今年に入ってから、公式には11回目のデモが、色々な意味で盛大に行われました。CGT(全国組合連合)の発表によると 200 万人、当局の発表によると 74万人の人がデモに参加しました。
パリだけでも、少なくとも11,500人の警察、憲兵隊がデモの警備にあたる中、今回はプラスイタリー(イタリア広場)が集結場所として選ばれました。集結場所はプラスイタリーでも、そこに到達するまでにデモ隊は、抗議の声を挙げながら、パリ市内をあちこち行進していくわけで、その途中で、様々な摩擦が生まれるのは毎度のことです。
今回は、パリ6区にある有名なブラスリー「ラ・ロトンド」付近でデモ隊の一部と警察の衝突が起こり、レストランの赤いテントに発火筒が投げつけられ、赤いテントが燃え上がる火災が発生しました。
MANIFS / RETRAITES : Tensions à Paris. Un début d'incendie est signalé au fameux restaurant La Rotonde après un jet de fumigène (@ClementLanot). pic.twitter.com/S2ZNRGFK8R
— Infos Françaises (@InfosFrancaises) April 6, 2023
火災が起こったのは午後15時半から16時頃のことで、昼時の混雑時間帯ではなかったにせよ、観光客の多い場所、お店にはお客さんも少なからずいたはずで、負傷者が出なかったことは、不幸中の幸いでした。
消防隊の介入により、比較的早い段階で鎮火しましたが、レストランにとったら、大変な惨事に違いありません。
このブラスリーは、2017年にマクロン大統領が大統領選挙に最初に当選した際に祝勝会に使われた、いわば彼のお気に入りのお店、いわば大統領御用達のお店で、そのために標的にされたものと見られています。
レストランに行くと、有名人がここを訪れましたとばかりにその人がお店で撮った写真やサインなどが飾られていることがありますし、このブラスリーも2017年マクロン大統領当選直後は、大統領が祝勝会に使ったお店として、誇らしい出来事として捉えていたに違いありません
しかし、それから6年後、年金改革問題により、反マクロンの勢いが強烈になり、とうとう攻撃の標的にまでされてしまうとは、このブラスリーにとっては、とんだもらい火に違いありません。
これから先にマクロン大統領が外の場所で祝勝会を行うようなことや一般のレストランで食事をする機会があるかどうかはわかりませんが、こんなことが起こるのでは、彼は招かれざる客になってしまったことに違いありません。
パリだけでなく、あらゆる街での破壊行動は止まることはなく、次回のデモは憲法評議会の決定が下される日の前日4月13日であると発表されています。
恐らく、次回の山場は、この法案に対する「憲法評議会の決定」であることは間違いなく、どうにか少し回収され始めたパリ市内のゴミの山が復活しそうな気配で、ゴミ収集業者の組合が4月13日から、ゴミ収集ストライキ・シーズン2を予告しており、今度は「この年金改革が撤回されるまで、パリの街中を公共のゴミ捨て場に変える!」と宣言しており、憲法評議会の決定がGOサインを出せば、また、パリの街は手が付けられない状態になることは必須のようです。
ブラスリー レストラン ラ・ロトンド火災
<関連記事>
「パリだけでも毎晩警察官2000人が動員されている! デモは日に日に過激になっています・・」
「1686年創業のパリ最古のカフェレストラン ル・プロコープ Le Procope」