2023年10月28日土曜日

コロナウィルスワクチン 1日前倒しで済ませました!

  


 少し迷った挙句に、かかりつけのお医者さんに相談した結果、結局、あっさり、インフルエンザのワクチン接種もコロナウィルスのワクチン接種もすることにして、すでにインフルエンザのワクチン接種は済ませていました。

 去年は、インフルエンザのワクチン接種の後に、熱を出したので、今年はワクチン接種後は、おそるおそる、少しおとなしくしていたら、結局、何ごともなく、数日が過ぎ、いつもどおりの生活に戻りました。

 気のせいか、バスやメトロの中では、やたらと咳をしている人が多い気がして、心の中では、「やっぱり、ワクチン接種しておいてよかったかも・・」と思っていました。

 しかし、もう一つのコロナウィルスのワクチンの方は、少し時間をあけた方がよいということで、それから8日後に予約をしてあったので、こっちも済んでしまうまでは、なんとなく、まだやるべきことが残っている感じで、気になっていました。

 ところが、「そういえば、明日はコロナウィルスワクチン接種の予約の日だった・・」と思っていたら、前日にお医者さんから、「コロナウィルスのワクチン、今日の夕方でもいいですか?」と電話があって、どうやら、予定していた人がコロナウィルスにかかってしまってできなくなってしまったらしく、ワクチンを無駄にしたくないから・・とのこと。

 1つのワクチンのボトルには、6人分のワクチンが入っていて、空けたら保存できないそうで、1日くらい前倒しにするくらい、私としては、全然、問題なく、特にその時間帯に予定もはいっていなかったので、二つ返事でOKしました。

 というわけで、あっさり予定より早く、新しい変異種対応といわれるコロナウィルスのワクチン接種を済ませてきました。しかし、やっぱり、お医者さんでやってもらえるのは、安心なことで、一応、ワクチン接種をする前に聴診器をあてて、体調をチェックしてくれて、それから、「これなら大丈夫!」と判断してからやってくれたので、気休めのような感じもするものの、「あ~やっぱり、薬局でやってもらうよりも安心だな・・」と思ったのでした。

 ワクチン接種が済んだあとは、久しぶりに目にするワクチン接種証明書を印刷してくれて、このQRコードを読み込んで、保存しておいてね・・と言われて、そのまま家に帰りました。

 放っておくと、忘れそうなので、家に帰るとすぐに久しぶりに開くワクチンパスポートにQRコードを読み込むと、なんと、エラー!正しい証明書かどうか、確認してくださいとメッセージが出てしまうので、あわてて、お医者さんのところに戻って、聞いてみると、おそらく、もうアプリ自体をメンテナンスしていないために、アプリには、読み込めないのかも・・と。

 現在の段階で、ワクチンパスポートが求められる機会もないので、とりあえず、スキャンしてファイルするか、写真をとって保存するかしておけば、問題ないでしょう・・とあっさり。

 考えてみれば、インフルエンザをはじめとして、いちいちワクチン接種証明書などというものは、ふつうはないのですから、ワクチンが効いてくれさえすればよいことなのです。

 私の新しいワクチン証明書には、5/5、つまり5回目のワクチン接種済と書かれていて、そういえば、なんだかんだでもう5回目のワクチン接種(コロナウィルス)であったことに今さら気付いて、自分でもビックリしました。

 「ワクチンを打ったところが痛くなるかもしれないから、そうしたら、すぐにドリプラン(解熱・鎮痛剤)を飲みなさいね!」と言われて、「出た出た・・またドリプラン!・・だかから品不足にもなるんだな・・」と思いながら、それでも、やるべきことを済ませた気分でなんだかスッキリしました。

 ワクチンのおかげかどうかはわかりませんが、私はこれまでコロナウィルスには一回もかかっていません。ワクチンをしているからといって、必ずしもかからないとも言えないようですが、やっぱり、少しは安心です。


コロナウィルス変異種対応ワクチン接種


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2023年10月27日金曜日

暴動被害修復にフランス政府1億ユーロ放出 未成年破壊者の親に損害賠償負担義務

  


