2024年12月31日火曜日

パリの大晦日 パリ及びパリ近郊に1万人の警察官・憲兵隊動員

  



 比較的、おとなしく? 家族と過ごすノエルと違って、多くの人々(特に若者)が友人たちと集ったり、街に繰り出す大晦日。パリの大晦日のカウントダウンの中心はやはりシャンゼリゼになります。

 今年の大晦日のシャンゼリゼの催し物は「パリ・オリンピックとパラリンピックをオマージュにした音楽ショー」が開催されます。

 当日のシャンゼリゼは、午前7時から駐車禁止、午後3時から自動車の通行禁止、その他、シャンゼリゼ内に立ち入る際には、テロ防止のために通行人も全てチェックされるために、決められたいくつかのポイント(検査を行っている場所)から以外は、歩行者も侵入できなくなります。

 たいてい、例年の様子だと午後5時過ぎ頃には、シャンゼリゼは、よくもこれだけ詰め込めるな・・と感心するほど、人が集まっているので、よほど早くから行って、身動きできないまま、ずっと待っていることになるのだと思います。

 安全上の理由から、シャルルドゴールエトワール駅は、1,2,6号線は前日深夜から閉鎖、A線は午後3時から閉鎖されます。また、1号線チュイルリー駅、コンコルド駅、シャンゼリゼ・クレマンソー駅、フランクリン・D・ルーズベルト駅、ジョルジュ10世駅、アルゼンチン駅は火曜日の午後3時から運行を停止。

 6号線のパッシー駅は午後7時、デュプレックス駅は午後9時、ボワシエール駅は午後11時から閉鎖されます。 9 号線では午後 7 時以降、2 号線では午前 12 時 10 分からテルヌ駅に停車できなくなります。

 その代わりと言ったら、なんですが、大晦日の夕方から元旦にかけては、パリ市内のメトロ等は、無料で提供されます。私は、長い間、大晦日も仕事ということが多かったのですが、帰りは、メトロの改札が全部オープンになっていて、「そうだ・・今日は大晦日だったんだ・・」と実感する一つでもありました。

 伝統的?な花火の前、午後11時50分頃、「さまざまな顔を持つパリ」を想起させる3Dビデオマッピングが10分間流されます。シャンゼリゼの通りには、これがよく見えるように、大きなスクリーンが一定の間隔を置いて、設置されます。

 私は、人混みが大の苦手なので、出向くことはなく、テレビでの映像を見るだけなのですが、最近は、この年越しのイベントのライティングには、全体で見ると、写真を撮ろうとする群衆の携帯のライトがシャンゼリゼの街路樹のイルミネーションと凱旋門のイルミネーションに加わって、それもアクセントになっていて、とてもきれいです。

 この一年最後のイベント、毎年、相当数の人が集まるのに、事故が起こらないのは不思議なくらいです。

 しかし、郊外の方では、いつも競い合うように車が燃やされるのも、必ず年末に起こる事件の一つでもあります。

 私は、悠然と、そんな様子をテレビで眺めながら、年越しそばを食べるつもりです。


パリの大晦日 シャンゼリゼ 凱旋門


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2024年12月30日月曜日

2025年1月1日から変わること

  


 実は毎月のように、「来月から変わること」というようなお知らせはあるのですが、年が変わるときは、ことさら、この変更事項が多くなります。

 まあ、大方が値上げのお知らせなので、あまり、気分の良いお知らせではないのですが、なんだか、いつの間にか値上げしていた・・というのもまた、ムッとさせられるものです。

 まず、一番、身近なことから言えば、Navigo(パリ市内及びパリ近郊の公共交通機関の定期券のようなもの)が86.40ユーロ/月から88.80ユーロに値上げになります。年間で購入すると、976.80ユーロになり、88.80ユーロ=1ヶ月分が安くなります。

 これは、毎年、お決まりのように値上げされるのですが、2025年からは、Navigoではなく、チケット購入の場合は、これまで、バスもメトロも共通のチケットが使えていたものが、それぞれ別チケットになります。

 その代わりといっては何ですが、メトロなどの電車、バスやトラムには、それぞれ単一料金制(移動距離に関係なく単一料金なので、イル・ド・フランス内で比較的長距離を移動する場合は安くなるかもしれない)が導入されるため、これに関しては、お得なんだか、面倒になるのか、よくわからない感じです。

 その他、Livret A(フランスでは最も一般的な定期預金)などの多くの金利が下がります。といっても、これは2月1日からのようです。Livret Aの場合は、これまでの3%から2.5%にさがります。しかし、これは、日本の銀行の金利からしたら、依然としてウソみたいな金利だとも思います。

