2023年10月24日火曜日

いじめの被害者両親が学区教育アカデミーから受け取っていた脅迫状

  


 いじめの被害者の両親に対して、学区内教育アカデミーが送っていた手紙が脅迫状のようだったことが、公になり、アカデミーの責任者が辞職に追い込まれています。

 このいじめの被害者になった子供は、9月に新年度が始まった早々に自分の部屋で自らの命を絶ってしまいました。その直後の報道では、昨年末から、このいじめの問題について、両親が学校に相談を始め、数度にわたる、手紙のやりとりや面談や会合が行われていたことは、明らかにされていましたが、結局、納得のいく対応をしてもらえず、転校することが決まっていた矢先の出来事であったと言われていました。

 その後、この両親がマスコミに公表した同学区教育アカデミーとのやり取りの手紙は120通以上にもおよび、そのうえ、その内容が息子がいじめにあっていることを訴え続けている両親に対して、脅迫状めいた・・というか、脅迫そのもののような手紙を数度にわたり送っていました。数度にわたりとは、過小な言い方で後の調査によると、その半数近くが、この被害者の親に対しての手紙としては、看過できない不適切なものであったことが判明しています。

 息子のいじめ問題を心配した両親は、まず、現場となっている学校に相談し、書簡も送っていますが、数度にわたるアクションにも学校側の対応が見られず、警察に告訴状を提出するとともに、学校に対しても、「数度にわたる訴えに対しても、何も対応してくれないため、告訴状を提出した。息子に万が一のことが起こった場合はあなた方の責任だ」というような内容の手紙を送っています。

 この手紙に対して、学区アカデミーは、この両親からの手紙を「国家教育部門に対する嫌がらせ」であり、中傷的な告発を処罰する条項に言及し、懲役5年と罰金4万5,000ユーロの罰金が課せられると説明。 さらに保護者に対し、「今後は教育界のメンバーに対して建設的で敬意を持った態度をとること」を勧告し、「必要であれば、国家安全保障だけでなく公教育サービスが適切に機能するために必要なあらゆる措置をとらざるを得なくなるだろう」と逆に脅迫する内容の手紙を送っていました。

 これらのやり取りが続く中、家庭内において、いじめの被害にあっていた少年は、いじめの被害に遭い続けながら、それと闘おうとしてくれている両親の憤りを目の当たりにし、絶望していったのではないかと思われます。

 「万が一のことが起こったら、あなた方の責任だ!」というのは、かなり強い文面ではありますが、しかし、思いつめている息子を見守りながら、訴えているのに、学校側が何のアクションもとってもらえない両親からしたら、当然でもあります。

 結果的には、何より、万が一のことが起こってしまったのですから・・。

 充分な対応もせず、いじめ問題の存在もはっきりと解明せずに、逆に訴えを起こしている両親に対して、「国家教育部門に対する嫌がらせ」であり、さらに、刑法まで持ち出して、黙れと言わんばかりの脅迫状めいた手紙を送るなど、もってのほかのおそろしい話です。

 この事実が明らかになり、政府が動きだし、この教育アカデミーの送った手紙を「恥の手紙である」と凶弾し、詳細の調査が開始され、アカデミーの責任者は辞任しました。

 いじめ問題などをただす役割であるはずのアカデミーがこの問題を抹殺しようとし、黙れとばかりに脅迫状じみた書簡を送っていたということは衝撃的な事実です。

 いじめ問題は、まず、事実を学校側が認めなければ、解決には向かえないはずなのに、この問題に関しては、まず、事実を認めるという第一歩が大きなハードルとなっている気がします。

 失われた命は戻ってきませんが、このアカデミーの現状がマスコミの手によって、明かになり、凶弾されたことで、こんな対応は社会的に許されないということが、多くの教育関係者に周知され、このようなことが、二度と起こらないようなきっかけになってくれればと思います。

 やっぱり、マスコミは、弱者の叫びを代弁し、社会に訴えかける正義の味方であってほしいです。


いじめ問題


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2023年10月23日月曜日

ヴェルサイユ宮殿 8日間で7回の避難勧告

  


