2024年9月18日水曜日

エアフランス 欧州線の一部で有料機内食試験的導入

 


 エールフランスは、来年1月から、ヨーロッパ内の一部のフライトで有料機内食を試験的導入することを発表しています。

 「これでは、まるで格安航空会社みたいではないか?」と思ったけれど、Figaro紙の報道によれば、これまでの短距離または中距離便での軽食(小さなサンドイッチまたはペストリーと飲み物)は継続され、それに加えて、アラカルトとして、有料の製品が販売されるということらしいです。

 この新しいサービスには、「Buy on Board」(BoB)というなまえがつけられ、これが試験的に導入されるのは、とりあえず、パリ⇔ポルトガル便、パリ⇔ヘルシンキ便なのだそうで、格安航空券のように、全ての機内で提供される食料が有料というのとも、また、違うようです。

 そもそも、欧州内の移動であれば、特に、今回のパリ⇔ポルトガル便ならば、2時間から2時間半程度、パリ⇔ヘルシンキ便でも3時間前後程度の飛行時間なので、とりわけ食事が必用とも思わないので、機内食があろうとなかろうと、あまり不自由は感じないのですが、ここで、アラカルトとして、何を売ろうとしているのだろうか?というのは、ちょっと興味があります。

 格安航空会社の場合は、少しでもコストを削減して、運賃を安く抑えようとしているのだと思いますが、とりあえず、これまでの軽食は継続して、追加のアラカルトを販売することで、格安航空券とは、差別化しているつもりなのか?これにより収益を少しでも上げるつもりなのかは、不明です。

 私は、そこまで格安航空会社に詳しいわけではないのですが、前回、乗ったトランザビア航空では、やはり、機内で食べ物の提供がないことはわかっていたので、空港で買ったサンドイッチ(いつもは買わないけど、その時は、大幅に遅延したために、パリの家に帰ってから食べようと思っていた夕食の時間には、まだイタリアにいたため・・)空港でサンドイッチを買って、持っていました。

 機内で売っている軽食には、あまり食指が動かないうえに高かったので、やっぱりあらかじめサンドイッチを買っておいて、正解だったとおもいました。

 それに比べると、エアフランスの軽食は、まだまだマシなので、本当は、充分だとも思うのですが、まあ、よっぽど、「えっ??それ食べてみたい!」と思うものでも売っているのであれば、買ってみたくなるかもしれません。

 しかし、エアフランスは、格安航空券モデルを明らかに意識していると思われるふしがあります。それは、前回、日本に行った際、直行便でなるべく安いフライトを探していたら、エアフランスだったのですが、「おっ!安い!」と思って飛びついたら、荷物が別料金で、値段はいくらだったか忘れましたが、スーツケース1個につき○○ユーロ・・という感じで荷物料金が、別料金の設定でした。

 まあ、そんなに荷物を持たない人もいるだろうから、合理的な価格設定といえば、言えないこともないのですが、な~んだ・・とちょっとガッカリ・・スーツケース2個分追加するとJALとかANAよりも若干安いけど・・というくらいで、「え~~?そんなに違わないんだったら、ストライキの可能性が低いJALかANAにしておけば、よかったかも~!」という気もしました。

 以前、何度かエアフランスのフライトでは、ストライキにぶちあたり、勝手にフライトを変更されたりしたことがあったので、それ以来、もうその後の変更手続きなどが厄介なので、できるだけ避けていたのです。

 そうそう、エアフランスの一番の問題は、私にとっては機内食ではなくて、ストライキなのですが、それは、フランスの航空会社・・ストライキのリスクは避けて通れません。

 ほんとうのところ、機内のCAさんの応対とか、適度に緩い感じとか、機内食にしても、そんなにひどいこともなく、航空会社としては、私はどちらかといえば、好きなのですが、いかんせん、ストライキに遭遇する可能性が他の航空会社よりも高いということは、リスキーではあります。

 しかし、最近の空港などのストライキを見ていると、やっぱり一番にストライキの影響を受けるのは、ライアンエアーとか、トランザビア、イージージェットなどの格安航空会社からということが多いみたいです(最も、これは空港のストライキの場合ですが・・)。

