2025年7月9日水曜日

マクロン大統領の英国公式訪問 

  


 マクロン大統領は、ブリジット夫人とともに、フランス国家元首として15年ぶりとなる英国公式訪問を3日間の予定でスタートさせました。

 なんだか、イギリスとは頻繁に行き来をしている印象がありますが、公式訪問という意味では、たしかに久しぶりのことなのかもしれません。前回の公式訪問は、サルコジ大統領の時代だったそうです。

 マクロン大統領夫妻は、公式訪問ということで国賓としての歓迎を受け、その歓迎ぶりは、華やかなもので、英国王室の面々が彼らを出迎えました。

 マクロン大統領夫妻は、ロンドン西部のノースホルト軍事基地に大統領専用機で到着。ディオールの服に身を包んだウィリアム皇太子夫妻がお出迎え。


 大統領夫妻はウィンザー城でチャールズ国王夫妻と合流しました。彼らにとっては、国王夫妻のフランス公式訪問から約2年ぶりのことです。そういえば、あの時、フランスでは、大変な暴動が起こっており、当初の予定が変更されたりして、バタバタだった記憶があります。

 マルセイエイズ(フランス国歌)が流された後、国王とマクロン大統領、カミラ王妃とブリジット夫人がそれぞれの馬車に乗り込み、英国とフランスの国旗が飾られたウィンザーのメインストリートをパレード。


 兵士たちが音楽に合わせて行進したこのパレードには、街頭監視を担当する380人とウィンザー城の中庭で栄誉礼隊180人を含む650人と70頭の馬が動員されたと発表されています。

 英国国王夫妻とマクロン大統領夫妻のこの4人。国王76歳、カミラ妃77歳、ブリジット夫人72歳、そして、一人だけ40代(48歳)のマクロン大統領。少々、妙な感じもしました。


 しかし、この4人の対面シーンの中では、この二人の女性が英国王室の慣習を無視して、挨拶としてキスを交わしたことが、指摘されていました。

 以前にも、エリザベス女王の国葬に参加したマクロン大統領夫妻の立ち振る舞いや服装など、王室への認識を指摘されたりもしたこともあったことを彷彿とさせる一場面でした。

 この後、マクロン大統領は、ウェストミンスター議会のロイヤル・ギャラリーに集まった貴族院と庶民院の議員の前で演説を行い、夜には公式晩餐会が催されました。

 翌日には、ダウニング街でスターマー首相と会談。人工知能に関するイベントに参加し、夜には夕食会。最終日には、両首脳に加えて数人の閣僚も参加しての二国間首脳会談が行われる予定で、特に防衛問題や不法移民対策での協力強化が確認されると見られています。

 ウクライナ戦争により、防衛と安全保障の問題が欧州の懸念事項の最前線に浮上し、大陸の主要軍事大国であり、核兵器保有国でもある両同盟国の関係強化がさらに重要になっています。

 フランスでは、1週間後には、パリ祭を控え、マクロン大統領には、またパレードが待っています。

 ウィリアム皇太子夫妻のディオール



マクロン大統領の英国公式訪問


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2025年7月8日火曜日

一難去って、また一難・・災いは次から次へとやってくる・・

  


 6月後半から7月初旬にかけてのパリの猛暑には、本当に疲労困憊させられました。年齢のために、体力が落ちていることもあるのでしょうが、こんなにパリの夏の暑さが厳しく感じたのは、初めてでした。

 しかし、猛暑の日が続いた最後の日(といってもまだまだ夏は始まったばかりなので、これから先も暑い日はあるのでしょうが・・)、夕方から夜にかけて、なぜか突風が吹いたと思ったら、あっという間に気温が下がり、それからは、あの暑さがウソのようにスッといきなり涼しくなってくれました。

 暑いと、もう集中力がなくなり、頭も回らなくなってくるので、何にも手につかず、そういう時に限って、期限付きの仕事があったり、提出しなければならない公的書類があったり、ネットや携帯の契約期限がちょうど切れて、切替のタイミングだったりと、なんだか、私の苦手なことが立て続けに山積み状態で、気持ち的にも、重なるときには重なるものだと、ウンザリしていました。

