2023年11月2日木曜日

墓地にまで押し寄せる移民の被害

  


 夫は、まだまだ自分が死ぬと思ってはいなかったのでしょう・・、遺言のようなものは、残しておらず、ただ、いつかは書こうと思っていたのか? 「お墓は家から一番近いところにしてほしい」というメモのようなものが自分の机の裏に貼ってあったのがみつかり、彼が亡くなった時には、希望どおりに家から一番近い墓地に埋葬しました。

 家から一番近いところに入れてほしいということは、できるだけお墓に来てほしいということだったんだなぁ~と思ったし、実際、彼が亡くなった当初は、毎週のようにお墓に通っていました。とはいえ、歩いて行くと15分から20分くらいはかかる中途半端な距離なのです。

 市内にある市営墓地なので、おのずとそのようなこともおこるとは思うのですが、彼のお墓の隣に来ていたわりと年配の女性は、比較的、近所の方で、彼女も同じ年にお姉さんを亡くしたばかりということで、顔を合わせれば、ちょっとお話をしたりするようになり、お墓にもご近所づきあいのようなものができることに、こんな不思議な繋がりっていうものもあるもんだ・・と思ったものです。

 彼女はもう引退されているようで、毎日、散歩がてらに来ているらしく、「お宅のお花にもお水をあげているわよ・・」と言ってくれていました。

 あの頃は、もう行き場のない気持ちをお墓参りをすることで、なんとか気持ちを落ち着けるようなところがあったものの、時間が経つにつれて、お墓参りにも滅多に行かなくなり、最近では、せいぜい、一年に一度か二度くらいになりました。

 それでもトゥーサンの時だけは、墓地は、華やかなお花に彩られるため、誰も来ないお墓になってはかわいそうで、必ず行くようにしているのですが、ここ数年、お花が供えられているお墓はグッと減った印象があります。

 今年もトゥーサンの季節がやってきて、前もって買っておいた鉢植えをかかえて、お墓に行ったところ、なんと、入口が閉まっていて、愕然としました。

 「いくらなんでもトゥーサン(みんながお墓参りをする日)にお墓を閉めるなんてあり得る?」と動揺し、「はて?どうしよう?」と焦って中を覗いてみると、中に人はいる模様。それでも、あきらめきれずに私が中を覗いていると、中にいる人々が遠くから、「あっちから!あっちから!」と身振りで知らせてくれました。

 墓地にはいくつか入口があって、私はいつも家から歩いて行くので、一番、家から近い方面からの入口を利用していたのですが、よりによって、みんながお墓参りに来る日に閉めるとは・・お墓に来るようになってから10年以上、(いや、15年くらい・・)が経っていますが、今まで、こんなことは一度もありませんでした。

 結局、正面口しか開いていなかったようなのですが、お墓の敷地内に入るとすぐに管理人?さんが数名いたので、「どうして、むこうの入口閉めちゃってるの?」と聞くと、「キャラバンの輩たちが、水を汲みに来たり、お墓を荒らして行ったりするようになったから・・」とのこと。

 キャラバンとは、ジプシーというか、キャラバン(中型のバンのような車)で移動しながら生活している人々のことで、そのために、お墓の入口を一つにしてしまわないと、管理しきれないのだと嘆いていました。

 お墓は、夕方には閉まってしまい、夜の間は入れないようになっているので、彼らが来ているのは、昼間の時間帯ということなのでしょうが、それにしても、こんな事態は初めてのことで、移民?問題がこんなところにまで押し寄せているのか?と、ちょっとゲンナリしてしまいました。

 移民といえば、私自身も移民であることには違いないので、あまり大きな口をたたける立場でもないかもしれませんが、私は一応、合法的に暮らしているわけで、彼らと同じように扱われるのは心外ですが、しかし、移民が溢れているフランスではやはり、お墓まで荒らされる深刻な問題になっています。

 日本の岸田首相は、最近、「外国人と共生する社会を考えなければならない」などと言っているようですが、たしかに、まったくシャットアウトすることはあり得ないとは思いますが、移民の入国の枠を緩めれば、必ずしも歓迎できる人ばかりが入っているわけでもなく、そんなに生易しい話ではありません。充分な対策や規制を設けなければ、フランスのように、いやそれ以上に大変なことになってしまいます。

 首相、底辺層の外国人たちをなめてかからないほうがよいです。


移民問題


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2023年11月1日水曜日

駅で自爆予告をした女性に警察官が発砲 しかも8発!