 イスラエル問題が勃発して以来、あちこちで爆破予告が続き、翻弄されている感がありますが、中でもヴェルサイユ宮殿では、昨日も爆弾警報発令で、観光客が避難、退去を求められ、なんと、避難勧告は、この8日間の間で7回目であったことがわかっています。

 8日間で7回目ということは、ほぼ毎日ということで、ハタから見る限り、オープンするのもどうなのか?と思ってしまいます。しかし、これで閉館にしてしまえば、テロに屈することになってしまいます。


 このうち、水曜日の爆破予告については、電話による爆破予告とのことで、すでに、37歳の精神疾患を患っている男が犯人として特定され、逮捕されているようです。これまでに犯罪歴はなかったというこの男、37歳で無職、両親と同居というフランスにしたら、珍しい感じではありますが、統合失調症とのことですが、刑事罰の対象とされるそうです。

 法務相の発表によれば、この間の爆破予告のための捜査は22件にも及んでいるそうで、ほぼ毎日の爆破予告のための避難勧告だけでも驚きなのに、それが、22件ともなれば、一日に複数の爆破予告があるということで、ヴェルサイユ宮殿だけでの話ではないでしょうが、パリ中が翻弄されている感じもあります。

 これらの爆破予告は、電話によるものや、SNSによるものなど、脅迫手段としては、比較的、簡単に行えてしまうものではありますが、法務省は、これに対して、これらの犯罪は、「最高2年の懲役と3万ユーロ(約500万円)の罰金が課せられる可能性がある」と警告しています。

 年間来場者数800万人といわれるヴェルサイユ宮殿、パリを訪れた人は、ヴェルサイユへも行きたいと旅程に組み込む方も多いと思われますが、せっかくの時間を割いても、現状では、結局、追い出される可能性も高いため、残念ながら、ヴェルサイユ宮殿観光は、避けた方が賢明かもしれません。


ヴェルサイユ宮殿 避難勧告


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2023年10月22日日曜日

クレジットカードが使えない! 複数の店舗でカード払いが不可能に・・

  


 もう、ここ数年、私は、ほとんど現金を持ち歩かないようになっています。たいていのお店では、クレジットカードで支払いが済むため、いちいち、現金をおろして、現金で支払う必要はないのです。

 フランスでは、このカードでの支払いは、コロナ禍でより一層進んだ気がしています。たまに、カードでの支払いは、20ユーロ以上のみ・・などというお店があったりもしますが、それさえも、今はもう、ほとんど見かけません。

 最近では麻薬や薬物に関する違反もその場でカード払いになっています。

 あまりに小さい買い物の際には、現金を使うこともありますが、そのためにお財布に入っている現金は、せいぜい20ユーロ程度です。治安もあまりよくなくて、高額の現金を持ち歩くのは、決して賢明とも思われず、仮に、スリなどに遭って、お財布を盗られたりしても、カードはすぐにストップすればよいし、被害を最小限に食い止めることができます。

 最近は、バゲット1本でさえも、カードでOKの場合は、カードで済ませてしまいます。

 そんなフランスで、土曜日の午後に、複数の商業施設でこぞってクレジットカード払いがストップしてしまったそうで、カーフールなどのスーパーマーケットをはじめとして、IKEA、マクドナルド、DARTY(電化製品のチェーン店)、オーシャン(スーパーマーケット)、Leroy Merlin ルロワメルラン(DIYショップチェーン店)、そしてSNCF(フランス国鉄)までもが同じ問題が発生して、大混乱に陥りました。

 今は、何か事件が起こるとX(Twitter)などで、その状況が拡散されますが、今回も、カーフールに買い物に来たけれど、カード払いができずに、店内が大混乱に陥っているという投稿に続いて、同様の投稿が浮上しはじめ、この問題が明らかになりました。

 フランスでは、多くのお店が日曜日には、閉店するために、買い物は土曜日に集中します。そんな土曜日にこのカード問題が起こったのでは、店舗側としても大損害に違いありません。

