2024年8月10日土曜日

9月14日オリンピックアスリート シャンゼリゼ祝賀パレード

  



 もうすぐ終わろうとしているパリオリンピックにおいて、未だかつてないほどのメダルを獲得しているフランスチームの功績を讃え、みんなで祝おうと、マクロン大統領は、パリオリンピック・パラリンピック競技大会終了後の9月14日土曜日にシャンゼリゼ大通りでフランス選手のパレードを行うことを発表しています。

 このパレードは、具体的には、パリ2024大会組織委員会(COJO)、フランス国家オリンピック・スポーツ委員会(CNOSF)、フランスパラリンピック・スポーツ委員会(CPSF)パリ市との連携組織で行われるとエリゼ宮は説明しています。

 エリゼ宮・広報の説明によると、「大会の成功に貢献した人々、言い換えれば、さまざまな関係者らとともにシャンゼリゼ通りをパレードする」ということになっているので、ひょっとしたら、このパレードには、この大会を陰で支えたボランティアなども参加することになるのでは?とも考えられます。

 実際には多くのパリジャンがオリンピックから逃避してバカンスに出かけてしまいましたが、9月になれば、フランスは新年度が始まっているタイミングでもあり、実際のオリンピックが行われた時とは違う顔ぶれがこのパレードを訪れることになるのかもしれません。

 以前はオリンピックではありませんでしたが、シャンゼリゼはスポーツの勝利を祝う伝統的な場でもあり、1998年にフランスで開催されたサッカーワールドカップでフランスチームが優勝したときには、盛大なパレードが行われ、50万人もの人が集結したという記録もあります。


 しかし、一方でこれをマクロン大統領が発表することには、少々、政治的な企みが感じられないこともなく、オリンピックで皆がすっかり忘れかけている、ほんの数ヶ月前の欧州議会選挙の結果やそれに伴い急に行われた選挙、そして、首相が辞任し、現在は実は首相不在の存在であるような不安定な政情であり、このオリンピックというお祭り騒ぎが終われば、再び現実の社会問題が戻ってくるわけで、マクロン大統領がこのオリンピックの祝賀モードをなんとか、引っ張り続けたいと思っているのが透けて見える気がしてしまいます。

 とはいえ、お祭り騒ぎが大好きなフランス人、今年のパリ祭はオリンピックのためにシャンゼリゼが使えなかったので、9月14日のシャンゼリゼは、おそらくパリ祭以上の盛り上がりが見込まれ、また、大変なイベントとなりそうです。


オリンピック・パラリンピック アスリート シャンゼリゼ祝賀パレード


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2024年8月9日金曜日

最近、バスやメトロで気になって仕方ないこと

  


 バスやメトロの中で小さい子ども連れを見かけると、なんかホッコリした気分になります。なんか、可愛い子どもがニコニコしていると、こっちまでニッコリしてしまい、なんか暖かい気持ちで見守る気持ちになり、小さい子どもの様子をなんとなく目で追ってしまいます。

 特にベビーカーに乗っているくらいの小さな子どもだと、可愛くて仕方ありません。

 しかし、最近、気になって仕方ないのは、そんなベビーカーに乗っているくらいの小さな子どもが携帯でアニメのようなものを楽しそうに見ていたりするのをわりと頻繁に見かけるようになったことです。

 そんなの他人の子どもなんだから、よそのおばさんがお節介に言うことでもないのですが、「これは絶対によくないな・・」と思うのです。

 私が子育てしていた頃には、まだ今のようなスマホにはなっていなかったし、娘が歩くようになってからは、あまりベビーカーのようなものにも乗せることすらできるだけ避けていました。ベビーカーについては、もちろん、その子どもの体力にもよると思うのですが、とにかく、娘はエネルギーが常にありあまっている子どもだったので、小さい頃からお昼寝というものさえ、一切したことがなく、保育園でも、「○○と○○ちゃんは(娘ともう一人の女の子)お昼寝をしないで、他の子を起こしてまわるので、お昼寝の時間は別の部屋にいてもらいます!」と先生に言い渡されたくらいだったので、とにかくその有り余るエネルギーをいかにして消耗させるかということが第一だったのです。