 ようやく、暑さから解放されて、ホッとした翌日の朝、起きようと思ったら、何の前触れもなく、突然、腰に激痛が走り、立ち上がろうとするだけでも、腰から電気が走るみたいな痛みを感じ、まともに歩けない状態になりました。

 転んだとか、なにかにぶつけたとか、運動後の筋肉痛とか、なにも思い当たることがなく、とにかく、こんな痛みは感じたことはありません。

 幸い、亡き夫の置き土産?で、家に何本かの松葉杖のようなものがあるので、家の中の何か所に置きました。特に立ち上がるときに、負担がかかり、そのたびに耐えきれないような痛みが走るので、この松葉杖があってくれるとこんなに痛みを回避できるものなのか?とあらためて、その便利さを知った気がしました。

 しかし、まあ、なんか寝違えたとか、なんかおかしな姿勢でいたのかも? まあ、そのうち治るだろうと思って、ひたすら家にある痛み止めの塗り薬や飲み薬(鎮痛剤)を飲んで、一日目はなんとか乗り越えました。

 翌日には、起きたら、すっかり治ってる?と思いきや、これがさらに悪化。もう家の中を移動するのも一苦労、もう座っているだけでも痛い状態になりました。

 腰が痛い時に塗る薬と処方してもらっていたボルタレンという塗り薬を塗ると、一瞬、ウソ??と思うほど、痛みが引くのですが、即効性はあっても持続性がなく、すぐにまた逆戻り。

 自慢じゃないけど、昔、ぎっくり腰はやったことがあるのですが、それとは全然、違う痛みです。

 ちょうど週末が挟まったので、お医者さんにも行けず、そのうち、こんな時に限って、また検査だのなんだのと言われるのが面倒で、できればお医者さんには行きたくないと思ってしまうというネガティブモードに突入。

 そんな時に限って、ネットの契約が更新手続き中ゆえ、制限がかかっており、思うように使えずにドキドキ状態。今の私の生活でネットが使えないということは、大変な恐怖です。

 そんなとき、そういえば、日本でもらってきた湿布薬があった!とゴソゴソ棚を探すと1包みが出てきました。

 まあ、正直、そんなに期待していなかったのですが、これがなかなかのもので、ジワジワ沁みるように効く優れものでした。

 もう誰から頂いたかも覚えていないのですが、お医者さんが処方しているもので、ロキソニンテープ・経皮吸収型鎮痛・抗炎症剤・・と書いてありました。

 わお!やっぱり日本の薬って凄いんだわ!と感激。今度、日本に行ったら、絶対に買わなくちゃ!と思います。

 この日本の湿布薬のおかげで、なんとか、私の腰の痛みも完治はしないまでも、快方に向かっている感じです。未だ激しい打撲の後のような痛みがあります。

 今回はあらためて「肉体的な痛み・苦痛」というものが、どれだけ人間としての生活を脅かすものであるのかを知った気がします。

 少々、大げさではありますが、何もなしに平穏な生活というものが、どんなに幸せであるのかを、こんな時には、思ってしまいます。

 このマイナスのスパイラルから抜け出て、ふつうの日々が戻りますように。


災難


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2025年7月7日月曜日

セーヌ川の遊泳スポット オープン! でも翌日には遊泳禁止

  


 かねてより発表されていた2025年パリ・プラージュの一環としての試み、セーヌ川沿いの3つの遊泳スポットが7月5日からスタートしました。

 パリは一週間ほど前は、本当に殺人的な暑さに見舞われていましたが、猛暑日の最終日の夜に、突然、突風が吹き荒れ、その後、それまでの暑さがウソみたいにス~ッと涼しくなりました。

 まあ、まだこれから、暑くなる日はいくらでもあるのでしょうが、とりあえずは、このパリプラージュのセーヌ川の遊泳スポットオープンの時には、すっかり涼しくなっていたのは、皮肉なものです。