 最近のオートレジには、カードオンリーなどというものもあるので、当然、現金での支払いのための大行列ができたり、その場で買い物を諦めて、商品の入ったカートをそのまま放置していく人々も・・。

 さんざん、時間をかけて、商品をカートに集めて、いざ支払いとなったら、カードが使えないなんて、多くの人はカード払いを前提に買い物に来ているために、現金の持ち合わせがない場合は少なくありません。

 今回の事故?に関して、銀行カード経済利益団体 (GIE CB) は、即時にこの問題について、「これはサイバー攻撃でもCB決済ネットワークの問題でもない」ことを強調し、「同じ技術サービスプロバイダーに依存している特定のブランドに限定された事件です」と説明しています。

「すでに問題を特定されており、解決されつつありますが、CBは銀行、加盟店、その他の決済ブランドと同様に影響を受けるため、これ以上の詳細については、言及できません」と付け加えています。

 こんな話を聞くのは初めてのことですが、こんなことも起こり得るんだということを知っていれば、心の準備はできるというものです。また、いざとなったら、さらに逆もどりして、小切手一枚を持っておくというのもアリかな?などとも頭をかすめます。

 しかし、スーパーマーケットなどの前払いのお店ならばともかく、レストランなどだったら、どうしたんだろうか? お店側の場合、前もって知らせてくれなければ、困っちゃうかも・・? しかし、知らせてくれたところで、わざわざ現金をおろして、買い物に行くとか、食事に行くとかいうことが、すごく億劫な気がしてしまいます。

 全く、ラクなことには、すぐに慣れるくせに、それがもとに戻ってしまうことには、非常に抵抗を感じるのですから、しょうがないもんです。



クレジットカードシステム機能不全


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2023年10月21日土曜日

冬に向けてのワクチン接種

  


 毎年、秋が深まり、気温が下がってくる季節になると、しっかりやってくる「ワクチン接種を受けましょう!」というお知らせというか、招待状? 予防接種は、軽く?罹患するような状態になるため、予防接種後は、逆に体調を崩したりするので、私は、長いこと敬遠していました。

 それが、パンデミック以来、たしか、2年目からだったと思いますが、コロナウィルスもまだまだおさまっていなかった頃、インフルエンザに罹ったうえに、さらにコロナウィルスにまで感染してしまったら、さぞかし、苦しいだろう・・と思い始め、ここ数年は、インフルエンザの予防接種を受けていました。

 案の定、昨年、インフルエンザの予防接種をした後には、体調を崩し、微熱が続いたりして、けっこう辛かったので、今年は、どうしたものか?と迷っていました。

 いつも飲んでいる薬の処方箋をもらいに、3ヶ月に一度はかかりつけのお医者さんに通っているので、その際にでも、コロナウィルスの追加ワクチン接種とともに相談してみようと思っていたのです。

 ちょうど、先日、そのかかりつけのお医者さんに予約がとれたので、ワクチン接種の通知を持ってでかけると、待合室に入ろうとしたところで、「マスクをしてください!」と言われて、これは、また、久しぶりにマスク着用を求められて、ちょっとビックリ!

 診察の際に、「また、コロナウィルス感染、増えているの?」と聞くと、「もう、毎日、毎日、必ず、感染している人が後を絶たない・・」とのこと。

 最近は、もうすでに、パンデミックについては、ほぼ終了したような感覚でいて、感染者数なども発表されなくなって、秋のはじめに、「再び感染者数上昇!」などというニュースをそういえば、見ていたのに、慣れというのは、恐ろしいもので、もう、ちょっとやそっと感染者数が増えたくらいでは、「あ~また増えてるんだ~」などと思う程度で、あまりピンときていなかったのです。

 ところが、医者に来て、「マスクしてください!」などと言われると、途端にそれは現実味を帯びた問題として感じられ、「やっぱりヤバかったのかも・・」などと、ちょっとビビるのでした。

 一応、お医者さんに相談すると、この冬、旅行したりするのだったら、余計に両方とも、その前にした方がいいと言われ、さっそく翌日に予約すると、その日のうちにワクチンを薬局でもらって、まずは、インフルエンザの予防接種をしたのでした。

