともと時間関係なしに営業停止になっている店舗もありますが・・)この日ばかり...

2021年5月1日土曜日

インド変異種(デルタ株)がフランスにも上陸していた

   つい数日前に、オリヴィエ・ヴェラン保健相がフランスでは、まだインド変異種は発見されていないと言っていたのに、やっぱり、すでにフランスにもインド変異種は上陸していました。 現在のところ、フランスで確認されているインド変異種の症例は、7例(うち2例は海外圏グアドループ)で、ヌーヴェル・アキテーヌ(フランス中部から南西部にかかる地域)、ブーシュ・デュ・ローヌ(プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地域圏)で検出されています。 保険当局によると、今のところ、これらの感染者は、インドに渡航歴のある人やその家族で、現在のところ重症化には至っていないということです。 とはいえ、世界で2番目に人口の多いインドで、1日の新規感染者数が40万人を超え、1日の死者が4千人を超えるという壊滅的な状況は、フランスでも毎日のように報道されているインドでの酸素ボンベを奪い合う人々、一つのベッドに複数の人が寝かされている状況、死体が次々に火葬されている終末期的なシーンに、この変異種の脅威を感じずにはいられません。 すでに猛威を振るっているイギリス、ブラジル、カリフォルニア、南アフリカ変異種に次ぐ新たなインド変異種は、新たな脅威的な変異種として世界に認知されるようになりました。 インド変異種(B.1.617変異種)として認知されているこの変異種は、2020年10月にインド中部のマハラシュトラ州のガプールで最初に検出されました。この変異種の出現以来、インド国内で20万人以上の死者を出し、すべての大陸に広がっています。 インド変異種は、...

2021年4月30日金曜日

ロックダウンの段階的な解除日程 マクロン大統領がプレス公開とツイッターで発表した理由

  マクロン大統領は、5月3日から、4段階に分けたロックダウンを解除していく日程を発表しました。数日前に、カステックス首相から、以前に発表されていた5月半ばからのロックダウン解除の日程については、週末にマクロン大統領から発表があることが知らされていたので、国民は、それを待っていました。 ここのところ、フランスでは、ロックダウンにしても解除にしても、実際の発表の前にその内容の概ねは漏れ聞こえてくるか、発表した途端に内容が変更になったり、中止になったり、グタグタの状況で、わけがわからないことが多くなってきています。 そして、ここへ来て、またマクロン大統領から発表されるとされていたロックダウン解除の日程は、プレスへの公開とマクロン大統領自身のツイッターで発表されるという前代未聞の公開の方法が取られました。 pic.twitter.com/B8VsaRuC1P—...

2021年4月29日木曜日

モンペリエ近くの高齢者施設でクラスター ワクチンは完全無欠ではない

    もはや、フランスでの唯一の救いと思われるワクチン接種は、接種の権利を得られる範囲をどんどん拡大してはいるものの、現在のところ、フランスのワクチン接種状況は、1回でもワクチンを接種した人は、まだ20%程度、5人に一人の割合と、まだまだ、感染拡大を止めるには、ほど遠い状態です。 ワクチンが思うように届かないという問題もありますが、保存方法の問題から、一番、色々な場所での接種が可能なアストラゼネカワクチンを拒否する一定の割合の人が存在し、せっかく届いているワクチンを開封してから、接種しきれずに廃棄せざるを得ないことを嘆く医者がその現状をSNSで公開して訴えたりしています。 かと思えば、少しでも早くワクチンを受けたい人が廃棄するぐらいだったら、ワクチンを接種してほしいと、予約なしでも行列を作っていたり、どうにも、まんべんなく、ワクチンを供給することができていないようです。 マクロン大統領は、思い余って、24時間、年中無休でワクチンを!などとまで、口をすべらしていますが、もともと、効率よく、急いでさっさと事を進めるのが苦手なフランスです。この状況においても、フランスは、急速に事を進めることができません。 そんな中、唯一の希望であるはずのワクチン接種に危うい状況が浮上してきました。 85%の居住者がワクチン接種を済ませている状況のモンペリエ(フランス南部・オクシタニー地域圏)近くの高齢者施設...