 一見する限り、正直、個人的には、いくらなんでも泳ぐ気にはなれないセーヌ川ですが、あの暑さの中だったら、尻込みしている人も背中を押されることがあったかもしれません。

 それでも、オープン初日には、そこそこの人はいた模様ですが、翌日は、パリ地域に降った大雨により、水質が悪化したため、早々にクローズされました。

 昨年のパリ・オリンピックの際のセーヌ川でのトライアスロンについても、さんざん、その水質については、問題視され、予選が延期されたりもしたり、競技後にトライアスロンの選手が体調不良のために入院してしまったりもしていたのです。

 そもそも、泳げるセーヌ川を目指して、このセーヌ川の水質改善のために、2016年以来、イル・ド・フランス地域の地方自治体は、約14億ユーロを投じてきたと言われていますが、セーヌ川は、雨水と廃水が1つのネットワークで混ざるようになっていて、大雨が降ったりした場合は、その溢れた雨水をセーヌ川に排水するようになっているという、そこそこ・・そこが肝心なんでしょ・・と思うところが改善されていないようです。

 一応、この遊泳スポットには、旗が掲げられており、セーヌ川の流れがわかるようになっていると同時に、水質も示されているそうです。

 セーヌ川遊泳スポット・・オープン翌日には、遊泳禁止というのは、幸先悪い気もしますが、前向きな捉え方をするならば、水質が泳ぐのに適さないということを、しっかり検査していて、危険な場合は、遊泳禁止にしてくれるということがわかったことで、これは、まあ、一応、良心的かな?とも思います。

 この夏のうちに、一度は、パリプラージュに行ってみようと思いますが、私は、やっぱり泳ぐのは、遠慮しておこうと思います。

 パリ・プラージュは8月31日までです。


セーヌ川の遊泳スポット


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2025年7月6日日曜日

マルシェ・サントノーレのカフェ・レストランがすごい人気みたい・・

  


 好立地でありながら、ちょっと中途半端?な奥まった場所で、今ひとつ知名度にはかける気がするマルシェ・サントノーレですが、ご多分にもれず、私も久しく足をのばしていませんでした。

 以前、このあたりに良いお魚屋さんがあり、年末には数の子が売っていたりしたときに時々、来ていたこともあったのですが、長らく、ご無沙汰していました。

 先日、チュイルリー公園に行った時に、ピラミッド駅からメトロに乗って帰ろう!と思って、チュイルリー公園からオペラ通りに向かうのに、いくらでも通り道はあるのですが、急に思い立って、「そうだ!久しくマルシェ・サントノーレに行ってなかった!ちょっとのぞいてみよう!」と何気なしに立ち寄ってみたのです。

 マルシェ・サントノーレは中心部分にはガラス張りのちょっと現代的な感じのオフィスなど?の入ったビルが建っており、そのビルの周囲には、たくさんのカフェやレストランなどがビルを囲むカタチで、それぞれのお店がテラス席のスペースを大きくとっている、ちょっとおしゃれな感じの空間になっています。

 今回、私が通りかかったのは、時間的には、ちょうどお昼時で、このカフェやレストランのテラス席が、これでもか!というくらい人で埋まっていたのには、びっくりでした。



 まあ、カフェやレストランがたくさんあるので、ここがダメなら、あっち・・ということもできるために、ランチに来る人が集まっているのかとも思いますが、同時間帯に他のカフェやレストランを覗いて見れば、ここまで混雑しているところはなかなかなく、たとえば、同じ地域にある有名なカフェ・ド・ラぺなどは、空席も目立つほどだったので、やっぱり、今は、マルシェ・サントノーレの方が人気なのかもしれない・・と思いました。




 いわゆるフレンチのカフェが多いですが、中には、イタリアンとか、ケバブ、韓国料理のお店もあります。



 価格は、若干、差はありますが、だいたい、ランチで20ユーロ前後とまあまあ、パリでは平均的?ふつうの価格です。

 中には、ここのテラス席は下手したら、パリのメトロよりも混んでるんじゃないか?と思うほどでした。

 そもそもパリのカフェのテーブルというのは、食事もするというのに、なぜか丸い小さなテーブルで、窮屈そうにみんな食事をしているのは、なぜなんだろうか?と思うのですが、この小さい丸テーブルにだいたい2人・・。