 コロナウィルスワクチンについても、変異種対応のワクチンになっているし、以前にしたワクチンからはもう、かなり時間が経過しているから、変異種対応のワクチンをしなおした方がよいとのことでした。(私の場合は心臓に少々問題があるし・・)

 「去年、インフルエンザの予防接種の後に熱を出したんですけど・・」と言ったら、ドリプラン(解熱・鎮痛剤)も処方してくれました。

 ところが、薬局に行くとワクチンはあるものの、ドリプランは在庫切れとのことで、品切れなら、すぐに注文してくれれば、明日には受け取れるのかと甘く考えていたら、生産が間に合っていないとのことで注文も不可能とのこと。

 フランスでドリプランといえば、知らない人はいないほどの薬で、何かといえば、ドリプラン。風邪をひいても、コロナにかかっても、「とりあえず、ドリプラン飲んどけ・・」みたいなところのある国民食ならぬ、国民的な薬です。

 そのドリプランの在庫がなくなっているということは、それだけ需要があるということで、やっぱりワクチン接種はした方がよいのかと、また、また、自分に言い聞かせるのでした。

 コロナウィルスのワクチンとインフルエンザのワクチンは、少し時間をあけてした方がよいとのことで、コロナウィルスのワクチンは、10日後になりました。

 お医者さん曰く、来年には、インフルエンザとコロナウィルスの混合ワクチンが出るから、一回で済むとのことで、今後は、毎年、冬のはじめにやってくるインフルエンザワクチンと同等の扱いになるような感じです。

 長いこと、ワクチン接種は、できれば避けて通りたいと思っていた私ですが、こうなったら、もうとりあえず、できるワクチンはやっとこうか?くらいに思うようになりました。いいのか悪いのか、よくわかりませんが、これも、感覚的な慣れかもしれません。

 いずれにしても、近くにこうしたことを含めて、フランクに相談できる、時には余計なおしゃべりまでできる信頼できるかかりつけのお医者さんがいるということは、海外生活においては、とても心強いことです。


インフルエンザワクチン接種 コロナウィルスワクチン接種


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2023年10月20日金曜日

エシレバターが小さくなった!

  


 日本に一時帰国することにしているために、そろそろ、買い物に行く度に、お土産に良さそうなものを物色し、値段をチェックしたりしています。

 一時帰国する際に、頭の痛いことは、お土産のことで、もう20年以上、数年、間隔があいてしまったこともありましたが、年に数回、行くこともあった年を入れれば、最低でも1年に一度の割合で日本に行っているわけで、少なくとも20回以上、ありとあらゆるお土産は持っていき尽くし、もうネタも尽きた感じで、おまけに近年は、生ハムなどの肉製品が持ち込めなくなってしまったので、最近は、めっきり、チーズやバターなどの乳製品を中心にもっぱら、食料品に偏りがち、時々、化粧品・・といった感じで落ち着いています。

 中でも、一番、みんなが確実に喜んでくれるのは、エシレバターで、日本では恐ろしく高く、また、誰でも使うものであり、あまり人を選ばないため、とりあえずは、毎回、少し多めに買っていきます。

 だいたい、モノプリ(Monoprix)などのスーパーマーケットならば、どこにでも売っているので、調達するのも楽ちんですが、お店によって、値段が違うので、一応、前もって、チェックしたりしているのです。

 なにせ、けっこうな量を買うために、一度、モノプリのレジで、バターを並べたら、レジをやっていた男の子に「バター好きなんだね・・」と呆れられたこともあります。

 そんなわけで、つい先日、モノプリに買い物に行った際に、お土産になりそうな食品を探しながら、ついでにエシレバターの値段をチェックしようとバター売り場を覗いてみたら、エシレバターの小さいサイズのものが、さらに小さくなっていて、「ちっちゃ!」と驚いてしまいました。

