2025年2月8日土曜日

日本は、どこか、ぎすぎすした人が増えた気がする・・

  


 今回、日本に来て、なんだか感じるのは、ぎすぎすしている人が増えたということ・・。以前の日本は、ひたすら、みんながこれでもかというくらい感じが良くて、親切でお店などでも応対が丁寧で行き過ぎではと思うところがあるくらいでした。

 今でも、世界的に見たら、絶対的に感じのよい人が多いとは思うのですが、そんな中だからこそ、そうでない人が目立つのかもしれません。でも、なにか変わってきている(かわってきているといえば、変わっているのだと思いますが・・)、そんな感じがするのです。

 特に年配の男性(70代後半以上くらいの年齢?)には、ちょっとギョッとさせられる場面にここ数日、遭遇しています。

 歩いていて、自分からぶつかってきておいて、逆ギレされたり、携帯を見ながら自転車に乗って車道を走り続けていて、後続の車に気がつかなかったり、なにか尋ねたりしても、その受け答えがやけに横柄だったり、ものすごい上から目線だったり、以前は、こんなおじいさん、日本にいなかったよな・・とびっくりしてしまい、ここ数日で、自然と年配の男性がいらっしゃると、ちょっと警戒してしまいます。

 周囲の人々に、そんな私の感想を話すと、たしかに、その世代の男性は、現役時代の感覚をどこか引きずっているところが多いのかもしれない・・とのこと。もちろん、全ての年配の男性がそうだというわけでもないのでしょうが、その点、女性の方が年齢を重ねても、そこまで周囲に対して、横柄になるでもなく、マイペースで周りともバランスをとりながら、上手に生きていけるのかもしれません。

 相対的にみれば、上手く年齢を重ねていくことは、むずかしいことだと、自分のことも含めて、よくよく戒めを含めて富みに思うのですが、それが自然にできていける人もいるでしょうが、自覚して、気をつけないといけないな・・と、そんなおじいさん?たちを見ていて考えさせられるのです。

 社会現象というほどではないのかもしれませんが、もうだいぶ前に、「こんな年齢の人々が、ここまで働かなければならないのか?」と、なんだか痛々しいように思った記憶がありましたが、それが年々、あたりまえのようになってきて、「そりゃあ、ぎすぎすもするよな・・」と思わないでもありません。

 フランスなど、定年が62歳になっただけで、大規模なデモやストライキ、はたまた暴動のようなことが起こる国。逆に富裕層で、もうそろそろ引退してもよいだろうに・・と思われる人々がその地位にしがみついて働いているのは、日本もフランスも同じなのですが、身体的にもキツいであるかと思うような仕事に就いている人々をあまりフランスでは見かけない気もします。

 そして、フランスでは、定年後の人生を男性でも女性でも、それなりに楽しんでいる人が多いと思われるので、街中でイライラと他人にあたったり、横柄だったりする男性(女性も)には、あまり遭遇しない気がします。

 そんな意味においては、私はふだんフランスではぬるま湯に浸かっている状態なので、そんな男性に日本で遭遇することが余計にショッキングに感じるのかもしれません。

 自分自身も年齢を重ねていくうえで、上手く歳をとるって、本当に難しいことだな・・とそんなことを感じながら、久しぶりの日本滞在を過ごしているのです。


年配の日本人男性


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2025年2月7日金曜日

叔母たちと連絡を取るのが一苦労な件

  


 我が家系は親族の繋がりが強く、日本に帰ってきたときに、この親族に会う予定だけでも、かなりの日程的ボリュームになり、少しずつコンタクトしていくと、最近は、仲良しの叔母たちの高齢化も進み、ふつうに生活している分にも、その子どもたちのスケジュールもかなり圧迫されている様子が伺えます。

 親の通院や治療、時には、手術や入院なども含めて、けっこう大変そうなので、私の帰国の話などは、その日常に加えて、さらに負担をかけることは間違いなく、予め帰国の日程などは、ほぼほぼ知らせないようになりました。

 とはいえ、いざ、帰国してみれば、たまに帰国しているのに、まるで知らん顔というのも何なので、せめて電話でお話くらいできればと、電話をかけてみるわけです。

 ただ、私が日本に帰国する際には、ふだんフランスで使用している携帯電話のSIMカードだけを日本対応のものに入れ替えて使っているので、電話機能そのものは、使えず、LINEとかメッセンジャーなどのアプリを使って連絡を取るのですが、叔母たちは、それらのアプリを利用していない・・というか、そもそもガラケーの場合も多いため、自宅の電話から携帯あるいは、家電に電話する以外に連絡の手立てがありません。