 エアフランスでは、今後、この試験的なケースで成功した場合は、全線共通のサービスになるそうですが、長距離フライト、ビジネスクラスでは、これまでどおりのサービスが継続される予定です。

 私の記憶にあるのは、エアフランスで短距離フライトに乗ったのは、大昔、ロンドン⇔パリ区間でしたが、まさかのダブルブッキングされ、どうしよう?と途方に暮れていたら、まさかのグレードアップしてくれて、ビジネスに乗せてくれました。

 ビジネスだったので、けっこう良いお食事だったのですが、なんせロンドン⇔パリ線は時間が短いわりには、サービスが遅くて、もう、やたらと慌てて急いで食べなければならなかったのを覚えています。

 そもそも、そんなに機内食には、期待していないし、できれば旅先で美味しいものを食べたいので、なんだったら、機内食はなくして、その分、安くしてくれた方が嬉しいくらいですが、けっこうこのオプション有料機内食は、ルフトハンザドイツ航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、フィンエアー、TAPポルトガル航空などでも導入の動きがあるということで、とりあえずは、この方向で進みそうな気配です。


エアフランス有料機内食


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2024年9月17日火曜日

フランス人はブーランジェリーの蜂は気にしない

  


 私は、ブーランジェリー・・いわゆるパン屋さんが大好きで、どこを歩いていても、一応、とりあえず、どんな感じのお店なのか?覗いてみたくなり、実際、けっこう覗いてみることが多いです。

 たいていは、お店の外のショーウィンドーから覗いて、「あら?ちょっと良さそうなお店かも?」と思ったときには、中に入ってみます。

 ちょっと前に、あまり、ふだんは出向かない地域で、お店の外から「美味しそうだな~~」と思いながら、眺めていたら、ちょうど通りかかったフランス人のおばさんに、「パリには、た~くさん、あるよね!美味しい食べ物が・・」とにっこり話しかけられて、自分でも、「私、よほどものほしそうな顔をしていたのだろうか?」となんだか気恥ずかしくなりました。

 それでも、たいていのお店は、同じようなものを置いているし、欲しいものを全て買っていたら、大変なこと(お金もかかるし、体型も・・)になるので、よっぽど、魅力的だったり、特別な評判だったりしないとそうそうは、買いません。

 近所で、まあまあお気に入りのブーランジェリーもあるのですが、そのお店は、時々、新しいものが登場していたりもするので、通りかかれば、だいたいは、覗いてみます。

 先日、プールに行った帰りに、「運動したし、今日はちょっとお昼も軽めにしたから、なんかヴィエノワズリーの一つでも買おうかな?」と思って、そのお店に入って、ショーケースを見つめて、「さて、今日は何にしようかな?」と品定めをしていたら、その日は、なんだかパン・オ・レザン(渦巻き状のレーズンのヴィエノワズリー)がテリテリしていて美味しそうだったので、今日は、それにしようかな?と思って、さて・・と思って、もう一度、ケースの中を見つめると、パン・オ・レザンにけっこうな数の虫がたかっていて・・よくよく見ると、それは、蜂だったのですが、それにしても・・え~~~???

 これまでマルシェなど、屋外のお店で虫がたかっていたりすることを見かけたりすることはあったものの、今回は、けっこうきれいなお店の店内、しかも、ガラスのケースに入っています。これだけ、たくさんいたら、お店の人が気が付かないわけはなく、完全スルーです。どうやら、甘いものにたかる蜂は全然OKのようです。

 これは季節的なものもあるのでしょうか? 今まで、こんなショーケースの中のパンに蜂がたかっているのなど見たことがなかったので、「えっ?どうしちゃったの?」と、その日は、やっぱり、ちょっと・・いやけっこう抵抗があって、買いませんでした。