 携帯はなかったものの小さなゲーム機を欲しがったりしたこともあったのですが、あくまでも私も夫も、子どもにはよくない・・と自ら買い与えることはしてきませんでした。

 たしかにバスの中などで、携帯で動画などを見ている子どもはおとなしく楽しそうにしているのですが、様々な場面で驚くほど色々なことを吸収できる子どもの目を携帯で塞いでしまうのは、大変な損失だと思うのです。

 大人でさえも、ついつい四六時中、スクリーンを覗いてしまいがちな昨今ですが、大人にとってさえもあまり、よいこととは思えないし、ましてや小さな子どもは外で公共の場で、色々な人や景色や社会のルールや色々なことを感じることは大切なことだと思うのに、長い時間、受動的に与えられるスクリーンに時間を奪われることは、絶対によくないことだ・・と思うのです。

 あまりに長いフライトとか、長距離移動などならば、退屈してしまうこともあるかもしれませんが、ちょっと街中を移動する間くらいの短時間まで、携帯に子守をさせてしまうことに、「これはダメだよな・・」とお節介おばさんは思ってしまうのです。

 もちろん、あかの他人の子育てに口出しはしませんが、そんなバスやメトロのベビーカーの中で、携帯を楽しそうに見ている子どもを見つめて、これはやめておいた方がいいのにな・・と思ってしまうのです。

 子どものスクリーン(タブレットやスマホなどのデジタル機器)の使用については、政府も危機感を示しており、今年の4月の段階で、国民議会で、「保育園や保育所での3歳以下の子どものスクリーン(タブレットやスマホなどのデジタル機器)の使用を禁止する法案」が提案されていたりしましたが、保育園のみならず、小さな子どもを持つ親が家庭でも心がけるべきことではないかと思います。

 人工的に作られたもの以外にも、本来ならば、色々なことに興味を持ち、また、「そんなことが楽しいんだ!・・」と思うことまで楽しめるのが子どもなのに、そんな好奇心とか、なんでも楽しめる能力を摘んでしまうのは、本当にもったいないと思うのです。

 今やスマホは生活必需品になり、ないと生活に支障が出るほどになってはいますが、その使い方を間違えると、特に小さな子どもにとっては、発達障害や情緒障害など、すぐに目には見えないカタチで障害を生んでいくような気がして、他人事ながら、気になって仕方ない光景なのです。


子どもと携帯


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2024年8月8日木曜日

パリオリンピックのメダリストへの報奨金

  

 

 フランスにいると、あたりまえだけど、オリンピックもフランス人の選手が中心に報道されるので、日本人の活躍がほとんど見られないので、最初は少し見ていても、そのうち飽きてきて、結局、オリンピックはどうでもいい感じになって、結果的にあまり競技は見ないようになってしまうのですが、今年は、やはり、自国開催ということで、かなりオリンピックの報道が多く、また、フランス人がメダルを結構とっていて、その度に、ちょっと引くほど報道している人たちがフランス人選手のことをかなり興奮して褒めたたえるので、最初は微笑ましい気持ちで見ていたのですが、そのうち、もうちょっとおなかいっぱいな感じで、もういい加減、ゲッソリしてきてしまいました。

 長いこと、フランスに住んでいるので、フランスを応援する気持ちも少しはあるのですが、やっぱり日本を応援したいあたり、私は日本人だな・・と思う瞬間でもあります。

 なので、オリンピックの競技というものは、ほとんど関心がなくなってきてしまいました。

 もう今回のオリンピックは、色々な制限が開会式の1週間以上前から始まっていたこともあって、いつも以上にオリンピックが長く感じられ、もうそろそろ終わってよ・・と心の中では思い始めています。

 まあ、私がお願いするまでもなく、あと数日で終わるのですが、結果がほぼ出揃ってきたところで、今日は、オリンピックのメダリストへの報奨金の話がニュースに出ていました。

 メダリストへの報奨金の話は大昔に、けっこう貧しい国だったりすると、選手を鼓舞するために多額の報奨金を出すらしいという話を聞いたことがありましたが、フランスでも、選手への報奨金が支払われるそうです。

 金メダル8万ユーロ(約1,280万円)、銀メダル4万ユーロ、銅メダル2万ユーロだそうです。報奨金とはいえ、なんとなくオリンピック=お金というのは、いまひとつ、すっきりしない印象もないでもありませんが、今年のパリオリンピックでは、水泳で一人で4つの金メダルをとったレオン・マルシャン選手は32万ユーロを受け取ることになる!という報道でした。

