2021年12月21日火曜日

フランスでのオミクロン株の拡大とその危険性 パリ近郊・首都圏では、すでにオミクロンの割合が高い

   現在のフランスでの新型コロナウィルスの感染は、デルタ株が主流とされていますが、オミクロン株もその間を縫って、着々と侵食しつつあります。現在のフランスでのオミクロン株は、感染者全体の7〜12%と言われていますが、セーヌ・エ・マルヌ、サルト、パリ(la Seine-et-Marne, la Sarthe, Paris)などの首都圏では、より高い割合になっており、感染者の20%がオミクロン株による感染に移行していると言われています。 コビットトラッカーCovidTracker(感染状況確認サイト)とViteMaDose(ワクチン予約サイト)のウェブサイトの創設者であるギヨーム・ロジエ(Guillaume...

2021年12月20日月曜日

2022年1月からのワクチンパスの内容

   12月17日にカステックス首相が発表した来年早々にはヘルスパスがワクチンパスになるという話は、実際の施行は、おそらく1ヶ月以上先になるためなのか、私が思ったよりは騒ぎにはなっていません。むしろ、7月の時点でのヘルスパスの発表の方が衝撃的で皆が慌てたと言ってもいいかもしれません。 そもそもワクチン接種をすでに受けている77.8%の人にとっては、なんら変更のないものであり、これにより影響を受けるのは、残りの22%のワクチン未接種者にのみ限られており、すでにヘルスパスによる生活が浸透しているフランス国民にとっては、大きな変更はありません。 しかし、これは、日に日に深刻になっている現...

2021年12月19日日曜日

イギリスとフランスの感染対策経緯の違い 順送りにヨーロッパを襲い続けるコロナ波

  パンデミックが始まって以来、ヨーロッパは、まるで順送りのように、感染の波の悪化と低下を繰り返しています。2020年の年末から2021年にかけては、イギリスでデルタ株が急増し始めて、急にイギリスとの国境を閉鎖し、クリスマスには、イギリスとの国境で立ち往生する多くのトラックの様子などが報道されていました。 それから、イギリスは、どこの国よりも早く、ワクチン接種を開始し、猛スピードでワクチン接種を拡大していきました。 今年の7月の段階では、イギリスはすでに国民の7割程度が2度のワクチン接種を済ませており、1日の感染者数は2千人台にまで落ち着いていました。 この段階でフランスのワクチン接種率は、6割にも満たない状況で、バカンスを前にフランスは、ヘルスパスを起用し、ワクチン接種の拡大を促すとともに、ヘルスパスがないと身動きがとれなくなるような制限や医療従事者のワクチン接種義務化などを導入しています。 イギリスは、同時期には、ワクチン対策が十分であることに賭け、フランスとは真逆の対応に向けて舵を切り、すべての制限を撤廃する方向に方針転換をしています。 この段階では、フランスは、状況的に(感染状況・ワクチン接種状況)から、夏のバカンスに向けて、とてもイギリスのような方向に進むことができなかったのも事実です。 しかし、冬が近づくにつれ、両国とも感染状況は悪化し始めましたが(デルタ株)、特に新しいオミクロン変異種が出現してからのイギリスの感染拡大は、ものすごい勢いで進み、1日の新規感染者数は毎日のように新記録を更新し、1日9万人を突破しています。 現在のイギリスのオミクロン株の感染拡大は、デルタ株に関連した極めて緊迫した状況の上に発生しているのです。これは、今後、フランスでの感染がオミクロン株が主流になった場合におなじことが言えます。 イギリス政府はこの事態を受け、パンデミック開始以来2回目となる「重大インシデント」を宣言したことを発表しています。現在は、屋内の公共の場や公共交通機関を利用する際、イベント参加等には、マスク着用が義務付けられ、可能な限りリモートワークにシフトすること、また、ナイトクラブなどに行く際は、NHS...

2021年12月18日土曜日

ヘルスパスがワクチンパスになる! 

