2022年9月1日木曜日

ロシア 大手ガスプロム フランスへのガス供給 完全停止の衝撃

   ロシアの大手ガスプロム社は、9月1日からフランスへのガス供給を停止すると発表しました。同社は、「エンジー(Engie)(フランスの電気・ガス供給会社)グループが7月分の請求書を支払っていない」とこのガス供給停止を正当化しています。 フランスは戦争が始まる前までは、17%のガスをロシアから輸入していましたが、現在は9%にまで落としています。最近ではフランスにガスを供給しているのは、ノルウェー(36%)や、アルジェリア、アメリカなど、供給源の多様化が進んでいます。 ウクライナ紛争が始まって以来、エンジーへのロシアからのガス供給はすでに大幅に減少しており、最近では1ヶ月あたりわずか1.5TWhにまで落ち込んでいるとエンジー社はすぐに反応しています。 つまり、契約時の量のガスが供給されていないために、エンジー社は実際に受け取っている分だけ支払いをしていると言っているのです。 ロシア...

2022年8月31日水曜日

固定資産税の増税と未申告プールの税金徴収1,000万ユーロ

  毎年夏のバカンスの時期の終わりになると、3,000万人以上の住宅所有者が固定資産税の請求を受け取り、現実に引き戻される嫌な時期を迎えます。 固定資産税などの税金は、毎月、引き落としで支払うこともできますが、毎月、支払っていない世帯に対しては、10月中旬に一括で納めることになります。 今週から固定資産税の納税通知書は、オンライン化されています。お役所仕事は、とかくスムーズに運ばないフランスでも、本当に税務署だけは、しっかり働きます。 価格の上昇は、エネルギーや食料だけではなく、あらゆるものがインフレに直面して、政府もまた、固定資産税の計算の基礎となる地籍上の賃貸価格を3.4%再評価すること...

2022年8月30日火曜日

フランスの物価上昇と年度始まりの100ユーロのインフレ手当

   ここのところ、買い物に行くと、ちょっとギョッとするほど、あらゆるものの価格が上がっているような気がします。普段、具体的に正確な値段を把握していなかったものでも、値段を目にして、「えっ??」とびっくりして、伸ばした手を引っ込める感じで、そんな感じで手を引っ込めていたつもりで買い物しても、最後にレジで、また、「えっ??」そんなに買っていないはずだったのに・・とウンザリします。 かなりボーッとしている私が気付くほどの値上げなので、よっぽどなのだろうと思うし、散財してしまった・・というわけでもないのに、どんどんお金を使っているというのは、ちょっと恐ろしい気がします。 それでも、ヨーロッパの中では、まだフランスは物価上昇率はマシな方だと言われていますが、7月の物価上昇率は、全体で約...

2022年8月29日月曜日

海外在住と日本の家族 独り残された父

    海外に在住することを決めた段階では、私の場合はあまり詳しく後先を考えていませんでした。別に海外に永住すると心に決めていたわけでもないし、もしも私がもう少し思慮深い人間で、後のことまで色々と心づもりをして考えていたら、海外に移住することなどできなかったかもしれません。 しかし、私だけでなく、周囲の家族を含めての、すべての人々の先のことなど想像がつかないことでした。 だからといって、海外に移住したことを後悔しているわけではありませんが、最も困ったことの一つは、日本にいる両親が歳をとっていって、健康を害する場面に直面したときだったような気がします。 娘が生まれて、私がフ...

2022年8月28日日曜日

エアフランスのロストバゲージは45日経っても戻らない上に90日後には捜索も打ち切り

   今年の夏のバカンスシーズンの始まりのシャルル・ド・ゴール空港は、航空会社や空港職員や消防隊員のストライキのためにフライトキャンセルや空港のシステムダウンも重なって大混乱となりました。 特に、飛行機に搭載されないまま出発した人の荷物がシャルル・ド・ゴール空港に置き去りにされ、この期間に出たロストバゲージは3万5千個と言われており、山積みにされたまま放置されているスーツケースに当事者ではない私でさえも、ゾッとしたくらいでした。 シャルル・ド・ゴール空港での出来事のため、当然、一番、被害の多かったのはエアフランスのフライトに関するロストバゲージが大部分だったようで、当初はエアフラン...

2022年8月27日土曜日

フランス 教育革新基金に5億ユーロ投入

   私がフランスで仕事を始めたのは、娘が1歳になるかならないかの頃で、初めての子育て、しかも、まだフランスに来て1年も経たないフランスのこともよく知らない状況で、周囲には、子育ての先輩が結構いて、色々と忠告をしてくれました。 まあ、同じフランスでの子育てといっても、それぞれ、家族構成や生活環境は違い、全てを参考にできたわけではありませんでしたが、私にとっては、大きく2つのことを心に留めていました。 そのうちの一つは、「放っておいたら、日本語はできなくなってしまうから、心して日本語教育には取り組まなければいけない」ということと、「学校は小学校から中学、できたら高校までは、私立に入れ...

2022年8月26日金曜日

「私たちは豊かさの終焉の時を生きている」マクロン大統領閣僚理事会での厳しめのスピーチ

   マクロン大統領が閣僚理事会を開催し、その冒頭で行ったスピーチが衝撃を与えています。 マクロン大統領は、世界を襲っている「一連の危機」を振り返りながら、国際関係の非常に厳しいパノラマを描写しながら、非常にインパクトの強いメッセージを発信しました。 閣僚理事会の席上ゆえ、一応は出席している閣僚に向けての発言ではあるものの、報道カメラが入っている以上、それは、少なからず国民に向けてのメッセージでもあり、同時に国民の不安を煽るものでもありました。 「私たちは豊かさの終焉、不安のない生活の終焉、先行きの見える生活の終焉を経験しており、コストのかからない流動性の終焉を経験している。水のように、ある素材や技術の希少性が再び登場する。私たちは、今、決して自暴自棄にならずに行動を起こさなければならない」そして「私たちは気楽な時代の終わりを生きているのであって、我々の自由というシステムには犠牲が必要かもしれない」とフランス人の反感を最も煽るようなことも、あえて付け加えています。 「この大きな変化に直面し、国民は大きな不安を抱えて反応するかもしれません。このような困難に直面したとき、私たちには待つという選択肢はありません。志を持って国を興し、守るべきものを守り、必要とする人を守らなければなりません。」 「私は真剣さと信頼性を期待します」「このような不安や課題に直面すると、時に何でもかんでも約束したり言ったりしがちです。世界では、人々が望んでいることを言うのが魅力的に見えるかもしれません。彼らが聞きたいことが効果的で役に立つこともあります。」 「しかし、我々はまず、それが有用で、効果的で、公正であるかどうか、あるいは彼らを説得しに行く必要があるかどうかを自問自答することによって、理由をつけなければならない」。...