 警察官の発砲・未成年射殺事件を発端にした恐ろしい規模の暴動で、フランスは大変な損害を被りました。

 一時は、これは一体、いつまで続くのだろうか?と思うほど、暴動の規模はSNSによって、あっという間に全国規模に拡大し、また、特に若年層を中心として、日常の怒りも加えてぶちまける場となり、また、破壊行為、盗難の産物などをライブでSNSにアップして、競い合うようなゲームのような状態にまでエスカレートし、ますます暴動の規模は拡大し、酷いものだとコマーシャルセンターをまるまる焼き払ったり、市役所や市長、その家族が標的にされた地域もありました。

 私もパリ郊外にあるコマーシャルセンターで買い物中に暴徒たちが押し入ってきたとかで、店内に缶詰めになって、恐怖の時間を過ごした後は、近隣のメトロの駅が閉鎖され、次の駅まで延々、歩くハメになったこともありました。

 そんな暴動に対して、政府はSNSを含めた警戒を強化し、しばらくして暴動は治まりましたが、その暴動のために破壊されたものの被害は、相当な金額に達しており、それぞれの店舗など、保険がどの程度カバーするものなのか?また、保険でカバーしきれない部分は一体誰が支払うのだろうか?と思っていました。

 暴動が起こったのは、6月末から7月にかけてのことで、あれから約4ヶ月後の今になって、暴動のために破壊されたものへの修復と再建への支援の一部として、政府は1億ユーロを放出することを発表しました。

 到底、1億ユーロでカバーできるものとは思えませんが(保険会社の見積もりによれば、被害総額2億ユーロ程度)、政府は、この1億ユーロの放出とともに、自治体警察の権限の強化や暴動を起こした未成年の親にも損害賠償の責任を負わせることを併せて発表。

 今回の暴動は、未成年が多かったことから、当然、支払い能力はなく、また、子供の起こした事件に関して、親が責任をとるという当然のことでもあります。

 ボルヌ首相は、この問題に対して、毅然として、「同居・別居にかかわらず、暴動に参加して、破壊行動を非行少年の両親は、この損害に対して経済的責任を負わなければならない」と語っています。

 そもそも、多くの破壊行為は、真夜中に起こっていたものが大部分を占め、その時間帯に未成年のこどもがでかけていくのを放置していること自体、私には、ちょっと理解できないことで、完全に親の監督責任放棄行動です。

 本来は親が責任をもって、子供を見守らなければいけない親の怠慢。保護者に経済的責任を科すことで、親の子供への教育・監督責任の姿勢を問いただすことにもなり得ます。

 今回の暴動の破壊行動は、かなり目に余るものでもありましたが、未成年なら許されてしまうという考えが無きにしも非ずというところがあるような気がします。

 この暴動とは少々、種類が異なりますが、パリの街中に徘徊しているジプシーなどのスリ集団などは、親から命じられて、大した罪にも問われずに、調書をとられるだけですぐに自由になれる子供たちに、犯行を行わせ、やめればいいのに、また、同じ場所で同じことを繰り返し、行っていたりします。

 「未成年だから、許される」というのは、やはりあり得ないことで、少なくとも子供が未成年であるということは、その責任は親が負わなければならないという当然のことをちゃんと遂行してほしいものです。


暴動の損害賠償


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2023年10月26日木曜日

ゆっくりと長い日本の衰退が顕著になった 日本 GDP世界3位からの転落 

  


 IMF(国際通貨基金)によると、2023年、ドイツ経済が、1968年以来、初めて日本を上回り、アメリカ、中国に次ぐ、世界第3位になると言われています。

 「日本は地球上で最も強力な経済大国の世界的な序列から落ちつつある・・」と評されているのです。

 日本は、2010年にアメリカに次ぐ2位の座を中国に奪われて以来、今年、とうとう世界の表彰台に上がることができなくなりました。

  国際通貨基金(IMF)の予測によると、今年のドイツの国内総生産(GDP)は4兆4300億ドルに増加すると予想されているのに対し、日本は4兆2300億ドルとされています。

 フランスとしては、同じヨーロッパの国であるドイツの成長を讃える感じで書いており、ドイツは日本に比べて人口が32%も少ないにもかかわらず、注目に値するパフォーマンスであると・・。