   現在、1日の新規感染者数が平均5万人のフランスは、ノエルのバカンスに入る前に国防会議を開き、カステックス首相がノエル・年末年始に向けての新しい制限を発表しました。 ワクチン接種の効果から、これだけ感染者が多いにもかかわらず、重症患者は、昨年よりも少ない状況とはいえ、医療体制も限界に近づいており、地域によっては(マルセイユやアルプ・コートダジュールなど)、すでに患者の移送が始まっています。 この状況の中でノエル・年末年始のバカンスを迎えるにあたって、「大勢での集まりは避ける=大きなパーティーや集まりは避ける」「公道での無許可の集会や飲酒を禁止し、自治体には、公道での集会、特に花火やコンサートの開催を控えるよう呼びかける」ことを発表しました。EN...

2021年12月17日金曜日

ワクチン接種の急な予約変更 パリのワクチンセンター

   フランスの感染状況が日々、悪化する中、政府は、ひたすらワクチン接種、ブースター接種を呼びかけ、毎日、ものすごい勢いでワクチン接種を進めています。先日は、1日のワクチン接種が828,705件という記録を更新したと発表されていました。 私は、先週の初めにブースター接種を済ませたのですが、娘の予約はもう少し後になっていたのが、直前になって、場所が変更され、家から少し離れたパリ市内の大きなワクチンセンターに行くハメになりました。 「家から近いところに予約したのに〜〜!」と不満気な娘。近所の薬局では、先週末に予約なしにワクチン接種をしていたので、念のため、今週末もやらないのかどうか聞き...

2021年12月16日木曜日

12月は犯罪が多いパリ パリのスリの生息地

    パリの治安はいつも悪いのですが、12月は特に悪いことを、ついつい忘れがちになります。友人がスリにあったという話を聞いて、そういえば、今は12月だったことを思い起こすほど、12月は特に治安が悪いのです。 12月は、多くの人がノエルを控えての買い物に出たり、ノエルのイルミネーションで彩られていたり、何となく街全体が浮き足立っている中、スリやひったくり、置き引き、万引きなどの犯罪が一段と増え、届くはずの荷物が盗まれて、なくなってしまったりすることも多いのです。 多くの人が買い物をする季節ということは、皆がお金がほしい季節でもあり、その手の犯罪のプロには、かき入れどきでもあるのです...

2021年12月15日水曜日

医療スタッフのノエルのバカンス延期に1日200ユーロの報酬 ノエルから年末年始にかけての病院の人手不足対応 

    ノエル・年末年始が近づいてきているというのに、フランスの感染拡大は一向にとどまることを知らずに、「ピークを迎えたかもしれない・・」と言いながら、すでに長い時が経過しています。 ピークというのは、頂点ということで、ピークを迎えるということは、その後は減少し始めるということになると思うのですが、ひょっとすると、このピークの状態がしばらく上げ止まりの状態でしばらく続くかもしれないとも言い出しています。 先週末には、人口10万人あたりの発症率が500人を超え(501.3人)、第2波のピーク時を超え、パンデミック開始以来、最高の水準に達し、昨日は、再び、これまでの記録を更新、1日の新規感染者数が6万3千人を突破(63,405人)しました。 その結果、入院患者数は日に日に増加し、先週の11,526人に比べ、1週間で14,050人にまで増加しています。フランスで感染が急拡大しはじめて、マクロン大統領が緊急演説を行った11月9日には、6,851人でした。1ヶ月程度で2倍の増加です。 この勢いで入院患者数が増加し続ければ、従来ならば、ノエル・年末年始のバカンス期間に休暇を取る予定にしている病院スタッフ・医療従事者も多く、この第5波に乗って病院に送られてくる患者の対応が非常に心配されています。 この2年近く続くパンデミックでの疲弊から、病院では、退職者・転職者が増加した上に、以前よりも採用が少なく、人手不足が高じて年度始めから閉鎖されている病床が出ています。 今週に入って、AP-HP(Assistance...