 このカフェの丸い小さなテーブルは、恐らく、どこのカフェでもだいたい同じくらいのサイズ。これがたまに四角かったりすることもあるのですが、まあまあなぜか?たいていは小さい丸いテーブルです。



 このマルシェ・サントノーレ内のカフェ・レストランは、概ねおしゃれな風貌で、来ている人たちもちょっとおしゃれな感じですが、中には、なぜか、年配の人が多めのお店とか、けっこう大きめの音楽を流している若い子向けのところとか、それぞれ微妙に客層がちょっとずつ違う感じもしましたが、全般的には観光客よりもパリジャン・パリジェンヌが多い印象を受けました。

 マルシェ・サントノーレは文字通り、マルシェでもあり、水曜日と土曜日には、マルシェが立つようです。

 この広場に続いている数々の通りには、けっこう良いお店やレストラン・ビストロなどもけっこうあるので、ちょっと楽しいエリアでもあります。

 よく街中のカフェのテラスだと、車がけっこう通る側だったりして、こんな排気ガス吸いながら・・とか思う場所も多いのですが、この一画は車が入ってこないために、ゆったりと食事ができて、落ち着ける感じもします。

 今、パリで人気あるカフェ・レストランのテラスでランチを楽しみたいのなら、ちょっと良いスポットかもしれません。

 

マルシェ・サントノーレ 

Place du marché St.Honoré 75001 Paris 


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2025年7月5日土曜日

今年もやってまいりました!鳩との闘いの日々

  


 毎年、春先から始まって、私は家の狭いベランダで野菜を育てています。

 今年は、春先から春菊、小松菜などの葉野菜、あとは、もう何年もずっと同じ鉢に植えっぱなしになっている山椒、三つ葉、紫蘇がいつのまにか芽を出してぐんぐん育ってきます。

 いずれも、パリでは、簡単に手に入らない野菜なので、大変、助かっており、私の大事な食材の一部になっております。

 その後、ナスやオクラなども植えていますが、なんといっても夏のハイライトは「きゅうり」です。

 今年は、きゅうりの種蒔きをしたあと、なかなか芽が出ず、苦労しましたが、ここにきて、ようやく育ち始めました。と思って、ようやく育ってきたきゅうりを間引いて、植え替えたりし始めた矢先。やってまいりました。鳩が・・。

 毎年のことなので、さすがにもう驚くことはないのですが、ある時、突然、場所を物色に来て、今年は、まず私の大事な三つ葉を踏み荒らしました。気が付くと、側には、どこから運んでくるのか、小枝が積んであって、さらにギョッとさせられます。

 踏み荒らされた三つ葉の地ならしをしなおして、その上にカゴをかぶせて防御。すると、次は、植え替えたばかりのきゅうりの苗を折られ、きゅうりの苗を1本ダメにしました。

 その度に、なにか、シートで覆ってみたり、ペットボトルをたててみたり、朝、ベッドの中からベランダで鳩がクックーと鳴いているような気がして、まだ、もう少し寝ていたいと思うのに、ベランダに確認に行きます。

 今朝などは、一度、朝、行ってみて、いなかったので、安心して、もう一度、ベッドに戻ってグダグダしながら、本を読んでいたら、今度は、紫蘇を踏み荒らされ、また、小枝の山が・・。

 朝、起きた時点でベランダに繋がっている窓は、もう開けたままにしてあり、おまけに紫蘇の鉢は、部屋のすぐ前に置いてあり、側にいた鳩はもう、今にも家に入ってこれそうな勢いで、ギョッとしました。