 それが、最近、軒並み、皆、家電はあっても出ない・・のがふつうに徹底されているようで、これまで家に電話すれば、連絡を取れていた人に連絡がつきづらくなりました。

 私自身も一日中、家にいるわけではないので、そんなに家からたびたび電話をかけ続けるわけにもいかず、一日、外出していて、帰ってきて、ハッと気が付くと、もう夜の8時すぎ・・。娘曰く、〇〇叔母さん、この時間はもう寝てるよ・・と。

 2〜3日たっても、連絡がつかないとなると、「もう、これは、なにかあったんじゃないか・・」とさすがに不安になってきます。

 同じ国にいてさえも、まるで時差があるような生活とSNSアプリなしの状態での連絡は、それは、もう大変なことで、途方に暮れてしまいます。

 結局、私が電話に残したメッセージ(それさえもなかなか気がついてくれない)にようやく反応があって、向こうから電話をくれたものの、「もう、何かあったんじゃないかと思って、心配したよ〜〜」と告白。

 「ごめん、ごめん、最近、もう、うちでは、家電には、でなくなっちゃったから・・」と。

 別の叔母のところも、家電にかけたら、なにか、「この電話は、迷惑電話防止のために、全会話を録音させていただいております・・」とまず、流れて、ようやく叔母がでてきてくれました。

 これほど、家の固定電話が使用できない状態があたりまえのようになっているということは、恐ろしいことというか、まあ、ふつうだったら、携帯だけで充分、間に合っているというか、だったら、もう家電いらないじゃん!って話なのですが、おかしな世の中になったもんだと、あらためて思ったのでした。

 実際に、私自身も家の固定電話は外してしまっているので、一切使っていないので、偉そうなことも言えないのですが、家の電話が電話として機能できない社会というのも考えものです。

 また、インフルエンザやコロナがけっこう流行っている中、また気温も低くて、こんな時に私に会うために出てきてくれて、万が一のことがあったら、大変だ・・とも思うと、そうそう簡単にお目にかかろうとするのも考えてしまいます。

 だからといって、少なくとも、従姉妹たちには、会えるので、彼女たち経由で・・ということにもなるのですが、まあ、こんな日が来るとは・・とても複雑な思いでいます。


家電 固定電話


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2025年2月6日木曜日

「とんでもないです!」という言葉は今、日本で流行っているの?

  


 久しぶりの日本に到着して2日目、久しぶりといっても、ほぼ1年ほどしか経っていないのですが、とにかく日本にいる間に、食べたいものを中心にこの機会に行っておこうというところは、数々あって、私にとっては、毎回、まずお気に入りの美容院に行ってから、あそこのあれ食べたい・・とか、あれは買って帰りたい・・というものをできるだけ効率よくこなしていこうと、さっそく動き回っています。

 そんな中、1年来なければ、色々と変わっている場所もあるし、そもそも、長年、日本にいなくて知らなかったことに遭遇したりして、いちいち感動したり、驚いたりしています。

 結局、パリにいても、なにか美味しいものはないか?と探し歩いているところは、変わらないのですが、日本では期間限定の分だけ、この機会を逃してはならない・・と思うところは、必死でもあり、焦るような気持ちもあって、他人にものを尋ねてみる機会があります。

 まだ、2日目なので、全部が全部というわけではありませんが、基本的になにかものを尋ねたときに、日本人はとても親切で、たとえば、ある特定の場所を尋ねたりした場合は、ご親切にそのすぐ目の前の場所についていってくれたりするのには、本当にすごいな・・と思います。

 これは、以前にフランス人の知人が日本に出張に行った際に、あるレストランの場所を尋ねたら、道を教えてくれるだけでなく、一緒にその場所に行ってくれたことがあった・・日本人ってなんて親切な国民なんだ!と感激して話してくれたことがあったので、「あの人が言ってたのと、一緒のケースだ・・」などと思ったりもしたのです。

 しかし、そんな中、なにかを教えてもらって、「ありがとうございました!」とお礼を言うと、かなりの確率で、「とんでもないです!」という返答が戻ってくることに、決して、嫌な気がするわけではないものの、こう、そろいもそろって、皆がお礼に対して「とんでもないです!」という返答をすることに、一種のモヤモヤ感とは言わないまでも、「なぜ?皆、同じ返答?」、「今、こういう言い方が流行っているの?」、「以前は、そんな言い方しなかったような?(していたけど、私が知らなかっただけ?)」などと、思ってしまったのです。