 そして、その数日後、また別のブーランジェリーでも同じ現象が・・テリテリのヴィエノワズリーに蜂がいっぱい・・。

 そこでも、お店の人は全然、意に介していないようで、美味しい甘いものに蜂がよってくるのは、むしろ、誇らしいことかのごとく、そのまま放置。

 友人に聞いてみたら、これは珍しいことではないのだそうで、私は、これまで、蜂がたかってもフランス人は気にせず、全然、OKだということを知りませんでした。

 とはいえ、日本人の私は、蜂とはいえ、虫は虫・・。どこから飛んできたかもわからない蜂がたかっているパンは、やっぱり買う気にならないのです。


ブーランジェリーの蜂


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2024年9月16日月曜日

ブリジット・マクロンがトランスジェンダーだという噂をSNS上で流した女性2人に有罪判決

  


 マクロン大統領夫人・フランスのファーストレディであるブリジット・マクロンがトランスジェンダーであるという噂をネット上で広めたとして、2人の女性に対して、名誉毀損の罪で500ユーロの執行猶予付き罰金刑が言い渡されました。

 彼女らは、昨年6月に開かれた裁判の当事者である大統領夫人に8,000ユーロ、弟のジャン・ミッシェル・トロニュー氏に5,000ユーロの損害賠償を支払わなければなりません。

 このSNS上の噂もずいぶん、低俗でタチの悪いもので、そんなの信じる人いるの?と思う内容なのですが、それが、けっこういたようで、この噂はアメリカにまで広がっているということですが、日本ではどうなのでしょうか? そもそも、ブリジット・マクロンがそんなに注目を集めることもなさそうですが・・。

 この問題の発端は、2017年のマクロンの大統領選挙以来、広まり始めたそうで、そもそもはYouTubeでこの二人の女性がまことしやかに、ブリジット・マクロンとその家族の写真を映しながら、彼女が受けたであろう外科手術について、まことしやかに語ったり、彼女の弟が本来の彼女の実家の身分を継いでいるなどという内容だったようです。

 そもそも、彼女はマクロン大統領とは再婚であり、その前の夫との間には、3人の子どももあり、マクロン氏は彼女の教師時代の教え子で年齢差も24歳という、かなりスペシャルなカップル。

 それ自体も、日本だったら、絶対、スキャンダラス過ぎてアウトだろうところをフランスならば、大統領、大統領夫人にもなれるくらいなので、これをさらに打ち負かすスキャンダルをでっち上げようとするならば、「夫人は実はトランスジェンダーだった!」くらいのパンチがないといけないと思ったのか、それにしても、悪質です。

 これを信じる人々がいるということも驚きというか、面白がって噂を広めた人々がいたというのかもしれませんが、あまりにバカバカしくて、スルーするのかと思っていたら、やっぱり訴えていたようです。

 もちろん、本人は出廷していませんが、彼女の弁護士は、「これは勝利ではなく、法の通常の適用であるだけである」と回答しており、つまり、勝ち負けを争うような種類の問題ではなく、法の執行を求めただけということを言っているのだと思います。

 しかし、この罰金が、500ユーロの執行猶予付き罰金と大統領夫人に8,000ユーロ、弟のジャン・ミッシェル・トロニュー氏に5,000ユーロの損害賠償とは、ずいぶん安いものだ・・と思わないでもありません。

 もちろん、金銭目的ではないにせよ、甘いな・・と思うのです。

 冒頭に貼った動画は、ブリジット・マクロンの顔が映っているものがあるかな?と探したら、どうやら、彼女、「エミリーパリへ行く シーズン4」にちょっとだけ出演するようです。

 

ブリジットマクロン トランスジェンダー


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2024年9月15日日曜日

パリオリンピック シャンゼリゼでのメダリストパレード

 


  パリオリンピックは、結果的には、フランスでは想像以上の盛り上がりを見せ、パラリンピック開催時に9月14日にシャンゼリゼでオリンピック・パラリンピックのメダリストのパレードが行われることが発表されていました。

 パレードというので、なんとなくパリ祭のパレードのようなものを想像していたのですが、ちょっと今回は趣が違いました。

 パラリンピックが始まった頃から、凱旋門の斜めに仮スタジオのようなものが設置されており、パラリンピックの解説の中継などは、ここで行っていました。

 このパレードは、どんなものになるのだろうか?と前日の午後にちょっとシャンゼリゼに寄ってみたのですが、まだまだ準備が始まったばかりの感じで、全然、設営は全然できていませんでした。翌日、テレビで見ると、よく一晩であれだけ作り上げたものだと、その素早さにこの手の作業・・パリもずいぶん、手慣れてきた感じもしました。