 今日は、さすがに、まだ、芽が出たばかりのものには、プランターの上に一応、ネットを張りました。

 これを数回、繰り返しているうちに、鳩の方もだいたい諦めてくれるのですが、毎日が鳩との攻防戦です。

 私は、鳥類全般が大嫌いで、特に実害を被る鳩はもっとも嫌いです。

 もっと広くて、心地よさそうな場所がいっぱいあると思うのですが、どうして、我が家のような狭いベランダなんかに来るのか、本当に不思議です。

 数日前の猛暑の時は、さすがにベランダなどに出ていられる状態ではなかったので、鳩が来ても、もう出れない・・と思っていたのですが、あの40℃近い猛暑の中は、さすがに、鳩も小枝を運ぶために何往復もするのはキツかったのかもしれません。

 今年も一日も早く、鳩が諦めてくれるのを待ちながら、毎日、鳩と闘っているのです。


ベランダの鳩


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2025年7月4日金曜日

夏のバカンス突入時の航空管制官のストライキ

  


 毎度のことではありますが、夏のバカンス突入のタイミングでまた空港、正確には航空管制官がストライキに入りました。

 今週末にフランス全土で夏のバカンス期間に入り、多くの人々がバカンスに出かけます。

 私も以前は、まさに娘の学校がバカンスに入ると同時に日本に行くことにしていました。

 娘を日本の小学校に体験入学させるためです。フランスの学校が夏休みに入ってすぐに日本に行けば、日本の小学校はまだギリギリ夏休み前でほんの数週間でしたが、良い経験をさせてあげることができたと思っています。

 しかし、当然、夏休みのフライトは一年中で最もチケットが高い時期でもあります。この時期がバカンスのスタートとなっているのは、多くの人は子どものバカンスのスケジュールに合わせているためで、否応なしにこの高いチケットを買っているわけです。

 高いチケットを売りつけておいて、実際にはキャンセルなど、もちろん、ストライキのためのチケットは、払い戻しや代替便に振り替えられるとは思いますが、それにしても、酷い話です。

 さて、今年も夏のバカンスの始まりとともに、ストライキの季節がやってまいりました。

 それは、7月に入って最初の週末目掛けて決行され、木曜日、金曜日と続きます。

 今回は航空管制官のストライキだそうで、航空関係のストライキといっても、その時々により、空港だったり、航空会社だったり、荷物管理会社だったり、その時々により、様々なのですが、航空便の多くがキャンセルされたり、遅延したりするのは、かわらないために、なんだかんだで、しょっちゅう、ストライキばかりやっている気がしてしまいます。

 昨年は、パリ・オリンピックを控えていたために、警察官をはじめ、多くの公共サービスに関わる人々がオリンピックを盾に早めに要求を突き付けており、ある程度は、それが受け入れられていた気がします。

 今回の航空管制官のストライキは、想像以上に大きなもので、パリ(CDG空港、オルリー空港)では発着便の25%が、ニースではなんと50%がキャンセルになっており、金曜日はさらに深刻で、パリ発着便の40%が、ニースでは50%がキャンセルになる模様です。

 航空管制官は、労働条件改善と職員数の増員を求めているということですが、バカンスの初めに大変、迷惑なことです。

 実際のところ、フランスはヨーロッパで最も多くの航空機が飛行する国であるため、フランスの航空管制官のストライキは、西ヨーロッパ全体の航空網に影響を及ぼすことになります。

 このような航空管制官のストライキの場合、少ない人員で可能な運行にスケジュールを調整するために、できる限り、長距離便には、影響が及ばないようにするとのこと。おそらく、日本への便などは、さしずめ長距離便に分類されているために、比較的、影響は少ないと思われるものの、パリから、さらに地方へ行く経由便などを利用する場合は、リスクがおおきいかもしれません。

 特に、今回、苦情が多く出ているのは、欠航便の数を明らかにせず、空港に行って初めて、欠航を知った・・というケースが多く、エアーフランスなどは、この事実を認めています。

 欧州の主要航空会社協会エアラインズ・フォー・ヨーロッパは、今回のストライキにより欧州全域で1,500便が欠航となり、約30万人の乗客に影響が出ると推計しています。

 フランス離発着の便、フランスからの経由便(フランス国内及び欧州内)を予約する場合、7月第一週目の週末は、避けるのが賢明かもしれません。


航空管制官ストライキ


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2025年7月3日木曜日

フランスで一番、売れている車は何か?