2021年4月28日水曜日

コロナ渦中のフランスの歯医者③ ミューチュエル(国民健康保険でカバーしない分をカバーする保険)乗り換え

     コロナウィルスのおかげで、ずっと先延ばしにしていた歯の治療に重い腰をあげたのが、昨年の10月初めのことで、最初のロックダウンから半年以上経った頃で、なんといっても、室内でマスクを外さなければ治療を受けられない歯医者さんは、コロナウィルスが蔓延してからは、恐怖だったのです。 それでも、昨年の最初のロックダウンが解除されて、結局、多くの人がバカンスに出かけたフランスでは、秋頃から、また雲行きが怪しくなってきて、ようやく意を決して、今、行かなければ、またロックダウンかも・・と思いながら、コロナ渦中の歯医者さんに出向いたのでした。 その時点でも、歯医者さんは、入ってすぐに非接触体温計での体温チェック、プラスチックのガウンと頭に被るカバーまでつけさせられて、持ってきた荷物も預けるというなかなかな衛生対策ぶり・・細かな問題はあるにせよ、フランスにしては、なかなか気を配っている方だろうな・・と思っていました。 その後、抜歯してから、抜いた後がしっかり固まるまでということで、その後、数回、通っていましたが、まだ、しっかり固まっていないということで、次の段階に進めぬまま、抜いた歯をインプラントにするか、入れ歯にするかの決断を強いられていたのでした。 結局、食べることが大好きな私としては、やはり歯は何よりも大事。やっぱり多少、お金がかかっても、インプラントにしようと決めると、今度は、抜いた隣の歯が虫歯になりかけているから、まず、その治療をしてからの方がいいと言われて、インプラントと、もう一本の歯の治療の分の見積もりをもらってきたところまでで、前回の治療は中断していたのでした。 インプラントに加えて、隣の歯まで??とちょっと遺憾に思った私は、一応、日本にいる従姉妹に相談したりして(彼女のご主人は歯医者さん)、結局、両方、やることにしたのですが、その間、歯医者さんに出してもらった見積もりをミューチュエル(健康保険でカバーしきれない分をカバーする保険会社)に送って、いくら戻ってくるのかを確認したりして、(実際は、そんなにレベルの高い保険でもないためにあまり戻ってこない)今回の診察に臨んだのした。 ちなみにインプラントともう1本の歯の治療でかかる費用は、2,800ユーロ程度(約36万円)そのうち、1,000ユーロ近くが保険で戻るようです。 もうコロナ禍の診察にも慣れた様子で、体温チェックはありませんでしたが、相変わらず、プラスチックのガウンと頭に被るカバーは継続していて、歯医者さんに「ワクチンは受けましたか?」と聞いたところ、「もちろん!もう2ヶ月以上前に2回目の接種が済んでるわよ!」と即答されて、ちょっと安心・・考えてみれば、防御はしているとはいえ、マスクなしの患者さんと毎日接して、患者さんの飛沫を飛ばしまくるの歯医者さん、かなりリスクの高い仕事です。 ちなみに私の歯の治療のことで相談に乗ってもらった日本にいる従姉妹の旦那さんは、歯医者さんなのに、まだワクチンできていないと言っていました。 今回の歯医者さんの治療で、これまで入っていた保険は、毎月支払っている金額にしては、いつの間にか、カバーできる範囲が減っているようで、(毎年、自動更新なので、そのままにしていました)、今年いっぱいで、他のミューチュエルに乗り換えることにし、(それでも、ゼロではないので、今の段階で変えるのはもったいないので)この2本の歯に関しては、年内に治療を終わらせて!と頼んで、いよいよ本格的な治療が開始されました。 今年は、これまで使っていた銀行も乗り換えたので、それに引き続き、来年は、保険会社も乗り換えすることにしました。 普段は、大して医者にもかからない私なので、ついつい放ったらかしになっていた保険、しかし、もしもの時が怖くて、そのままにしていたのですが、この際、今まで払っていた分を少しは取り返そうと、今年のうちに、メガネも作り直そうと思い始めたのでした。 しかし、銀行、保険、歯医者に眼医者(保険でメガネを作るために処方箋が必要)と次から次へとできる用事が医者のハシゴとは・・バカンスにはどこにも行けない分、使うお金も時間も医者通いとは・・年齢を感じるばかりです。<関連記事>「コロナ禍中のフランスの歯医者...