 なにか?お尋ねして、とても、快く教えてくださったりして、とても感激して「ありがとうございました」とお礼を申し上げる・・すると、「いいえ、(どういたしまして)・・」ではなく、「とんでもないです」という・・ある意味「謙遜ワード」。

 謙遜する姿勢は日本人の美徳でもありますが、なんか、あまりの乱用?に戸惑いを感じてしまいました。

 皮肉な言い方をすれば、「とんでもないです」のワードが安くなってはしまいか?、それとも、「とんでもないです」のニュアンスは変わってきているのか?などと、一人で思ってしまいました。

 こう安易に、このワードを使っていたら、かつて使っていたようなニュアンスで、本当に「とんでもない」ときには、なんというんだろうか?とちょっと嫌味なことを感じたりもするのでした。


「とんでもないです」


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2025年2月5日水曜日

約1年ぶりの日本行き そんなに混んでないのに、なんだかセキュリティーがけっこう厳しかった

   


 今回の日本行きは、なんかはずみで予約しちゃった!みたいな感じで、たまたま、ふらっとサイトをのぞいていたら、「えっ??」これ!かなり安くない??なら、行っちゃおうか!という感じで、私としては、こんなに早くに前もって予約を入れることは、とても珍しいことでした。

 ところが、あまりに早く(自分としては・・)予約したもので、油断してしまったというか、出発間近にインフルエンザにかかり、それがなかなか長引いて、焦ってお医者さんに行って抗生物質の薬まで飲み始めたというのに、いつまでたっても、よくならなくて、果たして14時間のフライトに耐えられるだろうか?と、実際に日本行きをキャンセルするのは、さすがにな・・と思いつつも、「え〜〜?どうしよう??」とちょっと焦っていました。

 しかし、どうにか、出発当日の朝は、なぜだか、やっとしゃっきりしてきて、空港に向かったのでした。それでも、焦らなくてもよいように、いつもより、早くに空港に到着し、また、幸いにも空港はわりと空いていて、スイスイとチェックインもできて、ゲートの方へと進んで行きました。

 ところが、なぜだか、パスポートコントロールでは、ほぼ全てのページをチェック(実際にちゃんと見ているのかは知らないけど)してから、スタンプを押してくれ、また、手荷物検査は、なんだかいつもよりずっと念入りで、コートから中に来ているベストまで脱ぐように言われて、パソコンも蓋をあけて、ブラシをかけ、そのブラシをさらに機械にかけてチェックするという、なにそれ?という感じでした。

 別に全員に対してというわけではないとはいえ、こんなチェックは初めてのこと。そこまで混んでいなかったからこそ可能だったレベルでのセキュリティチェックという気がしますが、それでも、公には発表されていないセキュリティーのランクアップが指示されている気がしました。

 別に私は何ら後ろめたいことがあるわけではないし、かなり私は、時間に余裕をもって、空港に出向いていたので、問題はありませんでしたが、これ、もし、時間がかなり迫っている人が重なっていた場合は、かなりヒヤヒヤものです。

 とはいえ、なんとか、飛行機も無事、ほぼオンタイムで離陸し、飛行自体は、多少揺れる箇所はあったものの、無事、羽田に到着しました。

 羽田空港は、といっても、せいぜい年に1〜2回しか来ていませんが、なんだか、来るたびに、違うターミナルに飛行機は寄せられ、新しいターミナルは、はっきりいって殺風景で、極端にいえば、病院かお役所みたいな気分。

 反面、パリ・シャルル・ド・ゴール空港は、いつも姿を変えながらも相変わらずキラキラすぎる感じもしないでもありません。なんだかキラキラな空港から、いたってシンプルな日本の空港(一部ではありますが・・)に、なんだかものすごくギャップ?を感じたのでした。



パリ発羽田行き


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2025年2月3日月曜日

フジテレビ問題 フランスでの報道 他への飛び火

  


 中居氏の性加害問題から始まったフジテレビ問題は、フランスでは、日本のテレビ各局が報道を控えていた頃、年始、わりと早々にフランスの報道局BFMなどが報じたと思ったら、仏大手 Le Figaro紙までが報じていたのには、驚かされました。