  


 最初に私がこのニュースを目にしたのは、X(旧Twitter)による投稿でした。詳細は書かれておらず、物々しい武装をしたかなりの人数の警察隊が駅に突入していく映像でした。その投稿には、詳しい場所は書かれていませんでしたが、映像に映っている周囲に映る店舗や街の感じから、なんとなく、見たことのあるような場所のような、「はて?どこだったかな?」と思いました。

 イスラエル問題が勃発して以来、爆破予告やデモ、テロまがいのことがやまないフランスで、「また、その類の事件なのか?」と思うと同時に、この物々しい様子にも、映像だけだと、「またか・・」という気がして、驚愕というほどには、驚かなくなっている自分にも、ちょっとゲンナリしました。

 実際は、RER C線のBiblioteque Francois Mitterrand(ビブリオテック・フランソワ・ミッテラン)駅でのできごとで、ベールを被った38歳の女性が、電車の車内で自爆予告をしたことから、周囲の乗客数人が警察に通報し、警察隊の突入に繋がったと伝えられています。

 この女性は、駅で降車後も、周囲に向けて「アッラーアクバル、すべてを爆破する!」と叫んでおり、かけつけた警察官の「地面に座り、手をあげて武器を持っていないことを示しなさい!」という呼びかけに応じず、女性が警察官のいる方向に歩き進んだことから、1人目の警察官が発砲。その後、合計8回発砲しており、女性は倒れて、病院に運ばれ、危篤状態であると言われています。


 結果的には、この女性は武器や爆発物のようなものは持っていなかったようですが、その時点では、危険物所持の確認もできず、また、彼女一人の犯行であるかどうかも確認はできず、警戒せざるを得なかった模様です。午前9時すぎに起こったこの事件のために、RER C線は、ほぼ1日中不通。近隣のT3(トラム)などにも影響が及びました。

 この爆破・自爆予告のテロ行為が問題であることはもちろんのこと、またもや警察官の発砲事件、一体、8発も発砲する必要があったのだろうか?という疑問は残ります。

 その後の検察の発表によると、この女性は、すでに2021年7月に逮捕歴があったものの、精神障害が認められたために、施設に収容されたことのあった人物であったことがわかっています。

 なんだか、深刻な犯罪が起こった時によく聞くシナリオ、(過去に逮捕歴があり、その後に精神障害が認められ、施設に収容されていたことがある・・しかし、どういうわけか、その人物は街中にいて、再びさらに深刻な犯行を犯してしまう)だなという気がしてしまいます。

 そして、そのシナリオの続きまで同じで、この事件に対する捜査は、「公権力の保持者に対する脅迫、および脅迫行為」と「警察官による発砲事件」の両面で行われます。

 現在、フランスはテロに対する特別警戒体制アラートが敷かれており、通常よりも警戒状態が強く、反応も過激にならざるを得ないのは、わからないでもありませんが、果たして、女性一人に8発を発砲する必要があったのかどうか?も疑問視されてしかるべきであると思います。

 警察側も前回、フランス中に巻き起こった大暴動の引き金となったのが、警察官の発砲事件であったことを忘れてはいないであろうに、治安が悪くなったといえば、身も蓋もありませんが、それにしても警察官の発砲が増えたことには恐ろしく感じます。

 この駅にしても、私にとっても知らない駅でもなく、しかも、平日の通勤時間帯、いつどこで、どんなことに遭遇するか? もう、こんなことは、気をつけようがありません。


38歳女性の自爆テロで警察官発砲事件


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2023年10月31日火曜日

サロンドショコラに行ってきました! サロンドショコラ2023パリ

  


 フランスに来て、四半世紀を過ぎたというのに、今まで行ったことがなかった世界のチョコレートの祭典、「サロンドショコラ」。

 「一度は行ってみようかな?」とず~っと思っていたのに、これまで一度も行ったことがなかったのは、意外と開催期間が短くて、広告が街中、あちこちに出ていたりして、「あ~今年もサロンドショコラの季節なんだな・・」などと、悠長に構えていると、気が付いたときには、終わっているという感じで毎年、行きそびれていました。

 今年は、たまたま急に思いついて、チケットをとろうかな?と思って調べたら、現地でも買えるというので、まぁ、当日、気が向いたら行くんでいいな・・と思って、ふら~っと行ってみました。


 会場はポルト・ド・ヴェルサイユEXPOというよく見本市などに使われる場所で、私にとってはあまりふだん行かないエリアではありますが、道すがら、この間、来たのは娘がコロナウィルスのワクチン接種の場所に指定されたために、その時に久しぶりに来たな~などと思っていました。