 インフレで、全ての商品が値上げしている中、容量を減らして、値段の上昇を抑えているという話は、聞いていましたが、まさかエシレバターまでとは・・。しかも、袋にガサッと入っているものなどなら、わかりにくいのですが、バターの場合は、内容物ピッタリに包装するため、容量を減らすと、ものすごく目立つわけです。なかなかインパクトのある大きさの変化です。

 通常のバターのサイズは250gのものがふつう、ハーフサイズのものは、125gですが、エシレバターの小さいサイズは、以前は125gだったものが100gとなっていました。表示に誤りがあるわけではないので、文句のつけようはありませんが、この内容量を減らして価格の上昇をおさえるやり方が、どの程度、効果があるのかは疑問などころですが、ちょっと衝撃的でした。

 ただちに、他のメーカーのバターのハーフサイズを見てみると、他のものは、通常どおりに125gのままで、なんで、エシレバターは、この方法をとったのか?疑問です。

一般的なバターはハーフサイズでも125gのまま


 そもそも、エシレバターは一般的にフランス人が買うバターよりも、ちょっと高価です。このエシレバターを購入する人々が25g分の値段の上昇を気にするかどうかは、非常に疑問ではあります。

 そのうえ、もともとハーフサイズは、通常サイズに比べて割高でもあり、割高なことを承知で買っているわけです。

 最近のハイブランドパティシエなどのインフレ全く関係なしの堂々たる価格設定を見ていると、なぜ?エシレバターたるもの、こんなセコい真似をするのか、少々、疑問でもあります。

 しかし、そもそも、エシレバターは、それほどフランスでは日本のように奉られているわけでもなく、意外と知らない人も多いくらいで、そんなに大勢に影響はない気もしますが、あまりに目立つ、内容量削減に、これからは、他のものの、内容量にも気をつけなければ・・と思ったのでした。


エシレバター


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2023年10月19日木曜日

フランス国内の空港、相次ぐ避難勧告で強制退避

  



 フランス国内のリール、リヨン、トゥールーズ、ボーヴェ、ナント、ビアリッツ、ポー、ストラスブール、ブレスト、タルブ空港では、爆弾の脅威のために乗降客が空港から退避、避難をさせられるという異常事態が起こっています。

 長年、フランスで空港を利用している人ならば、一度や二度はこの爆弾騒ぎに遭遇したことがあると思いますが、フランス各地で、同じ日にこれだけの数の空港が避難勧告を出し、一時、空港を閉鎖するという事態は、さすがに、そうそうあることではありません。

 そもそも、普段、メトロの駅などでも、不審物が発見されたために、メトロが止まるとか、駅が閉鎖されるということは、あり得ることで、ましてや空港ともなれば、忘れ物、置き去りにされたスーツケースなどは、不審物として判断され、スーツケースもろとも、爆破されてしまうところに遭遇したことがあります。

 ある時、空港で銃声のようなものが聞こえたので、何ごとか?とギョッとしていたら、「大丈夫、不審な荷物を爆破しただけだから・・」と軽く言われて、ビックリしたことがありました。

 もちろん、万が一にもそれがホンモノの爆弾などの危険物であることもあり得るからやっていることとはいえ、どちらかというと、その時の私にとっては、うっかり、荷物を置き忘れたら、爆破されちゃうんだ・・と、「えっ?そっち?」と思われる方を心配していたのです。

 今回、避難勧告が出された空港は、不審物が発見されたことによる場所もありますが、リール、ストラスブール、ボーヴェの空港などは、SNSにより、爆破予告を受けたものであり、とりあえず、乗降客を非難させ、空港施設内をくまなくチェックするわけで、当然のことながら、空の便は大混乱。

 フランス全土の空港の様子を統括している民間航空総局によると、あちこちの空港に爆破予告が来ていることは、把握しており、あわや同時多発テロ?と緊迫した空気が流れたと言われています。

 空港内の人々は非難し、フライトはストップし、着陸直後の機内にいる人々は、とりあえずは、空港内には立ち入れないために、機内で待機させられるという異常事態。

 結局、一日が終わってみれば、どの空港でも爆発は起こっていないということは、爆破予告もいたずらや脅しにすぎなかったわけではありますが、しかし、爆破予告を受けながら、乗降客を避難させないわけにはいきません。