2021年4月27日火曜日

コロナウィルスワクチンのつもりが生理食塩水を注射されていた140人 エペルネ グラン・テスト地域圏

     フランスのエペルネ(グラン・テスト地域圏 マルヌ県)のワクチン接種センターでは、4月20日にファイザー/ BioNTechのワクチンを投与したつもりが、140人に対して、生理食塩水を投与していたことが明らかになりました。 幸いなことに、これは健康には害のない間違いではありましたが、このワクチン接種センターは、大きな信頼を失う結果となり、ワクチン接種に懐疑的な人の不信感を煽る一旦にもなってしまいました。 このあり得ないミスに翌朝になって気付いた予防接種センターは、すぐに該当患者に連絡をとり、ワクチンの再接種をすることになりました。 幸いにも、健康上には、問題のない事故?ではありましたが、国中を揚げて、ワクチン接種に躍起になっているときに、この分の時間と人出と労力が無駄になり、再びワクチン接種の時間とそのためにワクチン接種が遅れることも問題ではありますが、このような間違いが怒ることで、不安と不信感が高まることが何よりも問題です。 フランスは、日常的に、何かとミスに遭遇する機会が多い国ではありますが、ワクチンしか、もう救われる道はない・・と思われる現在の事態にこのようなミスは、ちょっと見過ごすことはできません。 そもそも、この事故が起こったグラン・テスト地域圏は、パンデミックが始まって以来、フランスでの感染が大きく広がったのも、この地域からで、当初のこの地域の被害は、フランスの中でも最も甚大であった地域です。 そして、現在もこの地域の感染状況は、決して、楽観視できる状況ではありません。 この間違って投与された生理食塩水は、特に創傷の洗浄などのさまざまな治療に使用されたり、注射中の希釈剤として使用されるもので、決して危険なものではありません。 とはいえ、なぜこのような間違いが起こったのかは、現在のところ、明らかにされていません。このワクチン接種センターの準備システムにエラーが起こる可能性があったことは確実で、これが人為的なミスであった可能性もないとは言えないとされています。 ミスをしても、「それは、私のせいではない」というのが常のフランスです。間違いは起こってしまったことで、仕方がないことではありますが、皆が「私のせいではない」と言い張って、事を水に流してしまえば、今後も同じようなことが起こる可能性があります。 失敗は失敗として認めて、反省し、問題点を解明し、予防接種センターのワクチン接種までの流れのシステムを改良していってもらわなければなりません。 この地域のワクチン接種キャンペーンは、1月15日に開始されて以来、病院センターと私立診療所が仕事を分担しながら急ピッチでワクチン接種が進められてきました。 3月に新しいワクチン投与量が到着すると、2つのワクチン接種施設は、これまでのペースを維持することがますます困難になり、スペースが不足して、4月19日に単一の予防接種センターが開設されました。 この事故が起こったのは、その直後のことで、新しいワクチン接種センター開設の際の混乱状態が予想できます。 終いには、この事故に対する「陰謀説」まで、持ち上がっていますが、健康上には問題のないことから、うやむやになっていく可能性も大です。 エペルネ市長は、「この種の事故の再発を防ぐために、施設はワクチン接種の安全性、品質、継続性、トレーサビリティ、および管理を保証するためのプロトコルを直ちに強化した」と述べていますが、この事故が起こった原因については、公表していません。 このミスに関する保健当局の沈黙は、住民を不安にさせ、原因についての透明性だけが不信を解消することができます。健康に関するダメージはないという説明では、充分ではありません。 ワクチンの安全性も100%とは信じきれずに、ワクチンを受けるにあたっては、誰もがそれなりの覚悟をして受けている段階です。それが、ワクチンを受けたつもりが、ワクチンではなかった・・その拍子抜けした、やるせない気持ちは、想像できます。 私がワクチン接種をしたのは、かかりつけの長いこと知っている親しいお医者さんで、そんな間違いが起こりえると考えたわけではありませんが、記念に?・・と、私に接種してくれたワクチンの瓶の写真を撮らせてもらいました・・ので、私が接種したのは、生理食塩水ではありません。<関連記事>「コロナウィルスワクチン接種をしました! アストラゼネカのワクチン」「アストラゼネカのワクチン使用停止が招く混乱と不信感」「フランスでコロナウィルスワクチンが浸透しにくい理由」 ...