 フランスはこのオリンピックのメダリストの報奨金を東京オリンピックの時(金メダル6万5千ユーロ、銀メダル2万5千ユーロ、銅メダル1万5千ユーロ)よりも大幅に値上げしています。

 これらの報奨金は選手のみならず、選手を支えた経営陣(チーム)にも選手と同額の金額が支払われる(これまでは、選手の半額だった)そうです。

 この報奨金は、11月中旬までに直接、スポーツ相とオリンピック委員会から支払われることになっています。

 ちなみに日本はいくらくらいなのかな?と思って見たら、日本オリンピック委員会から支払われる金額は金メダル500万円、銀メダル200万円、銅メダル100万円だそうで、その他は各スポーツ毎に、その○○スポーツの協会から異なる額が支払われたり、全くなしのスポーツもあるそうで、一番報奨金が高いのはゴルフなんだそうです。

 私は個人的には、オリンピックというスポーツがお金で換算されるようで、興ざめな気もするのですが、そんなのはきれいごとなんでしょうか?


パリオリンピック メダリスト報奨金


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2024年8月7日水曜日

自分の体調に自信がなくなった・・

  


 学生時代はけっこうスポーツを続けてきて、「体力だけは自信があります!」というのが、唯一、私が誇れるところだったのに、ここ数年でとみに体力に自信がなくなってきて、具体的にも、検査の結果が悪くて再検査、再々検査でドキドキしたり、結果、しばらく薬を調整して様子をみましょうとかいう箇所が増えて、実際にもすぐに体調を崩したりすることが増えました。

 若い頃は、身体にいい食べ物・・とか言われるだけで、なんとなく「マズそう・・」などと思ってしまうあまのじゃくな性格だったのに、最近では、やたらと食べ物にも気をつけるようになり、野菜を多く摂るように心がけたりするようになりました。

 先日、久しぶりに娘がパリに来ているときに、「最近、すごく疲れやすくなって・・」とこぼしたら、「ママの食事は圧倒的にタンパク質が足りていないから、心してタンパク質を摂るように心がけた方がいい・・」と言うので、最近はタンパク質・・プロテイン・・と常に私の頭の中はタンパク質のことに憑りつかれています。とはいえ、そうそうなかなか摂れないのですが・・。

 言われてみれば、娘が家にいた頃は、娘のために、ちゃんと一食、一食、バランスのよい食事を用意していたものの、一人での生活になって、ついつい、自分の好きなものしか食べなくなり、また、簡単に済ませてしまうことも多くなって、これまでは、野菜をちゃんと食べなくちゃ・・とは思っていたのですが、極端な話、美味しいお漬物とご飯と佃煮・・とか、美味しいバゲットと美味しいバターやチーズでも、全然、満足でそんな食事で済ませてしまうことも多かったのです。

 そもそもすごく肉が好きというわけでもなく、かといって、日本のように美味しいお魚がいくらでもあるというわけでもなく、卵も一日に何個も食べるのはな~などと思ってしまっていたので、考えてみれば、本当にタンパク質が足りていなかったようです。

 それでも、ダラダラ過ごして、身体を甘やかせていると体力は衰える一方なので、運動も欠かさず、できるだけ歩くようにするとか、週一回はプールに行って泳ぐとか、身体を動かすことも欠かせません。

 ここのところ、オリンピックで色々、変わっている街の様子を見て歩いたり、またオリンピックが始まって以来、今までうすら寒いくらいだった気候が一気に晴天を通り越して、猛暑になりつつあり、疲れたな・・と思っても、それが暑さによるものなのか、それとも、実際に身体にダメージが来ているのか?自分でもわからなくなっています。

 家には、エアコンもないので、エアコンがないなりの午前中のうちに部屋の空気を入れ替えて、シャッターをおろして遮光して、室内の温度が上がるのを避けてでかけると、湿度は低いために、部屋の温度も上がらず、比較的快適に過ごせるという技も、ここ数年の猛暑の夏を過ごして、もう夏の間の日課のようになりました。