 以前は、職場の同僚などが、サロンドショコラに行ってきたから・・などと、ジャンポールエバンのチョコレートをくれたりしたので、なんとなく、有名な、いわゆるショコラティエのグランメゾンのようなイメージのショコラティエのブースが林立しているようなイメージでいたのですが、チョコレートがメインではあるものの、実際には、チョコレートではないものもけっこうあって、ドライフルーツとか、パンとか、ケーキ、カヌレ、パンデピス、ヌガーなど、あらゆるスイーツ類をひととおり網羅している感じもあり、中にはフォアグラやシャンパンまでもがある会場全体が甘い香りに包まれた空間でした。



 今年はなぜか日本の国旗がたなびくエスパスジャポンというスペースがあったりして、なぜかAKI(オペラ近辺にある人気の日本のパン屋さん)が大福などを売っていたりして、ビックリさせられました。正直、なんで?サロンドショコラに大福??と。

 とはいえ、どこかチョコレートにひっかけてあるものが多く、シャンパン(シャンパーニュ地方で作られたものではないので、シャンパンとは名乗れないと言っていましたが、)でもカカオが混ざっていて、試飲させてもらうと、ふんわりとカカオの香りのするものだったり、この試飲の前には、口をすっきりさせるためにと、イチゴを食べさせてくれたりするのに感動したりもしました。


 フォアグラのブースでは、チョコレートとイチジクのペーストのようなものとフォアグラを組み合わせるというのを食べさせてもらったり、とにかく、いくつものブースを廻るたびに、チョコレートの試食をさせてくれるので、色々と見て回ってから、最後に一番、食べてみたいものを買おうかな?などと思っているうちに、結局、試食しすぎて、口の中がもうわけわからない状態になり、チョコレートは、もういいかな?などと思ってしまいました。



 しかし、会場では、コンクール形式の実演デモンストレーションをやっていたり、チョコレートでできた衣装のファッションショーをやっていたり、パン・オ・ショコラのコンクールをやっていたりと、それぞれの場所で大盛り上がり。


 なにしろ、広い会場の1階と地上階の2フロアーに所せましとチョコレート屋さんをはじめとしたブースが並んでいるので、ひととおり歩き回って、もう足はガクガク、口の中はチョコレートだらけになりました。






 チョコレート好きで有名なフランス(私自身もフランスに来てからすごくチョコレートの消費量?が増えました)で、チョコレートで勝負するのは、かなりハードルが高く、厳しいものと思われますが、サロンドショコラはお祭りのようなもの、実際にパリにお店を出しているお店よりも、遠い国から(または、フランスでも遠い地方から)わざわざやってきているという本当に見本市のようなもの・・色々な国の人にも会えるし、なかなか楽しい祭典でした。

 さんざん、試食して歩いて、結局、戦利品はこれだけ・・クロワッサンの方は、クロワッサンショコラ・・と書いてあったので、パンオショコラとどう違うんですか?などと聞いていたら、パンオショコラとは、違うそうで、そんな話を聞いていたら、となりで買い物していたおばさんが、これ!絶対美味しいから買った方がいい!など力説するので、買っちゃいました・・。



サロンドショコラ2023パリ


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2023年10月30日月曜日

思わず伸びた手を引っ込ませるフランスの食品表示 NUTRI-SCORE ニュートリスコア

 


 フランスのスーパーマーケットで食品を選ぼうとする時、パッケージの前面に、緑、薄緑、黄色、オレンジ、赤に色分けされたA~EまでのNUTRI-SCOREなる食品表示を目にすることが多くなりました。

 この食品表示は、消費者が栄養の観点からより健康的な製品の選択を奨励するために、医療制度近代化法の一環として施行されているもので、2016年にフランス政府主導で進められ、その後、ベルギー、スペイン、ドイツ、オランダ、スイスなどの国でも導入され、国際ガン研究機関や世界保健機構(WHO)などの支援を受けながら、どんどん広まっています。

 私の場合、この表示には、ちょっと首をかしげることも少なくなく、今一つ、納得いかないこともありますが、このおかげで、手を引っ込めることになる機会が多いです。

 例えば、お菓子売り場などを歩くと、軒並み<E>の表示が並んでいて、ちょっと恐ろしくなるくらいで、この表示のために思わず伸ばした手を引っ込めることも少なくありません。