 他の値上げのお知らせとしては、タバコが値上がり、そして、郵便料金が値上がりします。グリーン切手は1.29ユーロから1.39ユーロへ、書留郵便は、5.36ユーロから5.74ユーロになり、小包料金(Colissimo)は、全ての目的地を合わせた平均で5.2%上昇します。

 その他、これまで新生児記録のために長い間、利用されてきた「Carnet de sante(カルネ・ド・サンテ)」は、「newlook」という名前に変更され、これまで記録されてきた子どもの成長の記録に加えて、身体活動の実践、スクリーンの使用、子宮内膜症などの新しいテーマが追加され、これまで義務付けられていた20の健康診断は全て詳細に記録され、これに8つの新しい健康診断が付け加えられます。(これには、新しい6年ごとの検査も含まれる)

 また、これには、産後うつ病のモニタリングなど、母親の健康状態も加えられ、モニタリングされます。

 子どもの成長においては、有効な記録ではあると思いますが、なんだかデータ集めのような気もしないでもありません。

 また、乳児に対しての新たなワクチン接種義務(髄膜炎菌)が追加されます。これは、近年の感染症の増加から新生児を守る目的であるとされています。

 そして、基礎年金に関しては、2.2%増加します。これは、本来、バルニエ政権の予算案においては、その半額相当の値上げに抑えられていたものが、政権の問責動議のために、半額案が取り下げられたために、通常の計算式にのっとった2.2%が当面の間は、適用されることになるという暫定的な感じではあります。

 この問責動議の余波を受けたものとしては、レストランチケット(通称チケレ)(多くの会社が昼食代の補助費として雇用者側が配布しているもの)がこれまでインフレ対応として、スーパーマーケットでの食料品の買い物に使用できていたのが、2024年12月31日で終了し(期間延長の話がでていましたが、これも決まらないまま議会が解散したため)、1月1日からは、本来のお食事のため、また、調理済みの食料品(サンドイッチやお弁当など)のみの使用に戻ります。

 予算も決まらず、年またぎで暫定的な年初の変化ということは、恐らく私がフランスに来て初めてのこと。それでも、値上げされるものはしっかり値上げされていくということは、仕方ないのですが、なんだかモヤモヤもします。


2025年1月1日から変わること


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2024年12月29日日曜日

義理の家族の近況を聞いてビックリしたこと色々

 


 

 たまに忘れた頃に訪ねてくれる義理の息子?というか、私にとっては、どちらかといえば、娘の義理のお兄ちゃんという感じなのですが、彼は現在、フランスに住んでいないので、たまにフランスに来た時(というかパリに来た時)、わざわざ会いに来てくれることがあります。

 先日も、「パリに○○日から○○日まで行くけど、その間、時間があったら、行ってもいい?」と連絡をくれたので、「じゃあ、○○日に、ランチの支度しておくから、一緒にご飯たべよう!」と約束していました。

 前回、会ったのがいつだったか? 多分、たいてい年末年始のタイミングだとは思うのですが、久しぶりに会えて、なんだか、体系的にも一段とたくましくなった感じでした。

 彼は、もう5年近くドイツで働いているため、お給料もフランスよりも良いらしく、お金もけっこう貯めているらしく、ドイツに家を買おうか?などと話していました。

 ドイツに家を買おうかな?とか言いつつ、今度はカナダの大学での教授の口があるとかで、現在、まだ決まってはいないと言いつつ、検討中とのこと・・。

 「もう、フランスに帰ってくるつもりはないの?」というと、研究するうえでの環境や様々な条件から、当分はないかも? フランスに帰ってきたら、「もう終わり」な感じ・・というので、爆笑してしまいました。

 そういえば、彼は今年の夏には、日本で学会があるから・・と日本にも行っていて、その際に妹(私の娘)と一緒に富士山に登ったりした話や日本の懐かしいもの(以前、彼が小さい頃に一年間だけ日本に住んでいたことがある)の話をしてくれました。

 懐かしいものって何なの?と聞いてみたら、なんと、日本の駄菓子のようで、「名前は憶えていないけど、パッケージが昔のままですぐにわかって嬉しかった!あれは、フランスには、ないよ!」とちょっと食い気味に話してくれました。

 私も正確には、わからないのですが、彼の話によれば、どうやらそれは、「アーモンドチョコ」と「マスカットキャンディ」だと思われます。

 未だ独身の彼、まだまだ結婚するつもりも、子どもを持つつもりもなさそうで、彼の年齢では、周囲の友人には、もう子どもがいる人もけっこういるのだけれど、「なにせ、良い話を聞いたことがない・・、子どもを持っている友人は子どものことで眠れぬ日々をすごしている・・」とか、「子どもは欲しくない・・」と言っている人が多いとかで、フランスの少子化の一遍を見た気がしたのでした。