 ドイツの一人当たりのGDPは、現在、日本よりも大幅に高く、2023年には、日本の3万3,950ドルに対して、5万2,824ドルに上昇すると予想されています。

 もし、これらの予測が正しいと証明されれば、世界経済秩序における変化は歴史的なものになると言われており、そして、それは、かなりの確率で現実のものとして、明白になるものと思われます。

 日本は1968年にドイツを追い抜き、世界第2位の経済大国になり、1990年には、GDPでドイツ、フランス、イギリスを合わせたものよりも多くなりました。当時は、2,000年までには、日本がアメリカを追い越して世界最大の経済大国になると予測した経済学者さえあらわれたほどでしたが、実際は、そうはならずに、逆にゆっくりと長い衰退の道を辿ることになってしまったのです。

 国際通貨基金(IMF)はGDPをドルで換算するため、現在の円安が響いており、アメリカやユーロ圏などの通貨上昇国にとって有利になるとはいえ、それに対応する策を日本がとってこなかったということでもあります。

 実際に、アメリカやヨーロッパの中央銀行は、インフレに対抗するために、過去18か月間で主要金利を大幅に引き上げてきたのです。それに対して、日本経済は数十年にわたるデフレを特徴とし、欧米諸国よりも低い金利で国内回復政策を続けてきた結果、日本の通貨は下落し続けているのです。これも、あくまでも内向きな国と言われる所以でもあります。

 これは、金利や円安だけによるものではなく、経済成長が鈍化している表れでもあり、日本経済のゆっくりとした長期にわたる衰退を反映していると見られています。

 IMFの見通しについて質問された日本の西村経済産業大臣は「日本の潜在成長力は遅れをとっており、停滞したままである」と認めたうえで、「我々は、過去30年で失われた地盤を取り戻したいと考えている」と答えているそうですが、「どうやって?」と尋ねたくなります。

 「内需の低迷、富裕国の中でも最大規模の高齢化、そしてすでに始まっている憂慮すべき人口減少に悩まされている日本は、依然として繁栄を続けているものの、20年以上にわたってその活力を失っている。 政府は何年も内需を回復させようと努力してきたが、無駄だった。 岸田文雄首相の将来計画では、エネルギー転換への補助金、賃金上昇の促進、減税の付与によって成長を回復することが計画されている」などと書かれていますが、その見解には、希望も期待も見えません。

 そのうえ、IMFの予測によれば、今後、両国間(ドイツと日本)の格差は拡大する可能性があり、 2025 年には、ドイツの GDP は日本より 10% も高くなる(日本の 4 兆 5,250 億ドルに対し、4 兆 9,600 億ドル)と言われています。

 IMFのGDPランキングという世界的にも注目されるわかりやすい数字に表れ始めたことで、日本の衰退ぶりがさらに顕著に世界に認識されていく様子は、悲しいことです。


GDP 日本の衰退


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2023年10月25日水曜日

罰金135ユーロを督促する詐欺メッセージ

  


 メールや LINE、messenger、what's up などの通信手段によるメッセージは、わりと頻繁に利用していますが、SMSでメッセージを受け取ることは、あまりありません。私の場合は、最近、やたらとうるさくなった銀行口座のお金を振り込みなどで、口座のお金を移動させた場合や、医者の予約の確認などのメッセージを受け取るくらいなので、あまり携帯にあるSMSに受信の通知がつくことはありません。

 一度、例外的にパンデミックの始まりの時に、政府からロックダウンの通知がSMSに入り、何で?私の電話にまで、通知が来るの?と驚いたことがありましたが、あれは、非常時のことで、「一切の必要最低限の外出は控えるように」という内容で、まあ、仕方ないというか、徹底しているというか、恐ろしいような、一方では、フランスのIT通信システムは、ここまで進んでいるのか?と感心するのと、半々のような複雑な気持ちでした。

 まあ、フランスに住んでいて、たしかに税金の書類や滞在許可証申請の際など、政府が私の電話番号を把握する機会はいくらでもあるわけで、非常時にこれらが使用される可能性は不思議ではないのです。