 こんなことが一体、いつまで続くかと思うと、心底ウンザリしますが、それがホンモノのバック団である可能性がゼロではない限り、特に現在のような情勢下では、致し方ありません。

 しかし、こんなことを言うのもなんなんですが、フランスの人々、わりと、避難勧告というか、爆弾騒ぎとか、そういうのに慣れているのか、わりと平然としているのもこれはまた、微妙なものです。

 私も直近では、この夏、娘を空港まで送っていった時に、不審物のためにターミナルの一つが閉鎖、もう一つのターミナルまで歩かなければならなかったけれど、「え~~また??」と思いつつも、これはこれで通常運転な感じ。

 昨日もメトロに乗ろうとして駅に行ったら、ちょうど、メトロが停まっていたので、ラッキーとばかりに飛び乗ろうとすると、すれ違いざまに歩いて行くおばさんが、「動いてないわよ・・」と・・。それでも、乗って待ってよう!と思って、周囲を見渡すと、まわりは平然と何もなかったように静か・・。まもなく、なんの説明もアナウンスもなく、メトロは発車。

 まあ、空港となれば、ちょっと規模も違い、また、国内の空港が同時にいくつも閉鎖となれば、かなり焦る気持ちにもなるのですが、もともと通常運転でさえも、オンタイムということがあまりないわけで、いざ、爆発となれば、そんなことも言っていられないのですが、フランスにいたら、ちょっとゆるく構えているくらいがちょうどいいかもしれない・・などとも思うのです。


フランス 空港爆破予告 避難勧告


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2023年10月18日水曜日

パリはハロウィンカラーになってきた・・

  


 またまた、予約してから、3ヶ月近く待たされた心臓専門医の診察の日がようやくやってきて、数ヶ月前に行った検査の結果を持って行ってきました。パリの街はすっかりハロウィンの飾りつけが増えてきました。

 もともと、イベントごとに興味が薄い私は、あまり、ハロウィンなどは、特にやったことがありません。

 子供の頃に母がかぼちゃをくりぬいたりして、飾りものを作っていたりしたことがありましたが、自分としては、一回くらいは、娘が小さかった頃にかぼちゃをくりぬいて、同じようなかぼちゃおばけみたいなものを作ったことがあったかな~?という程度で、ほとんどといっていいくらい興味がありませんでした。

 そもそも、このハロウィンの時期は、フランスではハロウィンというよりもトゥーサンというカトリックの祝日(バカンス)で、亡くなった人を追悼する日であり、家族とともにお墓参りをするという色が強く、この時期になると、墓地がたくさんのお花で埋め尽くされます。

 しかし、ここ最近は、このトゥーサンのお墓参りはそこそこで、それよりも、ハロウィン=仮装大会のような色が強くなってきた気がします。

 スーパーマーケットなどに行っても、ハロウィン仕様のお菓子や、仮装のための衣装などがたくさん並んでいて、フランスも変わったな~と年寄りのようなことを思います。 

 

     


 一番、びっくりしたのは、心臓専門医の診療所までハロウィンの飾りつけがされており、お菓子などがおいてあったことです。



 お祭り好きなフランス人、これに乗らないはずもないのですが、場所が場所、それでも、診察が終わったあと、会計の際に受付のお姉さんが、「お菓子持って行って!」と楽しそうにいうので、チョコレートを物色していると、魔女が大声をあげてガブッと私の手にかみつきそうになる仕掛けになっていて、私は、年がいもなく、悲鳴をあげてしまいました。

 おもしろがる受付嬢をよそに、私の悲鳴をききつけて、診察室からみんなが出てきて、魔女以上に私がみんなを驚かせてしまいました。

 「これって、心臓によくないんじゃない?」と言いながらも、みんな楽しそうで、私も余計にチョコレートをもらってきました。

 トゥーサンからハロウィンに移行しつつあるフランスを実感した一日でしたが、私は、もう少ししたら、ご無沙汰している夫のお墓参りに行こうと思っています。


ハロウィン


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