 ところが、彼のお兄ちゃんたちの近況を聞いてみると、二人とも、けっこう歳がいってから、結婚したので(そのうち、一人は、絶対、結婚しないと思っていたのが結婚した)、子どもは無理だろうと思っていたら、下の方のお兄ちゃんのところで、子どもが生まれる予定だと・・。

 私は、その相手の女性に直にあったことはないので、よく知らなかったのですが、彼女の方はお兄ちゃんよりもずっと年上で、なんと50歳での出産だとか・・。

 そんなのあり得るの?と思ったけれど、彼女の方はどうしても子どもが欲しかったようで、「不妊治療?」というか、色々と努力をして、ようやく授かったのだとか・・こちらの方は、少子化に大きく貢献する話です。

 久々に聞く、義理の家族の近況は、今では、あまりに身近ではないこともあって、無責任に楽しくて、また懐かしい気持ちもあいまって、楽しい時間を過ごしました。

 しかし、前回、会ったときにも増して、ますます結婚する気もなさそうで、その気配もなさそうで、しかも、けっこう長期間にわたり、海外で仕事をする楽しさを知ってしまった彼にとって、フランスに帰国する気持ちはどんどん薄くなっているようで、娘の将来とダブって感じてしまったのには、少々、複雑な気持ちでした。

 それでも、フランスだけにいるフランス人とは違って、また色々な視点で世界を見れることができるようになっている彼は話題も豊富で、平衡感覚も感じられ、やっぱり、海外に一度でも、出てみるということは、良いことだな・・と思うのでした。


義理の家族


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2024年12月28日土曜日

インフルエンザ感染 急激に増加 ワクチンしていてもしっかり感染 

  


 「今年の冬は、風邪もひかずに元気だな! 早々にワクチン接種したし・・」と思っていたら、ノエルの少しまえから、「なんだか少し調子悪いな・・寒気がするのか?寒いのか?どっちだろう?」と、ちょっと厚着したりして、ビタミンCを飲んだりして、様子を見ていました。

 ノエルが過ぎた頃から、いよいよ熱っぽくなってきて、ヤバいと思っていたら、とうとう昨日、本格的に「もうすっかり病気モード」に突入。

 ダラダラしているのは、好きなくせに、いざ具合が悪くなって寝ていなきゃ!となると、往生際わるく、かえって、あれもやらなきゃ!これもやらなきゃ!と焦るような気持ちになります。

 翌日、お客さんが来ることになっているので、ちょっと買い物しておかなきゃ!午前中の早い時間のうちにとにかく買い物だけは済ませておいて、そのあとに寝込もう・・と、出かけようとしたら、こんな時に限ってエレベーターが故障中。

 我が家はふつうなら、階段で上り下りするには、ちょっと厳しい上の方の階にあるので、具合悪いときなどには、特にキツいのですが、フランスの場合、いつになったら修理が済むかわからず、待っているわけにもいきません。

 諦めて、ぐるぐると螺旋階段をおりて階下へ。

 そして、なんとか買い物を済ませてヘロヘロになって、家に戻り、へたばった1日を過ごしたのでした。

 ニュースでは、インフルエンザ感染が急激に増加していると報道していて、私もしっかり流行の波にのっちゃったわけで、ワクチン接種をしていても、ダメだったんだな・・油断したかも・・と思いながら、恨めしく寝込んでいたのです。

 報道によれば、15歳以下の子どもの感染が顕著で、その他は65歳以上の救急外来からの入院が急増とのこと。私は、そのどちらの年齢にも当てはまりませんが、とりあえず、ワクチン接種している分だけ、悪化していないのかも・・と思うことにしました。

 それでも、フランス公衆衛生局の発表によれば、インフルエンザ感染のピークは1月以降とのことで、まさに、私は流行の先取りをしてしまったようで、これから年末年始にかけて、さらに気を引き締めようと思います。

 と思っていたら、27日18時の段階で、「フランス本土全土に非常警戒警報が出た!」とのことで、非常警戒警報となると、穏やかではないな・・と思いつつ、私自身、もう最近ではすっかりマスクが鬱陶しくなってきていたところ・・、冬の初め頃には、マスクは防寒にもなるな・・と思い、マスクをしなくちゃ・・と自分に思い聞かせていたのに・・今後はしばらくは外出時には、マスクします。


インフルエンザ非常警戒警報


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2024年12月27日金曜日

12月28日から 充電器端子の共通化 同じコードで充電できる!