 今回は、凱旋門の周りにリング状の舞台、そして、シャンゼリゼに少し高さのある白いステージを長く渡した素敵な舞台でした。フランスはこういうデコレーションが上手だなぁ~と思います。

 今回のオリンピック・パラリンピックのセレモニーは徹底的に既存の歴史的建造物やモニュメントを含むパリの街を舞台としてデコレーションして使い、パリをより美しく見せるという方法を最後まで貫き通し、そして、また、さほど大きすぎないパリの街を逆に上手く利用したな・・という気もしました。


 今回は、オリンピック・パラリンピック本番と違って、フランスだけの催し物なだけに、フランス時間を基準にしてプログラムされたとはいえ、それはもうやはり長いこと長いこと・・。パレード自体は、16時頃から始まりましたが、実際に選手たちがパレードが終わり、そして、最後に、凱旋門周囲の舞台で、選手たちにレジオンドヌール勲章あるいは国家功績勲章が授与が終わったのは、20時くらい・・それから、コンサートなどのショーですから、もう長い長い・・。

 最初、パリオリンピック委員会会長のトニーエスタンゲ氏があいさつしたり、しまいには、IOCのトーマス・バッハまで現れたことには、なんかちょっと政治的な嫌な感じがしましたが、このパレードには、7万人の観客が集まったそうで、その大勢の観客もなんだか清々しい笑顔なような気がして、他のスポーツ、例えばフランス人の大好きなサッカーの祝賀パレードなどとは、違ったカラーを感じました。

 これまで知らなかったのですが、オリンピック・パラリンピックでメダルを獲得した選手(今回は187人)には、フランス国家より、レジオンドヌール勲章あるいは国家功績勲章が贈呈されるのだそうで、比類のない国際記録を持つ柔道家のテディ・リネールは、2021年からすでにレジオン・ドヌール勲章を持っているため、1ランク上のタイトルが授与されました。

 今回のオリンピックはパリで行われたので、このようなメダリストのパレードや勲章の授与式が華々しく行われましたが、これまでのオリンピックのものは、どうしていたのか?全然、記憶にありません。

 それでも、この選手たちのパレードには7万人もの人が集まり、嬉しそうにフランス国旗を振っているのを見ると、こんなにも多くの人に喜びを与えるものなんだな・・と、いま一つ、興奮できなかった私は、ちょっと冷めた感じで思います。

 しかし、オリンピックの影響というものは、すごいもので、今年は、私が通っている近所のプールでも子どものお稽古事に水泳をやらせたい!という人が激増したそうで、フランスの水泳人口が増えそうです。

 日本の小・中学校と違って、フランスの学校は、それぞれのプールは持っておらず、期間や時間をずらして、その地区の市民プールを分割で使っています。なので、おそらく日本の学校の水泳の授業時間にくらべて、フランスの学校の水泳授業時間はおそらくずっと短くて、ふつうにしていたら、水泳に接する機会はずっと少ないと思います。

 それが今回、水泳でフランス人の選手が大活躍し、特に一人でいくつも金メダルを獲得したスター選手が登場したために、一気に水泳が再注目の的となったのです。

 ともあれ、これで、本当にオリンピックは終わりです。

 そして、このような舞台が作られたところをテレビで見ると、なんだかシャンゼリゼは実際よりも小さく見えるものだな・・とへんな感心の仕方をしました。


シャンゼリゼ メダリストパレード


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2024年9月14日土曜日

日本製品で海外で是非、売ってほしいもの・・日本の薬

  


 海外在住者にとって、日本に一時帰国するときには、買って帰りたいものが山ほどあって、日本に行く前から、思いつくたびにリストアップして、日本滞在中に欲しいものを買い集めて、持って帰ります。

 私の場合は、その大部分は食料品なので、必ずしも全ての人と同じとは思ってはいませんが、逆に?外国人だって絶対に欲しいだろうし、大々的に日本から輸出して、こちらで事業展開してくれたらいいのに・・と思うものもあります。