  


 フランスで一番、売れている車はどの車なんだろう? 日常を過ごしていて、車を見ない日はありませんが、その車にあまり注意を払うことはなく、むしろ、珍しい車の方に目が向いてしまいます。

 でも、日本人の私からすれば、やはりTOYOTAの車なんかは、見かけると「おっ!よしよし、日本の車も頑張っているな・・」などと、なぜかちょっと上から目線?のように思うのですが、あまりに地味で目立たなくてあたりまえのようにあるのは、やはり、ルノーやシトロエンといったフランスの車のような気もします。

 今回のデータは売れている車といっても新車の話なので、一般的なフランス人は、車を探すときには、まず中古車から探すくらいなので、これが即、現在、フランスで一番、多く走っている車というわけでもないと思います。

 フランスの自動車市場は、今年上半期に8%減少したと言われていますが、2025年1月から6月までで、最も売れている新車は「ルノー・クリオ」なのだそうです。

 この車は、フランス国内での圧倒的な人気を誇っており、フランスでの新車の販売台数の約2分の1を占めている状態が長く続いているようです。この車の人気の理由は、多用途目的とされていること、また、ガソリン、ディーゼル、LPG、さらには、ハイブリッドバージョンも利用できるという利点によるもので、世間がいくら「電気自動車へ!」などと潮流を起こそうとしていても、やはり、それ以外の需要が依然としてかなり多いことがわかります。

 このルノー・クリオという車、言っちゃ悪いが、特にカッコいいわけでもなく、スタイリッシュなわけでもなく、なんだかふつう・・でも、そんな車が圧倒的な人気ということは、フランス人が実は合理的で、なかなか堅実でもあることが見えるような気がします。

 1位のルノークリオがシェアの半分以上を占めているということは、自ずと2位との差は、かなりあるようですが、それでも、とりあえず2位につけているのは「プジョー208」ということで、このプジョー208の完全電気バージョンは、かなり人気のようです。

 そして3位は、「ダチア サンテロ」とのことで、恥ずかしながら、私は、この名前を今回、初めて知りました。ダチアというのは、ルーマニアの車だそうで、ルノーグループの自動車会社だそうで、つくづく、ルノーグループ強し!といった感じがします。

 4位は「シトロエン C3」これもプジョー208と同様、完全電気バージョン人気のあらわれだと言われています。

 トップ10全体は、ほぼほぼフランスのブランドが占めていますが、例外的な存在として、3位のダチアと10位にようやく滑り込んだ「トヨタ ヤリスクロス」です。

 TOYOTAのヤリスといえば、昨年だったか?フランスで最も盗難に遭っている車として注目されましたが、もうひとつ、注目されたのは、この車がフランス国内のヴァランシエンヌ工場で生産されているものであり、また、この工場が軒並み業績が下降しているこの業界において、例外的に成功していて、昨年、フランスで最も生産台数の多かった車両として注目されていました。

 しかし、この自動車業界全体のは全体的に停滞、不振、5月の販売台数をあげれば、前年同月比で12%以上減少。中古車市場は比較的安定しているものの、新車に関しては、ガソリン車と電気自動車、ハイブリッド車とのこの人気が分散している状態が、この不振に拍車をかけている感じもあります。

 フランスは環境問題対策のためにやたらと電気自動車推し(電気自動車購入の際の様々なベネフィット提示)の政策を進めているわりには、意外と伸びない電気自動車人気もなかなか微妙なところです。

 もっとも、私はパリでは車を運転することもなく、もっぱら、公共交通機関を利用。パリだけを見る限りは、車はできるだけ排除の方向に着実に進んでいます。

 我が家のアパートの駐車場も私たちが引っ越してきた頃に比べたら、車の台数が半分以下になっているような気がします。

 環境問題のためには、車をできるだけ減らそうとしつつ、こうして、実際に販売台数が減少していることを嘆いているのは、なんだかなぁ・・と思うのです。


フランスで一番売れている車


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