  


 2024年12月28日から、フランスで発売される全ての携帯電話、ワイヤレスヘッドホン、タブレット、ゲーム機、電子書籍リーダー、キーボード、カメラなどに使用される電子機器には、ユニバーサルUSB-Cタイプの充電ポートが搭載されることになります。

 簡単に言えば、全ての電子機器に同じ充電ポートがあり、同じケーブルを使用して、これらの異なるデバイスに充電することが可能になるということです。

 これは、すでに流通しているデバイスには関係ありませんが、各新製品は、100ワット以下の充電電力を提供する適切な充電器に対応できなければなりません。

 これは、2022年に欧州議会にて採択された措置で、「新しく販売される小型電子機器には、すでに広く普及しているUSB-Cタイプの充電ポートを装備することが義務付けられる」というものです。

 これは電子廃棄物の削減を目的としたもので、これにより、年間11,000トンの廃棄物の削減が見込まれていると言われています。

 たしかに充電器、充電コードは、なにか新しい電子機器を買うたびに違うコードが登場し、また、それぞれが少しずつ、ポートが違ったりして、「このコード?何の充電のコードだったっけ?」と思うものが我が家にも山ほどあります。

 しかし、この日付以前にフランスに入荷しているものに関しては、これまでどおりの様々な充電ポートが使用されるものが販売され続けるため、今後、なにか電子機器を購入する場合は、先のことを考えて、この充電ポートを確認して購入するほうが良さそうです。

 また、これは、複数のデバイスに同じコードを利用できるということで、電子機器の販売と充電器が別販売になり得るということでもあり、新しい電子機器を買うときには、新しいコードが必用かどうかを考えて、購入する電子機器に充電器が入っているかどうかを確認する必要があります。

 これには、絵文字のような表記がされるという話ですが、具体的には、どのような表示になるのかは、わかりません。

 この充電器端子の共通化に関しては、「イノベーションを損なう」として、Apple社が最後まで抵抗していたようですが、長期間の交渉の末、Apple社もこれを受け入れ、2023年iPhone 15から、このUSB-Cタイプの充電ポートを搭載しているようです。

 この iPhoneの充電コードに関しては、私も以前から不満に思っていて、他のものと著しく異なる充電ポートであるうえ、なんだかやたらとコードの寿命が短い気がして、しかも、やたらと高いし・・とうとう、これに嫌気がさして、iPhoneはやめてしまったくらいです。

 あまり先進的だとも思えない私の生活でさえ、頻繁に充電している電子機器はけっこうあり、新旧、また日本で購入したもの、フランスで購入したものと、それぞれの充電方法はバラバラで、これが統一されるのは、ありがたいことです。

 しかし、すでに我が家で山のようになっているコードの束、なんか、捨てるに捨てれずに、とりあえず、一か所にまとめてあるのですが、これを機に、ちょっと整理してみようかと思っています。

 ただ、ひとつ、不思議というか残念なのは、どうして、この日付が12月28日からだったのか?と思うのは、これが、多くの人がプレゼントを購入するノエルの前だったら、もっと一気にこの共通化が進んだと思われるのに、なぜ?この年末ギリギリのタイミングだったのか? と、ちょっと半端な感じというか残念な気がしないでもありません。

 


充電器端子の共通化


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2024年12月26日木曜日

クリスマスイブの衝撃のTGV運転手の飛び込み事故

  


 クリスマスイブの夜、パリ発リヨン行きのTGVが急停車。これは、TGVの自動安全装置のために停車したもので、すぐには、原因はわからなかった模様です。この遅延により、この方向のTGVの運行に大きな混乱が起こり、最大5時間の遅延で4,000人に影響したということです。

 この自動安全装置が作動したのは、運転手が運転席から一定時間以上離れた場合、具体的には、ドライバーは定期的に足でペダルを踏むか、コンタクタを交互に押すことが求められているためで(30秒ごとに圧力を解放しなかったり、5秒ごとにコンタクタを押さなかったりするととても大きな警報が運転室内に鳴り響き、運転手に警告を発するようになっている)、通常ならば、この運転室内の警報装置により、運転手は、この求められている一連の動きを3秒以内に再確認することになっているのですが、この日の場合は、そのまま、自動的に牽引が停止され、同時に非常自動ブレーキ装置が作動したのです。

 このTGVは、このようにして、急停止したのですが、当初はその理由がわからず、停車後の確認作業の間に運転手がTGVが最高速で走行中に電車から飛び降りて、自らの命を絶っていたことが発覚しました。