 最近、自民党の総裁選挙の答弁などを聞いていると日本の国力が低下したとか、経済を上向きに・・などと話しているのを耳にしますが、まさに海外にいても、海外での日本製品が減ったのは、実感するところでもあります。

 一番、わかりやすいのは家電のお店で、私がフランスに来たばかりの頃、25年くらいまえは、電気屋さんに行けば、SONYをはじめとした日本の製品がずらーっと並んでいて、なんだか誇らしい気もちになったものですが、今は、日本の製品はほぼほぼみかけなくなりました。

 ルーブル美術館などに行っても、大きく日本企業が名前を連ね、ここは日本の美術館か?と思うほど、逆に興ざめな思いをしたくらいですが、それもすっかりなくなりました。

 現在、こちらで、日本企業の名前を頻繁に見かけるのは、TOYOTAくらいなもので、かろうじて、この間のオリンピックの際のスポンサーでもあったブリヂストンくらいでしょうか? あとは、日本食ブームですっかり市民権を得た感じのお醤油 Kikkomanも頑張っている感じ・・あとはマンガ・アニメですが、日本企業!というのかはわかりません。

 でも、日本に行って、ここぞとばかりにフランスに持って帰りたいものは山ほどあり、故人の嗜好で選ぶ食料品は別として、フランスで事業展開したら、きっと売れるだろうな・・と思うものは、薬です。薬といっても、やばい薬ではなく、特に私がいつも買って帰るのは、目薬とかゆみ止めの薬、胃腸薬などなどの簡単な薬です。

 目薬は、日本のように簡単に使用できる目がスッキリするような目薬はなく、また、最近、温暖化の影響で夏に虫さされが増えたにもかかわらず、即効性というか、かゆみが一瞬にしておさまるような虫さされの薬があまり、ありません。

 以前は湿布薬なども買ってかえっていましたが、とにかく、なんというか、薬というか、身体を心地よい状態にする・・程度の薬がなかなかありません。つまり、日本のマツモトキヨシとか、ドラッグストアーにあるような商品があったらいいのに・・と思います。

 薬のため、輸出入の規制があり、難しいのかもしれませんが、最近、日本に行くと、渋谷などには、たくさんのドラッグストアーができていて、免税可能!などという看板を掲げているので、外国人の需要はそれなりにあるのだと思います。

 フランスの薬局は、ビオコスメなどのお店と併設している場合はともかく、日本のようなドラッグストアのようなお店ではなく、処方箋があれば、奥から出してきてくれますが、その多くは同じ薬が横並びにいくつもある、実に退屈なお店です。

 以前は、保険でカバーされるために、薬屋さんやメガネ屋さんは、隆盛だった時期もありましたが、最近は保険にさえも入らない人も増えたためか、メガネ屋さんも数が減ったし、薬局も減少の一途を辿っているそうで、なにか起死回生の手が必用なようです。

 たしかに日本の薬局は、私は、ぜひ、買って帰りたい、目薬や虫さされの薬の他、ヘアカラーや温泉の素からキャットフードまで、欲しいものがたくさんあって、新しいものもたくさんあって、フランスのビオコスメのお店よりもずっと楽しいです。

 日本には、あたりまえのようにあるもので、海外には、ないものが実はまだまだたくさんあるので、そういう製品を作り出している日本の企業は、まだまだ海外に市場を拡大できるチャンスがあると思っています。

 他にも、日本食がこれだけ人気で、おにぎりなんて飛ぶように売れているし、美味しい日本米をバンバン輸出してほしいし、日本の多彩でバラエティに富み、便利な冷凍食品が進出したら、どれだけ人気だろう!などとも思います。

 以前の家電や自動車のように大きなものではありませんが、それでも、まだまだ、あたりまえに日本にあるもので海外に売れるものは、たくさんあると思っています。

 がんばれ!日本!