 フランスではSMAPや中居氏はそこまで有名でもないにもかかわらずです。この時、フランスの報道では、フジテレビの関与についても、多少触れてはいたものの、どちらかといえば、ジャニー喜多川、ジャニーズ問題と関連付けて書いている向きの方が強い感じでした。

 その後、日本でフジテレビが問題の中心となり、大炎上していますが、このことに、フランスの報道では、しばらく触れずに来ていましたが、先週、同社の社長、会長が辞任したことから、また続報が少しずつ出始め、つい数日前には、今度はル・モンド紙を始めとする数紙が再び、この件について、報道していました。

 この加害事件について、フジテレビが隠蔽しつつ、この司会者のテレビ出演を継続し続けてきたこと、実際には、同社の社員がこの事件に加担していた疑惑がかけられていることなどについてを説明したことに加えて、同社がこの件について、世間に公表するに至るには、同局の大株主であるアメリカのファンド会社「ダルトン・インベストメント」の力が必用だったと書いています。

 その後、トヨタやマクドナルドを始めとする多くの広告主が同局からの広告を撤退し、株価も落ち込んでいる(株価については、誤報だと思いますが・・)と伝えています。

 また、この問題に関連して、日本の MeToo運動についても説明し、仏数紙が2017年に元TBS記者(米支局長)にレイプされたと告発した日本人ジャーナリストの女性の話を詳しく説明し、彼女自身の闘いを描いた映画「ブラック・ボックス・ダイアリーズ」が2025年のアカデミー賞最優秀ドキュメンタリー賞にノミネートされており、多くの国で公開され始めているにもかかわらず、「法的および倫理的(司法機関に提出することを目的として音声や映像が使用されているためとしている)」な理由で日本では公開されておらず、日本のメディアが権力者を巻き込む告発を報道したがらない現実を伝え、日本では、米国やその他の諸外国に比べて、MeToo運動があまり進んでいないと指摘しています。

 読んでいた私自身も、「えっ?こっちに行く?」と思う飛び火・・?ではありましたが、思わぬことから、中居氏のこの加害問題、フジテレビだけでなく、過去の女性ジャーナリストレイプ事件、この事件に関して、上からの圧力によって警察の逮捕状が停止された問題に飛び火するかもしれません。

 この「ブラック・ボックス・ダイアリーズ」という映画、フランスでは3月に公開されるそうなので、ぜひ見に行こうと思っています。


フジテレビ問題 ブラックボックスダイアリーズ 


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2025年2月2日日曜日

死亡事故を起こしたスクールバスの運転手から薬物反応の衝撃

 


 先週、朝、7時40分、ウール・エ・ロワール県(サントル・ヴァル・ド・ロワール地域圏)で、生徒35人を乗せたスクールバスが事故を起こし、15歳の高校生1名が死亡、20名が負傷したと報道されていました。

 この地域がどのような場所であるか?詳しくはわかりませんが、保護者からすれば、便宜性とともに、安全に子どもを学校に送り迎えしてくれると考えての交通手段を選択していることを思えば、そのスクールバスが事故を起こすなどということは、ハプニング的な要素はあったとしても、やはり信じ難い出来事であったに違いありません。

 事故や事件が起こった場合、犠牲者が未成年だったり、その人数が多ければ多いほど、騒動は大きくなりますが、この事故の場合は、それに加えて、この事故を起こしたスクールバスの運転手の直後の唾液検査で「麻薬の陽性反応」が出たことから、この事故は、より深刻な側面をのぞかせ始めました。

 運転手自身は無傷で「分離線に近づきすぎた車両に遭遇し、それを避けようとして、溝に落ちてしまった」・・、つまり、第三者の車両が存在し、その車両の危険な運転のために、バスの軌道から外れ、バスの制御を失った・・と説明しています。

 しかし、事故当時、バスの後ろを走行していた車のオートレコーダーからは、このバスの誤運転の誘因になった車両は、確認されていないと言います。

 そのうえ、この運転手は、薬物反応が出た事実に対しては、「昨年12月以来、自分は麻薬を摂取しておらず、受動的に汚染?したものである。定期的に麻薬を摂取しているのは、彼のバートナーであり、自分は受動的に汚染しただけだ!」と語っています。

 ところが、その後の血液検査によると、彼の血液から0.5ナノグラム発見され、彼が事故前に大麻を摂取していたことが判明、この量は、いわゆる受動的に摂取できる量ではないと検察が説明しています。