 先日、週1回は・・と決めているプールに行くと、夏休みということもあって、けっこうな人、でも暑いなかのスポーツとしては、最適です。だいたい1回行くと1㎞泳ぐことにしているのですが、900mくらい泳いだところで、急に空腹を感じ、みるみるエネルギー切れの感じになってきて、ちょっと泳ぎながらめまいを感じ始め、みるみる身体が言うことを聞かなくなって、あれあれ?なんだこれ?という感じになりました。

 でも1㎞泳ぐと決めているのに、途中でやめてしまうことが自分で納得いかなくて、あと100mをほとんど浮いただけのような状態で泳ぎ、急いであがりました。

 こんな妙な感覚は初めてだったので、「これって低血糖ってやつ?」とか思って、シャワーを浴びるまえに、ロッカールームに行って、バッグの中にあったお菓子をちょっとかじって、キャンディーを口に含んでシャワーを浴びに行きましたが、そこでとうとう座り込んで、しばらく動けなくなってしまいました。

 ちゃんと食事もしてきたし、考えてみれば、低血糖というのも考え難いのですが、あれは、何だったんだろう?と不気味な気持ちです。

 家に戻ってきて、水をたくさん飲んで、ヨーグルトなどを食べて、倒れ込むようにベッドに横たわるとしばらく眠ってしまいましたが、目が覚めると元にもどりました。

 健康のために、できるだけ歩こうとか泳ごうとか思っていると、たちまち、逆に体調を崩すという、もう痛い以外のなにものでもない状態に自分の体調にすっかり自信をなくしている最近の私であります。


体調不良


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2024年8月6日火曜日

フランス人同士でもパリジャンの悪口をいいたがる・・

 


 たまにイベントなどの催し物が行われるなど、駅でポスターを見かけたりするたびに、「ヴェルサイユ、きれいだよな~、今度行きたいな~」と、度々思うのですが、いざとなると、結局は行かないのがヴェルサイユです。

 そんなに遠くはないし、行こうと思えば、いつでも行けるのですが、なんとなく億劫で、ヴェルサイユに最後に行ったのは、母がフランスに来てくれたときに夫が車で連れて行ってくれたのが最後なので、もう10年以上、いやそれ以上も前のことになります。

 今回はヴェルサイユ宮殿でもオリンピック競技をやっているということで宮殿がどんな風になっているのか? 思い腰を上げるチャンスだと、オリンピック期間中に一度は行こうと思っていました。

 なんだかグズグズしている間にあっという間にオリンピックも終わってしまいそうで、せっかく行くならお天気の良い日がいいと、思い切って行ってきました。

 とはいっても、競技を観戦するチケットも取ってないし、炎天下で競技を観戦する気にもならないので、なんとなく雰囲気を味わいに行くだけなのですが、まあ久しぶりに訪れるヴェルサイユ宮殿はやっぱり美しくて、もっと頻繁に来てもいいのかも・・などと思いながら、歩きました。

 他の場所と同じように警察官やボランティアがたくさんいるのですが、なにせ宮殿の敷地内は広くて、それでも木々の緑のグラデーションや彫刻などを楽しみながら歩けるので気持ちよいお散歩になりました。

 と、同時にヴェルサイユに行くのに、拡張されたRER L線にも乗ってみたかったこともあって、キラキラ車内のきれいな電車に乗って行きました。ただし、到着後のことを全く考えていなかったのですが、この駅は、宮殿の反対側くらいの場所に着くため、ヴェルサイユ宮殿の敷地に入ってからかなり歩くことになりました。

 入口で荷物のチェックをしている警察官にオリンピックの会場の場所を聞くと、丁寧に、かなり流暢な英語で教えてくれたので、「ありがとうございます!」とお礼を言ってから、また英語で対応してくれたので、「最近、たくさんのフランス人が英語で話してくれるので、すごくビックリしています!」と半分、嫌みと半分、本音を込めて(英語で)言ってみたら、すごく満足気に「ありがとう!でも、パリでは、そうはいかないわよ!パリジャンは、絶対、英語でなんか話してくれないから!」と言うので、「え~~?」と驚いてしまいました。