日本の薬


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2024年9月13日金曜日

ブルーノ・ル・メール財務相の素敵な政界の去り方

 


 フランスにいる以上、ある程度、フランスの政情を知ることは必要なことでもあり、また、フランス人の間では、政治が話題にのぼることも多く、まるで、その知識がないことは、恥ずかしいことだとも思っています。

 たとえ、私には、選挙権がなくとも、フランスで起こる数々の紛争や争いごとなども、政治が関わっていることも多く、その原因を理解しようとすることは必要だとも思っています。

 とはいえ、これだけ、色々なことが起こり、どんどん世の中が変わっていくなか、日々、このフランスの政治、情勢に関わるニュースを追っていくことは、私にとっては簡単なことでもなく、しかし、同時にフランスの政治の動きを見ていると、政治に関心を持つことは楽しいことだとも思うようにもなりました。

 同時に日本の政治の動きも少しは見ているので、それと比較して、色々と考えることもあります。

 とはいえ、フランスの政治に関するニュースなど、私が把握しきれる登場人物は、その時々の大統領、首相、主要官僚などで、とてもその全てを把握しきれてはいません。

 そんな中で、極めて、ミーハー的な観点から、私は、今回、辞任を発表したブルーノ・ル・メール財務相は、なかなか素敵な人だな・・と思っていました。個人的な好みではありますが、これまでフランスの政治家で、素敵な人だな・・と思ったのは、シラク共和国大統領の事務総長を務められていたドミニク・ドゥ・ヴィルパンという方で、ずっと、「カッコいい!あの人が大統領になったら、いいのに・・」と思っていました。

 一度、彼がサンジェルマン・デ・プレで家族と歩いているところに出くわしたことがあるのですが、圧倒的なオーラで思わずその家族全体のたたずまいに見惚れてしまったくらいでした。

 そして、ドミニク・ドゥ・ヴィルパン氏が政界からいつの間にか、姿を消したあとは、このブルーノ・ル・メール財務相がどことなく、雰囲気が似ていて、素敵な人だなぁ~と思っていたのです。

 今回、彼が辞任するというので、彼の経歴を見ていたら、なんと、彼は政界入りした当初、ドミニク・ドゥ・ヴィルパン氏の首席補佐官を務めており、なるほど、なんとなく雰囲気が似ているのは、そういうことだったんだな・・とハッとさせられた思いでした。

 正直、彼の政治的手腕はもちろんのことですが、それよりも、どことなく育ちが良さそうで、賢明で、話し方、立ち振る舞いがとてもエレガントであり、冷静で、という極めて、曖昧な理由です。

 ブルーノ・ル・メール氏は、直近までは、経済・財務・産業・デジタル担当大臣を7年間担ってきました。現在、内閣が解散し、首相はようやく決まったものの、内閣人事は発表されていない現在、多く(約半数)の大臣は留任を希望する中、彼は、22年間の政治の世界に別れを告げ、財務省に別れを告げ、ベルシーの財務省の中庭でスピーチを行い、集まった財務省の人々に感謝を述べました。

 彼は現在、55歳、彼がなぜ留任を望まなかったのかは、名言はしていませんが、    現在の政権・政治の流れに思うことがあるのは、確かで、ここで、ひとまず、息をつき、彼の最初の職業であった大学教授という職に戻り、今度は、最初に抗議したフランス文学だけではなく、政治や地政学などにおいても教鞭をとり、若い学生たちと議論をたたかわし、異なる場所で未来を担う人々の声を耳を傾けることができることをとても楽しみに感じていると語っています。

 彼は、ローザンヌ大学との話が進んでいるとのことで、スイスに永住か?などとの声もありますが、彼自身は、愛するフランスを捨てるつもりはないとのことです。

 現在のマクロン大統領、新しく任命されたミシェル・バルニエ首相の築いていこうとしているものがどんなものなのかは、わかりませんが、彼なりの美学を貫いての決断であったような気がしています。

 彼が辞任するというニュースを最初に見た時は、「えっ?辞めちゃうの?」と思いつつ、大臣という座にしがみつくことなく、自ら周囲に感謝しつつ、別の道を選んだブルーノ・ル・メール氏をやっぱり素敵な人だったな・・と思ったのでした。

 この挨拶を行っている彼の表情は、これまでとは、すでにすっかり変わっている感じで、すっきり、穏やかになっている気がしました。


ブルーノ・ル・メール経済相辞任


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2024年9月12日木曜日

20年間で急増しているフランス人の肥満 揺らぐフレンチパラドックス

   