 今日、珍しくSMSの受信の通知が入ったので、何かと思えば、それは、「AMENDE GOUV: Dernier rappel avant majoration de 135 euros」(罰金の追徴金前の最後のお知らせ)というもので、ギョッとしてしまいました。まことしやかに書類ナンバーまで記載されていて、後ろめたいことのある人なら、思わずファイルを開いてしまいそうな感じでもあります。

 私には、何も後ろめたいことはなく、「ハテ?私?なにかした?」と一瞬は、焦りつつも、「いやいや、私、何も身に覚えがない・・」「これはウソだろう・・」と思い、いじらずに、家に戻ってから、その文面どおりをググって検索して、調べてみると、やはりこれは詐欺メッセージであったことが、発覚しました。

 SMSにより、罰金の請求が送られるのは、非常に限られた場合で、罰則行為に際しての法務執行官に電話番号を伝えた場合のみで、基本的には、ANTAI(国家犯罪自動処理庁)は、SMSでのメッセージ送信は送らないとのことなので、それ以外の場合は、詐欺メッセージであるとのことで、絶対にそのファイルを開けてはいけません。

 これらの詐欺メッセージは、お金だけでなく、個人データ(納税者番号や銀行口座、身分証明書など)を収集するための詐欺であり、決して触れてはいけません。

 通信手段がどんどん近代化して、携帯電話ひとつでなんでもできるようになりましたが、同時にこれに乗じた詐欺師もこれらに挑み、手を広げているのです。

 まず、疑問に感じるメールやメッセージを受け取った場合は決していじらずに、その内容を検索すると、たいてい、似たようなメッセージを受け取った被害をあげて、警告しているものが見つかります。

 最近、銀行をはじめとして、あらゆる個人的なサイトのセキュリティがやたらと厳しくなり、以前は、個人的に設定したパスワードなどで開けられるようになっていたものが、何重にもチェックが入り、自分のメールなどにセキュリティナンバーが送られてきて、それを入力しなければならなくなって、本当に面倒になったと嘆いていた矢先のことでした。

 IT関係には、もっぱら弱い私ですが、怪しげなメッセージやメールには、決してさわらない・・のは、鉄則です。

 しかし、身に覚えがないとはいえ、いきなり罰金の通知、しかも追徴金などという、さらに人を焦らせるような内容のメッセージは、決して気持ちのいいものではありません。というよりもいや~な気持ちになりました。

 罰金切符を切られても、すっとぼけて、支払わない人が多いというニュースを耳にしたこともあるので、こんな督促状詐欺も出現しているのかもしれませんが、まったく、物騒な話です。


詐欺メール 詐欺メッセージ


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2023年10月24日火曜日

いじめの被害者両親が学区教育アカデミーから受け取っていた脅迫状

  


 いじめの被害者の両親に対して、学区内教育アカデミーが送っていた手紙が脅迫状のようだったことが、公になり、アカデミーの責任者が辞職に追い込まれています。

 このいじめの被害者になった子供は、9月に新年度が始まった早々に自分の部屋で自らの命を絶ってしまいました。その直後の報道では、昨年末から、このいじめの問題について、両親が学校に相談を始め、数度にわたる、手紙のやりとりや面談や会合が行われていたことは、明らかにされていましたが、結局、納得のいく対応をしてもらえず、転校することが決まっていた矢先の出来事であったと言われていました。

 その後、この両親がマスコミに公表した同学区教育アカデミーとのやり取りの手紙は120通以上にもおよび、そのうえ、その内容が息子がいじめにあっていることを訴え続けている両親に対して、脅迫状めいた・・というか、脅迫そのもののような手紙を数度にわたり送っていました。数度にわたりとは、過小な言い方で後の調査によると、その半数近くが、この被害者の親に対しての手紙としては、看過できない不適切なものであったことが判明しています。

 息子のいじめ問題を心配した両親は、まず、現場となっている学校に相談し、書簡も送っていますが、数度にわたるアクションにも学校側の対応が見られず、警察に告訴状を提出するとともに、学校に対しても、「数度にわたる訴えに対しても、何も対応してくれないため、告訴状を提出した。息子に万が一のことが起こった場合はあなた方の責任だ」というような内容の手紙を送っています。