 彼女は私がどこから来たのかも知らずにヴェルサイユを訪れているアジア人だと思って教えてくれたのだと思うので、まさか、「最近・・特にオリンピック期間中のパリはけっこういつもと違っているよ!」というわけにもいかず、別の意味で驚いていると思ったようで、そのまま、「ほんと、パリジャンって感じ悪いから・・」と言い続けるので、苦笑してしまいました。

 ヴェルサイユといったら、そんなにパリからも遠くないし、私としてはそんなに区別して考えない・・フランス人として一括りしてしまいがちなのですが、どうも彼らは同じだと思っていない模様です。

 たしかにパリジャンは、感じ悪いなぁ~と思うこともないではないのですが、私ももう慣れてしまって、もうあまり、そんなに感じなくなっているのですが、考えてみれば、パリに来たばかりの頃は、とにかく、いろんなことに、いちいち腹立たしい思いをしていました。

 もうパリでの生活も長くなって、それなりに少しでも嫌な思いをしない応対の仕方や、嫌なオーラの人はできるだけ避けるとか、かわし方をいつの間にか習得したのかもしれないし、何より、まずあまり期待していないので、嫌な感じの人にあっても、「ああ~こういう人、久しぶりだな・・」くらいに思うだけで、本気で腹をたてないようになっています。

 しかし、どうにもパリジャンというものは、フランス人から嫌われているようで、こうして、ヴェルサイユの警察官までもが、パリジャンは感じ悪い!などと言うだけあって、以前、仕事関係で全国(フランス各地)から、人が集まっている研修会みたいなものがあって、みんなで雑談していたら、「パリジャンって本当に感じ悪い!」、とか、「パリなんて人間の住むところじゃない!」とか、もうパリの悪口大会みたいになったのには、本当に驚きました。

 私はフランスではパリにしか住んだことがないので(来たばかりの頃、1年くらい郊外にいたこともあったけど・・)、あまり他の地域に知り合いもなく、地方の人と話す機会がなかったので、こんなにパリがフランス人から嫌われているのか?とビックリした覚えがあります。

 相変わらず、私はあまりフランスの中を旅行しないし、他の地域のフランス人と話す機会があまりないので、あの研修の時の悪口大会以来、あまりそういう話も聞くことがなかったのですが、久しぶりに思わぬところ、しかもヴェルサイユ宮殿でそんな話を聞いたのには、相変わらずなんだな・・と思って、苦笑してしまいました。

 なぜ、これほどまでにパリジャンが嫌われているのか? 本当に感じ悪いのかもしれないし、ちょっと嫉妬みたいなものもあるのかな?と思わないでもありません。だって、感じ悪い・・ということに、あんなにムキになって話す必要もないんじゃないかな・・と。

 とりあえず、一番、簡単だけど、けっこう大切だと思うのは、まずお店にしても、どこに行ったにせよ、なにか質問がある時などでも、まず「Bonjour(ボンジュール)」とにっこりと挨拶すること、ボンジュールもにっこりもどちらも大切です。

 そして、ちゃんと意思表示をすること・・お礼はちゃんと言うこと。もう幼稚園の子に言うようなことですが、これだけでもけっこう違います。

 しかし、また笑っちゃうのが、どんなに他の人から感じ悪いとか、悪口を言われたとしても、パリジャンは全然、意に介さないということです。


パリジャンの悪口


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2024年8月5日月曜日

問題続出のセーヌ川でのトライアスロン 参加選手が大腸菌感染で入院

  


 最初から物議を醸し続けているパリオリンピックのセーヌ川でのトライアスロンですが、予行演習は何度もキャンセルされ、本当に実施されるかどうかは、ギリギリまでわからず、下手したら、デュアスロンになるかもしれないとまで言われていましたが、ついに、競技が行われる直前の水質検査で衛生基準に達したということで、もはや、かなり強引な形で実施されました。

 参加する選手にとっては、まさに取りやめても、GOサインが出ても地獄の状況だったと思います。もう終わってしまったことは仕方ないけど、選手には、本当にお気の毒なことだったな・・と思っていましたが、案の定、実際に競技に参加した選手からは、「ゴミの中を泳ぐハメになった・・」とクレームが続出していました。

 もう競技は終わったのかと思ったら、まだ混合リレーがあるらしく、再び水質検査とのせめぎ合いが続いているようで、またギリギリまで泳げるレベルの水質に達していないとのことで、再び予行演習がキャンセルされ、実際に実施するかどうかは、直前の水質検査の結果にかかっていると言われています。