 フランス公衆衛生局が発表したフランスの過体重と肥満に関する調査によると、過去20年間でフランス人の過体重、肥満が急増しており、これは、過去に例をみない増加傾向であると警告しています。

 これは、身長と体重の割合をもとに計算するBMI(ボディマス指数)を用いたもので、体重(kg)/ 身長(m²)の数字が25~30の場合を過体重、30以上の場合を肥満と定義しています。

 今回、フランス公衆衛生局が問題視しているのは、過体重と肥満以上に関するケースについてですが、BMI 30以上の肥満に関しては、1996年には男性の7%、2016年には14%を超えるまで増加しましたが、その後2017年には13%に戻りました。女性の場合、肥満は増加し続け、 1996年には 6%を下回っていましたが、2017 年には 14%に達しています。

 現在では、フランスでは2人に1人近くが過体重であり、17%が肥満であると言われているのです。

 保健当局は、過体重と肥満が主要な病気(心血管疾患、糖尿病、特定のがん、早期死亡などの非感染性疾患の主要な危険因子)のリスクを構成するものであるため、予防政策を強化する必要があると警告しています。

 肥満の原因は、座りっぱなしのライフスタイルの増加、身体活動の減少、ジャンクフードの増加などが挙げられていますが、貧因、社会的に恵まれない人々の間では、ほぼ4倍、肥満が多いというWHOの報告もあります。

 また、この増加傾向には、男女差が認められ、ある時点で男性の増加は止まり、一定の数字を維持していますが、女性の肥満は、増加し続けているという結果も注目すべき点の一つでもあります。

 この要因として、女性特有の体質的な要素、閉経期に女性に変化が生じる可能性があること、ストレス、内分泌かく乱物質、特定の人々の体重増加につながる生物学的メカニズムもたしかに理由として挙げられることも事実ではありますが、体質的なものは、以前と比べて、特に変化しているとはいえず、女性がより肥満増加傾向にある理由とは認めにくいような気もします。

 これは、フレンチパラドックス(フランス人が、相対的に喫煙率が高く、脂肪が多く含まれる食事を摂取しているにも関わらず、冠状動脈性心臓病にかかることや肥満体型が比較的少ない学説から生まれた造語)などと言われ、比較的高カロリーのものを摂取しているにもかかわらず、肥満が少ないと言われており、私も不思議に思っていましたが、その説は、もはや微妙になりつつあるということです。

 しかし、過体重程度はともかく、極端な肥満体型の人は、あまり見かけない気はするのですが、フランスでも地方に行くと、比較的、ふくよかな人が多い気がする(私の個人的な印象ですが・・)ので、パリジャン・パリジェンヌは、フランスの中では肥満は少ない方なような気もします。

 とはいえ、日本に行ったりすると、特に思うのは、日本人の若い女の子が華奢なこと・・細~い!痩せてるな~!とビックリする反面、こちらでは、食事時間外など、小腹がすいたの?と思われるような時間帯に、若い女の子がクロワッサンなどのヴィエノワズリーなどをかじっているのを見かけることが多くて(決して太り過ぎではないけど・・)、若い女の子が間食にクロワッサンとは・・カロリー気にしないのかな?などと思うことはあります。

 フランスでは、健康に気を付けて!の決まり文句みたいに「1日、5つの野菜、果物を!」と言いますが、日本人の私からしたら、たった5つ??とずいぶん、ハードルが低く思えます。

 しかし、この肥満の増加はインフレも影響しているのでは?とも思います。バランスの良い食事、健康的な食事・・を摂ろうと思うとなかなかお金も手間もかかります。

 ましてや、フランスの美味しいもの、バターやチーズやパン、ヴィエノワズリー、生ハムやフォアグラ、パテなどなど・・もうハイカロリー食品のオンパレードです。そして、これらのものが、比較的、お手頃価格で手に入りやすいものであるということは、やっぱり肥満には絶好の土壌なのです。

 そういう私は、家では、ほぼ日本食とはいえ、面倒になると、ついつい簡単に手に入るものに走りがち・・こうして警告を鳴らしてくれることは、自分への戒めとして、受け止めます。


フランス人の肥満急増


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