 この手紙に対して、学区アカデミーは、この両親からの手紙を「国家教育部門に対する嫌がらせ」であり、中傷的な告発を処罰する条項に言及し、懲役5年と罰金4万5,000ユーロの罰金が課せられると説明。 さらに保護者に対し、「今後は教育界のメンバーに対して建設的で敬意を持った態度をとること」を勧告し、「必要であれば、国家安全保障だけでなく公教育サービスが適切に機能するために必要なあらゆる措置をとらざるを得なくなるだろう」と逆に脅迫する内容の手紙を送っていました。

 これらのやり取りが続く中、家庭内において、いじめの被害にあっていた少年は、いじめの被害に遭い続けながら、それと闘おうとしてくれている両親の憤りを目の当たりにし、絶望していったのではないかと思われます。

 「万が一のことが起こったら、あなた方の責任だ!」というのは、かなり強い文面ではありますが、しかし、思いつめている息子を見守りながら、訴えているのに、学校側が何のアクションもとってもらえない両親からしたら、当然でもあります。

 結果的には、何より、万が一のことが起こってしまったのですから・・。

 充分な対応もせず、いじめ問題の存在もはっきりと解明せずに、逆に訴えを起こしている両親に対して、「国家教育部門に対する嫌がらせ」であり、さらに、刑法まで持ち出して、黙れと言わんばかりの脅迫状めいた手紙を送るなど、もってのほかのおそろしい話です。

 この事実が明らかになり、政府が動きだし、この教育アカデミーの送った手紙を「恥の手紙である」と凶弾し、詳細の調査が開始され、アカデミーの責任者は辞任しました。

 いじめ問題などをただす役割であるはずのアカデミーがこの問題を抹殺しようとし、黙れとばかりに脅迫状じみた書簡を送っていたということは衝撃的な事実です。

 いじめ問題は、まず、事実を学校側が認めなければ、解決には向かえないはずなのに、この問題に関しては、まず、事実を認めるという第一歩が大きなハードルとなっている気がします。

 失われた命は戻ってきませんが、このアカデミーの現状がマスコミの手によって、明かになり、凶弾されたことで、こんな対応は社会的に許されないということが、多くの教育関係者に周知され、このようなことが、二度と起こらないようなきっかけになってくれればと思います。

 やっぱり、マスコミは、弱者の叫びを代弁し、社会に訴えかける正義の味方であってほしいです。


いじめ問題


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2023年10月23日月曜日

ヴェルサイユ宮殿 8日間で7回の避難勧告

  


 イスラエル問題が勃発して以来、あちこちで爆破予告が続き、翻弄されている感がありますが、中でもヴェルサイユ宮殿では、昨日も爆弾警報発令で、観光客が避難、退去を求められ、なんと、避難勧告は、この8日間の間で7回目であったことがわかっています。

 8日間で7回目ということは、ほぼ毎日ということで、ハタから見る限り、オープンするのもどうなのか?と思ってしまいます。しかし、これで閉館にしてしまえば、テロに屈することになってしまいます。


 このうち、水曜日の爆破予告については、電話による爆破予告とのことで、すでに、37歳の精神疾患を患っている男が犯人として特定され、逮捕されているようです。これまでに犯罪歴はなかったというこの男、37歳で無職、両親と同居というフランスにしたら、珍しい感じではありますが、統合失調症とのことですが、刑事罰の対象とされるそうです。

 法務相の発表によれば、この間の爆破予告のための捜査は22件にも及んでいるそうで、ほぼ毎日の爆破予告のための避難勧告だけでも驚きなのに、それが、22件ともなれば、一日に複数の爆破予告があるということで、ヴェルサイユ宮殿だけでの話ではないでしょうが、パリ中が翻弄されている感じもあります。

 これらの爆破予告は、電話によるものや、SNSによるものなど、脅迫手段としては、比較的、簡単に行えてしまうものではありますが、法務省は、これに対して、これらの犯罪は、「最高2年の懲役と3万ユーロ(約500万円)の罰金が課せられる可能性がある」と警告しています。