2021年4月26日月曜日

フランスは、ワクチン接種を進めても、イスラエルやイギリスのような劇的な変化は期待できない

昨日のパリ19区のビュットショーモン公園での様子 フランス人は、フランスのことを特別な国だというような表現の仕方をする人が多いのですが、昨日、ニュースを見ていたら、ある医療機関の代表の人が「フランスは、唯一の国だ・・」と話し始めたので、「ハイハイ、何が唯一なんですか?・・」と思って聞いていたら、「フランスは、感染の蔓延がほぼピークに達している中でワクチン接種を必死に進めている唯一の国だ」と言っているのを聞いて、なるほど・・と思いました。 現在、ワクチン接種がかなり進んでいるイスラエルやイギリスでは、感染者が劇的に減少し、コロナウィルスによる死亡者も桁違いに減少し、コロナ前の日常を取り戻しつつあります。 彼らがカフェやパブなどで楽しそうにしている様子を指を咥えて見ているフランスです。 しかし、彼らが今、劇的な感染者の減少という局面を迎えているのは、ワクチン接種の拡大とともに、彼らは2ヶ月以上の厳しいロックダウンを行ってきた結果でもあり、その効果を伴ったものであるということです。 その点では、フランスでは、夜間外出禁止や、遠距離の移動の禁止や、レストランやカフェ、一部の店舗の営業は禁止されているものの、日中の街中の人の動きはほぼ平常と変わらず、学校閉鎖に踏み切ったのも学校のバカンス期間を含めた4月に入ってからの約4週間のみで、感染状態も若干、減少したものの、未だに1日の新規感染者数は、平均3万人、集中治療室の患者は6千人に迫る勢い、死亡者も1日平均300人ほど出ている状況です。 この状態で、学校も今週から徐々に再開され、5月3日からは、長距離移動も可能になると発表されています。実際に、ワクチン接種が進んでいる高齢者の感染はフランスでも劇的に減少しているので、「ワクチン接種さえ進めば・・イスラエルのように、イギリスのように・・日常が戻ってくる!!」と祈るように思っていたのですが、考えてみれば、彼らのような劇的な変化はフランスには、期待できないかもしれないのです。 しかも、先週末もフランスは、警察署で起こった悲惨なテロ事件や2万人単位のデモ、おまけにパリ19区にあるビュット・ショーモン公園では、数百人にものぼる若者たちがほとんどの人がマスクもなしに、陽気に音楽をかけての盛大なパーティーを開き、そのあまりに屈託なく楽しそうにはしゃぐ様子には、言葉を失います。 取り締まる警察も、テロ対策、コロナ対策と全てに手が回らないのもわからないではありません。🇫🇷...