 これが表示されていることで、買うのをやめることはあっても、買うことにすることは、ほとんどありません。

 このシステムが導入されるにあたって、案の定、食品業界からは、大反対の声があがったと言われていますが、逆に消費者団体がこれを強く支持し、このシステムを推進するためのイニシアチブをとりました。

 生産者側の立場に立てば、明らかに不利だと思われる表示をメーカー側が自ら表示することは、大変、抵抗のあることは当然のことですが、同時に良心的である印象もあり、また、この表示を少しでも、良いものにしようとする開発努力が生産者側にも生まれる傾向にもあるかもしれません。

 現段階では、この表示は絶対的に義務付けられているものではなく、欧州連合の規制により、あくまでも、これを表示することが推奨されるというものに留まっていますが、ここ数年で、ずいぶんとこの表示が増えたような気がしています。

 子供に食べさせるにしても、大人が食べるにしても、<E>と表示されている商品に手をのばすのは、なかなか勇気がいるものです。

 しかし、この食品表示で、健康状態改善には一定の成果が見られていると評価されており、また、これを販売する側の大手スーパーマーケットチェーン(ルクレール、オーシャン、インターマルシェなど)は、自社ブランド製品には、全てこのニュートリスコアを表示することを宣言しています。

 肝心なのは、これがどの程度、正当性があるのかということで、この採点にあたっては、100gあたりのカロリー、糖度、飽和脂肪含有量、塩分含有量などがマイナスポイントとして換算され、逆に、果物、野菜、豆類、菜種油、オリーブオイル、食物繊維、タンパク質などの含有量はプラスに換算されるようです。

 しかし、チーズは、タンパク質、カルシウム含有量に重きを置いて考慮が加えられているようなところは、少々、都合のよい解釈のような気もします。

 私は、自分なりの食品についての知識と見解を持っているつもりでも、最近は、やたらと、この食品表示が気になって仕方なく、明らかに<E>・・そうだよな・・と思うことはともかくとして、予想外によかったり、悪かったりする場合に出くわして、モヤモヤします。

 たとえば、フランスの冷凍食品のお店 PICARD(ピカール)で見かけた鯖の切り身とゴルゴンゾーラとマッシュルームのタルトが同じ<C>! この鯖は私の大のお気に入りの商品で、私は、このためにピカールに行くといっても過言ではないほどで、しかも、これは、調理されたものではないため、素材そのもので油や塩分、糖分は加えられていません。日本人の私としては、青魚は身体に良いという認識が高いため、自分の中でのこの鯖の評価は間違いなく<A>で、思わず、「鯖を<C>扱いするとは、鯖への冒涜!」と大いに憤慨したのです。



 まあ、自分の判断で買い物をするのですから、これに振り回される必要はないと思いつつ、この時ばかりは、手を引っ込めるどころか、他のものにまで手をのばして、「鯖と同じなら、いいでしょ!」と、全然、買うつもりもなかったゴルゴンゾーラのタルトも一緒に購入してしまい、まったくこの食品表示が見当違いに作用してしまったのでした。


食品表示 ニュートリスコア NUTRI SCORE










2023年10月29日日曜日

夏時刻・冬時刻はやめてほしい

  


 フランスで生活するようになって以来、一年に2回、ウッとくるのが、夏時刻・冬時刻の切り替えの時期で、そのたびに、「・・またか・・」と、ちょっとウンザリした気持ちになります。

 たった一時間のことなのですが、身体のリズムが崩れるのは、不思議といえば、不思議なくらいなのですが、これが、けっこう面倒くさいし、しんどかったりもするのです。

 冬時刻に変わる時は、一時間遅れることになるので、サマータイムに変わる時に比べると、楽と言えば楽なのですが、それでもやっぱり、軽い言い方をすれば、調子が狂うというか、やっぱり身体がしっくりこない感じがあります。

 そのうえ、フランス時間だと1時間遅れるために、時間が変わった日などは、1時間余計に寝れたりするので、変わった時間に慣れやすいこともあるのですが、日本と仕事をしていたりする場合は、逆に日本との時差が広がるので、日本時間にあわせると、1時間早起きしなければならなかったりで、これはこれで、冬時刻はキツかったりもするのです。冬時刻の間は日本とフランスの時差は8時間になります。

 フランスでも、ここのところ毎年のように、サマータイムはもうやめるという話が出ているものの、大きな局面では、2019年に本格的に欧州議会がサマータイム廃止に向けて、動き出したかにみえたものの、結局、パンデミックの到来で、それどころではなくなってしまったまま、立ち消えになってしまったようです。