 すでにトライアスロン競技が行われた同じセーヌ川での水質検査が再び、基準値に達していない状態というのは、非常に不透明なことで、水質は天候によっても大きく左右されるとはいうものの、数日のうちにそのしきい値を行ったりきたりする状況での競技の実施には、大いに疑問が残ります。

 そもそも、この水質検査の具体的な数値について、オリンピック組織委員会は発表していません。報道機関の質問にも回答していません。

 そこで、民間検査会社が行ったセーヌ川の同じポイントでの特に大腸菌細菌の検出に焦点を当てた水質検査によると、常にデータは変化しているものの、決して推奨できる状態ではないことは明らかで、ワールド トライアスロンは、大腸菌レベルが水 100 ml あたり 500 未満である良好レベルの水質であり、逆に、濃度が 1,000/100 ml のしきい値を超える場合、遊泳エリアの質は低いとされているところ、月曜日には1,553/100 ml だった数値が火曜日に実施された分析では100mlあたり687/100 ml であったと報告していますが、その後にイル・ド・フランスに降った大雨などを考慮して、おそらく、次の火曜日には、大腸菌濃度が 868/100 ml から 2,870/100 ml の間で変動すると予想しています。

 しかし、こんな結果を予測する以前に、先週、パリオリンピック・トライアスロン競技に参加したベルギーのトライアスロン選手が、大腸菌感染症により、入院し、ベルギーのトライアスロンチームから、怒りの声が高まり、抗議の声明文が出ているそうです。

 何も、クレームを入れたいのは、ベルギーだけではないだろうけれど、実際に入院しなければならないほどの体調不良。しかも、アスリートにとっては、体調管理には、日頃から特別に気を使って生活しているだろうに、競技に参加したことで体調を崩し、その後の混合リレーを辞退しなければならない事態とは、大問題です。


 この体調不良を訴えているのは一人ではなく、一回目の競技に参加した他の選手にも胃腸感染症のために混合リレーを辞退する選手が複数人存在していると言われています。

 フランスがセーヌ川にこだわりたい気持ちはわからないでもありませんが、しかし、それは、せいぜい開会式のセーヌ川上のパレードまでで、選手の健康に明らかに危険が及ぶのは、一目瞭然のセーヌ川でのトライアスロンは、やはり、やり過ぎで、もはやこのオリンピックがフランスのためのものであると言われても仕方がない気がしてしまいます。


セーヌ川トライアスロン選手入院


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2024年8月4日日曜日

サン・ドニのオリンピックパークにドッキリ!・・選手村とは全然違う本当のサン・ドニ

  


 先日、サン・ドニのオリンピック選手村のあたりを見に行って、「ほんとに、これがサン・ドニ???」と思うほど、きれいなビルやきれいな街に仕上がっていてビックリしたばかりでした。

 しかし、一方では、現在は、ほぼほぼオリンピック関係者が占領しているうえに、ものすごい警戒で、この人たちがいなくなって、本来の住民が戻ってきたら、どうなるのだろうか?と懸念のようなものも同時に抱いていました。

 このオリンピックが始まってから、たまに駅のホームなどで「LE PARC DES JEUX」(オリンピックパーク)の広告が出ていて、なんか、屋外の緑の中の絵がなんか魅力的な感じで、オリンピック開催中、一度は行ってみたいな・・と思っていました。



 広告のイメージと「オリンピックパーク」という名前とで、「オリンピックパーク」=「オリンピック公園」、そして、その先はさらに私の勝手なイメージだったのですが、私にとってのオリンピック公園は、「駒沢公園」で、小さい頃から、「昔、ここでオリンピックが行われたのよ・・」などと言われながら、よくサイクリングコースに行ったり、プールに行ったりしていた馴染み深いものでした。
 
 今回のオリンピックパークも私にとっては、なんとなく、駒沢公園のフランスバージョンみたいな気分ででかけたのです。

 しかし、実際には、公園自体は、駒沢公園などより、ずっと広い森の中にある一部のスペースで、大きなステージができていたり、みんなでオリンピックを観戦できる巨大スクリーンが設置されていたり、エレベーターで登れる展望台ができていたり、実際のオリンピック競技を体験できるような施設がいくつもできていて、オープンエアの心地よい空間ではありましたが、あまりアクセスが良い場所でもないためか?そこまで混雑もせず、それほど賑わっている感じではありませんでした。