 事故後の写真を見ると、なんということのない平坦な道にバスが突然、横転しているように見えるのですが、この曲がりくねった道路の危険性を強調する報告書が作成されていたとも言われています。

 スクールバスとしての安全性を考慮するルートの選定ももちろんのこととはいえ、このバスの運転手はもちろんのこと、運転手を管理するバス運行会社の管理体制も問題視されるべきものです。

 この事故を受けて、運輸大臣は、「さらなる危険を避けるために、運転手に対する麻薬の検査を強化する」と約束。「スクールバスの運行を再開するために、数ヶ月以内に薬物検査を実施する」と述べていますが、なぜ?数ヶ月以内?今、すぐやりなさい!と思います。

 この検査の実施に数ヶ月の準備期間が必用な理由として、「様々な種類の薬物を検出するのは、難しいため・・」と弁明をしており、それまでは、定期的かつ無作為な検査を実施すると述べています。

 それだけ、薬物が多く蔓延しているということだとも思いますが、それにしても、この運転手、自分が起こしてしまった事故に対して、まだウソをつき続けるとは、なんと不誠実なことか?と腹立たしく感じます。


スクールバス死亡事故


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2025年2月1日土曜日

チュイルリー公園の気球が夏には戻ってくる!

  


 2024年夏に行われたパリ・オリンピック・パラリンピックの際にチュイルリー公園にオリンピックの聖火台として設置された気球が夏には再び戻ってくることが発表されています。

 このヘリウム気球は、パリ・オリンピックでもかなり話題にのぼり、評判もよかったので、オリンピック・パラリンピック終了後も残してほしいという声が多く上がっていました。

 この気球のカムバックは、マクロン大統領が「あの気球が毎年、夏に戻ってくる!」「フェット・ド・ラ・ミュージック(音楽の日)6月23日から、オリンピック記念日(9月14日)までの間、そして、ロサンゼルスオリンピックまで!」とX(旧Twitter)上で発表しています。

 大統領側近によると、この気球の再設置に関しては、文化大臣とパリ市長と協力して提案したと語っています。

Elle reviendra chaque été.

De la fête de la musique à la fête du sport, jusqu’aux Jeux de Los Angeles. pic.twitter.com/ofNOevdu2w

— Emmanuel Macron (@EmmanuelMacron) January 31, 2025 >


 私も昨年夏のオリンピック施設は、ずいぶん見て歩いたのですが、その中でもこの気球は、とても印象的で周囲の景色の中にも美しく溶け込み、とても良いな・・と思っていたので、とても嬉しいです。

 国際オリンピック委員会(IOC)の規定によれば、本来は、聖火はオリンピック大会期間外には、点灯できないことになっているものの、この聖火の色(黄色)を白に変えることで同意を得たと言われています。

 これを設計したEDF(フランス電力)は、これを100%電気の炎の輪であることをアピールしており、実際には、水の雲に投影された光の遊びであり、これは、1783年にチュイルリー公園で初めて行われた水素ガス気球による初の飛行に敬意を表したものであると説明しています。

 私は、このニュースで、気球の再来はもちろんのこと、9月14日がオリンピック記念日として、祝日になっていたことを初めて知りましたが、これもマクロン大統領の提案だったそうです。

 2024年のパリ・オリンピックのシンボルでもあった高さ30メートル、直径7メートルの気球は、連日、何万人もの観客を魅了したオリンピックのある意味スター的存在の一つでもあり、今後、夏の観光客招致にも寄与することになるかもしれません。

 このシステム復旧にかかる費用は250万ユーロと見積もられており、この資金の一部は、パリオリンピック大会組織委員会が生み出した予算の余剰金(そんなものあるのか?とも思う)によって賄われる予定と伝えられています。

 私も、当初、あまり期待せずに見に行ったこともあるのですが、実際に間近に見ると、ちょっと想像を超えていて、とても感激したので、夏の間にパリに来られる方がいたら、ぜひ、おススメしたいです。

 ただし、最近、少し捻た見方をしてしまうのですが、「なぜ?これをマクロン大統領が発表するのか?」、「これ?大統領案件?」とふっと思ってしまったのです。少し前に、「マクロン大統領は、何ごとにも自分を中心に置きたがる」という評を読んだことが影響していると思うのですが、この発表で、そういえば、そうかも・・などと、良いニュースながら、ちょっと訝しくも思ってしまったのでした。


チュイルリー公園 オリンピック気球 聖火台


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