 年間来場者数800万人といわれるヴェルサイユ宮殿、パリを訪れた人は、ヴェルサイユへも行きたいと旅程に組み込む方も多いと思われますが、せっかくの時間を割いても、現状では、結局、追い出される可能性も高いため、残念ながら、ヴェルサイユ宮殿観光は、避けた方が賢明かもしれません。


ヴェルサイユ宮殿 避難勧告


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2023年10月22日日曜日

クレジットカードが使えない! 複数の店舗でカード払いが不可能に・・

  


 もう、ここ数年、私は、ほとんど現金を持ち歩かないようになっています。たいていのお店では、クレジットカードで支払いが済むため、いちいち、現金をおろして、現金で支払う必要はないのです。

 フランスでは、このカードでの支払いは、コロナ禍でより一層進んだ気がしています。たまに、カードでの支払いは、20ユーロ以上のみ・・などというお店があったりもしますが、それさえも、今はもう、ほとんど見かけません。

 最近では麻薬や薬物に関する違反もその場でカード払いになっています。

 あまりに小さい買い物の際には、現金を使うこともありますが、そのためにお財布に入っている現金は、せいぜい20ユーロ程度です。治安もあまりよくなくて、高額の現金を持ち歩くのは、決して賢明とも思われず、仮に、スリなどに遭って、お財布を盗られたりしても、カードはすぐにストップすればよいし、被害を最小限に食い止めることができます。

 最近は、バゲット1本でさえも、カードでOKの場合は、カードで済ませてしまいます。

 そんなフランスで、土曜日の午後に、複数の商業施設でこぞってクレジットカード払いがストップしてしまったそうで、カーフールなどのスーパーマーケットをはじめとして、IKEA、マクドナルド、DARTY(電化製品のチェーン店)、オーシャン(スーパーマーケット)、Leroy Merlin ルロワメルラン(DIYショップチェーン店)、そしてSNCF(フランス国鉄)までもが同じ問題が発生して、大混乱に陥りました。

 今は、何か事件が起こるとX(Twitter)などで、その状況が拡散されますが、今回も、カーフールに買い物に来たけれど、カード払いができずに、店内が大混乱に陥っているという投稿に続いて、同様の投稿が浮上しはじめ、この問題が明らかになりました。

 フランスでは、多くのお店が日曜日には、閉店するために、買い物は土曜日に集中します。そんな土曜日にこのカード問題が起こったのでは、店舗側としても大損害に違いありません。

 最近のオートレジには、カードオンリーなどというものもあるので、当然、現金での支払いのための大行列ができたり、その場で買い物を諦めて、商品の入ったカートをそのまま放置していく人々も・・。

 さんざん、時間をかけて、商品をカートに集めて、いざ支払いとなったら、カードが使えないなんて、多くの人はカード払いを前提に買い物に来ているために、現金の持ち合わせがない場合は少なくありません。

 今回の事故?に関して、銀行カード経済利益団体 (GIE CB) は、即時にこの問題について、「これはサイバー攻撃でもCB決済ネットワークの問題でもない」ことを強調し、「同じ技術サービスプロバイダーに依存している特定のブランドに限定された事件です」と説明しています。

「すでに問題を特定されており、解決されつつありますが、CBは銀行、加盟店、その他の決済ブランドと同様に影響を受けるため、これ以上の詳細については、言及できません」と付け加えています。

 こんな話を聞くのは初めてのことですが、こんなことも起こり得るんだということを知っていれば、心の準備はできるというものです。また、いざとなったら、さらに逆もどりして、小切手一枚を持っておくというのもアリかな?などとも頭をかすめます。

 しかし、スーパーマーケットなどの前払いのお店ならばともかく、レストランなどだったら、どうしたんだろうか? お店側の場合、前もって知らせてくれなければ、困っちゃうかも・・? しかし、知らせてくれたところで、わざわざ現金をおろして、買い物に行くとか、食事に行くとかいうことが、すごく億劫な気がしてしまいます。

 全く、ラクなことには、すぐに慣れるくせに、それがもとに戻ってしまうことには、非常に抵抗を感じるのですから、しょうがないもんです。



クレジットカードシステム機能不全


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