 ふだん、全く行かない地域のため、GoogleMapを頼りに出かけたのですが、駅からもけっこう歩くうえ、また、公園内も森の中にあるため、かなり歩きます。

 旅行などに行ったときに、ホテルなどを写真で見て予約した時に、実際に行ってみると、「あの写真、上手く撮ったもんだな・・」と思うような感じで、残念ながら、「オリンピックパーク」は、正直、期待外れでしたし、もちろん、駒沢公園を勝手にイメージした私は、「そりゃそうだわな・・」と帰途についたのでした。

 さて、帰ろうと思って、再びGoogleMapを開くと、いくつかの帰り道の提案が出てきたのですが、来たとおりの道を帰るのでは、つまらないし・・時間もあまり変わらないので、別の道(方法)で帰ろうと、別の駅までバスで出て帰る道を選択したのでした。

 バス停でバスを待っている人が数人いたのですが、その家族らしき人たちの服装を見て、一瞬、「ん??」と思ったものの、まあ、パリには色々な国の色々な人がいるしなぁ~、ああいう色の服、どこで買うんだろう?」などと思いながら、それよりも、「暑いな~早くバス来ないかな~?」とのんきに構えていて、少ししてやってきたバスに乗ったのでした。

 バスは私が乗ったときには、そこまで混んでいたわけではありませんでしたが、停留所を過ぎるたびに、少しずつ人が増えてきて、「ん??」と気が付いたときには、もうフランス人なんて、一人もいなさそうな感じでちょっとギョッとしました。もうそのバスの中だけ見たら、誰もここがフランスだとは信じられないだろうな・・と思いました。

 そして、「これが本当のサン・ドニなんだ・・」と実感したのでした。私自身も移民という立場なので、フランス人じゃないとか、移民は・・とか言えないことは重々、承知していますし、パリ市内にも移民はたくさんいるので、移民自体には驚いたりはしないのです。

 しかし、それにしても、そこは、ちょっといたたまれない空間で、ついこの間見た、オリンピック村のサン・ドニと、このサン・ドニ・・どちらが本当のサン・ドニかと言えば、きっとこっちが本当のサン・ドニなのだ・・と一人でバスの中でぐるぐると考えていました。

 いわゆる富裕層とは真逆の人々だけの空間で、また渋滞していて、なかなか進まないバスが通る道すがらには、「えっ?これ何時代の車両?」と思うような車両を使ったトラムが走っていて、あまりのパリ市内との違いに愕然としたのでした。
 奇しくもオリンピックのおかげで・・。

 日常、私は、パリ市内でさえも、自分の好きな場所に行きがちで、なかなかディープな感じの場所があることも知っているし(用事もないので行きませんが・・)、それにしても、そういうタイプ?の人が多めだな・・と思うことはあっても、ほぼほぼ、そのような移民しかいない感じの場所に来たのは、四半世紀もパリにいて、初めてのことでした。

 パリ市からは少し外れているとはいえ、そこまで遠くはない場所がこんなこととは・・むしろ、そう遠くないところが余計に残酷というか、衝撃的で、格差社会問題どころではなく、余計に闇が深い気もして、いつも事件報道などで、なにかと言えば出てくる「サン・ドニ」という場所は、これだったんだ・・と思いました。

 昼間だし、公共交通機関の中だし、特に危険な思いをしたわけでもないのですが、もはやパリではないどころか、フランスでもない・・そんな場所がパリからそんなに遠くもない場所にあって、その「サン・ドニ」という同じ町の中でさえ、天と地の差もある感じになっていることが、とてもショッキングだったのです。

 いつのまにか、パリから消えているあれだけいたのにどこへ行ったのか?と思っていた露天商もここにはいました。警察はいても、見逃している・・そこはいつものパリと一緒ですが、現在のパリとはまるで違います。まるで違う国のようです。

 聞くと見るとは大違いと言いますが、まさにそんな感じで、オリンピックパークのおかげで、そんなディープな本当の「サン・ドニ」の生の姿を見ることになったのです。


サン・ドニのオリンピックパーク


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