 そもそも省エネ等の目的でサマータイムが導入されたものの、その実、大した効果がないことも明らかになり、むしろ、健康面での害が叫ばれたりしたために、このサマータイム廃止論が浮上したのですが、パンデミックで計画が中断したうえに、今度は、実際にサマータイムを廃止したメキシコで、その際に生じたトラブルなどの話までもが出てきたりして、一時の盛り上がりは、萎んでしまったようです。

 メキシコでは、多くの人の携帯電話がインターネットに接続していないとのことで、自動的に時間がアップデートされずに、時間が変わったことに気付かずにいた人が続出したり、また、地震などの災害の多いメキシコでは、アースアラートアプリが非常に重要な役割を果たしているとのことで、このアプリのシステムにまでも支障をきたし、予想以上の深刻な結果をもたらしてしまったと言われています。

 とはいえ、メキシコの例は、必ずしもフランスや欧州には当てはまらないと思えるのですが、欧州は欧州で、冬時刻に合わせるか、夏時刻に合わせるかで意見が分かれているうえに、張り巡らされた欧州内の交通網のタイムテーブルが時間が国ごとによって時間がまちまちになってしまうとなると、かなり複雑で、1国の決議で決められることでもないのが、最大のハードルのようです。

 とはいえ、一度、どちらかに変えて一本化してくれれば、その後はそのまま継続すればよいだけの話で、やっぱりどこかのタイミングで多くの人が苦しんでいるこの奇妙なシステム、いいかげんにやめてくれないかな?と毎回毎回、思うのです。


夏時刻 冬時刻 サマータイム


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2023年10月28日土曜日

コロナウィルスワクチン 1日前倒しで済ませました!

  


 少し迷った挙句に、かかりつけのお医者さんに相談した結果、結局、あっさり、インフルエンザのワクチン接種もコロナウィルスのワクチン接種もすることにして、すでにインフルエンザのワクチン接種は済ませていました。

 去年は、インフルエンザのワクチン接種の後に、熱を出したので、今年はワクチン接種後は、おそるおそる、少しおとなしくしていたら、結局、何ごともなく、数日が過ぎ、いつもどおりの生活に戻りました。

 気のせいか、バスやメトロの中では、やたらと咳をしている人が多い気がして、心の中では、「やっぱり、ワクチン接種しておいてよかったかも・・」と思っていました。

 しかし、もう一つのコロナウィルスのワクチンの方は、少し時間をあけた方がよいということで、それから8日後に予約をしてあったので、こっちも済んでしまうまでは、なんとなく、まだやるべきことが残っている感じで、気になっていました。

 ところが、「そういえば、明日はコロナウィルスワクチン接種の予約の日だった・・」と思っていたら、前日にお医者さんから、「コロナウィルスのワクチン、今日の夕方でもいいですか?」と電話があって、どうやら、予定していた人がコロナウィルスにかかってしまってできなくなってしまったらしく、ワクチンを無駄にしたくないから・・とのこと。

 1つのワクチンのボトルには、6人分のワクチンが入っていて、空けたら保存できないそうで、1日くらい前倒しにするくらい、私としては、全然、問題なく、特にその時間帯に予定もはいっていなかったので、二つ返事でOKしました。

 というわけで、あっさり予定より早く、新しい変異種対応といわれるコロナウィルスのワクチン接種を済ませてきました。しかし、やっぱり、お医者さんでやってもらえるのは、安心なことで、一応、ワクチン接種をする前に聴診器をあてて、体調をチェックしてくれて、それから、「これなら大丈夫!」と判断してからやってくれたので、気休めのような感じもするものの、「あ~やっぱり、薬局でやってもらうよりも安心だな・・」と思ったのでした。

 ワクチン接種が済んだあとは、久しぶりに目にするワクチン接種証明書を印刷してくれて、このQRコードを読み込んで、保存しておいてね・・と言われて、そのまま家に帰りました。

 放っておくと、忘れそうなので、家に帰るとすぐに久しぶりに開くワクチンパスポートにQRコードを読み込むと、なんと、エラー!正しい証明書かどうか、確認してくださいとメッセージが出てしまうので、あわてて、お医者さんのところに戻って、聞いてみると、おそらく、もうアプリ自体をメンテナンスしていないために、アプリには、読み込めないのかも・・と。

 現在の段階で、ワクチンパスポートが求められる機会もないので、とりあえず、スキャンしてファイルするか、写真をとって保存するかしておけば、問題ないでしょう・・とあっさり。