 TGV走行中は一般乗客には、ドアを開けることはできませんが、運転手は自らドアを開ける術を持っており、彼は運転席から一番近いドアを自分で開けて、飛びおりています。

 非常自動ブレーキ装置によりTGVが急停止したとはいえ、ブレーキがかかってから、すぐに止まったわけではなく、しばらく停車するまでに時間がかかり、運転手が飛びおりてからもしばらく走っているために、TGVの停車したポイントには、飛び降りた運転手の姿はなかったのです。

 自ら命を絶った運転手は52歳の男性だということだけで、この行動をとった原因は、明らかになってはいません。

 それにしても、クリスマスイブという日の夜にTGVの運転手として、最も衝撃的な方法をとって自らの命を絶ったということは、彼の家族はもちろんのこと、彼の周囲の人々にも深い傷を残すことになったと思います。

 SNCF(フランス国鉄)は、この運転手の家族に深い追悼の意を表するとともに、このような事態が起こっても、乗客を危険に晒すことは、全くなかったと、自動緊急停止装置が正常に稼働したことを説明しながらTGVの安全性を必死で訴えています。

 午後7時半頃起こったこの事故により、ストップしたTGVの交通網が正常状態に戻ったのは、翌日午前1時過ぎであったとのこと。

 クリスマスイブを家族と過ごすために家路に急いでいたであろう乗客は、とんだクリスマスイブになってしまい、このクラスの遅延だったら、怒り心頭になるとも思うのですが、この原因を知った時、怒りきれない気持ちになりそうです。

 

クリスマスイブ TGV運転手飛び込み


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2024年12月25日水曜日

ノエルにはブッシュ・ド・ノエルがやっぱり圧倒的に人気らしい

  


 年末年始にかけて、食い倒れ感が満載のフランスですが、ノエルは家族で過ごす人が多く大晦日から年始にかけては、友人たちと・・というのが一般的なようです。

 特に家族の集まるノエル・クリスマスの食卓には、各家庭のそれぞれがメニューには、それなりに頭を悩ませるのですが、やっぱり定番は、フォアグラ、スモークサーモン、生牡蠣などのシーフードプレート、シャポン(去勢鶏)などやジゴー・ダニョ(子羊の骨付きもも肉)などの肉料理、そして、デザートの定番はなんといってもブッシュ・ド・ノエルと呼ばれる丸太型のケーキです。

 今は、食べ物にも季節感が消え失せつつあり、いつでも何でも買えますが、このブッシュ・ド・ノエル(とガレット・デ・ロワ)だけは、一年のうち、この季節だけです。

 このノエルシーズンのブッシュ・ド・ノエルのためにパティスリーは1ヶ月ほど前から準備をして、人気のお店では、冷凍保存しておいて、直前に、ほんのわずかな最後のデコレーションだけして、店頭に並べるという興ざめな話をこの間、テレビでやっていましたが、パティスリーでは、なんと1年のうちの25%の売り上げはこのノエルの季節で売り上げるということなので、全く、エライもんだ!と思います。



 そういえば、ここ1ヶ月くらいは、前夜祭とでもいうべくブッシュがパティスリーに並び始め、ギリギリまでは、わりと小さめのブッシュ(個々)が多く、ピエール・エルメを覗いて見たら、可愛らしくも美しいブッシュが店頭にならんでいて、なんだか上手くデコレーションしているのですが、よくよく見ると、「ちっちゃい!」そして、1個10ユーロ(約1,600円)という値段を見て思わず目を見開いてしまい、思わず「たかっ!」と二度見してしまいました。1ホールではないのです。ちっちゃな一人用のブッシュです。

 それでも、ラファイエットグルメなどだとこれが飛ぶように売れていました。

 私は、あまり、ブッシュには思い入れがないために、常日頃から目をつけていたケーキなどをちょっとずつ(正確に言えば一つずつ)買いに行って楽しんでいるのですが、この時期、目をつけていたいつものケーキはブッシュのために姿を消しており、寂しい思いをして帰ってきました。

 しかし、このノエルという行事、華やかな食卓を彩る高価な食材が飛ぶように売れ、もちろん、ブッシュ・ド・ノエルも売れまくり、そのうえ、みんなが家族用のプレゼントを揃えてクリスマスパーティーに臨むというフランス人がバカンスの次にお金を使う行事。

 フランスの経済効果には欠かせない行事だな・・とつくづく思います。

 24日のクリスマス・イブには、夕方には、早々に店じまいしてしまうところも多く、街中はシンとしてしまいます。伝統的な食事や家族での集まりを考えれば日本のお正月に近いものなのかもしれません。


ブッシュ・ド・ノエル


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