 考えてみれば、インフルエンザをはじめとして、いちいちワクチン接種証明書などというものは、ふつうはないのですから、ワクチンが効いてくれさえすればよいことなのです。

 私の新しいワクチン証明書には、5/5、つまり5回目のワクチン接種済と書かれていて、そういえば、なんだかんだでもう5回目のワクチン接種(コロナウィルス)であったことに今さら気付いて、自分でもビックリしました。

 「ワクチンを打ったところが痛くなるかもしれないから、そうしたら、すぐにドリプラン(解熱・鎮痛剤)を飲みなさいね!」と言われて、「出た出た・・またドリプラン!・・だかから品不足にもなるんだな・・」と思いながら、それでも、やるべきことを済ませた気分でなんだかスッキリしました。

 ワクチンのおかげかどうかはわかりませんが、私はこれまでコロナウィルスには一回もかかっていません。ワクチンをしているからといって、必ずしもかからないとも言えないようですが、やっぱり、少しは安心です。


コロナウィルス変異種対応ワクチン接種


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2023年10月27日金曜日

暴動被害修復にフランス政府1億ユーロ放出 未成年破壊者の親に損害賠償負担義務

  


 警察官の発砲・未成年射殺事件を発端にした恐ろしい規模の暴動で、フランスは大変な損害を被りました。

 一時は、これは一体、いつまで続くのだろうか?と思うほど、暴動の規模はSNSによって、あっという間に全国規模に拡大し、また、特に若年層を中心として、日常の怒りも加えてぶちまける場となり、また、破壊行為、盗難の産物などをライブでSNSにアップして、競い合うようなゲームのような状態にまでエスカレートし、ますます暴動の規模は拡大し、酷いものだとコマーシャルセンターをまるまる焼き払ったり、市役所や市長、その家族が標的にされた地域もありました。

 私もパリ郊外にあるコマーシャルセンターで買い物中に暴徒たちが押し入ってきたとかで、店内に缶詰めになって、恐怖の時間を過ごした後は、近隣のメトロの駅が閉鎖され、次の駅まで延々、歩くハメになったこともありました。

 そんな暴動に対して、政府はSNSを含めた警戒を強化し、しばらくして暴動は治まりましたが、その暴動のために破壊されたものの被害は、相当な金額に達しており、それぞれの店舗など、保険がどの程度カバーするものなのか?また、保険でカバーしきれない部分は一体誰が支払うのだろうか?と思っていました。

 暴動が起こったのは、6月末から7月にかけてのことで、あれから約4ヶ月後の今になって、暴動のために破壊されたものへの修復と再建への支援の一部として、政府は1億ユーロを放出することを発表しました。

 到底、1億ユーロでカバーできるものとは思えませんが(保険会社の見積もりによれば、被害総額2億ユーロ程度)、政府は、この1億ユーロの放出とともに、自治体警察の権限の強化や暴動を起こした未成年の親にも損害賠償の責任を負わせることを併せて発表。

 今回の暴動は、未成年が多かったことから、当然、支払い能力はなく、また、子供の起こした事件に関して、親が責任をとるという当然のことでもあります。

 ボルヌ首相は、この問題に対して、毅然として、「同居・別居にかかわらず、暴動に参加して、破壊行動を非行少年の両親は、この損害に対して経済的責任を負わなければならない」と語っています。

 そもそも、多くの破壊行為は、真夜中に起こっていたものが大部分を占め、その時間帯に未成年のこどもがでかけていくのを放置していること自体、私には、ちょっと理解できないことで、完全に親の監督責任放棄行動です。

 本来は親が責任をもって、子供を見守らなければいけない親の怠慢。保護者に経済的責任を科すことで、親の子供への教育・監督責任の姿勢を問いただすことにもなり得ます。

 今回の暴動の破壊行動は、かなり目に余るものでもありましたが、未成年なら許されてしまうという考えが無きにしも非ずというところがあるような気がします。

 この暴動とは少々、種類が異なりますが、パリの街中に徘徊しているジプシーなどのスリ集団などは、親から命じられて、大した罪にも問われずに、調書をとられるだけですぐに自由になれる子供たちに、犯行を行わせ、やめればいいのに、また、同じ場所で同じことを繰り返し、行っていたりします。

 「未成年だから、許される」というのは、やはりあり得ないことで、少なくとも子供が未成年であるということは、その責任は親が負わなければならないという当然のことをちゃんと遂行してほしいものです。


暴動の損害賠償


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